ディーン・ディクソン&ヤニグロのドヴォルザーク



週末金曜日。サンデー毎日の身にあっては曜日の感覚も失せがち。いろいろ理由をつけて一週間を乗り切っている。きょうは朝から少々遠出の外出。夕方近くに帰宅した。ネクタイ、もとい、ベルトを緩めていっぷく。少し前から聴こうと思っていたこの盤と取り出した。


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70年代初頭に山ほど出回った廉価盤シリーズの一つ。ぼくの最も敬愛するチェリストの一人であるアントニオ・ヤニグロ(1918-1989)がソロを取り、ハイドンとドヴォルザークの協奏曲を弾いている。このうちドヴォルザークの伴奏を付けているのは、黒人指揮者ディーン・ディクソン指揮のウィーン国立歌劇場管弦楽団(≒ウィーンフィルハーモニー)。 ディーン・ディクソンは1915年に生まれ1976年に世を去った。1968年には来日してN響を振り、田中希代子との録音も残している。高校生の時分、ときどきFMから流れる曲の解説で彼の名前を聞いた記憶はあるが、レコードはこの一枚が手元にあるだけだ。

ドヴォルザークの協奏曲では相変わらずヤニグロが素晴らしい。手持ちの盤では録音のためか、オケの音が少々貧弱ということもあって、いささか精彩を欠く。本当のステレオ録音か少々あやしく、耳の悪いぼくなどは擬似ステレオだと言われれば、そうかなと…と思っていたら、やはりオリジナルはモノラル録音のようだ。それでも音楽の運びそのものは真っ当で、この曲のノスタルジックなところ、高揚感、聴かせどころは心得ていて過不足ない。


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クラシック音楽畑の黒人演奏家は少ない。誰かとたずねられて名前を挙げられるの数人だ。女性歌手のジェシー・ノーマン、キャスリン・バトル、ピアニストのアンドレ・ワッツ。すぐに思いつくのはこのくらい。指揮者にいたってはディーン・ディクソンしか知らない。最近でこそ米国のオーケストラであれば黒人の団員も珍しくなくなったが、他の分野に比して明らかに少ないだろう。半世紀以上前の音楽界で黒人指揮者の彼がどのような扱いを受け、取り上げられ方をしたか想像に難くない。残された少ない彼の演奏を聴いていると、見たことのないその指揮姿が何故か目に浮かんでくる。


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この盤の音源。ディーン・ディクソン指揮ウィーン国立歌劇場管とヤニグロのチェロ。ドヴォルザークのチェロ協奏曲ロ短調。録音は1953年と知られているが、1955年あるいは1958年とされている資料もある。詳しい方がいらっしゃれば教えていただきたい。



ディーン・ディクソンの姿を伝える貴重な映像。1972年の青少年向けコンサート
オーケストラの奏法、成り立ち等の解説に続き、後半でベートーヴェンの第8交響曲第2楽章、ハイドン「告別」が演奏される。



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ブライロフスキー ショパン ピアノ協奏曲第1番ホ短調



先日聴いたポリーニで思い出し、このところショパンの協奏曲を続けて聴いている。きょうもその流れで、こんな盤を取り出した。


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アレクサンダー・ブライロフスキー(1896-1976)が弾くショパンのピアノ協奏曲第1番ホ短調。オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団がバックをつとめる。1961年録音。リストの「死の舞踏」が併録されている。 手持ちの盤は70年代半ば、CBSソニーから「ヴィルティオーゾの饗宴」というシリーズの廉価盤で出ていたときのもの。音盤棚の中から本当に久しぶりに取り出した。

ブライロフスキーの名は今ではほとんど聞くことがないように思う。ぼくがクラシックを聴き始めた70年代半ばにはすでに「かつてのヴィルティオーゾ」だった。ショパン作品の演奏で名を成し多くの録音を残したが、その録音も戦前から50年代前半のものが多い。世代的には並ぶものの、60年代以降も良好なステレオ録音で多くショパン作品を録音したルビンシュタインと比べると少々影が薄い感がある。

ブライロフスキーは1896年にウクライナ生まれ。ホロヴィッツは同郷かつキーウ音楽院の後輩にあたる。二十歳過ぎにパリでデビューし大成功をおさめ、以降革命後のロシアには帰らず、ヨーロッパ・北米で活動した。19世紀後半からのヴィルティオーゾ風の遺風を受け継ぎながら、その音楽はサロン風な美しさにとどまらず、華麗かつスケールが大きく、ときに骨太であったらしい。さもありなん、久しぶりに聴いたこの盤の演奏からも、そうした芸風が聴き取れる。

第1楽章冒頭のオケは速めのテンポで堂々と始まる。副主題になってもテンポを緩めることなく、これはオーマンディー、ブライロフスキーいずれの意図なのかと思っていると、ブライロフスキーのソロも同様に速めのテンポで入ってきた。恰幅のいい弾きっぷりだ。細かなニュアンスにこだわりぬいて聴かせようという意図はないのだろう、太い音色と堂々とした打弦はまさにヴィルティオーゾの一つの典型かもしれない。楽章半ばの佳境に入り、技巧的なフレーズが続くあたりでは、現代の鍛え抜かれたメカニズムを繰り広げるピアニストに比べるまでもなく、素人のぼくが聴いてもあちこちで曖昧さが露呈する。しかし第2楽章になると、そうした特性が音楽の性格にぴたりと一致し、細部にこだわることなく、構えの大きな弾きぶりだ。

歌舞伎の世界などで、せりふ回しや所作のうまさではなく「役者の格でみせる」という芝居や演技がある。そこにいるだけ、ひと言語るだけ、ひと振りの所作、しかし堂々した存在感。今風にいえばオーラというところだろうか。このブライロフスキーのショパンを聴いていると、まさに「格で聴かせる」かつてのヴィルティオーゾの風格を感じる。


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この盤の音源。第1楽章


この盤全曲のプレイリスト。 全3楽章とリスト「死の舞踏」が続く



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ポリーニ&ベーム ベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番ト長調



月が改まって令和六年卯月四月。
このところ本ブログへのアクセス数はIPベースで120~150。相変わらずランキングバナーのクリック数は低調でアクセス数の10分の1にも及ばず。まあ、道楽爺さんの与太話に付き合っていただけるだけで幸い、それ以上の何を望むのか、無心も程々にせいよ…と自問自答しながらも、どうか引き続き応援よろしくお願いいたします。
さて、ポリーニの訃報にふれてから、このところ手元にある彼の盤を続けて聴いている。きょうはショパンと並んで彼が主軸をおいたベートーヴェンのこの盤を取り出した。


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ポリーニの弾くベートーヴェンのピアノ協奏曲全集。80年代前半に出た最初の全集(のちにアバド&ベルリンフィルと再録)。随分前に御茶ノ水の中古レコード店で叩き売られていたもの。ベーム指揮で全曲録音予定だったが、ベームの死去に伴い1番と2番はヨッフムが引き継いだ。オケはすべてウィーンフィル。今夜はこの中から第4番ト長調をターンテーブルにセットした。1976年アナログ最後期の録音。当時ポリーニは30代後半のもっとも華やかに活躍していた時期にあたる。

5曲あるベートーヴェンのピアノ協奏曲のうちどれを選ぶかといわれれば、知名度で勝る第5番「皇帝」を差し置いて迷わず3番と4番と答えるだろう。中でも4番はその革新性において特別な存在だ。第1楽章はしっかりした構成ながら力ずくの強引さがなく、楽章全体を静けさが支配している。この曲を最もよく特徴付ける第2楽章は、弦楽ユニゾンとピアノソロが対照的なそれぞれのフレーズを進めつつ、同時に不思議な統一感を感じさせ瞑想的な音楽を繰り広げる。第3楽章のロンドは一転、軽快かつチャーミング。協奏曲の最終楽章にしばしば置かれるロンド形式だが、ピアノ協奏曲にこそ相応しいと感じる。鍵盤から次々に放たれる音の粒が空間に飛び散るようで、くるくる回るロンドのイメージそのものだ。ポリーニのピアノはクリアな音色と明快なタッチで曖昧なところがなく、第4番のひんやりとした温度感の曲想にもピタリ。最晩年のベームとウィーンフィルのコンビもやや古風な造詣ながら柔らかな音色で文句なしだ。


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アバド&ベルリンフィルとの再録音の音源。第2楽章をバックにポリーニの姿を回顧する。


この盤の音源で第1楽章。


2004年@ルツェルン。アバドとの第4番。



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ポリーニのショパンピアノ協奏曲第1番ホ短調



マウリツィオ・ポリーニが亡くなった。享年82歳。今朝のネットニュースで知った。ぼくら前後の世代にとっては青春時代から今日まで、実力・人気とも、常に世界のトップといってよいピアニストだった。合掌
かつて音楽に親しみ始めた頃に若き俊英だった指揮者や演奏家の訃報にふれる機会が増えてきた。マゼール、アバド、小澤、ポリーニ…みな鬼籍に入った。気付けば自分も相応の年齢。長いようで短い人の一生に思いを馳せざるを得ない。そんなことを考えつつ、取り出したのはこの盤だ。


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マウリツィオ・ポリーニ(1942-2024)が弾くショパンのピアノ協奏曲第1番ホ短調。パウル・クレツキ(1900-1973)指揮フィルハーモニア管との演奏。ポリーニが1960年のショパンコンクールにおいて弱冠18歳で優勝し、その直後にロンドンで録音されたもの。ポリーニの最初のセッション録音にして、ライヴ録音を除き、この曲の唯一の録音だ。手持ちの盤は80年代初頭にミドルプライスで再発されたときの盤。70年代中庸には例の緑色ジャケットの廉価盤セラフィムシリーズで出ていた。この再発盤の帯には最新カッティング盤と記されている。例によってかつて出張先の大阪・梅田の中古レコード店で手に入れた。

よく知られているようにポリーニは1960年のショパンコンクールで優勝を飾った直後にこの録音を残し、そのあと十年近く第一線から姿を消して研鑽を積んだ。そしてその後あらためて一連のショパン録音他で世に出ることになる。その意味でコンクールでの優勝と18歳という人生の一瞬の輝きともいうべき時の貴重な録音だ。

クレツキ指揮フィルハーモニア管のやや抑え気味の落ち着いた表情と淡々とした運びの前奏が美しく響く。アナログ最終期の最新カッティングも奏功してか、まったくといってよいほどトレースノイズを感じない。<北の宿から>を思わせるホ短調のモチーフも楚々と奏され、そしてピアノが入ってくる。ポリーニのピアノは意外にもと言ったらいいだろうか、勢いのある若者というイメージとは少し違う、落ち着いた弾き振りで始まる。今どきのコンクール優勝者であれば、もっと派手な弾きぶりで攻撃的とさえ言えるほどに攻め立てるような演奏をしがちだろうが、この盤のポリーニにそういう気配はない。もちろん技術的には優秀で余裕は十二分にあるのだろうが、力でねじ伏せる感じがまったくなく、終始しなやかに瑞々しく歌う。展開部や終盤の一部でさすがの力を感じるが、それとても汗の匂いなどは皆無だ。70年代以降の完璧な技巧とメカニズムが先に聴こえてくる演奏とは随分印象が異なる。まさに詩情あふれる清廉な弾きぶり。ロンド楽章の第3楽章でも印象は変らない。

第2楽章はそうした資質が一層映える。ショパンがこの曲を書いたのは20歳のとき。そして第2楽章について彼自身は「アダージョはホ長調で、静かな憂いを帯びた気持ちから生まれた。これは春の美しい月夜といった、多くの心地よい思い出を呼び覚ます風景にふれた印象を書いたのだ」と記している。そうしたショパン自身の当時の有り様と、この録音のポリーニの演奏とはまさに一致するように感じる。同時に桜の咲き始めるこの時期にも相応しいのかなあと思い、聴いているこちらも若き日に戻った気分になるのだ。


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この盤の音源。全3楽章


2016年ティーレマン&BPOと。第2楽章の一部


ポーランドのギタリスト:イェジィ・ケーニッヒによるギター編。最初にタイトルを見たとき我が目を疑った。全3楽章。第1楽章冒頭のオケ部は省略されている。



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ミシェル・オークレール(Vn)



三月前半は平年より低めの気温が続き毎日震えていたが、ようやくこの時期らしい陽気になってきた。桜の開花まであと2週間程だ。 季節は移ろうものの、こちらは変わらず漫然とした日々。きょうも当てもなく過ごし、日が暮れた。夜更け前のリラックスタイム。音盤棚から久しく聴いていなかったこの盤を取り出した。


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ミシェル・オークレール(1924-2005)の弾くチャイコフスキーとメンデルスゾーンの協奏曲を弾いた盤。昔から名盤の誉れ高く、LP初期盤などはプレミア価格の盤だ。手持ちの盤は20年程前に出た廉価盤CD。ロベルト・ワグナー指揮インスブルック交響楽団のバック。1963年録音。

フランス流儀といえばいいのだろうか、チャイコフスキーでは第1楽章冒頭から繊細さといい意味での軽みのある演奏。濃厚なロシアン・ロマンティシズムとは無縁の弾きぶりだ。やや速めのテンポでフレーズは粘らずに歌う。第2楽章も弱音効果をよく効かしながらあっさりと弾き進めるが音色はきわめて美しい。第3楽章は速めのテンポで、切れのいい技巧もみせて颯爽としている。この盤を聴くとチャイコフスキーのこの曲もロシア風ばかりでない、高貴で薫り高い曲だと再認識する。メンデルスゾーンも同傾向の演奏だが、チャイコフスキーよりも相性がいいように感じる。すっきりとした表現がよく合う。

両曲とも惜しむらくはロベルト・ワグナー指揮インスブルック交響楽団のサポート。オケは健闘していると思うが、ロベルト・ワグナーの指示が行き届かないのか、そもそも細部に拘泥していないのか、いささか配慮に欠ける印象だ。フレーズの出入りや曲想の切り替えをもう少し丁寧に整えていたらと思う。

オークレールはこの録音のあと間もなく、手の故障から引退してしまった。1970年から90年代までしばしば来日して桐朋学園でマスタークラスを開いていたが2005年に亡くなった。


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この盤の音源。メンデルスゾーンの協奏曲ホ短調 全3楽章


この盤の音源。チャイコフスキーの協奏曲ニ長全3楽章。概要欄によるとLPからの板起こし音源のようだが、よい音質だ。


この盤から先立つ頃10年余。1950年、オークレール20代のときの録音(モノラル)。クルト・ヴォス指揮オーストリア響とのチャイコフスキー終楽章。年齢差もあってか、取り上げた1963年録音とは違い、かなり積極的な表現姿勢。



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パイヤールの「四季」



忘れた頃に聴きたくなる、今更ながらのヴィヴァルディ「四季」。
バロック音楽ファン、ヴィヴァルディ・ファンでもないが、手元に何枚かある「四季」の盤(写真)から、きょう取り出したのはパイヤール室内管弦楽団による演奏だ。


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ジャン=フランソワ・パイヤール(1928-2013)は50年代に自身のアンサンブル:パイヤール室内管弦楽団を組織し、60年代から70年代にかけてエラートレーベルにぼう大な録音を残した。ぼくら世代にはパイヤールといえばバロック音楽の代名詞のような存在だったが、古典期のモーツァルトや更にフランス近代作品も得意にしていた。


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きょうは季節を少しだけ先取りし「春」に針を降ろした。
溌溂としたトゥッティで始まり、やがてソロヴァイオリンが華やかに立ち上がる。この盤に聴くパイヤール室内管弦楽団の音は、当時の他のドイツ系バロックアンサンブルとは明らかに違っていて、明るく爽やかで流れるようにレガートな演奏だ。当時はまだ今ほどピリオド様式が盛んではなかったから、現代の視点でみると歴史的オリジナル指向からは遠いだろうが、パイヤールの分かりやすく明快な音楽作りは当時の多くの人たちに受け入れられ、バロックブームを支えたのは事実だ。

この盤は1976年の録音。社会人になって間もない1979年、当時としてはまだ新譜に近かったが、来日記念か何かで特別価格千円でリリースされた際に買い求めた。最初のボーナスで初めてまともなアンプとプレイヤーを買い、この盤に針を降ろしたときの驚きは今も覚えている。自作ボックス入りのフォステクス10センチ・フルレンジからはパイヤールらしい明るく流麗な音楽流れてきた。それまで聴いたことのない素晴らしい音だった。 ヴァイオリンは艶やかで、コントラバスの低音もしっかり音程が分かるほどよく聴こえた。それまで学生時代はラジカセに毛の生えた程度の機械で聴いていたのだから、そう感じても当然だった。以来ときどきこの盤を取り出して聴くたびの、当時の光景を思い出す。


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この盤の音源。「春」


ソロのオケの対話がよくわかる演奏。



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メンデルスゾーンのドッペル



12月も下旬の週末金曜日。近くのショッピングモールの横を通ると人出の多さに驚いた。クリスマス感・年末感ゼロの自分の生活と世間のギャップを実感。何だかなあと溜息一つ。さて、気を取り直して音盤の在庫確認。先回のメンデルスゾーン「スコッチ」で思い出し、こんな盤を取り出した。


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オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)の一連の録音からメンデルスゾーンのあまり演奏されない協奏曲とモーツァルトの第38番ニ長調「プラハ」を収めた盤。十数年前に出張で金沢を訪れた際に地元の老舗レコード店「山蓄」(現在は廃業)でOEKの盤をまとめて手に入れた中に混じっていた。きょうはメンデルスゾーンのトラックを選んでプレイボタンを押した。ヴァイオリン:安永徹、ピアノ:市野あゆみ。2005年録音。指揮者なしでの演奏とライナーノーツに書かれていた。

ピアノ、ヴァイオリンのための協奏曲ニ短調。通称メンデルスゾーンのドッペル。この曲はメンデルスゾーンが弱冠14歳のときの作品だそうだ。堂々18分を要するソナタ形式の第1楽章。冒頭からニ短調の調性に相応しく、悲劇的な曲想で始まる。モーツァルトの短調作品を思わせる古典的様式感と充実した和声。ヴァイオリンとピアノ扱いもまったく不自然さはない。ところどころで古典派から少しはみ出すような初期ロマン派らしい斬新な転調も織り交ぜて、まったく飽きさせない。第2楽章は二つの独奏楽器主体の静かで美しいカンタービレ。第3楽章も充実したアレグロ・モルト。両ソロ楽器の技巧的なパッセージも十二分に折り込まれて聴き応え十分だ。

メンデルスゾーンは一般にはヴァイオリン協奏曲と第3番以降の交響曲ばかりが有名で、知名度の割には他の曲があまり聴かれない。弦楽合奏や吹奏楽のための合奏曲、室内楽やピアノ曲そして大規模な宗教曲まで傑作揃い。もっと聴かれてしかるべき作曲家だろう。


全3楽章で40分近く要する大曲。 いくつかの国際コンクールで上位入賞し来日もしているヨシフ・イワノフと、ラナ・スランという北欧のピアニストによる演奏。


クレメルとアルゲリッチによる演奏。バックはオルフェウス室内管弦楽団



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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
音楽とクラシックギターに目覚めて幾年月。道楽人生成れの果てのお粗末。

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