ウェーバー クラリネット協奏曲



きのう取り上げたアンセルメのウェーバー序曲集で思い出し、ウェーバーついでといってはナニではあるが、こんな盤を取り出した。


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ウェーバーの作品の中では比較的メジャーなクラリネット協奏曲。手元の盤はイギリスのクラリネット奏者;アントニー・ペイがソロを吹き、伴奏をピリオドオケのOAE=Orchestra of the Age of Enlightenmentが付けている。1986~87年の録音。当時ちょうどバブル期突入前夜の日本。ピリオドオケも少しずつ認知され始めた頃にリリースされた。この英ヴァージン・クラシクスの盤は、故・黒田恭一氏が何かの雑誌で推薦していたのを読んで買った記憶がある。それももう30年近く前にことになるが…

収録曲は3つ。番号付きの協奏曲第1番へ短調と第2番変ホ長調、それと作品26変ホ長調のコンチェルティーノが入っている。いずれも古典期の様式をもちながら、所々に初期ロマン派の薫りを感じさせる。第1番やコンチェルティーノの冒頭などは短調の調性感を生かして意味深長に始まるが、ベートーヴェンのようにそれがどんどん深刻度を増していくようなところはなく、いずれも明るく転じていく。どの曲も典型的な3楽章形式。いずれも第3楽章はクラリネットのテクニカルなパッセージが披露され、中々楽しい。モーツァルトのクラリネット協奏曲に比べるとやや能天気と格下に位置づけられるかもしれないが、古典的な様式感と各所に組み込まれた楽句や和声は十分に美しく魅力的だし、クラリネットのときにコミカルな音色にはむしろウェーバーの方が合っているようにも感じるが、どうだろう。


第1番のスコア付き音源。


ロペス・コボス指揮ガルシア交響楽団と、同団の首席クラリネット奏者ファン・フェレールによる第1番。


この盤の音源があったの貼っておく。 コンチェルティーノ 変ホ長調 作品23



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アンセルメ&OSRのウェーバー



関東地方はきょうも不安定な天気。夜になってからかなり強い雨。昼間は気温も上昇して蒸し暑い一日だった。お盆も終わって八月も下旬。あっという間に年末だなあ…アッ、気が早すぎるか(^^; さて、週明け月曜日。可もなく不可もない一日が終了。エアコンONで部屋も涼しくなったところで音盤タイム。懲りずにアンセルメ盤の検分を継続。


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やはり気になるアンセルメのドイツ物。取り出したのは、カール・マリア・フォン・ウェーバーの作品を収めた一枚。アンセルメのボックスセット<その他欧州編>の中のDisk31。収録曲は以下の通り。

ウェーバー:『魔弾の射手』序曲
ウェーバー:『プレチオーザ』序曲
ウェーバー:『幽霊の支配者』序曲
ウェーバー:『オベロン』序曲
ウェーバー:『オイリアンテ』序曲
ウェーバー:『アブ・ハッサン』序曲
ウェーバー:祝典序曲
ウェーバー:ファゴット協奏曲ヘ長調 Op.75

ウェーバーはベートーヴェンとほぼ同時代を生きた作曲家。のちのワグナーにつながるドイツオペラの秀作を多く残したことで知られる。しかし、現代ではそのオペラの上演機会は少なく、もっぱらこの盤に収められたような序曲やクラリネット協奏曲などが取り上げられる。知名度の比して演奏機会の少ない作曲家の一人ではないかと思う。実際、ぼくの手元にあるウェーバーの盤も序曲集とクラリネット協奏曲だけだ。しかし、その序曲群が実にいい!取り分け「オベロン序曲」は独墺系管弦楽作品の中でも最も好んで聴く曲の一つだ。ウェーバーならではのホルンを伴った序奏の開始。弦楽群が歌う美しいモチーフ。序奏が消え入るように終わろうとするときの突然のトゥッティ。そして急速な主部へ。いかにも劇的で心沸き立つ展開だ。主部は古典様式そのもののソナタ形式。明確な二つの主題と短いながらも息をもつかせぬ展開部はいつ聴いても感動する。

アンセルメとスイスロマンド管によるこの録音はいずれの曲も古典的造形と速めのテンポ設定。いつもながらの明瞭なパートバランスもあって、スッキリとした印象だ。もっとゴツゴツした肌合いを好む向きには少々軽量級かもしれないが、こうして自宅のオーディオセットで聴いている限り、ぼく自身はまったく不足感はなく、充実した響き。アンセルメのドイツ物を色眼鏡でみるのはもう止めるべきだと感じる。

この盤には当時のOSR首席バスーン奏者アンリ・エレールによるウェーバーのバスーン協奏曲も入っている。こちらも古典的な作風に加えて、初期ロマン派らしい息吹も感じる佳曲。今日バスーン(ファゴット)協奏曲というとモーツァルトかこのウェーバーの二択になるのだろうが、モーツァルトに劣らずバスーンの魅力を伝えてくれる。


アンセルメ&OSRによる<オベロン序曲>。残念ながらこの音源の音質はオリジナルCDに遠く及ばない。


この盤のバスーン協奏曲の第1楽章。


OSRを並んでスイスを代表するオーケストラ:チューリッヒ・トーンハレでバスーン首席奏者を務めるマティアス・ラッツによるバスーン協奏曲の演奏。バックはシモン・ボリヴァル管。



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プチ本番予定



mixiのコミュニティーに<クラシックギター・プチ発表会>というものがある。人前で弾く機会をもって、日頃の成果を発表するもの。練習の励み、場慣れ、といった副次的目的もある。主催者が適当な会場を押さえ事前告知、参加希望者はエントリーして当日現地集合。15~20分の枠で好きなように弾く。参加者は演奏者であると同時に聴衆。互いに弾き、聴くという、ごく内輪の地味といえば地味な企画だ。それでもギター人口の多い関東一円では京浜地区を中心に毎週何箇所かで開催されている。ぼくは2011年にひょんなことからmixiに入ったのをきっかけに何度か参加したのだが、ここ数年すっかりご無沙汰。たまたま今月末に当地で開催の報があったので久々にエントリーすることにした。


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…とはいっても、日頃の練習もしていないし、常備している手持ちの曲もない。20分の時間枠を埋めるべく、何とか楽譜を追いながら止まらずに弾ける曲でいこうかと思案中だ。楽譜の棚をざっと見回し、過去に弾いた曲もあたり、バッハのチェロ組曲第1番の抜粋をメインにすることにした。プレリュードとサラバンド、それとメヌエット1・2。これで9分程度。あとは昨年いくつか演奏動画をアップした佐藤弘和氏の小品か、あるいはソルの小品をいくつか弾こうかと考えている。

チェロ組曲をギターで弾くにあたっては、まず楽譜の選択が必要だ。全曲版として手元にあるのは、40年以上前に世界に先駆けて出た小船幸次郎版、同じく日本人の佐々木忠による十数年前に出た版、Melbay社のイェーツ版、それと原曲チェロ版(ベーレンライター版)がある。原曲のチェロ版からの編曲に当たってはギターでの調の選択と、ポリフォニックな処理としての音の付加が鍵になる。先日来それらの版を見比べながら第1番を弾いているのだが、どの版にしようか決めかねている。佐々木忠版は原曲ト長調に近い一音違いのイ長調を選び、更に低音の音域確保のためイ長調ながら6弦をDに下げている。その結果、全体に落ち着いた響きでチェロによる原曲の音響イメージ近い。イエーツ版はハ長調。原曲への付加音が比較的少なくすっきりした印象で悪くないが、ハ長調という調性はギターでは案外弾きにくいところがある。今のところ全曲版先駆への敬意を込め、小船幸次郎版で弾こうかと思っている。本当は第1番全曲を弾きたいのだが、小船版のアルマンド、ジーグは付加音された音がかなり多く、しかもそれらの不自然さがどうしても気になってしまいパス。上記の3曲に留める予定だ。


数年前にmixiの集まりで弾いたときの音源。このときも第1番から抜粋でプレリュード・サラバンド・メヌエット1/2を弾いた。途中何度も止まって弾きなおすという<あってはならない>失態を繰り返してしまった。こっぱずかしいけど貼っておこう(^^; 楽器は英チャペル社オリジナルの19世紀ギター(1860年頃)。アクィーラ社の19世紀ギター用ナイルガット弦(アンブラ800)を使用。室内騒音多し。クッション付きの椅子の座り心地が演奏には最悪で、往生した記憶がある。



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When Farmar Met Gryce



週末金曜日。久しぶりにジャズでリラックス。こんな盤を取り出した。


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トランペットのアート・ファーマーがアルトサックスのジジ・グライスと組んだ盤。1955年録音。スィングジャーナル誌のゴールデンディスク賞も獲得している名盤の一つ。記憶が正しければ、二十年近く前に御茶ノ水ディスクユニオンで買い求めた。その頃は月に一度はデイパックを背負って都内の中古レコード店へ買い出しに出向いていた。クラシック、ジャズを問わずリュックに入れて持ち帰れる限界の10枚程度の釣果を背負って帰途についたものだった。

このアルバム、音を出す前にまずジャケット写真が印象的だ。もちろんカメラマンがポーズをつけたものだろうが、いかにも自然な二人の出会いを象徴している。演奏もこのジャケット写真そのままに、気負いのないナチュラルな演奏だ。よくある、名プレイヤー同士の火花を散らすようなセッションの対極といっていい。軽くスィングするリズムセクションにのって、ファーマーのトランペットもグライスのサックスも、控え目で軽みのあるフレーズを繰り出す。それでいて場当たり的ないい加減さとは無縁で、きっちりとした曲の構成とそれぞれのプレイヤーの役割分担など、よく練られたセッションなっている。汗臭くうるさいだけのビバップでも、気の抜けたウェストコーストサウンドでもない、ノリがよくかつ知的な冷静さも併せ持つ、いい演奏だ。


ファーマーのミュートトランペットが渋いB面1曲目SOCIAL CALL


この盤の中にあってはアップテンポの曲CAPRI。


この盤全曲のプレイリスト
https://youtu.be/O9vphpIkn7Q?list=PLcHS1upwgf0eXDNEElSmVZCd7iJN8EIFq



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ドビュッシー小組曲



関東地方は相変わらずぐずついた天気が続く。野菜の値上がり、天候不順による経済損失2400億…そんな記事が出始めた。もっとも来月が猛暑になるやもしれず。万事程々に願いたいものだ。 さて、それはともかく…本日も業務に精励。帰宅後ひと息ついて、きょうも続くアンセルメ盤の検分。ぼちぼち本丸フランス近代へ。


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アンセルメとスイスロマンド管によるフランス音楽集の4枚目を取り出した。収録曲は以下の通り。

Disk4
・ドビュッシー:バレエ音楽『おもちゃ箱』(カプレ編)
・ドビュッシー:小組曲(ビュッセル編)
・ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
・ラヴェル:高雅で感傷的なワルツ
・ラヴェル:道化師の朝の歌

このディスクの聴きものはラヴェルだろうが、その前に今夜はドビュッシー(1862-1918)の小組曲を選んでプレイボタンを押した。小組曲は、小舟にてEn Bateau/行列Cortège/メヌエットMenuet/バレエBalletの四つの曲からなり、演奏時間も15分とかからない文字通りの小組曲だ。元々はピアノ四手連弾用に書かれた、ドビュッシーがまだ二十代の頃の作品。その後、ドビュッシーの友人だったアンリ・ビュッセルが管弦楽用に編曲した。
この曲にはちょっと思い出がある。まだ二十歳になったばかりの学生時代。所属していたマンドリンアンサンブルでこの曲を演奏した。高校時代から同窓だった一年上の旧友Y氏が編曲した。当時70年代半ばは、全国津々浦々の大学・短大にマンドリンアンサンブルのサークルがあっていずれも大所帯の隆盛期だった。ぼくのいた大学でも少なくても60名以上いたと記憶している。20世紀初頭のイタリアマンドリンオリジナル曲を中心に、クラシックの編曲物や委嘱作品を含む邦人現代作品などを取り上げ、そしてポピュラー物は一切やらずと、いま振り返っても青臭いほどに志は高かった。この小組曲(そして六つの古代エピグラフも)もそんな取り組みの中から旧友Y氏のフランス好みもあって演奏曲目となった。

小組曲はドビュッシー作品の中でももっともポピュラリティーが強い曲の一つだろう。形式は簡素で、メロディーや和声も平易。のちの彼の作品からは想像できないほど甘口といってよい。それでも各所に印象派と称されるに相応しいたゆたうような雰囲気があって、安直なサロン音楽にはなっていない。アンセルメとOSRの演奏は、そのただよう雰囲気にはジャストミートの響きで、軽みのある弦楽群と魅力的な管楽群とが上質な音楽を奏でてくれる。いくつか聴いたドイツ物とは音の作り方がまるで違い、オケは決して大声を上げず、響きの純度を大切にしているのがよく分かる。小舟にてで聴かせる控えめな歌いっぷり、メヌエットやバレエでの思わずステップを踏みたくなる軽快なリズム処理など、このコンビの真骨頂だ。


この盤の音源。


オリジナルのピアノ四手連弾。ラン・ランとエッシェンバッハ。コンチェルトのあとのアンコールだろう。「小舟にて」と「バレエ」



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バッハで初見練習



ギター弾きの中には、ソロを弾いているときはかなりの難易度の曲を弾きこなしているにも関わらず、ちょっと二重奏で遊びましょ、と楽譜を広げて合わせると思いのほか弾けない輩が多い。あれだけ弾けるなら、このくらいの二重奏は初見でいけるだろうという当てがまったくはずれることがしばしばだ。他の弦楽器や管楽器の連中に比べ、ギター弾きの初見能力が格段に低い現実をみると、彼らとの差を痛感する。


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初見に強くなる方法については、おそらくネットに様々なアイデアやノウハウが出ているだろうから、それらを参考にするのもよいだろうが、やはり基本は多くの楽譜に触れることだろう。以前、スケール練習についての記事を書いた。その中では、マンドリンやヴァイオリン向けの教則本に出いているエチュードも有効だと記したが、先日YOUTUBEでこれはいいかも…というものを見つけた。まあ、もったいつけるほどの話ではない。以下の貼った楽譜付きの音源に合わせて、その楽譜を弾くというもの。

例えばこれ。バッハの協奏曲ト長調BWV980。画面上に流れる大譜表の上段を音源に合わせてギターで弾く。調性もギターで弾きやすい調だし、ほとんどがローポジションで弾ける。旋律楽器のエチュードに比べ、和音を基本とした音形が多く、ギター曲によくあるパターンが盛り込まれている。余裕があれば、下段の低音も所々入れる。32分音符の速いパッセージなどは飛ばしてもよいだろう。多声になっているところ、密集した和音などで無理がある部分は、とっさの判断で重要度の低い音を省略する。


もう一つこれはどうだろう。同じくバッハの協奏曲ロ短調BWV979。こちらもギターで扱いやすい調性だし、音域も低い。ここでも、多声になっているところ、密集した和音などは、いくつか音を省略してもいいだろう。



いずれも、音源と同じ速さで、ともかく止まらずに弾き通す。画面では赤いマーカーがあるので、落ちることはないだろう。ぼくなりの判定基準では、この2曲が音源のテンポで一緒に弾き通せれば(もちろん初見で)、<初級に近い中級レベル>は合格かなと思う。ソルのやさしい二重奏程度は初見で合わせられるだろう。おそらくまともなプロ奏者なら、二段譜を合わせて程々に音の取捨選択をして、適切なテンポで独奏曲として弾けるに違いない(もちろん初見で)。

以下はヤマハが設定した初級の初見課題例。初級者なら一応音を間違えずに出すレベル。中級者なら、曲の構成(形式)、テンポ等を30秒程で把握し、曲想は弾きながらナチュラルに引き出す…という感じかな。
201708_Yamaha_T_sample.jpg


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サン=サーンス交響曲第3番ハ短調



きょうも雨まじりの一日。世間が夏休みモードの中、いつも通り出勤。先週金曜日からきのうまで休んでいたので五日ぶり。休みぼけという程でもなく、午前中からせっせと業務に精励。夕方は定時に退勤となった。いつもながらの日常。音盤タイムと本ブログのマンネリ度もMAX。惰性ながら今夜もアンセルメ盤の検分。この盤を取り出した。


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アンセルメとOSRによるのフランス音楽集ボックスの15枚目。収録曲は以下の通り。
Disc15
・サン=サーンス:交響曲第3番ハ短調 Op.78『オルガン付き』
・サン=サーンス:オンファールの糸車 Op.31
・ベルリオーズ:『ファウストの劫罰』 Op.24より
・ベルリオーズ:『ベンヴェヌート・チェッリーニ』序曲

今夜はこの中からサン=サーンスの交響曲第3番を選んでプレイボタンを押した。
オルガン付きの交響曲として有名なこの曲。かつては何かキワモノ的でほとんど聴くことも無かったのだが、少し前からその良さを感じるようになった。実質四つの楽章に相当する構成を持つが、前後二つずつの部分を第1楽章と第2楽章として集約している。よく取り上げられるのは最終部の派手なドンパチだが、前半第1楽章の第1部、第2部も充実している。
サン・サーンスは<フランスのメンデルスゾーン>とも言われるが、この第1部など聴いていると、8分の6拍子にのって展開される美しいメロディーや和声に、メンデルスゾーンの第3番<スコットランド>や<フィンガルの洞窟>に通じるものを感じ、フムフムと納得する。第1楽章の第2部<ポコ・アダージョ>は冒頭オルガンが奏する和音にのって弦楽群が美しく歌う。消え入るような終結部も印象的だ。後半第2楽章はそれまでの静的だった曲想から転じて、一気に音楽が動き出す。スケルツォのトリオに相当する箇所からはピアノ連弾が加わり、さらにプレストに転じると、トロンボーン、チューバ、コントラバスなどの低音楽器が重層的に主題を出して一層音楽は盛り上がっていく。この辺りから最後まではこの曲の真骨頂の展開が続く。

デッカサウンドの全盛期1962年の録音。マルチマイク録音による明瞭な管弦楽の分離、部屋を揺るがすようなオルガンのペダル音など、この曲を聴く醍醐味に相応しい。手元には70年代前半に出ていたLP盤もあるが、CDに勝るとも劣らない高音質。 アンセルメとOSRの演奏は昨今、録音マジックに支えられた成果だったと言われることも多いが、半世紀前の当時、演奏・録音ともこれ以上のものは望むべむもなかっただろう。取り分けこの盤の音質は素晴らしい。敬意を表すべき名盤だ。同時に、こういう曲になるとオーディオ的観点からだけでなく、音楽を適確にとらえるためにも、オルガン低音の基音がしっかり出るシステムが必須と感じる。


アンセルメ盤の適当な音源が見当たらなかったので、パーヴォ・ヤルヴィとパリ管による演奏を貼っておく。会場はパリ管の新しい本拠地フィルハーモニー・ド・パリ。


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プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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