ノリテツ与太<わたらせ渓谷鐵道>へ



四月半ばの土曜日。ふと思い立って、わたらせ渓谷鉄道へ。
国鉄時代の足尾線から平成になって第三セクターわたらせ渓谷鉄道(筆頭株主は群馬県)となった、群馬県桐生市のJR桐生駅から県境を越えて栃木県日光市足尾町の間藤までの40キロ余の非電化単線路線。江戸時代から昭和に至るまで銅を産出した足尾は、その過程で発生した鉱毒被害と、その原因・責任究明の歴史として広く知られるところだろう。第三セクターのわたらせ渓谷鉄道となってからは、銅山観光や途中駅周辺での観光開発を進めてきた。また昨今は、沿線の素朴で豊かな自然景観をめでる人々が県外や海外からもツアーを組んで訪れるようになった。ぼくが初めてこの路線に乗ったのは、もう三十数年前のこと。その後、仕事やプライベートで数回利用した。今回は本当に久しぶりの乗車。


基点はJR桐生駅。レトロなディーゼル2両編成。車内もいい味出してます。といっても平成2年生まれ。
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乗り込む前に仕入れた<ほうとういなり> ご飯の代わりにほうとうを詰め込んだレアな一品。お味は…
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途中駅の水沼駅・神戸(ごうど)駅周辺は桜と桃の花が満開。新緑そして紅葉の頃も、沿線の渓谷美は絶景。
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終着駅の間藤(まとう)。かつてはこの先にも鉱石運搬用の線路が延びていたが、現在は閉鎖されている。近くには銅山時代からの縁で古河金属系の事業所がわずかに残るのみ。観光客の多くは途中の水沼駅(駅内に温泉有り)や通洞(花の名所)で途中下車のようだった。
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足尾町は銅産出が盛んであった明治から昭和初期には四万人近い人々が生活をし、栃木県内第二の町であったが70年代に閉山。80年代には精錬事業も終了し、以降は過疎化が著しい。ぼくも過去何度かこの地へ足を延ばしたが、今でも明治以来の当時の建築物が廃墟と化して往時の名残として現存し、いわゆる廃墟マニアの巡礼もしばしば見かける。


わたらせ渓谷鉄道 上り 通洞(つうどう)駅入線。ホームは多くの観光客で賑わっていた。iphone取り出しにわか撮影。YOUTUBEにはトリテツ諸氏の力作が山ほどあります。


わたらせ渓谷鉄道、通称<わ鐵>のオフィシャル動画。春の巻。


冬景色。豪雪地帯ではないので、ほどほどの雪。



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私家版作曲家年表2017年版<ギター・マンドリン弾きのための>



以前作って一度公開した作曲家年表(のようなもの)を久々にアップデートした。といっても前回2014年に作った際に抜けていたイギリス近現代作曲家を加えただけ。FC2ブログではPDF形式がアップできないので仕方なくJPEGでのせることにした。またアップロードファイル容量制限が2MBということで、ほどほどのピクセル数(A3版プリントアウトで何とか使えるかな)。もし印刷して利用されるようなら一般家庭でA3版カラープリントは難しいだろうから、コンビニ受け取りのネットプリントの利用が便利かと。

こちらからどうぞ ⇒ ◆私家版 作曲家年表2017年版◆
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日頃接しているクラシックギターやマンドリン音楽の愛好家が、そのベースとなっているクラシック音楽全般の潮流に無頓着であるのを見るに見かねて作った…というと生意気なようだが、実のところはぼく自身も一度確認しておきたかったというのが本音だ。ごく私的な確認目的に作ったもので、それ以上の価値もない。思いつくまま作曲家の名前を思い浮かべてリストアップし、生没年を調べて書き加えただけの安直なもの。A3版に収めることもあって、マニアックな人選はなし。また思わぬ大家の抜けがあるかもしれない。表中の矢印は特にクラシックギターやマンドリン(ここでは19世紀末からのものに限定)音楽への影響を示したもの。異論があることは承知だが、一つの目安にはなるかと。

この表で伝えたかったのは、クラシックギターという特別な歴史があるわけではなく、例えば古典ギター全盛期のカルリ、ソル、ジュリアーニ、メルツといった作曲家の作品はまぎれもなくクラシック音楽全般の古典派・初期ロマン派の中に位置付けられ、それらの様式感や解釈を会得するには18世紀末から19世紀初めてのクラシック音楽全般を聴き親しむことがもっとも手っ取り早いということだ。 プロ・アマ問わず一部のギター演奏を聴いていると、バッハ、ソル、アルベニスやヴィラ・ロボスも、ともかく<ギター音楽>としてひと括りに同じ語法で弾く姿にしばしば出くわす。ギター的な美しい音や間違えない技術、バリバリ弾くパワーは悪いことではないが、それを最優先するがために、その作品の時代背景、様式感、雰囲気、そうしたものを置き忘れたような演奏には魅力を感じない。ギター作品以外の同時代の作品に触れ、その時代性を感じ、それをギターで表現できるようになれたらと思うのだがどうだろう。

そういえば、昨年末亡くなった佐藤弘和氏のレッスン室にはこの年表が貼られていたはずだ。数年前、佐藤氏とSNSを通じて何度かやり取りした際に、この年表を気に入ってくれて、さっそくレッスン室に貼りましたとメールをいただいたことがあった。アップデートしたら貼り替えてもらうかと思っていたのだが…

<追伸>
PDFあるいは編集可能なEXCELファイルのリクエストあれば連絡先を添えてコメント下さい。もちろんコメント・メールアドレスは公開しません。

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【期間限定無料配信】 孤独のグルメ_Season1



太っ腹!テレビ東京!!
孤独のグルメSeason6放送開始に合わせ、本シリーズ最初の2012年に放送されたSeason1全12話が同局のネット配信サイトにて無料配信中だ(4月14日までの予定)。こちら ⇒ http://video.tv-tokyo.co.jp/kodokunogurume1/?sc_cid=video_kodokunogurume1
冒頭CMが少し入ってから本編が始まる。同じものがYOUTUBEでも見られる。見逃した方はぜひどうぞ。


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以下はYOUTUBEへのリンク。
第一話  江東区 門前仲町のやきとりと焼めし


第二話  豊島区 駒込の煮魚定食


第三話  豊島区 池袋の汁なし担々麺


第四話  千葉県 浦安市の静岡おでん


第五話  杉並区 永福の親子丼と焼うどん


第六話  中野区 鷺宮のロースにんにく焼


第七話  武蔵野市吉祥寺 喫茶店のナポリタン



第八話  神奈川県川崎市 八丁畷の一人焼肉


第九話  世田谷区 下北沢の広島風お好み焼き


第十話  豊島区 東長崎のしょうが焼目玉丼


第十一話 文京区 根津 飲み屋さんの特辛カレーライス


第十二話 目黒区 中目黒 ソーキそばとアグー豚の天然塩焼き



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再会



盲導犬育成のボランティアとしてラブラドールレトリヴァー犬のパピーをお預かりした話は以前書いた。2015年初秋に我が家にやってきて、一年後の昨年秋に協会へお返しした。その後、盲導犬としての本格的な訓練が始まり、途中の経過についても報告を受けていた。訓練に入ったパピーが最終的に盲導犬になる確率は10頭中、2、3頭程度とのこと。途中何度かの試験があって、訓練の成果や適正が試される。その結果は都度、パピーを育てたぼくらボランティアへも報告があり、わが子のことのように一喜一憂することになる。今回は最終段階へ進むテストに無事合格したとのことで、面会のチャンスを与えられ、久しぶりに会いに行ってきた。

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わが家ですごしているときは、マイペースののんびり屋であったが、さすがに数ヶ月の訓練で一つ一つの行動に対する集中力が格段に高まっているのがよくわかる。体重はほとんど変わっていないとのことだったが、胸や足の筋肉が発達していて、逞しくなっていた。それでも仕事モードから解放されると、幼ないパピーの面影もまだあって、家人の腕の中に入るといつまでものんびりしていたそうな表情を見せる。

面会時間の一時間はあっという間に過ぎる。この先、無事盲導犬として仕事をするようになるのか、あるいは別の道に歩むことになるのか…。結果のいかんに関わらず、彼女と会うのはこれが最後になるのだろうと、いささかセンチメンタルになりながらも、明るくバイバイ(^^)/~~。 彼女はこちらを振り向くこともなく、訓練士に連れられて軽い足取りで犬舎へ戻っていった。


~~~閑話休題~~~

栃木県中部にある協会まで行ったついでに、那須黒磯まで足を延ばすことにした。お目当ては<丸信本家>と<SHOZO_CAFE>。昨年の9月以来半年ぶりだ。ちょうど昼時だったので、まずはJR黒磯駅近くの<丸信本家>でラーメンを食す。相変わらずの盛況ぶりながら、感じのいい店主夫婦の呼吸はいつも通り絶妙で、混雑にイライラすることもない。見掛けは何の変哲もないラーメンだが、あっさりしたスープと平打ち縮れ麺、香り高い青ねぎと自家製チャーシューのベストミックスはスーッと腹に納まりもたれない。同じ栃木県内の佐野ラーメンに近い感じだが、いっそう軽い味わいながらも物足りなさはなく最高だ。

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炭水化物で腹もおとなしくなったところで、那須高原へ車を進める。全国からカフェマニアが巡礼に訪れるという<SHOZO_CAFE>も半年ぶり。いつもなら行列待ち必至だが、この日はたまたま待たずに案内される。人気店らしくスタッフの接客もジェントルかつフレンドリー。フレンチローストの珈琲はもちろん、家人が注文した紅茶も丁寧に淹れてあって、やや濃い口のスイーツ類と共にゆったり楽しめる。

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昨今テレビの県民性比較バラエティー番組では、何やら底辺争いを繰り広げているような栃木・群馬・茨木の北関東三県であるが、どうやら栃木県が総合的には頭一つリードしているのではないかと感じる。日光は外人観光客に相変わらず人気だし、那須高原も別荘地、冬のリゾート地として第一級だろう。さらにご当地ラーメンと人気カフェが加わる。おらが群馬はどうも分が悪い。


SHOZO_CAFEは栃木県黒磯周辺のほか、東京南青山にも<SHOZO CAFE_STORE>という店舗を出している。



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<人生フルーツ>



朝夕は冷え込み、日中は程々に暖かい、この時期らしい陽気の日曜日。格別の用事もなく、だいぶくたびれてきた卓上PCの入れ替えをしようとネット相手に機種選定。いくつかの候補に絞って近々最終決定というところまでいった。早めの夕飯を済ませたあとは家人の提案で隣り町のミニシアターへ。ドキュメンタリー映画<人生フルーツ>を観る。


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愛知県春日井市にある高蔵寺ニュータウン。その一角に住むある老夫婦の日常を追った作品。2016年東海テレビが制作し、今年初めから劇場公開が始まった。 登場する津端修一さん(1925-2015)は建築家として60年代に手がけた高蔵寺ニュータウンに自ら入居し、その後その一角に土地を求めて家を建てる。ニュータウン開発で失われた雑木林や田畑を自らの宅内で再現するべく、夫人の英子さん(1928-)と共同生活がスタート。結婚から60年、家を建ててから40年。ふたり合わせて177を超える歳になり、実り多き人生となってからも、日々小さなことを淡々とひとつひとつ積み重ねていく様子が描かれる。

資質、能力、適正、相性、意志、偶然、境遇…様々なものの組み合わせによる、ひとつの結果事例…ではあるが、毎日毎日同じことを淡々と繰り返し、小さなことを積み重ねて時を刻むことの素晴らしさと大切さをあらためて感じた。人も物も庭の木々も、等しく年月を重ねていく様が美しく描かれた映像。樹木希林の語り。音楽担当:村井秀清。アルベルティバスにのるシンプルなメロディのピアノ曲がこころ和ませる。


作品予告編



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APAチェロの会@川崎



来る3月20日(月)祝日の午後から夜にかけて、NPO法人:日本アマチュア演奏家協会(APA:エイパ)によるイヴェントがあって、チェロ相方と参加予定。この会は毎年開かれているが、ぼくが参加するのは一昨年2015年2月に行われたとき以来2年ぶり。


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アマチュア音楽愛好家の集まりであるAPAは1974年に設立され、すでに40年を超える歴史を持つ。全国に一千名を超える会員を有し、アンサンブル練習やコンサートなど日常的に活発な活動を続けている。会員構成をみると中高年パワー全開という感じだが、聞くところによれば長いキャリアを持つハイアマチュアが主体で、クラシック音楽に使われる楽器がほぼ網羅されている。
今回催されるのは、その中のチェロ会員による内輪の発表会。十数名のアマチュアチェロ弾きが集い、ピアノ伴奏あるいは無伴奏で日頃の練習の成果をお披露目する。主な曲目とおおよその時間を以下に記しておこう。

◆3月20日(月) 於:ミューザ川崎・市民交流室 15:45開場後ただちに開演◆

<15:45開演>
ヴィヴァディ:チェロソナタ変ロ長調 <<<<< ここが出番です(^^;
L.ボエルマン:ソナタイ短調より
ポッパー:道化師作品3/1
バッハ:無伴奏チェロ組曲第6番よりプレリュード・アルマンド
メンデルスゾーン:チェロソナタ第2番より

<17:20頃~>
サン=サーンス:チェロソナタ第1番より
マイナルディ:無伴奏チェロのための日本歌曲
ビアッティ:カプリス第7番
フォーレ:チェロソナタ第2番

<18:40頃~20時頃終演予定>
ブラームス:チェロソナタ第1番より
C.P.Eバッハ:協奏曲イ短調より
バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバソナタ第1番
ラフマニノフ:チェロソナタより

ご覧の通り、チェロの本格的なレパートリーが並んでいて、レベルの高さが伺われる先日の記事に書いた通り、今回チェロ相方がソロをとるヴィヴァルディで相方知人のチェロと共に通奏低音パートとして参加。プログラムの最初に演奏することになっている。 これだけのチェロ名曲を一度に聴けるチャンスは滅多にない。さらに今回はチェリスト、ピアノ伴奏者とも一部プロフェッショナルの方も参加予定。ご都合つく方はぜひご来場のほどを。会場はJR川崎駅至近のミューザ川崎。もちろん入場無料。お時間の許す範囲でチェロの響きをお楽しみいただければ幸いです。


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BRAVO!下野竜也 群馬交響楽団第525回定期演奏会



週末祝日の土曜日。昼過ぎに隣り町のマンドリンアンサンブルの練習。終了後、先月に続き群馬交響楽団(群響=グンキョウ)の演奏会へ。真冬に逆戻りのような凍てつく夜にもかかわらず、群馬音楽センターの1900席はいつも通り9割方の入りで盛況だ。


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ドヴォルジャーク/序曲<フス教徒> 作品67 B.132
ドヴォルジャーク/ピアノ協奏曲 ト短調 作品33 B.63
 ―休憩―
ドヴォルジャーク/交響曲 第6番 ニ長調 作品60 B.112
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ピアノ:清水和音
指揮:下野竜也 管弦楽:群馬交響楽団
2017年2月11日(土)18:45~ 群馬音楽センター
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今回はオール・ドヴォルザーク、しかも滅多に聴く機会のない曲を含め、中々レアなプログラム。特に序曲<フス教徒>はほとんど演奏されないし、ピアノ協奏曲も演奏機会はごく少ないと、プレトークでの渡辺和彦氏談。手持ちの盤をあたってみたが、どちらも見当たらなかった。しかし実際に聴いてみると、共にもっと取り上げられてもおかしくない内容だ。序曲<フス教徒>はハ短調で開始されるものの、最後にハ長調に転じてフルオケの響きを堪能できる。ピアノ協奏曲は第1楽章、第2楽章とも、冒頭から魅力的なフレーズで引きつけられる。決してピアニストの技巧をみせる曲ではなく、オケパートが常に雄弁に語るように書かれているあたりは、ブラームスのピアノ協奏曲を思わせるほどだ。しかし、そうした曲のあれこれよりも、当夜の最大の収穫は下野竜也氏の指揮だった。

巷間下野氏が注目されるようになってから、もう十年以上になるだろうか。2001年のブザンソンで優勝し、ナクソスから邦人作品でデビューした。以降あちこちのオケと協演し、その度に高い評価を受けていた。過去群響にも客演したことがあったのだが、ほくは今回初めて彼の指揮に接した。そしてブラーヴォ!評判通りの素晴らしい指揮者だ。

まずアンサンブルの切れがいい。指揮棒と左手を使い、ときに大きな身振りの交えて指揮ぶりだが、その動き自体がシャープかつ無駄なところがない。必要のないところでは大振りしないし、トゥッティの決めどころでは、指揮棒は大きく右から左にまるで空気を切り裂くように振られる。そしてアーティキュレーションの指示も抜かりない。短いフレーズの中でもふくらみのある表現をするところでは、それまでの1小節4つ振りを瞬時に2つ振りにして、指揮棒が大きく弧を書くようにレガートな曲線を描く。指揮棒を見ているだけで、どういう表現を求めているかが一目瞭然だ。

さらに賞賛に値するのは完璧なパートバランスだ。群響の本拠地、群馬音楽センターの音響はきわめてデッドで、オケの芳醇な響きを楽しむには残響時間がまったく足らない。同時に直接音主体の響きなるので、特にホルンパートなどは時に突出し、かつ乾いた響きになることが多々あった。しかし当夜の演奏では、ホルンも木管群もきわめて自然な響きとバランスを保ち、耳障りでアンバランスな響きを出すことがなかった。これはひとえに下野氏のバランス感覚と、それを的確にオケのメンバーの指示したからに他ならないだろう。そうしたコントロールがゆえに、必要なところでのトゥッティの迫力も申し分ない。きちんとしたバランスと、正確なアンサンブルとアーティキュレーションを徹底すれば、ホールアコースティックに頼ることなく、説得力のある音楽ができることの証明だった。そしてもちろん、そうした結果に至るまでの課程における下野氏のスコアリーディングの深さがどれほどか、当夜一聴しただけでも分かるほどだ。実際、会場のほどんと人が初めて聴いたであろう序曲<フス教徒>でも、最後の和音がなり終わったあと、メインプログラムかと思わせるほどの拍手が沸き起こって驚いた。それだけの説得力ある表現だった証しだろう。

すでに読響正指揮者としてドヴォルザーク交響曲全曲演奏に取り組み、自信と自負をもって臨んだであろう当夜のオール・ドヴォルザークプログラム。ようやく実演に出会えた下野氏にブラーヴォ!そしてその指示に十二分に応えた群響団員にもブラーヴォ!を贈りたい。


ケルテス指揮ロンドン響による序曲<フス教徒>の音源。



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プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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