迎春令和五年卯年



当地北関東は晴天冬晴れ、穏やかな元旦を迎えた。すっかりお馴染みになったニューイヤー駅伝が朝から当地群馬の平野部を走り抜ける。上州の空っ風の中、軽快に走る実業団の精鋭を眺めつつ、新年の始まりに諸々思いを新たにいたしましょう。賀状代わりの世相回顧クロニクル。過去を見据えて今年そして未来を占おう。


裾野は長し秀峰「赤城山」
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■20年前 2003年 平成15年■
第2次小泉内閣。米軍イラク侵攻。コニカとミノルタ経営統合。六本木ヒルズ開業。東海道新幹線品川駅開業。横綱貴乃花・武蔵丸引退、朝青龍横綱昇格。スペースシャトル・コロンビア号が大気圏再突入時に空中分解、搭乗員7人死亡。SARS流行。初任給大卒20万1千円。<物故> 夢路いとし、春風亭柳昇、グレゴリー・ペック、秋山庄太郎

■30年前 1993年 平成25年■
細川連立内閣発足。皇太子結婚。Jリーグ開幕。ブルセラショップ。レインボーブリッジ開通。JR東日本上場初値60万円。米マイクロソフトWindows3.1発売。初任給大卒19万5千円。<流行語>コギャル、リストラ、インターネット。<映画>ジュラシックパーク、シンドラーのリスト。<物故>オードリー・ヘプバーン、笠智衆、田中角栄、逸見政孝、ハナ肇、藤山一郎。

■40年前 1983年 昭和58年■
第2次中曽根内閣。不沈空母発言。ポーランド大統領ワレサノーベル平和賞。三宅島大噴火。任天堂ファミコン発売。シャープワープロ「書院」。防虫剤「ゴン」。東京ディズニーランド開園。鈴木健二;気くばりのすすめ。<流行語>ニャンニャンする、ジャパゆきさん、軽薄短小、義理チョコ。初任給大卒13万2千円<テレビ>おしん、金曜の妻たちへ、ふぞろいの林檎たち。<映画>戦場のメリークリスマス、時をかける少女、楢山節考、愛と追憶の日々。<ヒット曲>秘密の花園、矢切の渡し、さざんかの宿、め組のひと、ワインレッドの心、クリスマス・イブ。<物故>中川一郎、カレン・カーペンター、寺山修司、羽仁五郎、小林秀雄。

■50年前 1973年 昭和47年■
第2次改造田中内閣。石油危機・モノ不足・大手商社買占め。ベトナム戦争終結。金大中事件。熊本市大洋デパート火災。NHKホール落成。江崎玲於奈にノーベル物理学賞。オセロゲーム、ごきぶりホイホイ、くれ竹筆ペン、麦チョコ。初任給大卒6万3千円。牛乳32円ビール160円かけそば150円。琴桜、輪島横綱昇格。山口百恵デヴュー、津川雅彦朝丘雪路挙式。吉永小百合岡田太郎挙式。<テレビ>必殺仕置人、刑事コロンボ、国盗り物語、子連れ狼。<ヒット曲>神田川、わたしの彼は左きき、てんとう虫のサンバ、五番街のマリーへ。<映画>スティング、ジャッカルの日、エクソシスト、燃えよドラゴン、日本沈没、恍惚の人、華麗なる一族。<物故>パブロ・ピカソ、アベベ、ブルース・リー、サトウハチロー、浪花千栄子、南都雄二、古今亭志ん生。


さてこれから近所の国道を通り抜ける精鋭韋駄天達の旗振り応援に行くとしようか。
音盤聴き初め、六弦弾き初め、いずれまた。


当世論客ぐんま旅


井森ネエさんも待ってます


秀さんも待ってます!



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令和四年寅年回顧



今年も残すところ僅かとなった。本ブログの年間ルーチンにより、年内最終更新は一年の回顧ということになるのだが、さて…。これ買いました、見ました、食べました…高齢者のそんな与太話を回顧してどうなる…まあ、そう言わずに気を取り直して…ブログタイトルになぞらえて思い付くまま記しておこう。

■六弦■
昨年から顕在化した指の不調(へバーデン結節確定診断)。日々悪化している状況ではないが、楽器を手にする度に将来への不安がよぎる。将来って、もう立派な高齢者なのだから大した将来もない…ならばということで、あまり気にせず調子のいいときは躊躇せず弾くことにした。


シャンド三点セット
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今年手に入れた楽譜の一部
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そんな中、今年夏前に出会ったのが19世紀末から20世紀初頭に活躍したアーネスト・シャンド(英1868-1924)だ。きっかけはYouTubeで聴いたイタリア人ギタリスト:アルベルト・ラ・ロッカの演奏。現存するシャンドの曲の多くを録音したその演奏は、19世紀サロン風音楽の楽しさを伝える素晴らしい弾きぶりだった。20年前に現代ギター社から出版されながら品切れだったシャンドの曲集を運よく手に入れ、更にメールをやり取りしたロッカからの情報でイェーツ編の新しいシャンド曲集も手元におくことが出来た。 シャンドの現存する作品の多くの収めた250頁を超えるその曲集は、ギターで奏でるクラシカルでロマンティックな小品の手本が満載。どこから弾いても楽しく、まさに時の経つの忘れ次々と弾き続けてしまう程だ。YouTube音源に飽き足らずに購入したロッカの弾く三枚組CDを手に入れたこともあって、その多くの曲を鼻歌で歌えるようになってしまった。振り返ればこの半年、ギターに関してシャンド漬け状態。いくつかものになりそうな曲もあるので、いずれ録音してみよう。

■音曲■
レコードもCDも相変わらず在庫確認の日々。新たな購入は先に記したロッカのシャンド作品集だけ。給料が出た週末に勇んでショップに向かった頃が懐かしい。知人に「与太さん、レコードとCD、将来どうするの?」と聞かれたことがある。音盤道楽として数千枚は大した数ではないが、いずれ処分しようと思っていて、その時期と方法をどうするか腐心している。家族や近親者で引き受けてくれるのが一番簡単だが、その線がないとなると売却か廃棄しかない。出来ればふた世代くらい下の同好の士がいれば、そういう人に引き継ぎたいと考えている。ただ今ではない、じゃあいつなんだ、と堂々めぐりで今年も暮れた…嗚呼

■覗機関■
60代後半になったが、今のところフルタイム勤務。日常的なリスニングは夜半前の限られた時間になる。アンプの灯を入れ、ゆったりくつろいでという時間は中々取れない。いきおいヘッドフォンとPCで安直リスニング。そんな時間のために気分転換も兼ねてお手軽なヘッドフォンを買った以外、オーディオのハードウェアは変化なし。5年前に入れたアキュフェーズのセットとスピーカーはAvalon_Eclipseと2S-305の双頭。対照的な個性のスピーカーを入れ替え可能だが、このところはずっと305が鎮座している。 しかし音盤同様、こちらも終活対象予定。スピーカー、パワーアンプいずれも50キロ前後の重量級。今はまだ自力で何とか出来るが、いずれ手軽なプリメインアンプと小型スピーカーにするつもりだ。ただ今ではない、じゃあいつなんだ、と堂々めぐりで今年も暮れた…嗚呼again

■その他■
コンサートには計4回足を運んだ。もっと行きたかったが、公私共程々にあわただしく叶わなかった。中では10月にブロムシュテット&N響のシューベルトが聴けたのはラッキーだった。昨年までと違い、椅子に腰かけての指揮だったが、身振り手振り表情など、変わらぬ健在ぶりで安堵。来年もと願わずにはいられない。 歌舞伎は劇場へは行けずシネマ歌舞伎を2本。仁左衛門・玉三郎の「桜姫桜文章」と「吉田屋」。いずれも二人の美しさと映像作品としての素晴らしさを堪能した。放蕩息子の襲名披露はあまり興味はないが、この二人はまだまだ見届けたいと思う。

さてさて、そんなこんなで今年も終幕。三年経過したコロナ禍も終息未だ見通せない中ではあるが、来年は公私ともちょっと大きな変化がある見込み。どうなるのかな…期待半分・諦め半分の年の瀬だ。 マイペースな与太話にお付き合いいただいた方々には、コメント、拍手、バナークリックでの応援、ありがとうございました。来年も道楽人生成れの果ての御粗末を続ける予定。引き続きよろしくお願い致します。


最後に、例によって年の瀬の長講一席。志ん朝さんの冬噺二題で年越しを。





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ブロムシュテット&N響のシューベルト



きのう10月21日は都内での仕事を5時に終えたあとNHKホールへ。予定していたブロムシュテット指揮のN響定期に足を運んだ。


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コロナ禍になる数年前から、すでに90歳を目前にしていたブロムシュテットとN響の演奏をFM放送で何度か聴き、来年こそはと思いながら何年かが過ぎてしまった。今回ようやく満願成就。チケットも早々に予約してこの日を楽しみにしていた。

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NHK交響楽団第1966回定期公演
シューベルト/交響曲 第1番ニ長調 D.82
シューベルト/交響曲 第6番ハ長調 D.589
指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット
管弦楽:NHK交響楽団
2022年10月21日(金)19:30~ NHKホール
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久しぶりの渋谷そしてNHKホール。再開発で渋谷駅はすっかり様変わり。右も左も分からない別世界になってしまった。何とかスクランブル交差点に出て神南方面に向かって歩き始めると、ようやく土地勘が蘇ってきた。そしてNHKホールはかつてのまま。すでに半世紀の歴史を刻み、田舎者のぼくにとってもいくつかの思い出が残る。

18時30分開場。開演の19時半まで1時間あるが、18時45分からミニコンサートがあるとのことで、ロビーで時間をつぶすことなく着席。ほどなくステージにカルテットの面々が登場し、シューベルトの弦楽四重奏曲第6番ニ長調から第3楽章と第4楽章が演奏された。聴く側にとって本番前のウォーミングアップとして粋な計らいだ。

今回のブロムシュテット指揮の公演、プログラムはマーラーの9番とシューベルトの1番・6番、それとソリストを迎えたシベリウス/ピアノ協奏曲・ニールセン/交響曲第3番の三つが用意されている。眼目はマーラーとシューベルト。どちらに行くか、両方行くか、大いに悩んだが、公私予定もあってこの日のシューベルトプロのチケットを取った。ぼくにとってのブロムシュテットはやはり彼が50代だった頃のベートーヴェンやシューベルト、ブルックナーのイメージが強い。かつてシュターツカペレ・ドレスデンと録音したそれらの音盤はいずれも彼の壮年期の記録として輝く。そんなこともシューベルトプロを選んだ理由の一つだ。95歳の誕生日を前にした今年6月。転倒して怪我を負ったとの情報があって心配したが、いくつかの予定キャンセルはあったものの無事復帰。予定通りの来日となった。

定刻を少し回って団員入場。そしてコンサートマスターに腕を引かれながらブロムシュテットもステージに進んできた。客電が落ちチューニングが始まる。客席は9分の入り。ざわめきが静寂に変わり、ホールの空気が張りつめる。95歳のマエストロ。昨年までは自らの歩みで指揮台に上がり、そのまま立って指揮を取ったが、今年は椅子に腰をおろした。6月の転倒が無かったならとも思うが、年齢を思えば無理からぬことだろう。

プログラムの最初は交響曲第1番ニ長調。オケは中編成の対向配置10型(10-10-6-4-3)。ブロムシュテットがあまり思い入れの間を取らずにサッと腕を下した。冒頭のトゥッティが明るく立ち上がる。椅子に腰かけた後ろ姿ながら、ブロムシュテットが上半身と両手を使ってフレーズの表情を丁寧に示している様子がよく分かる。スコアのページも丁寧にめくっている。速からず遅からずのいいテンポだ。曲想からして深刻ぶるところはなく、過度な緊張を持ち込むこともない。終始明るく軽快だ。印象的だったのは第2楽章。ロマンティックな表情をやや強調してたっぷりとした歌を聴かせてくれた。
第1番の演奏が終わると休憩なしで第6番ハ長調へ。オケの規模を12型(12-10-8-6-4)に拡大。やはり明るい表情の曲ながら響き全体の重心が下がり、ぐっとシンフォニックになる。ブロムシュテットは、各パートへの出入り指示、フレーズの表情など、少ない動きながら十分な指揮ぶりで、95歳にして頭の中から身体の隅々まで音楽が鳴り切っていることがよく分かる。この曲ではN響の木管群の冴えた音で彩りを添えてくれた。


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(最近は終演後のカーテンコールの際、スマートフォンでの撮影が許可されている)


やはりシューベルトプロにしてよかった。シューベルト初期の作品ながら、十分にシンフォニック。もちろん曲想は明るく穏やか、かつ軽快。95歳という年齢ばかり気にしながら妙に深刻に思い入れて聴くこともなかった。ブロムシュテットが手馴れた曲をいつもの調子で笑顔でサッとやって…そんな軽みのある演奏だった。

演奏を終えるとブロムシュテットは、N響のメンバーをパートごとに立たせて自ら拍手を送り、そして最後に指揮台から降り、客席を向いて万雷の拍手に応えた。「95歳、95歳って言わないでよ。いつもと同じだから…」そんなつぶやきが聞こえて来そうだ。団員の手を借りながら何度かカーテンコールを受ける姿を目に焼き付け、かつてテレビで観た80年代壮年期の指揮ぶりをそれに重ねて、半世紀近い来し方を思いつつNHKホールをあとにした。深まる秋、青春の息吹も明るいシューベルト、95歳にして変わることないマエストロ、不思議な三位一体を感じながらも幸せなひとときだった。


ブロムシュテット&シュターツカペレ・ドレスデンによるシューベルト交響曲第1番全4楽章


同 第6番全4楽章



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干支もひと回り



令和四年神無月。
勤め人として最多忙期であった十数年前、ふとしたきっかけで始めた当ブログ。気付けば干支もひと回り。きょうから13年目。ブログ開設時、始めるにあたって漠然とした方針を立てた。一人称は「私」ではなく「ぼく」、文体は「ですます」ではなく「である」。当初はオーディオブログかギターブログにしようかと思案したが、いずれ目新しい話もなくなり更新頻度もダダ下がり、結局ありがちな、お出かけ・飯ネタ・昭和オヤジの回顧ネタあたりに収れんするだろうと予想。個人情報、プライバシーと言いながら、そうした身辺ネタを書き連ねるのもいかがなものかと思い、淡々としたあたり障りのない日常ルーチンの記録がいいだろうと考えた。

その結果、内容はもっぱら音楽に特化。<お薦め><ご紹介><解説>など、上から目線のプチ自慢、自論、うんちく披露は厳に戒める。ほとんどのことはすでに自分以外の人達は知っていると心得る。そして人生と天下・国家は語らない。時事・世評やマスコミネタも持ち込まない。日常の衣食住はごくたまに。総じてまったく個人的な<打ちっぱなしゴルフ>的与太話。まあ、そんなこんなで12年を経た次第。このブログの成り立ち等については過去何度も書いているが、年に一度の恒例ということ、以下にあらためて記しておく。


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ブログのタイトル「六弦音曲覗機関(ろくげんおんぎょくのぞきからくり)」について。由来は江戸時代の歌舞伎外題による。河竹黙阿弥が江戸末期の文久二年に作った勧善懲悪覗機関(かんぜんちょうあくのぞきからくり)という世話物狂言がある。今ではほどんど上演されないが、この外題が妙に新鮮で拝借した。この外題に6本の弦を持つギター=六弦と音楽=音曲とをくっつけたタイトル。「覗機関」はそれらにまつわるハード・ソフトのあれこれ…ですかね。

以下はブログの右側にあるカテゴリー選択で選べる記事の分類。カテゴリーを選ぶとその分類の記事が順番に出てくる。画面の下までいくと<次のページ>が選択できるので、そこをクリックすると更に過去の記事へ飛ぶ。このブログの基本はクラシックを中心とした音盤回顧の記。従ってクラシック分野のカテゴリーだけは雑誌やCD・レコードの分類慣習に従い、ゆるく分けている。

ギター全般
ブログタイトルである六弦=ギターについての記事。多くはギターのレコード・CDを聴いてのアレコレ。
楽器談義
自分の楽器や友人の楽器の紹介、楽器弾き比べ、ギター製作家の工房訪問記など。ギター工房訪問記でこれまで登場したのは、田邊雅啓、西野春平、松村雅亘、廣瀬達彦、一柳一雄/邦雄、中山修、野辺正二、庄司清英。
◆演奏録音
下手くそな演奏をアップ。mixi仲間との内輪の発表会での記録や自宅内での録音、チェロ、フルートとのアンサンブルなど。
◆指揮者
好きな指揮者、気になる指揮者など、オーケストラ作品を指揮者への興味から取り上げたもの。オーケストラ曲を聴いていると、どうしても指揮者の解釈、オケのコントロールといったところに興味が行き着く。
―以下はクラシック音盤の一般的分類に従ったカテゴリー分け-
◆交響曲
◆管弦楽曲
◆協奏曲
これら三つの分類は、指揮者による分類よりは曲そのものへの興味から取り上げたもの。協奏曲の場合は曲自体とソリストへの興味もある。
◆室内楽
二つ以上の楽器よるアンサンブル。
◆器楽曲
ピアノ独奏、ヴァイオリンやチェロの無伴奏。
◆声楽曲
いかに声楽ジャンルを聴いていないかが分かる。バッハのカンタータも中々進まない。
クラシック一般
クラシックは上記のジャンルで分類しているが、この分類はそうしたジャンルに入れられないもの、あるいは話のついでにクラシックのことを記したものなど。
ジャズ・フュージョン
ジャスやフュージョンも好きでよく聴いている。お気に入りの音盤紹介。ジャズウーマンのジャケ買いもしばしば。
ポピュラー・洋楽ポップス
ポピュラー全般、ロック、映画音楽など。
◆歌謡曲・邦楽ポップス
本当はもっと書きたいカテゴリー。手元には昭和歌謡のドーナッツ盤約200枚、LPも100枚ほど有り。
オーディオ
5年前にアキュフェーズのフルセット導入でアガリ。だが、中々フルボリュームで聴く機会がない。
◆日々の出来事
日常のあれこれ。コンサートの記録など。
◆北欧
2003~2006年に仕事で何度か行った北欧の思い出。現地オーケストラ体験など。ネタはまだあるが、重い腰が上がらない。


…というわけで、きょうから13年目。
記事には書いていないが、他に注力したい事柄もいくつかある。勝手に設定した健康寿命残り20年も確実に減っていく中、積み残しの作業に着手した方がいいのではないか…、それに音楽の感想であろうと、日々の出来事、回顧であろうと、自分の心のうちに置いておけばいい話。せっせと書いて公開することに意味などないだろう…、そんなことを思いつつ、どうしようかと思案していたのだが、結局こうして13年目の更新開始。まあ、この調子でのらりくらり継続しようかと、軟弱な結論先送りとなった次第。さて、これからどんな塩梅になりますか… 引き続きどうぞよろしく!


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五頭目の盲導犬パピー



数年前に始めた盲導犬パピー育成のボランティア。実は今年始めから新しいパピーを預かっている。


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我が家に来て間もなくの頃。



以前からこのブログをご覧いただいている方は覚えているかもしれないが、今回で五頭目になる。先回、先々回と黒ラブ(黒毛のラブラドールレトリバー)だったが、今回はイエロー。上の写真と動画は我が家に来てまもなく、初めての散歩に出た頃のものだ。まだ体重は5キロ程度だった。生後二ヶ月のパピーを預かり、ほぼ一年間育てる。以前も書いた内容だが、この間のプロセスを以下に記しておこう(少々偉そうに書いているが、ほとんどは妻に任せきりです)。

まずは排泄のトレーニング。盲導犬として好きな時に勝手に排泄することは出来ない。人間の声掛けに促されて排泄するよう習慣付ける。次いで基本的なコマンド(sit,down,wait)の修得。盲導犬としての仕事のほとんどは待つこと。人のコマンドに対応出来るようにする。生後3カ月を過ぎた頃から外散歩。よく見かける散歩のように犬の気ままで右左、そちこちで臭い取りの道草、連れいてる人間達の犬トモ井戸端会議…という散歩はいけない。常に人(リーダー)の左横について速めのピッチで歩く。リーダーの歩く止まるに合わせるようにする。もちろん散歩に出る前に排泄は済ませる(排泄をしたら散歩に行ける!と習慣付ける)。そうすれば散歩途中で粗相することはない。

食事は決まった時間に決まった量だけ。人間の食事の際、犬に何かを与えてはいけない。人間の食事は自分とは関係ないことと認識させないと、盲導犬としてレストランに入ることも出来なくなるからだ。「うちの子はご飯になると吠えて教えてくれるのよ」と近所の奥様が言っていたが、それは単なる要求吠えだ。盲導犬として仕事をするには要求吠えがあってはいけない。小さいうちは何かと吠えたりクンクン言ったり、一緒に遊んで!ご飯頂戴!と要求するものだが、そうした犬からの吠えや声には、静かにしなさい!といった応答はしない。吠えたら黙って部屋から出て行ってしまうくらいの対応をする。そのうち吠えても無駄と知り吠えなくなる。

…と書くと随分窮屈そうに見えるだろうが、習慣性の強い犬はこうしたことをよく修得する。素人のボランティアであっても初期のトレーニングは十分可能だ。もちろん窮屈な思いばかりをさせているわけではなく、一緒にボール投げで遊ぶこともある。がしかし、過度に興奮させないということは常に念頭におく。これまで経験した5頭とも、生後半年までにほぼこうした習慣付けが出来上がり、一緒に食事に行ってもいたずらに騒ぐようなことはなかった。もっとも犬種としてラブラドールレトリバーの特性も大いにあるだろう。また、こうした習慣付けは、愛玩用として犬と暮らす場合にも有効だと思う。

さてさて、すでに預かってから半年余りが経ち、少しずつ落ち着きも出てきた。残る期間は四カ月程。秋風が吹き始める頃には、ギターを弾くぼくの傍らで静かにダウンして待っていられるようになるだろうか…


■■■盲導犬に出会ったら…愛ある無視を!■■■
・声をかけたり、じっと前から見たり、口笛をならしたりしない。
・食べ物を見せたり、あげたりしない。
・盲導犬をなでたり、ハーネスを触ったりしない。
・自分のペットと挨拶させようと近づけたりしない。

■■■犬の十戒■■■
<1>私の一生はだいたい10年から15年です。あなたと離れるのが一番つらいことです。どうか、私と暮らす前にそのことを覚えておいて欲しいのです。
<2>あなたが私に何を求めているのか、私がそれを理解するまで待って欲しいのです。
<3>私を信頼して欲しい、それが私にとってあなたと共に生活できる幸せなのですから。
<4>私を長い間叱ったり、罰として閉じ込めたりしないで下さい。あなたには他にやる事があって、楽しみがあって、友達もいるかもしれない。でも、私にはあなたしかいないのです。
<5>時々話しかけて欲しい。言葉は分からなくても、あなたの声は十分私に届いています。
<6>あなたがどのように私を扱ったか、私はそれを決して忘れません。
<7>私を殴ったり、いじめたりする前に覚えておいて欲しいのです。私は鋭い歯であなたを傷つけることができるにもかかわらず、あなたを傷つけないと決めているのです。
<8>私が言うことを聞かないだとか、頑固だとか、怠けているからといって叱る前に、私が何かで苦しんでいないか気づいて下さい。もしかしたら、食事に問題があるかもしれないし、長い間日に照らされているかもしれない。それとも、もう体が老いて、弱ってきているのかもしれません。
<9>私が年を取っても、私の世話はして下さい。あなたもまた同じように年を取るのですから。
<10>最後のその時まで一緒に側にいて欲しいのです。このようなことは言わないで下さい、「もう見てはいられない。」、「居たたまれない。」などと。あなたが側にいてくれるから最後の日も安らかに逝けるのですから。忘れないで下さい、私は生涯あなたを一番愛しているのです。


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浜松「トゥルネラパージュ」



先回の記事に書いた浜松行き。主目的の江崎ギター工房での用件を予定通り終えても帰途につくまで少し時間があるだろう、久々の浜松、どこか見物でもと、実は事前にあれこれ考えていた。音楽愛好者ならまずは浜松楽器博物館は外せないところだが、だいぶ前にはなるが一度行ったことがある。ならば次なるターゲットは…そう考えて思い付いたのが、かねてより行ってみたいと思っていた喫茶店「トゥルネラパージュ」だ。


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初めてこの店の名前を知ったのは10年程前。独アヴァンギャルド社の超弩級スピーカーシステムが導入されている店として度々雑誌で取り上げられていて、機会があればその威容と音の一端に触れてみたいと思っていた。

店内はかつての昭和のジャズ喫茶のような暗さはなく、高い天井と開放的な空間の店内はやはり今どきのカフェのイメージだ。そんな明るくオシャレな空間にアヴァンギャルドのシステムはぴったり。平日の昼下がりで客の半数以上が女性。昭和のジャズ喫茶ではありえない光景だ。おそらく実力の何十分の一かと思われる程々の(しかし十分な)音量で鳴っているアヴァンギャルドのシステムは素晴らしいのひと言。もう少し音量を上げれば、まさにそこのピアノトリオがいるのではないかと思わせるリアリティーだ。音量を上げてもうるさくならないシステムの見本と言える。大型システムが控えめな音量で悠然となっている様は本当に素晴らしい。地方都市なら新築戸建が買えるほどの価格になるだろうが、あの音なら納得。今どきの繁盛企業の社長でオーディオ好きなら買いたくなるだろうと、容易に想像できた。


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初めて耳にした超ハイエンドの素晴らしい音に浸りながらの30分。午後4時過ぎに店を出て徒歩でJR浜松駅に戻り、帰りの新幹線に飛び乗った。東京駅には17時半過ぎに到着。そのまま上越新幹線へ乗り換えて帰途に。仕事の納期を気にしつつも、久々に呑気で楽しい一日だった。


トゥルネラパージュのアヴァンギャルドは上位モデル。不動産価格までいかない車一台分ほどの下位モデルもあるが…



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群馬交響楽団第580回定期演奏会



きのう土曜は群馬交響楽団(群響:グンキョウ)の定期演奏会へ足を運んだ。


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前回聴いたのが今年始め、1月の定期演奏会だったから半年ぶり。4月からの新年度としては初めてとなる。地元ゆえ毎月聴けないことはないのだが、ちょこちょこ野暮用と重なり、思うに任せないでいた。今回はどうしても聴きたいプログラムだったこともあって、ぼくにしては珍しく、かなり前からチケットを予約してきょうを迎えた。

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ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第3番ニ短調作品30
ストラビンスキー/バレエ音楽「春の祭典」
ピアノ:清水和音
指揮:高関健 管弦楽:群馬交響楽団
2022年7月23日(土)16:00~ 高崎芸術劇場
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このところ暑さの戻ってきた関東地方。この日も朝から夏の陽射しが照り付けた。暑さ未だ癒えぬ午後3時過ぎに会場到着。予約しておいたチケットを受け取り、ロビーでひと息ついてからホール内へ。真夏のコンサートにも関らず席は9割程度埋まっている。定刻の16時ちょうど団員入場。客電が落ち、チューニングが始まった。

前半は清水和音を迎えてラフマニノフ。ラフマニノフのピアノ協奏曲といえば第2番がもっともポピュラーだが、近年は第3番も同程度に取り上げられるそうだ。ぼく自身は学生時代にこの第3番と第2番とにほぼ同時期に親しみ、第3番も第2番に劣らずよく聴いた。清水和音はデビュー30年を記念して2011年に、ラフマニノフのピアノ協奏曲第1~4番全曲とパガニーニの主題による狂詩曲とを一度に演奏するという快挙を成し遂げたと、プログラムに記されていた。還暦を迎える年齢だろうが、まだまだコンサートピアニストとして第一線のバリバリ。難曲揃いのラフマニノフもお手の物に違いない。

きょう聴いてあらためて思ったのだが、ラフマニノフのピアノ協奏曲はやはり中々難しい。難しいというのはピアニストにとって難曲であるとか、複雑難解で聴き手には少々辛いとか、そういうことではない。第2番にもいえることだが、レコードやCDで聴いているのと実演での印象が中々一致しないのだ。ピアノの音をしっかりピックアップして管弦楽とのバランスを整えた録音で聴いていると、音数が多く様々な細かなことをやっているピアノの動きがよく分かるのだが、実演ではピアノの動きが管弦楽に埋もれがちになり、よほどこの曲に親しんだ聴き手でないと、ピアノと管弦楽との「協奏」を楽しむのは難しいと感じる。同じように有名なチャイコフスキーの協奏曲などは、ピアノと管弦楽のコントラストが常に明解だし、ピアノパートが管弦楽から自然と浮かび上がって聴こえているように作られている。それに対してラフマニノフは、ピアノが確かに難しいいろいろなことはやっているのだが、それらが管弦楽に埋もれがちで、聴き手側が努めてピアノを聴こうと意識する必要があるように感じる。もっともそうした響きが、ラフマニノフらしい濃厚なロマンティシズムそのものともいえる。きょうの演奏はそれでも、高関氏の軽快なオケコントロールによって、管弦楽の表情が豊かで、曲として散漫な印象はなく、濃密ながらも引き締まった音楽だった。ピアノの技巧についてはよく分からないが、清水和音の弾きぶりは余裕十分でまったく危なげはない。同時に力ずくになることもなく好印象だった。40分を越える大曲を弾き終えたと、鳴りやまぬ拍手に応え、アンコールとしてチャイコフスキーの「白鳥の湖」から「四羽の白鳥」(アール・ワイルド編)が演奏された。

休憩をはさんで後半はストラヴィンスキー「春の祭典」
きょうのコンサートをかなり前から予約したのは、高関健によるこの曲を聴きたかったからに他ならない。譜読みの深さとオーケストラコントロールに関して、今や高関健は本邦随一ではないかと思う。「春の祭典」は彼の得意なレパートリーの一つのようで、かつてN響を振ったときの名演は今でも語り草になっているそうだ。

ステージいっぱいに広がった4管編成オケ。曲は冒頭ファゴットのソロで始まる。ファゴットが出せる最高音まで使うこのソロ。この日は首席奏者の奈波和美が担当。大曲冒頭のソロで最高音域ということもあり、やはり奏者としては緊張MAXになる場面なのだろうか、やや音が不安定になる。幸い大きな破綻には至らず次のフレーズへと進む。管楽器群、弦楽群、徐々に音の数と厚みましながら曲は進み、印象的な弦の刻み音型に突入。もうその辺りまで進むとオケ全体としての堅さはなくなり、聴く側もこの曲の醍醐味にひたり始める。 高関氏の指揮ぶりはさすがのひと言だ。スコアは置いてページをめくってはいるものの、指揮ぶり自体はほとんど暗譜同然に見える。複雑な変拍子の振り分けとアクセントの指示、出入りを繰り返す各パートへのサイン…。演奏中ぼくの目はほとんど高関氏の指揮ぶりに釘付けだった。高関氏の指示に応えて群響の各パートも思い切りのいい音出し。8名揃ったホルンパートは時折りベルアップして強奏。この曲のかなめである打楽器群も1900名収容の大空間を音圧で満たす。最強音から一瞬の休止そして最弱音、そして再び最強音。新しい本拠地となった会場のアコースティックも奏功し、本来のディナーミクがきっちり再現されていた。

19世紀ロマンティシズムの最後を飾るラフマニノフ、そして20世紀幕開けとその後の音楽に大きな影響を与えたストラヴィンスキー。盛夏の暑気払いに…と言っては少々軽くなってしまうが、近代オーケストラサウンドの醍醐味を堪能できた素晴らしい演奏会。耳に残る大団円の響きに酔いながら、幾分涼しい風が吹き始めた宵の会場を後にした。


演奏会直前練習後、高関氏へのインタビュー


清水和音がアンコールとして演奏したアール・ワイルド編「四羽の白鳥」



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プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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