六頭目の盲導犬パピー



数年前に始めた盲導犬パピー育成のボランティア。そろそろ店じまいかと思っていたが…


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今年4月末から新しいパピーを預かっている。
以前からこのブログをご覧いただいている方は覚えているかもしれないが、今回で六頭目になる。やってきたのは黒ラブ(黒毛のラブラドールレトリバー)。上の写真は我が家に来てまもなく、初めて外に出た頃のものだ。まだ体重は6キロ程度だった。生後二ヶ月のパピーを預かり、ほぼ一年間育てる。以前も書いた内容だが、この間のプロセスを以下に記しておこう(少々偉そうに書いているが、ほとんどは妻に任せきりです)。

まずは排泄のトレーニング。盲導犬として好きな時に勝手に排泄することは出来ない。人間の声掛けに促されて排泄するよう習慣付ける。次いで基本的なコマンド(sit,down,wait)の修得。盲導犬としての仕事のほとんどは待つこと。人のコマンドに対応出来るようにする。生後3カ月を過ぎた頃から外散歩。よく見かける散歩のように犬の気ままで右左、そちこちで臭い取りの道草、連れいてる人間達の犬トモ井戸端会議…という散歩はいけない。常に人(リーダー)の左横について速めのピッチで歩く。リーダーの歩く止まるに合わせるようにする。もちろん散歩に出る前に排泄は済ませる(排泄をしたら散歩に行ける!と習慣付ける)。そうすれば散歩途中で粗相することはない。

食事は決まった時間に決まった量だけ。人間の食事の際、犬に何かを与えてはいけない。人間の食事は自分とは関係ないことと認識させないと、盲導犬としてレストランに入ることも出来なくなるからだ。「うちの子はご飯になると吠えて教えてくれるのよ」と近所の奥様が言っていたが、それは単なる要求吠えだ。盲導犬として仕事をするには要求吠えがあってはいけない。小さいうちは何かと吠えたりクンクン言ったり、一緒に遊んで!ご飯頂戴!と要求するものだが、そうした犬からの吠えや声には、静かにしなさい!といった応答はしない。吠えたら黙って部屋から出て行ってしまうくらいの対応をする。そのうち吠えても無駄と知り吠えなくなる。

…と書くと随分窮屈そうに見えるだろうが、習慣性の強い犬はこうしたことをよく修得する。素人のボランティアであっても初期のトレーニングは十分可能だ。もちろん窮屈な思いばかりをさせているわけではなく、一緒にボール投げで遊ぶこともある。がしかし、過度に興奮させないということは常に念頭におく。これまで経験したパピー達も、生後半年までにほぼこうした習慣付けが出来上がり、一緒に食事に行ってもいたずらに騒ぐようなことはなかった。もっとも犬種としてラブラドールレトリバーの特性も大いにあるだろう。また、こうした習慣付けは、愛玩用として犬と暮らす場合にも有効だと思う。

さてさて、すでに預かってから数ヶ月が経ち、体重も20キロを超え成犬並みになった。残る期間は半年程。秋風が吹き始める頃には、ギターを弾くぼくの傍らで静かにダウンして待っていられるようになるだろうか…


■■■盲導犬に出会ったら…愛ある無視を!■■■
・声をかけたり、じっと前から見たり、口笛をならしたりしない。
・食べ物を見せたり、あげたりしない。
・盲導犬をなでたり、ハーネスを触ったりしない。
・自分のペットと挨拶させようと近づけたりしない。

■■■犬の十戒■■■
<1> 私の一生はだいたい10年から15年です。あなたと離れるのが一番つらいことです。どうか、私と暮らす前にそのことを覚えておいて欲しいのです。
<2>あなたが私に何を求めているのか、私がそれを理解するまで待って欲しいのです。
<3> 私を信頼して欲しい、それが私にとってあなたと共に生活できる幸せなのですから。
<4> 私を長い間叱ったり、罰として閉じ込めたりしないで下さい。あなたには他にやる事があって、楽しみがあって、友達もいるかもしれない。でも、私にはあなたしかいないのです。
<5> 時々話しかけて欲しい。言葉は分からなくても、あなたの声は十分私に届いています。
<6> あなたがどのように私を扱ったか、私はそれを決して忘れません。
<7> 私を殴ったり、いじめたりする前に覚えておいて欲しいのです。私は鋭い歯であなたを傷つけることができるにもかかわらず、あなたを傷つけないと決めているのです。
<8> 私が言うことを聞かないだとか、頑固だとか、怠けているからといって叱る前に、私が何かで苦しんでいないか気づいて下さい。もしかしたら、食事に問題があるかもしれないし、長い間日に照らされているかもしれない。それとも、もう体が老いて、弱ってきているのかもしれません。
<9> 私が年を取っても、私の世話はして下さい。あなたもまた同じように年を取るのですから。
<10> 最後のその時まで一緒に側にいて欲しいのです。このようなことは言わないで下さい、「もう見てはいられない。」、「居たたまれない。」などと。あなたが側にいてくれるから最後の日も安らかに逝けるのですから。忘れないで下さい、私は生涯あなたを一番愛しているのです。


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今秋も来演!ブロムシュテット



この7月に96歳となった指揮者ヘルベルト・ブロムシュテット。昨年に続き今年も10月のNHK交響楽団定期演奏会に登場予定だ。


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今や最長老の指揮者といってよいブロムシュテット。80年代からN響への来演が続いていたがここ数年も、高齢にも関わらず毎年のようにやってきて日本のファンを喜ばせてくれている。ぼくも昨年10月、運よくその姿に接することができた。周辺では「今年が最後になるか」といった声も聞こえていたが、その後発表になったN響定期2023年シーズンのプログラムにその名をみつけ、大いに喜び期待もしていた。今回の来演ではN響定期のA・B・Cプロそれぞれで以下の曲が予定されている。

Aプロ:10月14・15日 NHKホール
ブルックナー/交響曲第5番変ロ長調

Bプロ:10月25・26日 サントリーホール
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 作品73「皇帝」
ブラームス/交響曲第3番ヘ長調作品90
ピアノ : レイフ・オヴェ・アンスネス

Cプロ:10月20・21日 NHKホール
ニルセン/アラジン組曲作品34
シベリウス/交響曲第2番ニ長調 作品43


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N響定期会員を除く一般向けチケットのネット販売が7月30日にスタート。開始時刻にさっそくアクセスし、ブルックナー第5のAプロのチケットを何とかゲット。さらにブラームスも聴きたいなあと思ったが、Aプロのチケット確保で少々時間を使っているうちにBプロはSOLDOUT。もともと一般向けの席が少ないこともあるのだろう。仕方ないブラームスは諦めようかと思っていたところ、所沢ミューズ(所沢市民文化センター・アークホール)で同じプログラムの公演があることに気付いた。早速同ホールHPにアクセスすると幸いまだ空席有り。小躍りしながらこちらも無事押さえることができた。

昨年7月、95歳となった直後に転倒・入院とのニュースが舞い込み、秋の来日があやぶまれたが、幸いその後回復して無事すべての公演が行われた。現在マエストロは引き続き元気な様子。来演まであと二ヶ月余、この間もいくつかのオケを振る予定のようだが、元気に過ごされ、その姿に触れられることと楽しみにしている。


今回のBプロで予定されているブラームスの第3交響曲。ブロムシュテットとコンセルトヘボウ管 2014年1月ブロムシュテット86歳。演奏は17分50秒過ぎから始まる。



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門前仲町・木場界隈



仕事を辞めて三ヶ月が経った。


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勤め人生活四十五年。職歴・業績、語る程のものなし。終わってみれば呆気ないものだ。電機メーカーに長らく勤務したのち、セカンドキャリアとして都内で新たな仕事に就いた。当地群馬から100キロの新幹線通勤。勤務先までドアtoドアでちょうど2時間。7時に家を出て19時に帰宅の日々。八王子や横浜の少しはずれから通勤する同僚からは「オレとあまり変わらないなあ。群馬はそんなに近いのか」と言われた。JR東日本の売上げには随分と貢献。もう少しやらないかとも言われたが、いくつかの事情が重なりこの三月末で退職した。

最後の職場は地下鉄東西線の門前仲町(門仲)と木場のちょうど中間にあり、その日の気分で下車駅を変えて下町散歩を楽しんだ。門仲・木場界隈は東京駅・丸の内といった都心からわずか数キロメートルだが、雰囲気はまったく違う。富岡八幡宮や深川不動尊を中心に繁華な門仲、「木場」としての機能はすでになくなり名前だけが残る木場、ともに庶民的な風情色濃いエリアだ。

勤務先周辺はかつて古くからの工場群があったが、十数年前にオフィス商業エリアとして再開発された。門仲付近を流れる大横川沿いの見事な桜。春には桜吹雪の舞う中を通勤。
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勤務先から南方を望む。遠くに見えるのは新たなウォーターフロント豊洲のタワマン群
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通勤路にあった「東富橋」。リベット打ちトラス橋。昭和5年に関東大震災からの復興で架橋された。
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勤務先近くにあったビオガーデン。春にはカワセミも営巣。季節の折り目によく散歩した。
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木場駅から数分の洲崎神社。キャラクタの「玉の輿たまちゃん」。かつては東京湾を望む景勝の地で遊廓もあった洲崎地区。昭和30年代初頭まで洲崎パラダイス(いわゆる赤線)として栄えた。今はもうその面影はほとんどないようだ。
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地名の由来となった木材集積場は昭和40年代半ばに新木場に移転されたのち、公園として整備された。一部に親水エリアがあって、かつての面影も残している。陽気のいい時期には昼飯がてら足を延ばした。
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四月からサンデー毎日の日々となって三ヶ月。行政・年金等の身辺手続きもひと通り終えた。思えば自堕落な社会人で、就職したときから、これから始まる仕事人人生よりも、退職後の道楽生活を夢想していた。ようやくそれが実現し、さて道楽人生万歳!…と意気込んではみたが、そうそう人生甘くはない。あれこれ新たな悩みも出てきて安穏としていられないことに気付いた。そうこうしているうちにお迎えが来るのだろうなあと、妙にリアルになる今日この頃であります。







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モンブラン#149



かつて愛用していた万年筆がオーバーホールから戻ってきた。


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モンブランのマスターシュトゥック#149。40年程前、80年代初頭に手に入れ、折にふれ使っていたもの。かつてのように手書きの機会もなくなってきた20年程前から出番なく、引き出しの奥で眠っていたが、ふと思い出して手にしたくなった。年月が経っていることから、いきなりインクを入れるのもはばかられ、この際だからとメンテナンスに出すことにした。日本橋丸善に持ち込むと、モンブランのメンテンナンスは内容に関わらず一律料金とのこと。思いのほかリーズナブルな料金で、ひと月ほどで戻ってきた。

かつて使っていたといっても、物書きでもない市井のサラリーマン。万年筆の出番などそうそうあるわけでない。旧友宛の書簡、仕事上の走り書き、ちょっとした書類へのサイン、冠婚葬祭等での記帳など、やおら取り出しペンを走らせ、一人悦に入っていた。昨今、万年筆はブームに近い流行アイテムのようで、年齢性別問わずファンが多いようだ。ぼくが万年筆や筆記道具に興味をもっていた70年代から80年代も一部に熱心な愛好家がいたが、今ほどの広がりはなかった。


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モンブラン#149は同社のフラグシップ品番として70年以上の歴史がある。日本ではかつて文豪御用達アイテムとして知られ、社会人になるとあこがれから手に入れる輩も多かった。ぼくもそんな一人だ。初めて手にしたとき、書き味あれこれの前に、重厚な軸と豪奢なペン先の存在感に圧倒されたものだ。

久々にインクを入れてペンを走らせると、ちょっと気障だが、青春の一コマが蘇ってくるようで何とも懐かしい気分になった。40年前手に入れたときのインクボトルはその後形状が変わり、モダンなスタイルになったが、万年筆自体は何も変わっていない。進化、進化とうるさい世の中だが、変わらないことの貴重さをあらためて実感した次第。リフレッシュした万年筆とリニューアルした渋い色合いのミッドナイトブルーインクで、さて何を書きましょうか…


#149あれこれ




モンブラン社ハンブルク工場



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お上りさん東京散歩「銀座裏通り」



一時はどうなるかと思っていた年度末業務も何度目かの神風が吹き解決。予想外に時間が出来たのをこれ幸いと都内散策を続けていたが、きょうはその最後。花の東京はやはり銀座だろうと、過日勇んで繰り出した。

かつて、ぼくにとっての銀座はオシャレな大人の街とはかけ離れていた。70~80年代の銀座界隈には「ハンター」を始め、中古レコードの店が何軒かあり、学生時代から時折りバイト日銭を手にそれらの店を巡るのが楽しみだった。加えて山野楽器やヤマハ銀座店で楽譜や楽器にも触れられる…つまりは音楽道楽の渇きを癒すためのエリアだった。CD時代になって中古レコード店は姿を消したが山野・ヤマハは健在。オシャレな華やかさと同時に下町風情も感じさせる銀座は相変わらず魅力的だ。今回はそんな銀座の裏通りを巡ってみようと、例によってにわか建築探偵団となって繰り出した。


目指すは裏通り…ではあるが、まずは起点の四丁目交差点、銀座の象徴「和光」(1932)からスタート。ここでフィアンセと買い物をするような人生を歩みたかったなあ…
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晴海通りから外堀通りへ左折して少し行くと現れるのが「電通銀座ビル」(1934)。広告代理店大手「電通」の前身「日本電報通信社本社」だったビル。1階部分に御影石を配し、コーナーのアールが印象を柔らかくしている。
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電通銀座ビルから延びるのが「交詢社通り」。その名の通り、かつて福沢諭吉を中心に創立された社交クラブ「交詢社」のビルがあったエリア。長らく当時の姿を残した交詢社ビルだったが、2004年にファサードの一部を残して建替えられた。
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再び中央通りへ。七丁目交差点。幾度となく通ったヤマハ銀座店。かつてのビルはアントニン・レーモンド設計の名建築だったが、老朽化により2010年に建替えられた。
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四丁目交差点に戻って…。あんぱんの木村屋、ギターやマンドリンの在庫も豊富な山野楽器を過ぎ、銀座で唯一ともいえる書店「教文館・聖書館ビル」(1933)のスッキリとして姿が目にとまる。これもアントニン・レーモンド設計。
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松屋百貨店の裏通りへ。小さいながら目をひくアールデコ風のビル「松屋東別館(旧日本酸素本社)」(1927)。
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さらに裏通りを更に進むと、美しさに目を奪われる「ヨネイビル」(1929)に着く。
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1階には人気の洋菓子店「アンリ・シャルパンティエ」が入っている。せっかくなので、ちょっと贅沢に一服。目の前で供されるオレンジソースのガレット・アイスクリーム添え
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優雅なスウィーツを堪能したあと、裏通りをさらに進むと…レトロ感あふれる「奥野ビル」(1932)が現れる。設計は同潤会アパートと同じく川元設計事務所。
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先回の日本橋・兜町と同様、戦前のビルが未だ残り、修復・改修されながらも生き続けている様は貴重だ。建設当時はモボ・モガ達が着飾って歩いていたに違いない。そんな昔日の良き時代を感じさせる小散歩だった。


アンリ・シャルパンティエ@ヨネイビル



戦前の銀座他



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お上りさん東京散歩「北欧デザイン展~日本橋・兜町」



お上りさんの東京散歩の続き。先回のアカデミックなエリアから今回はリラックスして商業エリアへ。目指すは日本橋高島屋。先週まで開かれていた「北欧デザイン展」へ。ついでに周辺をうろうろしてみた。


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北欧家具・調度品の分野で有名な織田憲嗣氏のコレクションが身近かに見られるということで、大いに話題になった様子。
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椅子の名品が並ぶ
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美しいガラス製品
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北欧のリビングを再現
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カトラリーと茶器
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大いに目の保養をしたところであらためて日本橋散策へ。例によってプチ建築探偵団風情でGo! あらためて見る「日本橋髙島屋」(1933)の存在感に感じ入る。その対面には丸善(1906~2006改築)。言わずと知れたは百年以上の歴史をもつ老舗。洋書、筆記具、服・洋品等、かつてのインテリ紳士はここですべての買い物を済ませた。二十代の頃、インテリでも紳士でもなかったが、ここの便箋やノートにあこがれ何度か足を運んだことを思い出す。
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丸善の向かいにあるのが「スターツ日本橋ビル」(1927)。旧川崎財閥系の川崎銀行本館だった由。
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日本橋から少し東に進み、さらに永代通りを渡って兜町へと進む。ぼくの生活にはまったく縁のないエリアだが、日本経済の中心でもある。一度を見ておくのもいいだろう。
小さながら目をひく「フィリップ証券」(1935)。
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隣接してちょっとチャーミングな「山二証券」(1920)
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東京証券取引所を横目で見ながら進むと現れるのが「日証館」(1928)。かつての渋沢栄一邸宅跡地。今見ても大きなビルだが、アーチ状窓を配した意匠は風格に満ちている。内部も現役感バリバリ。
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兜町を離れて日本橋へ向かう。首都高をくぐって進むと現れるのが「日本橋三菱ダイヤビルディング(旧三菱倉庫本社)」(1930)。2階まで石張り、5階まで当時イメージを残し、10年程前に高層ビルになった。
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お馴染み日本橋。橋の上を覆う首都高速道路は「日本橋区間地下化事業」が進行中。2040年には首都高が下にある日本橋川の地下に潜るという大計画
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日本橋すぐ横の「野村證券」(1930)は周辺再開発と併せて改築中。
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日本橋から中央通りを北進。「日本橋三越」(1927)、「三井住友銀行東京支店(旧三井本館)」(1929)と連なる。丸の内が三菱村なら、この辺りは三井村だろうか。
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この建物の中にはどれほどの資産が潜んでいるのだろうか
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かつての日本の反映を象徴するエリアを散策。日本橋は江戸時代以来の商いの街。それを支える兜町。ちょっと見ではわからない社会資本の蓄積を感じさせる小散歩だった。最後は「三時のおやつは文明堂~♪」で一服。好天に恵まれ、楽しいひとときだった。

大通りから一本入ると、ぐっと庶民的な風情に。
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カンカンベアがお出迎え。
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美味しくいただきました。
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日本橋高島屋「北欧デザイン展」 スマートフォンでの写真・動画撮影可。「どしどしSNSにアップしてください」とのコメントまであったので、当日撮ったものを並べて簡単な動画にしてみた。


日本橋高島屋での「北欧デザイン展」に多くのコレクションを提供した織田憲嗣氏のチャンネルから。


三時のおやつは文明堂~♪



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お上りさん東京散歩「東京大学本郷地区キャンパス」



気付けば三月も下旬。年度末の業務も片付け、余裕の休暇取得。お上りさん東京散歩の続き。今回はいよいよ本丸?!東京大学本郷地区キャンパスへ。その歴史ある建築群を一度見ておきたいとかねがね思っていたが、これまで畏敬の念もあって機会がなかった。見学だけなら試験は不要とのことで(^^、偏差値気にせず安心してのりこむことにした。

最寄り駅の地下鉄丸ノ内線・本郷三丁目を出て本郷通りを北進する。
本郷三丁目


赤門
赤門


正門
正門


正門から銀杏並木を進む。春休みのためか学生の姿はまばら
銀杏並木


法文2号館。雰囲気のあるアーチ回廊
法文2号館

法文2号館2


東大の象徴「安田講堂」前に出る
安田講堂


安田講堂地下の学食でメシ
学食


三四郎池
三四郎池


医学部2号館本館
医学部2号館本館


総合図書館
総合図書館

総合図書館2


構内は設計者:内田祥三(1885-1972)の手になる通称「内田ゴシック」のオンパレード。スクラッチタイルとシンメトリーかつ末広がりの重厚な建物が続く。いずれも100年近くの歴史を背負う。 ゆるゆると巡ること小一時間。構内一巡したところで一服。正門前の喫茶店「ルオー」に入る。雑誌の特集ではよく取り上げられる店だ。

ルオー


いつもなら東大生に賑わっているのだろうが、キャンパス構内同様、ここも春休みゆえか客はまばら。おかげで丁寧に供された珈琲と菓子(リンゴのタルトをチョイス)で穏やかな時間を楽しんだ。さて、もう少し歩こうかと、農学部のある弥生キャンパスへ進む。

農学部への門(農正門)
農正門

農学部2号館
農学部2号館

農学部3号館
農学部3号館

頑張れ東大野球部!
東大球場


初めて足を踏み入れた東大キャンパス。うわべだけのミーハー散歩であったが、歴史を刻んだ建造物と構内の樹々が織りなす造形に脱帽。そしてそれらに相応しい選ばれし真摯な学徒が日夜、勉学・研究に打ち込む姿を想像し、思わず「日本を頼むぞ」と心の中でつぶやいた。見知らぬ彼らに勝手な期待を願いつつ本郷三丁目へ戻り、駅チカの名曲喫茶「麦」にて大休止。東大オケの第二部室と異名をとるらしい。喫煙OK・激安メニュー。昭和にタイムスリップしたかのようなひとときを過ごして散歩を終え、帰途についた。

珈琲とジャムサンドで550円也
麦


東大生によるミニツアー


総合図書館



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プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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