車、どうする?



このところテレビのバラエティーで、とかく笑いの自虐ネタにされる群馬・栃木・茨城の北関東三県。様々なランキングで最下位争いに甘んじている当群馬県であるが、全国ランキングの上位にリストされる項目もある。例えば車。運転免許所持率はトップ、世帯当たり車所有率も常にトップ集団。…まあ、田舎の証明ということだけですけどね(^^; 車ナシでの日常生活は難しい。世帯に住む大人の人数だけ車を所有する家も多い。我が家の隣り組のある家では、世帯主夫妻、その父母、子供二人、家族全員分計6台の車が車庫に並んでいるが、珍しい光景ではない。もっとも当県だけなく、大都市圏以外は日本全国似たようなものだろう。

いまぼくが乗っているのはトヨタ・プリウス。二代目のモデルで2007年に購入し、まもなく11年。15万キロほど乗ったが、不具合なく快調そのもの。心配していた電池劣化もなく、燃費も新車当時と変わらない(街乗り17キロ、一般道遠出25キロ、高速20キロ)。もっぱら通勤用途だったが、50代の最も多忙かつハードな10年を支えてくれたという感慨もある。そんないくつかのポジティブな要素があるので、長く乗り継ごうかと考えていたのだが、以前と通勤距離が変わって、さほど燃費を気にしなくてもいい状況になったこと、それとさすがに10年乗って、ちょっと違う車に乗りたくなったという浮気心もあって、ぼちぼち退役させようかと、少し前から思案している。

乗りたい車の筆頭いすゞ117クーペ
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きょうは家人の乗るアクアの冬タイヤ履き替えのため国道沿いのディーラーへ。馴染みの営業担当と、そんな浮気心の人生相談。当然彼は新型プリウスへの乗換えを進めるが、現行モデルのエクステリアデザインがダメなのよねぇ~とゼロ回答。流行りのSUVには興味ないし、クラウンのような大型車も受け付けない。いわゆるCセグメントの程々のサイズで、すっきりしたデザイン。上質ではあるが、あまりオッサン臭くなく…などど考えていると、意外に選択肢はなくて、結局外車に目がいってしまう…と話すと営業担当の彼もうなづきつつ同意。そうはいっても何か選ぼうかと思っていて候補は、スバルかワーゲン・ゴルフ、あるいはBMWの3シリーズ辺り…というと、「ゴルフ、試乗しますか?」と彼。そのトヨタディーラーに隣接してフォルクスワーゲンのディーラーがあることを思い出した。ヤナセが手を引いてからフォルクスワーゲンの販売店をトヨタ系列の販売店が併設していることも多く、その店もそうだったのだ。

運よく試乗車は空いていて、アクアのタイヤ交換をお願いしている間にゴルフの試乗となった。試乗したのはエントリークラスTSIとスポーツモデルGTI。 ぼくはカーマニアでも走り屋でもないのだが、ゴルフは以前から一度は乗りたいと思っていた車の一つ。そのデザインは誕生から40年を経過しても基本が変わらず、いつの時代も「いまひとつダサいよね」といわれながらもそれを頑なに変えないことで、それがやがて価値に変わるということ自ら証明している。現行モデルも日本車の視点から見たら、インパクトがない、刺さらないなどといわれて、企画会議でボツになりそうなデザインだろう。しかし、見るほどに無駄がなく、継続されたコンセプトが息づく。乗ってみれば、ドアの開閉から始まって、上質感があふれ、走りも秀逸。直噴1.2リッターの小型エンジンながらターボの恩恵で低回転域から力強い加速感。加えてミッションも国内の主流となったCVTと違い、ダイレクト感覚の7速DSG(DCT)。アクアやプリウスとは段違いの走行フィーリングだった。
スポーツモデルのGTIにも試乗。直噴2.0リッターのターボ付きエンジンは、最高出力230ps、最大トルク35kgm。こちらは別次元の速さ。ちょっと踏んでみて下さいという営業担当のお誘いもあったので、周囲の様子を伺いながらアクセルを踏み込むと圧倒的な加速感。まさにぶっ飛ぶ。巡航速度が150キロを超えるアウトバーンで追い越し加速するにはこのくらいのスペックが必須なのだろう。

久々の新車試乗に気分高揚。現行ゴルフにはきょう乗った1.2リッター・ターボの上に1.4リッター・ターボもあって売れ筋だとういう。流行りの安全予防や運転支援のシステムもひと通り入っているようだ。そしてなんと言ってもこのクラスの車のベンチマークとして君臨するだけの実力を備えた車であることに納得。営業担当に礼をいい、カタログ片手に帰途についた。

プリウスの車検は年明け1月末。気になるもうひとつの車。スバルの新型インプレッサも次世代プラットフォームの導入でゴルフに迫る乗り心地と走行性能らしい。国内メーカーとして今やユニークな存在となったマツダとスバル(今年4月に富士重工から社名変更)。マツダ=広島ほどには、スバル=群馬の認知度はないが、開発部門・主力工場を当地に置くスバルは、間違いなく群馬純血種。郷土愛も手伝って、水平対向エンジンとAWDの伝統メカニズムを楽しみたい気持ちもあり、しばらくは悶々と悩む日々が続きそうだ。


今春マイナーチェンジしたゴルフ7


エントリークラスの小型車だったスバル・インプレッサも3ナンバーのCセグメントになった。昨年秋にフルモデルチェンジした現行モデルは、運転支援システムのアイサイトと共に評価が高い。セダンモデルのG4のスタイルは中々いいと思うがどうだろう。


実は、本当に乗りたいのはこの車、いすゞ117クーペ(写真)。ぼくら世代には懐かしい名車だ。しかし自分でメカをいじる技術もなく、この手の<旧車>に手を出すわけにはいかないだろう。



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パピー再来



生後二ヶ月のパピーがやってきた。イエロー・ラブラドールレトリバーの男の子。
盲導犬育成のボランティアとして一年間お預かりする。


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盲導犬育成ボランティアは2015年秋から一年間初めて経験した。一年のインターバルをおいて今回二回目。可愛がり、愛情を込め、家族の一員として育てることはもちろんだが、自家用愛玩目的ではないので、食事や散歩、普段の接し方もいくつかのルールに従う。将来、盲導犬としてきちんと仕事が出来るよう準備するためだ。


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ぼく自身は愛犬家には程遠いのだが、三年前まで14年半に渡ってラブラドールレトリバーと暮らして犬の素晴らしさ、取り分け、ラブの素晴らしさには感銘を受けた。犬はみな可愛いが、中でもラブは別格だという人の主張に全面的に賛同する。
今回のF君、只今生後二ヶ月で体重5キロ。生後半年後にはほぼ成犬の20数キロになる。まずはワン・ツーの掛け声と共にトイレトレーニング。頑張ってよぉ~。そしてこれから一年よろしくね。


前回2015年秋から一年間預かっていたパピーiちゃん生後二ヵ月半頃の動画。今回のF君の様子もいずれまた。



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八年目



十月になった。 
この与太ブログも始めてから七年が過ぎ、八年目に。 飽きっぽい性格ゆえ、いつまで続くかと思い、きょう止めよう、あす止めようという日々もアリ~ノの七年間だった。 日々この駄文に接している方々の印象は分からないが、書いている当人は、レヴュー・ご紹介・お薦め・ご報告・思うところ…そういうスタンスはまったくなく、言うならば<打ちっぱなしのゴルフ練習>。もっぱら書きっ放し&書き散らしのお粗末続きだ。

そもそもレビューするほどの知見はなく、多くの個人ブログ同様、この与太ブログに書いている内容の多くはどこかで聞いたような内容だ。ましてや<お薦め>したり<ご紹介>したりしようと考えていることの多くは、すでに自分以外の人達は知っていると心得るべき。 あっ、それから、内容はもっぱら音楽に特化。それもどこかに書いてあるような話を延々と繰り返すことは極力避ける。そして、人生と天下・国家は語らない。時事・世評やマスコミネタも持ち込まない。日常の衣食住はごくたまに。 総じてまったく個人的な<打ちっぱなし>の音楽与太話。 時たま「与太さん、ナイスショット!」というくらいの賛辞があれば、引き続き木に登りましょうかと、まあ、そんなこんなで七年を経た次第。なお、このブログの成り立ち等については過去何度も書いているが、年に一度の恒例ということ、以下にあらためて記しておく。

<六弦><音曲><覗機関>…道楽人生成れの果ての三位一体
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まずこのブログのタイトル『六弦音曲覗機関(ろくげんおんぎょくのぞきのからくり)』についてひと言。由来は江戸時代の歌舞伎の外題による。河竹黙阿弥が江戸末期の文久2年に作った『勧善懲悪覗機関(かんぜんちょうあくのぞきのからくり)』という世話物狂言がある。今ではほどんど上演されないが、この外題の覗機関(のぞきのからくり)という表現が妙に新鮮で拝借した。この外題に6本の弦を持つギター=六弦と、音楽=音曲とをくっつけたタイトル。 「覗機関」はそれにまつわるハードウェア=オーディオ装置やら何やらというところ…ですかね。

以下はブログの右側にあるカテゴリー選択で選べる記事の分類。カッコ内はこれまでの記事の数(2017年10月時点)。カテゴリーを選ぶとその分類の記事が順番に出てくる。画面の下までいくと<次のページ>が選択できるので、そこをクリックすると更に過去の記事へ飛ぶ。このブログの基本はクラシックを中心とした音盤回顧の記。従ってクラシック分野のカテゴリーだけは雑誌やCD・レコードの分類慣習に従って、ゆるく分けている。

ギター全般 (173)
ブログタイトルである六弦=ギターについての記事。多くはギターのレコード・CDを聴いてのアレコレ。
楽器談義 (61)
自分の楽器や友人の楽器の紹介、楽器弾き比べ、ギター製作家の工房訪問記など。ギター工房訪問記でこれまで登場したのは、田邊雅啓、西野春平、松村雅亘、廣瀬達彦、一柳一雄/邦雄、中山修、野辺正二、庄司清英。
◆指揮者 (162)
好きな指揮者、気になる指揮者、??な指揮者など、オーケストラ作品を指揮者への興味から取り上げたもの。オーケストラ曲を聴いていると、どうしても指揮者の解釈、オケのコントロールといったところに興味が行き着く。
―以下はクラシック音盤の一般的分類に従ったカテゴリー分け-
◆交響曲 (175)
◆管弦楽曲 (119)
◆協奏曲 (130)
これら3つの分類は、指揮者による分類よりは曲そのものへの興味から取り上げたもの。協奏曲の場合は曲自体とソリストへの興味もある。
◆室内楽 (93)
2つ以上の楽器よるアンサンブル。チェロやヴァイオリンの独奏でもピアノ伴奏がある場合はここへ分類。
◆器楽曲 (183)
ピアノ独奏、ヴァイオリンやチェロの無伴奏。
◆声楽曲 (42)
いかに声楽ジャンルを聴いていないかが分かる。バッハのカンタータも中々進まない。
クラシック一般 (10)
クラシックは上記のジャンルで分類しているが、この分類はそうしたジャンルに入れられないもの、あるいは話のついでにクラシックのことを記したものなど。
ジャズ(147)
ジャスも好きでよく聴いている。お気に入りの音盤紹介。ジャズウーマンのジャケ買いもしばしば。
ポピュラー (29)
フュージョン、ロック、映画音楽など。
◆歌謡曲(34)
本当はもっと書きたいカテゴリー。手元には昭和歌謡のドーナッツ盤約200枚、LPも100枚ほど有り。
オーディオ(50)
この二年程は変化なく平穏な日々。但し、少し前からアンプの物色中…
◆日々の出来事 (158)
日常のあれこれ。コンサートの記録など。
◆北欧 (5)
2003~2006年に仕事で何度か行った北欧の思い出。現地オーケストラ体験など。ネタはまだあるが、重い腰が上がらない。
◆演奏録音 (24)
下手くそな演奏をアップ。mixi仲間との内輪の発表会での記録や自宅内での録音、チェロ、フルートとのアンサンブルなど。

…というわけで、こうして分類とその記事の数をみると、おおよそ今の自分の音楽への興味を映し出している感じがする。これからも偉大なるマンネリズム目指し、かつ硬派をよそおいながらやっていきます。みなさん引き続き、アクセス・コメント・拍手・ランキングバナークリック・お知り合いへの紹介、諸々ヨロシクです。  与太拝


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注文していた靴が届いた。


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神戸の小さなメーカーで職人二人がコツコツ手仕事で作っている。一般市販するほど作れないので、年に二回、春と秋に全国数箇所で受注会を開いて注文を受ける。実は昨年秋に初めてその受注会とやらに行き、そのとき頼んだものが気に入ったこともあって、今回二回目の注文となった。三ヶ月ほど前に頼み、意外と早く届いた。
ダービーシューズというのかな。これ以上ないくらいプレーンなデザイン。ちょっとキザですが…英国トラッド。革張りの底もいい感じ。靴紐はもちろん平紐。注文といっても、足型を取って…というものではなく、デザインとサイズのサンプルを実際に履いてみて、あとは皮の色を選んで注文確定。従来、女性物がメインだったが、最近は男性物も徐々に増やしている様子。 メンテナンスしながら、一生とはいえないまでも、十年や十五年は履けるだろう。値段も思ったほど高くはない。もう少し若い頃にこういうものを選んでおけばと後悔するが、まあ、その頃はそういう余裕も考えもなかったから仕方ない。


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一年近く前に、とあるブランドの既製品で同じ系統の靴を黒とこげ茶の二足購入しているのだが、まだ実際に履いていない。今回のものを頼むとき、デザインがかぶるかなあと思ったが、出来上がってみると、雰囲気はかなり違うので、まあよかったかなと。

左:某英国ブランド 右:今回注文品
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手前が今回のもの 右二足が昨年買った色違い二足
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就職してからメーカーの工場勤務が長く、着る服といえば会社支給のユニフォームだったが、還暦を過ぎて、今更ながら少々身支度に気を遣うようになった。ようやく涼しくなって秋到来も間近。この靴に合うようなセットアップを着てコンサートにでも行こうかと、落ち込みがちな日々にあって、気分をあげるべく画策している。


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朴葵姫(G)来演 群馬交響楽団演奏会



きのう土曜日は久しぶりに群馬交響楽団(群響:グンキョウ)の演奏会へ。本拠地高崎で行われる通常の定期演奏会とは別枠の演奏会。少し前から思案していたのだが、野暮用の予定がなくなり、チケットもまだあるとのことで足を運ぶことにした。


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フォーレ/ペレアスとメリザンド組曲 作品80
ロドリーゴ/アランフェス協奏曲
ドヴォルジャーク/交響曲第9番ホ短調作品95「新世界より」
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ギター: 朴葵姫(パク・キュヒ)
指揮: 円光寺雅彦 管弦楽:群馬交響楽団
2017年7月15日(土)18:30~ 前橋市民文化会館
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当夜の目玉はギターの朴葵姫をソリストに迎えてのアランフェス協奏曲。アランフェス協奏曲が演奏されることも、そうめずらしいことではないが、当地のようなローカルで聴けるのは貴重な機会だ。これも群馬交響楽団があるおかげだろう。それに、そもそもギターの代表的な協奏曲であるこの曲を、コンスタントにステージにのせられる国内の演奏家は何人いるのだろうか。思いつくままに指を折ってみても(…この曲がクラシックギターの代表的な協奏曲であるにも関わらず)、その数は少ない。だからどうだというわけもないが、ギターのおける協奏曲の位置付けは、やはり他の楽器とは異なる。 朴葵姫はアイドルのようなその風貌からちょっと想像しがたいが、いくつかの国際コンクールでの優勝や入賞、国内外でのソロリサイタル、オケとの協演等、十分な実績がある。もちろんアランフェス協奏曲やジュリアーニの協奏曲なども手の内にあって、本格的プログラムに取り組んでいる貴重な存在かもしれない。

アランフェス協奏曲だけでなく、ギターとオケとの合わせ物では、その音量ギャップにどう対処するかが大きな問題になる。昨今ではPA使用がごく普通になり、当夜もギター用PAとしてよく使われる卵型のスピーカECLIPSEが使われた。ギターの前にマイクと置き、スピーカはギター奏者のごく近くに目立たないよう置かれていた。PAがあるためにオケパートの編成もさほど小さくせず、12型(12_10_8_8_6)の前後の曲から各パート1プルトずつ減らした程度。2管編成の管楽器群とのバランスも良好に保たれながら、弦楽群の量感も十分。第1楽章では少々ギターが埋もれることがあったが、全体を通してはよいバランスが確保されていた。PAから出る音も、音量・音色とも自然で、おそらくこれ以上PAからの音を大きくすると、例えば有名な第2楽章などではギターの音が不自然意に大きくなり過ぎるだろう。

アランフェスの演奏は、第1楽章冒頭から落ち着いた運びで余裕があり好印象。ギター・オケともに賑やかに走り回る演奏もあるが、少し余裕のあるテンポの方が、管弦楽曲としてのこの曲の魅力がよく分かる。朴葵姫のソロも危なげなく余裕を感じさせる。もっぱら第2楽章ばかりが有名だが、この曲の第1、第3楽章は近代スペインの響きを伝える管弦楽曲としてよく出来ていると、ぼく自身は感じている。特に管楽器の扱いや弦楽群と交錯するような構成など、ギター付き管弦楽曲として魅力的だ。当夜の演奏は先に記した通り、オケパートが充実した響きを保っていたことが奏功して、音楽全体として、この曲の魅力を十分表現していた。

アランフェスをはさんで演奏されたフォーレ/ペレアスとメリザンド組曲とドヴォルジャークの「新世界より」。こちらも群響の弦楽セクションが好演。当夜のホールは定員1200名程の、どこにでもある多目的ホールではあるが、比較的音響特性も良好で、特にホルンや木管群が適当な距離感をもって聴こえてくることから、いずれの曲も響きの調和、迫力ともに不満なく楽しめた。指揮者の円光寺雅彦もドヴォルザークは暗譜で指揮。手馴れた曲だろうが、細かな指示を出しながら、終楽章ではテンポ設定に意を配した熱演だった。

穏やかな淡い光を感じるフォーレ、コントラストの強い太陽を感じさせるロドリーゴ、夕暮れの郷愁を誘うドヴォルザーク。フランス~スペイン~ボヘミアと欧州を巡り、これでイギリスでも加われば欧州一周かと思っていたら、思い通じてか、アンコールにはロンドンデリーの歌(ダニー・ボーイ)が弦楽合奏で演奏され、終演となった。


カタルーニャ奇想曲


ジュリアーニの作品30イ長調の協奏曲第3楽章。


山下和仁によるアランフェス。この人ならPAは不要か(笑) 愛器ラミレスの弦高をめちゃくゃ高く設定しているのが映像からも分かる。第3楽章冒頭、山下のギター導入部が終わってオケパートが出るところ、テンポ設定がまるで違う(笑)



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新日本フィル:室内楽シリーズ#110



きのう7月12日の夜は、久しぶりにすみだトリフォニーへ。
都内での仕事が夕方までに終わる見込みだったので、昼前に新日本フィル事務局へ電話。当日券も余裕があるというので、それではと、仕事を終えたその足で錦糸町へ向かった。


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新日本フィルの室内楽シリーズを聴くのは二年ぶり。これまでも面白そうなプログラムは何度かあったが、失念したり、タイミングが合わなかったりと、縁遠くなっていた。今回の演奏会は少し前に知り、そのプログラムに惹かれ、興味をもっていた。今回の主役はコントラバス。それもカルテットでイタリア協奏曲をやるというので、これは聴き逃せないと思っていたのだ。演奏曲目他、以下の通り。

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J.S.バッハ:イタリア協奏曲ヘ長調 BWV971(コントラバス四重奏、編曲:村松裕子)
J.S.バッハ:狩りのカンタータ BWV208より アリア「羊は安らかに草を食み」(コントラバス五重奏、編曲:渡邉玲雄)
―休憩―
J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲ト長調BWV988(弦楽三重奏、編曲:ツィンツィエフスキ)
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ヴァイオリン:松崎 千鶴  ヴィオラ:濵本 実加
コントラバス:竹田 勉、渡邉 玲雄、城 満太郎、片岡 夢児、村松 裕子
2017年7月12日(水) 19:15~ すみだトリフォニーホール・小ホール
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日頃、管弦楽を聴くとき、しばしばコントラバスパートの動きに耳がいく。低音フェチというわけではないが、オーケストラにおけるコントラバスは、その音響の根幹を成す。和声の基音を支えるのはもちろんだが、ルートをはずして三度や減七の構成音をピチカートでポンと響かせる場面や、オスティナートで曲の進行を支える場面など、他のパートを差し置いて、ヨシヨシと一人合点しながら聴く。そんなコントラバスが主役になってバッハをやるというから、これには大いに期待した。
まずはイタリア協奏曲。原曲はチェンバロでもピアノでも親しんでいて、バッハの鍵盤曲の中でもっとも好きな曲の一つだ。この曲は第1楽章最初のフレーズで全体の印象がかなりの確度で決まる。決然としたグールドの開始はその最たるものだ。さて、コントラバスの4本の響きやいかに…。

…う~ん、少々期待が大き過ぎたか…。冒頭の4小節でそんな印象を受けた。
コントラバスの音域のうち低い方、3弦C以下の音域での三度のハーモニーや動きの速いパッセージは、いくら上手く弾いても音響的には効果的でない、あるいはむしろ逆効果になる場合が多いように感じる。ハーモニーを構成する音自体の純度が下がるし、速いパッセージはゴソゴソと響くだけで、極端にいえば何を弾いているの分からないことがある。オーケストラではそういう響きが全体の音響に効果的に働いて、低音域の迫力につながることも多いが、一つひとつの構成音が命のカルテットではマイナス面が多いと感じた。
ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロなどとは違うヴィオール族をオリジンにもつコントラバスは、4度調弦であることや胴から出たネック部の音域などの制限からだろうか、中高音以上での速いパッセージは運動性、音程とも、想像以上に難しいのだろう。新日本フィルの4名の奏者はみな闊達な弾きぶりであったが、さすがに最高域でのコントロールは甘くなりがちだった。もっともそれは聴く方も折り込み済み。むしろ最低域での速いパッセージや和声の純度がポリフォニックな部分で足を引っ張ってしまう感じであった。それが証拠に、第2楽章や2曲目<狩のカンタータ>のアリアなどでは、抑え気味の伴奏パートと、中高音を駆使して歌うソロパートとのコントラストが明確で、4本のコントラバスが効果的に役割分担していて十分楽しめた。


さて、休憩をはさんで、弦楽三重奏によるゴルトベルク変奏曲。
ゴルトベルクの弦楽版はシトコヴェツキーによるものが有名で、手元にも彼が主宰した弦楽合奏版の音盤がある。三重奏版はヴァイオリン、ヴィオラ、チェロによるが、今回のものはチェロに代わってコントラバスが使われている。ヴィオラの音域からかなり離れたコントラバスがどんな風に響き、全体を支えるのか、そのあたりに興味がいく。
コントラバスアンサンブルの勇壮なステージから打って変わって、ヴァイオリンとヴィオラをもったドレス姿の女性奏者がステージに立つと、一気に華やいだ雰囲気に。 ゆっくりめのテンポで出だしのアリアが奏される。伸びやかなヴァイオリン、中声部を埋めるヴィオラの暖かい音色、そしてコントラバスはチェロの中低域あたり、コントラバスでは中高音あたりを中心とした音域を使い、程よい重量感で全体を支え、実にいい響き。出だしのワンフレーズで懸念も不安も払拭され、音楽に惹きこまれる。
例によって<三>を基調とするバッハ特有の修辞が込められた曲の構成は、3曲ごとにカノンを配してギアチェンジしている。音盤では何度も聴いている曲だが、これほど集中して聴くのは初めてだ。そして、各変奏曲に施された多様な和声と曲想にあらためて驚嘆した。弾き手にも相当な緊張感を強いるのだろう、途中何度もハンカチで汗を拭いながらの60分を超える熱演。そして、最後にアリアが回帰されたとき、聴き手、弾き手ともに心の中の安堵を感じたに違いない。

コントラバスアンサンブルという貴重な当夜の演奏会。イタリア協奏曲ではやや期待が過ぎた感があったが、果敢な試みにはブラヴォー!ゴルドベルク変奏曲のチェロ版三重奏に勝るとも劣らない効果的な出来栄えにもブラヴォー! 終演9時。緊張も解け、程よい疲労感の中、昼間の熱気がまだ残る道を錦糸町駅へと向かい、帰途についた。


シトコヴェツキー編の弦楽三重奏版(Vn、Va、Vc)によるゴルドベルク変奏曲。


今回演奏されたツィンツィエフスキー編(Vn、Va、Cb)による音源。今回の演奏会をプロデュースした新日本フィルのコントラバス奏者:城満太郎氏はツィンツィエフスキーと古くからの知り合いで、この編曲をツィンツィエフスキーから知らされたとのこと。今回の演奏がツィンツィエフスキー版の日本初演だろうとのこと。


これは番外。リコーダーを弦楽合奏によるイタリア協奏曲。



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プチ夏休み~続き



いや~…暑いッスね。
きのうきょうと、関東地方は軽く三十度越え。あちこちで猛暑日にせまる暑さに見舞われた。梅雨明けもまだだというのに…。 さて、そんな中、少し早いプチ夏休み進行中。きのうはおのぼりさんとなって東京見物。この時期恒例の入谷朝顔市めざしてお江戸下町巡りとなった。基点は日本橋人形町。なぜまた人形町から…

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まずは腹ごしらえ。気取った構えの対極にして渋い庶民派、五郎君も舌鼓を打った天ぷらの「中山」へ。実はこの店へ行くのことがこの日の一つの目的。開店30分前に到着。まだ待ち列なし。ジリジリと陽射し照りつける中、じっと待つうちにボチボチ列が出来始め、11時15分に暖簾が出て店内へ。

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テレビの映像通り、手際のいい所作と気持ちのいい客対応。待つほどのこともなく注文の品が出来上がる。天丼(えび、魚、野菜)、穴子天丼、精進定食のご飯抜き。家人と二人分。評判通りの<黒>天丼。先日のうなぎ同様のブラックビューティー。甘辛の具合も絶妙で箸が進む。
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さて、腹が満たされたところで、この日最初の業務は、日本橋七福神巡り。おおおそ1キロ平方にまとまったコンパクトかつ効率的な神配置。お参りのあとには、ご朱印もいただきましたよ。

水天宮:お馴染み人形町の代名詞。昨年新社殿となった。
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茶の木神社:ビルの谷間の小さな神社。周りをお茶の木が取り囲む
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松島神社:ビルの一角というよりはビルの一部に組み込まている。
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末廣神社:小さいながら鳥居・狛犬等バランスよい景観
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笠間稲荷神社:周囲のオフィスビルに囲まれながらも堂々とした鳥居
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椙森神社:リニューアル中でした
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小網神社:銭洗いする人達多数。周囲はポケモンGoの出没ポイントとか。
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ひとしきり歩いたところで一服。こちらも五郎が訪れた甘味処「森乃園」へ。各種甘味を自家焙煎ほうじ茶でいただきます。
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さてさて、人形町を後にしてこの日ふたつ目の目的のため上野入谷へ。恐れ入谷の鬼子母神…で開かれる朝顔市。毎年この時期に催される下町の一大イベント。例年40万人の人出とのこと。浴衣女子もちらほら見かけ、夏の風情もMAXでした。
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ひと鉢買い求めた朝顔。一夜明けて、けさ可憐な花が咲きましたよ。
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…ということで、おのぼりさん与太、江戸下町を楽しむの巻のお粗末。これにて失礼。
ここ数日は音楽も縁無し。プチながらの休日で心身弛緩のひととき。これもまた一興であります。





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プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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