マズア&LGO メンデルスゾーン交響曲第4番イ長調「イタリア」



週末土曜日。昼から隣り町のマンドリン楽団の練習へゴー! 楽しく遊んで日が暮れた。終日穏やかな一日。夜になっても暖かい春の気配変わらず。音盤タイムも陽光満ちる伊太利をイメージしながら、この盤を取り出した。


202404_FM4_Masur.jpg


クルト・マズア指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(LGO)によるメンデルスゾーンの交響曲第4番イ長調「イタリア」。1971年録音。手持ちの盤は70年代終盤に廉価盤で発売されたときのもの。第5番ニ短調「宗教改革」とのカップリング。このコンビは80年代後半にこの曲を含む全交響曲を再録し、さらに90年代になってからライヴでの映像作品も残している。

久々に針を降ろしたのだが、当時この盤を買って最初に聴いたときの印象がよみがえってきた。第1楽章冒頭、そのテンポの遅さに驚いた記憶がある。おそらくその頃、FMエアチェックしたアバドあたりの演奏で聴き馴染んでいたからだろう。こうしてあらためて聴くと、そう驚くほどの遅さではないが、少なくても陽光降り注ぐ明るいイタリアのイメージからはやや遠い。そして19世紀半ばにはメンデルスゾーン自身が指揮者を務めたゆかりあるライプツィヒゲヴァントハウス管弦楽団の落ち着いた音色と、ドイツ風の曲の運びとが印象的な演奏だ。そうした特質は第2楽章や第3楽章でよく出ていて、第2楽章の歌謡風メロディーも過度にならずに歌い上げ、第3楽章も流麗なリズムにのる渋い音色が美しいし、トリオでのホルンのアンサンブルも落ち着いた音色だ。オイロディスク原盤の録音も聴き応え十分で、コントラバスの基音もしっかり入っているしノイズも少ない。70年前後のアナログ完成期の音だ。

マズアは1927年に生まれ2015年に亡くなった。この間、1970年から30年近くに渡ってゲヴァントハウスのシェフを務めた。公私共にいろいろスキャンダラスな話も伝え聞こえて来て、あまり積極的に注目する指揮者ではなかったが、この盤は落ち着いたドイツ風の伝統的なメンデルスゾーン演奏の一つの範として傾聴に値する。


■ 最後までお読み頂きありがとうございます ■
■↓↓↓ランキングに参加しています↓↓↓■
■↓↓ バナークリックにご協力ください ↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村



この盤の音源 第1楽章


同 第2楽章


このコンビによる交響曲全5曲(1970年代録音)の再生リスト


■ 最後までお読み頂きありがとうございます ■
■↓↓↓ランキングに参加しています↓↓↓■
■↓↓ バナークリックにご協力ください ↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村

スウィトナー&SKB ブラームス交響曲第2番ニ長調



三月も半ばに差し掛かり、暖かい春を持ち焦がれつつ…少し明るい曲を聴こうかと、この盤を取り出した。


202403_Suitner_JB2.jpg


ブラームスの交響曲第2番ニ長調。オトマール・スウィトナー(1922-2010)指揮ベルリン国立歌劇場管弦楽団(SKB)による演奏。1984年にお馴染みのベルリン・キリスト教会で録られた。手持ちの盤は十年程間にキングレコードの廉価盤シリーズで出たときのもの。同コンビによるブラームス交響曲全曲がCD3枚でリリースされた。

構想から二十年を経て1876年に最初の交響曲を完成させたブラームスだが、この第2番はその翌年、避暑地ペルチャッハに滞在中に取り掛かり、わずか三ヶ月で完成させた。対照的ともいえる早書きだが、作曲期間ばかりでなく、曲そのものも第1番とは対照的だ。第1番がベートーヴェン的な<闘争から勝利へ>とでも言えるような構成と曲想であるのに対し、この第2番は初夏の自然を目の当たりにしたブラームスが、その光景と心情を素直にそのまま音にしたかのように、穏やかな明るさに満ちている。

スウィトナー&SKBによるブラームスはドイツシャルプラッテンによる最後期のアナログ録音。同じコンビながら、同時期のベートーヴェンやシューベルトなど、日本コロンビアによる一連のPCM(デジタル)録音とは録音ポリシーが異なるようで興味深い。豊かなホールトーンと、どっしりとしたピラミッドバランスの音作りでは共通しているものの、日本コロンビア録音は響きが明るく、中高音に幾ばくかのきらめきがあって、よりハイファイ調といえる。一方、ドイツシャルプラッテン録音は細部にこだわらず、マスの響きが重視されている。単純にアナログ録音だからというわけでもないだろう。

そんな録音条件もあって、この演奏は渋くそして美しい。曲想の明るさを控え目に表現するかのようにすべてが穏やかで、第1楽章から第3楽章まで突出するような音響はほとんどない。音楽は終楽章になってみわかに活気を帯び、コーダでは一気に突き抜けるかのように燃焼する。硬派なベーム、緻密なヴァント、流麗なカラヤン。そんな幾多の名盤に混じって、このスウィトナー盤も春から初夏の夜にやや絞り気味のボリュームでしみじみ聴くのに相応しい演奏だ。


この盤の音源。全4楽章。第1楽章は提示部繰返し有り。


北原幸男指揮 武蔵野音楽大学管弦楽団



■ 最後までお読み頂きありがとうございます ■
■↓↓↓ランキングに参加しています↓↓↓■
■↓↓ バナークリックにご協力ください ↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村

ストラヴィンスキー ハ調の交響曲



月が改まって令和六年弥生三月。このところ冬に戻ったかのような寒い日が続いているが、数週間後には桜の季節。早晩暖かくなるだろう。 さて、このところマーラーを続けて聴いていたので、きょうはちょっと気分転換。音盤棚を見渡し、この盤を取り出した。


202403_Ansermet_Russian.jpg


イーゴリ・ストラヴィンスキー(1882-1971)のハ調の交響曲(Symphonie en ut)。エルネスト・アンセルメ(1883-1969)指揮スイスロマンド管弦楽団による1960年の録音。数年前、勢い余って大人買いした全3巻のアンセルメボックス中のロシア音楽集に収められているもの。ロシア音楽集はCD33枚組で、そのうちストラヴィンスキー作品は半数以上の18枚を占めている。きょう取り出した#20のディスクにはハ調の交響曲、三楽章の交響曲、管楽器のための交響曲の三つの交響曲が収められている。


202403_Ansermet_Stravinsky_Symphony.jpg


ストラヴィンスキーというともっぱらバレエ三部作ばかりが有名だが、その他にも多くの曲が残されている…と書いておいてナンだが、ぼく自身もこのアンセルメのボックスセットを手にするまでは「その他」の多くの曲に親しむこともなかった。ハ調の交響曲もそんな曲の一つで、大昔にはFMエアチェックのテープで何度か聴いた記憶はあるものの、まともな音で相対して聴くに至ったのは最近のことだ。

ストラヴィンスキーはその生涯でいくつかの作風を採ったが、ハ調の交響曲は全体に古典的様式感と新古典的和声感で貫かれていて、近代の音楽として初めてストラヴィンスキーを耳にする向きにも違和感なく受け入れられる響きをもっている。といってもプルチネルラほど懐古的ではなく、響きとしては十分に近代的で、古典を聴く安心感と近代を聴く緊張感とが程よくミッスクされていて、飽きることがない。

第1楽章の冒頭から印象的なモチーフで開始して、すぐに惹きつけられる。第2楽章はLarghetto concertanteと指定され、独奏楽器のソロが織り成す抒情的なフレーズが美しい。第3楽章のスケルツォは変拍子が交錯し、この曲の中ではもっともストラヴィンスキー的と感じる。終楽章はローブラスのゆっくりとした序奏のあと、弦楽器群が決然としたテーマと奏でて始まり、第1楽章のモチーフも回顧しながら盛り上がり、最後は静かなコラールで曲を閉じる。

ストラヴィンスキーの多くの曲の初演者であるアンセルメ指揮のこの盤の演奏は、交響作品というよりは、まるで室内楽のように落ち着いた響きで全曲を貫いている。1960年のデッカ録音ということもあって、鮮明で分離の良い録音もこうした解釈に一役買っていて、均整の取れた古典的な様式感で美しく聴かせてくれる。


■ 最後までお読み頂きありがとうございます ■
■↓↓↓ランキングに参加しています↓↓↓■
■↓↓ バナークリックにご協力ください ↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村



この盤の音源。ハ調の交響曲全4楽章。


カラヤン&BPO盤の楽譜付き音源。よりダイナミックで現代的な解釈。



■ 最後までお読み頂きありがとうございます ■
■↓↓↓ランキングに参加しています↓↓↓■
■↓↓ バナークリックにご協力ください ↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村

ディッタースドルフ 「オヴィディウスの転身物語」によるシンフォニア集



今週に入って一気に春めき、気温も20度近くまで上昇。郊外の公園では蝋梅が香り、穏やかな陽ざしが降り注ぐ。このまま春に向かうかな…。 きょうも窓から差し込む陽光を受けながらの音盤タイム。久しぶりにこの盤を取り出した。


202402_Dittersdorf_e.jpg


ウィーン古典派の重鎮ディッタースドルフの「オヴィディウスの転身物語」によるシンフォニア集。この手の落穂ひろい的レパートリーの発掘では最右翼のナクソスレーベルの一枚。演奏はハンス・ペーター・グミュール指揮ファイローニ管弦楽団。ファイローニ管はハンガリー国立歌劇場の選抜メンバーによる団体のようだ。1995年録音。

ディッタースドルフ(1739-1799)はハイドン(1732-1809)、モーツァルト(1756-1791)らと同時代にウィーンを中心に活躍した(こちらの年表参照)。何でもハイドン、モーツァルト、ヴァンハル、ディッタースドルフの4人で弦楽四重奏を弾いたという記録もあるらしい。ナクソスのこの盤にはオウィディウスの「変身物語」をテーマにした6つの交響曲(シンフォニア)のうち1番から3番が収められている。

オウィディウス「変身物語」の名こそ聞いたことはあるが、手に取った記憶がない。ましてや物語が曲のどこと関係があるのか寡聞にして不案内。そういうことをきちんと探求しようという気がなく、我ながら自堕落極まりない。まったく愛好家の風上にもおけない。が、そうややこしいことを言わずとも、ウィーン古典派の典型的な響きを楽しめばそれでよしとしよう。いずれも4楽章形式ではあるが、標題にはシンフォニアとあり、ハイドンによって完成をみる古典的な交響曲への過渡期の形式といえる。

曲はいずれも古典的な様式感に満ち、充実した響きだ。特に第1番の第1楽章ラルゲットや第2楽章アレグロ・エ・ヴィヴァーチェなどは、ハイドンもかくやと思わせるほど完成度が高い。テーマそのものが魅力的だし、その扱いも適度な緊張感を持つ。第2番は「変身物語」のイメージが盛り込まれいるのか、メルヘンチックなテーマがたびたび現れ、第1番より標題的な作りを感じさせる。一方でシンフォニックな魅力は第1番に譲る。第3番は、通常は終楽章に現れるようなロンド風の主題で開始。時折短調に転調して緊張感を感じさせるが、全体としては軽快で穏やかな曲想だ。

当時のウィーンには職業作曲家が数百人いたらしい。彼らの手になるこうした古典期作品が、山ほど作られ、演奏され、そして多くがそのまま消えて行ったのだろう。モーツァルトやベートーヴェンの天才性・革新性は素晴らしいが、ディッタースドルフ、ヴァンハル他、職業作曲家の手馴れた手法で書かれた典型的な古典様式の曲は、革新性では一歩譲るにしても、当時の響きを確実に再現してくれて、飽かずに楽しめる。


■ 最後までお読み頂きありがとうございます ■
■↓↓↓ランキングに参加しています↓↓↓■
■↓↓ バナークリックにご協力ください ↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村


この盤の音源。シンフォニア第1番ハ長調「世界の4つの時代」 第2楽章


同 シンフォニア第3番ト長調「鹿に変えられたアクタイオン」 第1楽章


この盤全3曲の再生リスト



■ 最後までお読み頂きありがとうございます ■
■↓↓↓ランキングに参加しています↓↓↓■
■↓↓ バナークリックにご協力ください ↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村

マーラー交響曲第6番イ短調「悲劇的」



年初来続けている令和6年・「6」しばりの音盤タイム。きょうは重量級のこの盤を取り出した。


202401_GM6.jpg


ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団によるマーラーの交響曲第6番イ短調「悲劇的」。手持ちの盤は十年程前にセルの盤がまとまってリリースされたときのもの。第4番とのカップリングで、それぞれがCD1枚に収められている。第6番はセル唯一の録音で1967年10月にクリーヴランド管の本拠地セヴェランスホールで行われた演奏会のライヴ録音。ライナーノーツによるとこの曲が同年10月12、14、15日と3回演奏され、この演奏はおそらく12日か14日のものとのこと。クリーヴランド管にとってもそのときがこの曲の初演だったそうだ。

マーラーの第6交響曲は今でこそ録音はもちろん実演でもしばしば演奏されるが、60年代以前はマーラー直系のメンゲルベルクやワルター、クレンペラーなども録音を残していないほど演奏頻度は少なかった。そんな中、マーラー録音の少ないセルがこの曲を選んだのはどんな理由があったのだろうか。前述のようにクリーヴランド管としてまだ演奏していなかったということは大きい理由かもしれない。それと音楽として「悲劇的」のタイトル通りのストイックな雰囲気と堅固な構成感がセルの美意識にマッチしたのかもしれない。

第1楽章冒頭からやや遅めのテンポで始まる。聴きなれたセッション録音のセルとは響きがかなり異なり、分厚い低弦群と打楽器群の強打がこの曲の重々しい曲想を際立たせる。対照的に優しく穏やかなフレーズになるとクリーヴランド管の木管群がピタリと整ったピッチとアーティキュレーションで美しく歌い、聴いていて惚れ惚れするほどだ。第2楽章スケルツォも第1楽章の印象をそのまま引継ぎ、この二つの楽章をセットとする当時の通例に従っているようだ。
美しい第3楽章アンダンテも過度に歌い過ぎないところがセルらしい。多くのマーラー指揮者なら、アウフタクトを持つフレーズでタメを作ってやや引きずるように次の小節頭に入るだろうが、セルはそうしない。ごくわずかにルバートをかけるものの、それはほとんど自然の呼吸の域を出ず、フレーズはもたれずスムースに流れていく。

ライヴ録音の制約もあって録音の音質はセッション録音ほどの明瞭度は持たず、左右の広がりもやや乏しい。しかし全体としては低音域が厚く、この曲で活躍する打楽器軍の迫力も十分だ。終楽章は圧倒的なエネルギー感に満ち、次々と繰り出されて終わることのないマーラーの分厚いスコアの響きが続く。ライブだけあって、全編にみなぎるエネルギー感と緊張感が素晴らしい。セルに鍛えられたクリーヴランド管の響きもまったく弛緩することなく、熱くなる終楽章でもアンサンブルは極上だ。終楽章の最後、一旦静寂になったあとに奏されるイ短調主和音の強烈な一撃には、思わず声をあげてしまうほど驚いてしまった。

セルのマーラー録音はよく知られる4番、6番、10番の他、ライヴ盤の「大地のうた」や9番も
あるようだし、EMIとマーラー全集を作る計画もあったやに聞くが、せめて第5番をさらの残して欲しかったというのが正直な気持ちだ。


■ 最後までお読み頂きありがとうございます ■
■↓↓↓ランキングに参加しています↓↓↓■
■↓↓ バナークリックにご協力ください ↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村


この盤の音源。第1楽章



アバド&ルツェルン祝祭管による2006年のライヴ。ルツェルン祝祭管はザビーネ・マイヤー(CL)、ナターリヤ・グートマン(Vc)他豪華メンバー。第4楽章、例のハンマーの一撃は1時間5分50秒過ぎと1時間10分30秒過ぎ。中間楽章は2003年にマーラー協会が宣言した通り、第2楽章アンダンテ、第3楽章スケルツォの順で演奏されている。



■ 最後までお読み頂きありがとうございます ■
■↓↓↓ランキングに参加しています↓↓↓■
■↓↓ バナークリックにご協力ください ↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村

ドヴォルザーク 交響曲第6番ニ長調



地震、航空機事故と年明け早々多難なスタート。能登の珠洲市はかつて学生時代に演奏旅行で訪れたことがある町だ。懐かしさを通り越し悲痛な思いにかられる。 さて、三が日も終わって世間は平常運転開始。様々な世相を眺めながらも、変わらぬ身辺諸事に幸いを感じつつ、きょうもギターの朝練をこなし、ひと息ついて音盤タイム。令和6年にちなんだ「6」しばり。きょうはこの盤を取り出した。


202301_AD_Sym6.jpg


チョン・ミョンフン(1953-)とウィーン・フィルによるドヴォルザークの交響曲第6番ニ長調。1999年ムジークフェラインでのセッション録音。手持ちの盤は発売まもなくの頃たまたま見かけて手にした輸入盤で、第6番・第8番の2曲が収録されていて、きょうは第6番を選んでプレイボタンを押した。

ドヴォルザークの交響曲といえば第9番「新世界から」、第8番が人気のツートップ。そのあと少し間があいて第7番。そしてようやく第6番が続くだろうか。ぼくはたまたま大昔の学生時代から6番、7番をFMエアチェックしたカセットで好んで聴いていたこともあって、6番も他の曲に等しいくらいに好きな曲だった。第7番同様、ブラームスの影響を受けたといわれる第6番だが、ニ短調の第7番と比べニ長調の第6番は全編明るい雰囲気をもち、ブラームスでいえば第2番ニ長調に通じるところがある。そういえば数年前、下野竜也の指揮する群馬交響楽団の演奏で聴いたことを思い出す。

第1章は冒頭から穏やかで親しみやすいフレーズが続き、誰しも引きつけられる。第2主題はぐっと情緒的になって、この曲を単調な明るさだけにしていない。第2楽章は木管の主題に続き弦楽群が美しく歌う。ときおり遠くから聴こえてくるホルン、木管群と弦楽群掛け合いなど、次々と曲想が変わり飽きさせない。第3楽章はいかにもドヴォルザークらしいフリアントによるスケルツォ楽章。お馴染みの快速調<2+2+2+3+3>のリズムが華やかに踊る。終楽章はソナタ形式をとり、二つの主題も明確に提示される。出だしはまさにブラームスの第2番を彷彿とさせる。管弦楽は効果的によく鳴るが、民族調のズンドコ節にはならず、最後まで格調を保ち大団円となる。

チョン・ミョンフン&ウィーン・フィルによるドヴォルザーク交響曲の全曲録音へ発展するとの話もあったようだが、結局その後の新録音はないようだ(この盤の数年前に第3番と第7番を録音している)。ムジークフェラインでのセッション録音ということもあって、全編美しいウィーンフィルサウンドにあふれる。チョン・ミョンフンがライヴパフォーマンスで時折みせる熱いドライブは控えめで、すべての音は常に整然としていて、演奏の格調はすこぶる高く、好ましい。


■ 最後までお読み頂きありがとうございます ■
■↓↓↓ランキングに参加しています↓↓↓■
■↓↓ バナークリックにご協力ください ↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村



この盤の音源。第1楽章


同 第3楽章


イギリスの指揮者シャーン・エドワーズ(1959-)とベルリン・ドイツ交響楽団による全曲。


■ 最後までお読み頂きありがとうございます ■
■↓↓↓ランキングに参加しています↓↓↓■
■↓↓ バナークリックにご協力ください ↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村

モーツァルト 交響曲第6番ヘ長調 K.43



新年三日目。きょうは朝から曇り空。陽射しなく寒さに震える。暖を取りつつ、令和6年にちなむ「6」しばりの音盤タイム。きょう取り出したのはこの盤。


202401_WAM_SYM6_BOHM.jpg


モーツァルトの交響曲第6番ヘ長調 K.43。カール・ベーム(1894-1981)がベルリンフィルと録音したモーツァルト交響曲全集中の一枚。手持ちの盤はベームが残した独墺系交響曲(モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、ブラームス)の全集がまとまっているボックスセットで、数年前に安価でリリースされた際に手に入れた。モーツァルトの交響曲として46曲がCD10枚に収められている。

この曲はモーツァルト11歳のときの作品。彼の交響曲として初めてメヌエット(トリオ付き)が導入され4楽章形式をとった曲だそうだ。第1楽章はソナタ形式のアレグロ4分の4。第2楽章アンダンテもソナタ形式がとられている。第3楽章にメヌエットがおかれ、第4楽章アレグロは8分の6拍子でロンド風の楽章。演奏時間は20分に満たない規模だが、しっかりした構成で作られていて立派な古典交響曲だ。曲想もシンプルではあるが、11歳の幼さが先に立つこともなく十分鑑賞にたえる。 ベーム&BPOの演奏はいつも通り実直かつ堅固なもので、テンポも晩年のように遅くなることもなく、ベルリンフィルの当時の性格もあってか、やや硬質の音質ながらも程よい緊張感をもったよい演奏だ。


■ 最後までお読み頂きありがとうございます ■
■↓↓↓ランキングに参加しています↓↓↓■
■↓↓ バナークリックにご協力ください ↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村



この盤の音源。第1楽章アレグロ。提示部を繰り返したあと、2分45秒過ぎから展開部へ。展開部冒頭は短調に転じつつ、短いながらも充実したフレーズが楽しめる。


同 第2楽章メヌエット。三連符で入るアウフタクトの効果で冒頭から優雅な雰囲気が広がる。


楽譜付き音源。これくらいの規模ならどこかのパートをギターでなぞりながら聴き(弾き)進める楽しみがある。先ほどギターを抱えてPCの画面を見ながらチェロ・バスパートで参加してみたが、十分楽しめた。ギターの音域からして低音パートがもっとも参加しやすい。そんな楽しみのためにも、ギター弾きも低音部(ヘ音)記号には慣れておいた方がいいと思う。



■ 最後までお読み頂きありがとうございます ■
■↓↓↓ランキングに参加しています↓↓↓■
■↓↓ バナークリックにご協力ください ↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
音楽とクラシックギターに目覚めて幾年月。道楽人生成れの果てのお粗末。

カレンダー
04 | 2024/05 | 06
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
最新記事
最新コメント
カテゴリ
検索フォーム
月別アーカイブ
QRコード
QR
閲覧御礼(2010.10.01より)