マズア&LGOの<イタリア>



きょう車中で聴いたNHKFMきらクラ。先週のイントロ当てクイズの正解はメンデルスゾーンの交響曲第4番<イタリア>の第1楽章冒頭。昨今マニアック度をさらに深めつつある同番組としては難易度<低>の出題だったかもしれない…なんてことを思い出しつつ、梅雨空のこの時期に聴きたくなる曲の一つでもあるなあと、こんな盤を取り出した。


マズア@19歳!
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クルト・マズア指揮ライプツィヒゲヴァントハウス管弦楽団(LGO)によるメンデルスゾーンの交響曲第4番イ長調<イタリア>。1971年の録音。手持ちの盤は70年代終盤に廉価盤LPで発売されたときのもの。第5番ニ短調<宗教改革>とのカップリング。このコンビは80年代後半にこの曲を含む全交響曲を再録し、さらに90年代になってからライヴでの映像作品も残している。

久々に針を降ろしたのだが、当時この盤を買って最初に聴いたときの印象がよみがえってきた。第1楽章の音が出てきたとき、そのテンポの遅さに驚いた記憶がある。おそらくその頃、FMエアチェックしたアバドあたりの演奏で聴き馴染んでいたからだろう。こうしてあらためて聴くと、そう驚くほどの遅さではないが、少なくても陽光降り注ぐ明るいイタリアのイメージからはやや遠い。そして19世紀半ばにはメンデルスゾーン自身が指揮者を務めたゆかりあるライプツィヒゲヴァントハウス管弦楽団の落ち着いた音色と、ドイツ風の曲の運びとが印象的な演奏だ。そうした特質は第2楽章や第3楽章でよく出ていて、第2楽章の歌謡風メロディーも過度にならずに歌い上げ、第3楽章も流麗なリズムにのる渋い音色が美しいし、トリオでのホルンのアンサンブルも落ち着いた音色だ。オイロディスク原盤の録音も聴き応え十分で、コントラバスの基音もしっかり入っているしノイズも少ない。70年前後のアナログ完成期の音だ。

マズアは1927年に生まれ2015年に亡くなった。この間、1970年から30年近くに渡ってゲヴァントハウスのシェフを務めた。公私共にいろいろスキャンダラスな話も伝え聞こえて来て、あまり積極的に注目する指揮者ではなかったが、この盤は落ち着いたドイツ風の伝統的なメンデルスゾーン演奏の一つの範としたい。


マズアとゲヴァントハウス管によるライヴ映像。1993年のものを思われる。マズア66歳。71年録音とテンポ感、全体の印象など大きく変わらない。会場は1981年に落成した現ゲヴァントハウス。


東京大学にいくつかあるオケの一つ、東京大学フォイヤーヴェルク管弦楽団による第4楽章。5分半を切る演奏時間はピリオドスタイルの演奏を含めても最速の部類だ。



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ベートーヴェン交響曲第8番ヘ長調



梅雨入り以降、晴れ間が続いていたが、きょうは終日小雨が降ったりやんだり。この時期らしい一日だった。さてさて今月で一年も半分。公私とも可もなく不可もなく。淡々とした日々。きょうも程々に働いて帰宅した。 ところで先日、知人と話をしていた際、ベートーヴェンの交響曲で一番好きなのは何番かという話題になった。真剣に考えるほどでもない茶飲み話なのだが、ふと「今なら8番かな」と答えたのを思い出し。今夜はこんな盤を取り出した。


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サイモン・ラトルとウィーンフィルによるベートーヴェンの交響曲全集。2002年の4月から5月にかけ、ウィーンフィルの本拠地ムジークフェラインでライヴ録音されたもの。元々EMIから出ていたが、EMI身売りに伴い、ジャケットにはWARNER CLASSICSのロゴが入っている。このラトル&VPO盤はライヴとして短期間にまとめて録られたこと、またベーレンライター版が使われたことなどが話題になった盤で、例の石原俊著のオーディオ本でも、同著発売当時(2005年)のベートーヴェン演奏の代表として、またオーディオ的リファレンスとして取り上げられていたもので、ムジークフェラインの音響を生かした高音質でも評価されていた盤だ。
2年程前、ヨドバシアキバのタワーレコードで叩き売られていたのを見つけ、値段はともかく、日頃古めの録音ばかり聴いていて、たまには時流にのるものいいかなあと思っていたこともあって手に入れた。手元にあるベートーヴェン交響曲全集はかるく十種を超えるが、もっとも新しいのがジンマン&チューリッヒトーンハレ盤(1997-98年録音)、高関健&群馬交響楽団盤(1995年録音)あたりで、21世紀の録音はこの盤が唯一だ。今夜はその中から「今なら8番」ということで、7番と8番が収録されている盤を取り出した。

この全集はこれまでにひと通り全曲を聴いたが、ひと言でいえば、やはり面白い演奏だ。リリース当時、賛否両論大いに物議をかもしたのもうなづける。ウィーンフィルは極上の音響、ライヴのハンディキャップを感じさえない録音と仕上がり、そして何よりラトルの仕掛けがあちこちで新鮮な響きをもたらし、飽きさせない。そんな中にあって、第8番の演奏は比較的オーソドクスなもので、テンポ、解釈共に従来の演奏様式からそれほどかけ離れたものではない。ノンヴィブラート、短めのフレージングといったピリオドスタイルの片鱗もうかがえるが、過激なものではない。ウィーンフィルの明るい音色と、ラトルの明快な解釈が、この8番にはよく合っていて実に爽快。すこぶる前向きな気分になる。またこの曲でベートーヴェンが仕組んだギミックが明快に提示され痛快この上ない。


この盤の音源。第8番第1楽章。提示部が終わり、4分過ぎから展開部へ。特に4分45秒過ぎから1分間余りの佳境は、いかにもベートーヴェンらしい展開。単純な音形を執拗に繰り返しがらも、転調とディナーミクの変化とで緊張MAXとなる。

◆全楽章はこちら◆

洗足学園大の小編成オケによる演奏。



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ショスタコーヴィッチ交響曲第9番変ホ長調



連休最終日。当地は朝から黄砂飛来。ベールを被った空は、好天ながらレンズの絞りを二段階ほど絞ったような明るさで、ちょっと不思議な雰囲気だった。連休はこれといったこともなく終了。あすから社会復帰だ。休みの間、時間はたっぷりあったのにろくろく音楽も聴かず、楽器も弾かずに過ごす。かつてのように、新しい音盤や楽譜を手に入れては飽かずに楽しむということもなくなってしまった。そんなところに加齢を実感する。 と言いながらも、いつになく音盤棚を仔細に点検。ほとんど手をつけていない音盤のいくつかを落穂ひろい。この盤もその一つで、この休み中に何枚か聴いた。


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ショスタコーヴィッチの交響曲全集。ルドルフ・バルシャイ指揮ケルン放送交響楽団(WDR交響楽団)による演奏。90年代半ばを中心にセッション録音され、十数年前に激安ボックスセットの雄:ブリリアントクラシックスからリリースされた。少々値段は上がったようだが現在も入手可能だ。

ルドルフ・バルシャイ(1924-2010)というと、ぼくら世代にはもっぱらモスクワ室内管弦楽団を振った録音で馴染み深い。あるいはそれ以外の活躍をほとんど知らなかったと言ったほうがいいかもしれない。この全集をみたとき、バルシャイが…と思ったのもそんなかつてのイメージがあるからだ。しかし実際にはショスタコーヴィッチと親交があり第14番を初演したり、また1976年に亡命後は各国のオケを振っているから、決して室内オケだけの指揮者だったわけではない。ショスタコーヴィッチの交響曲全集を録音してもまったく不思議はないわけだ。

今夜は全15曲11枚組の中から、第9番を取り出して聴いている。いわゆる戦争三部作の一つであるこの第9番を最初に知ったのは、やはり学生時代の70年代半ば。指揮者もオケも忘れてしまったが、FMでエアチェックした演奏を聴き、その洒脱な曲想を面白おかしく感じた記憶がある。特に第1楽章のピッコロによるテーマは印象的で、その後現在に至るまで、時々鼻歌で出てきてしまいそうになる。何故か昭和世代の漫才コンビ:てんわわんやのネタ「ぴっぴっピーヨコちゃんじゃ、アヒルじゃがぁがぁ」とシンクロしてしまうのはぼくだけか(^^;
この第9番は5楽章からなるが、第4楽章は3楽章と5楽章のブリッジのような存在で、全曲も25~30分ほどの演奏時間。ショスタコーヴィッチの交響曲の中では第1番あたりと並んで小規模な方だ。曲想は先に記した第1楽章ピッコロのテーマのみならず、全編洒脱かつ滑稽なフレーズにあふれている。「第二次世界大戦勝利記念の曲としては、ふざけているにもほどがある」と、当時の政府から批判されたのもわかる気がする。しかしやはり20世紀最高の交響曲作曲家としての面目躍如で、管弦楽の面白さという観点から、実に楽しめる曲の一つだろう。

バルシャイ&WDR響の演奏は他の曲も含め、ショスタコーヴィッチの交響曲でときに聴かれる過激な表現や異常なほどのディナーミクなどとは無縁で、きわめて整然として中庸だ。録音も秀逸で、あまたあるショスタコーヴィッチの交響曲録音の中にあって、リファレンスとして立派に通用する演奏だと感じる。


この盤の音源。「ぴっぴっピーヨコちゃんじゃ…」は44秒、2分01秒と現れる。他のパートにも受け継がれ、この楽章全体を支配するモチーフの一つ。


彦根市の市民オケによる演奏。初めに指揮者による解説があり、演奏は12分過ぎから。



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メンデルスゾーン 交響曲第1番ハ短調



週明け月曜日。暖かな一日だったが、夕方から雨。どうやらあすは春の嵐で大荒れになるらしい。大したことがなければいいが…。 さて、桜も散り、空気も緩んできたところで、何か春らしい曲はないか知らんと一考。こんな盤を取り出した。


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メンデルスゾーン(1809-1847)の交響曲第1番ハ短調。カラヤン&BPOによる全集盤中の1枚。1972年ベルリン・イエス・キリスト教会での録音。例によってギュンター・ヘルマンスと、彼に加えてクラウス・シャイベが録音技術を担当。まさにカラヤン黄金期の布陣だ。メンデルスゾーンの1、2番が手元になかったので、それではと物色し、数年前にタワーレコードのワゴンセールで買い求めたもの。

この曲はメンデルスゾーン15歳のときの作品。それ以前に弦楽のための交響曲を12曲作り、そのあとに作った初めての管弦楽交響曲。第1楽章冒頭から古典~初期ロマン派の短調作品がもつ劇的な展開と感情表現が素晴らしい効果をあげている。第2楽章は15歳の少年が作ったものとは思えない深い叙情と歌に満ちていて、今更ながらにメンデルスゾーンの天才ぶりに驚く。第3楽章はメヌエットだが実質的にはスケルツォ。ここでも短調らしい厳しい表情と時々長調に転じたときの大らかな響きのコントラストが素晴らしい。アレグロ・コン・フォーコの指示がある終楽章もロンド形式ではなく、きっちりとソナタ形式で書かれていて、手に汗握る展開だ。中間部におかれたフーガも素晴らしい効果を上げている。

カラヤンの演奏は各パートがもっと渾然一体となった、やや肥大した響きだったように記憶していたのだが、きょう聴いてみるとそんな感じはない。各パートはきっちりと分離し、整ったアンサンブルを聴かせる。よく伸びた低弦群の音がヘッドフォンからしっかりと聴こえてくる。木管群の距離感も適切だ。それでもトータルとしては、細部よりは全体を、縦よりは横を重視した解釈と演奏。春らしいというよりは、明日の天気予想同様、春の嵐を想起させる、若々しくも充実した短調作品の第1番を再確認した次第だ。


フランツ・リスト・ワイマール音楽大学の学生オケによる演奏。ベルリンフィルの教育プログラムの一環として、昨年フィルハーモニーの室内楽ホールで演奏されたときの模様だそうだ。



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メンデルスゾーン <イタリア>



三月最初の土曜日。昨夜は所用で遅くなったのだが、今朝はいつになく早く起床した。朝から快晴で放射冷却もあって冷え込んだが、窓からは陽光射し込み気持ちがいい。昼まで時間もあったので久々に<アサから音盤>。アンプの灯を入れ、明るい休日の朝にふさわしいこんな盤を取り出した。


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オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団による交響曲第4番イ長調<イタリア>。1960年録音。手持ちの盤は1995年<スコットランド>とのカップリングでリリースされた盤。一時期当時の東芝EMIが進めていたHS2088マスタリングによるもの。このHS2088マスタリングはあまり評判芳しくなく、その後ほどなく本国仕様ともいうべきART(Abbey_Road_Technology)マスタリングに取って代わられた。

第1楽章冒頭から落ち着いた開始。といっても鈍重なテンポというわけでもなく、この曲の録音の中では中庸だろうか。ぼくが最初にこの<イタリア>に接したクルト・マズア&ライプツィッヒゲヴァントハウス管による演奏よりずっと軽快な開始だ。各パートの響きはセル盤ほど明晰に分離しないが、それでもカラヤン&BPOよりはずっとクリア。弦楽群の対向配置により第2ヴァイオリンが右から、チェロ・コンバスがやや左側の手間から奥に定位する。特に第2ヴァイオリンの動きがよく分かり、こんな掛け合いをやっていたのかと随所で気付かされる。ぼくがこの曲の中で好きな第3楽章でもやや抑え気味の弦楽群の表情付け、木管群やホルンの秀逸な響きなど、簡素ながら優美で美しいこの楽章を堪能できる。

セル&クリーヴランドの鍛え上げられた鉄壁のアンサンブルは素晴らしいが、ロンドンの腕利きプレイヤーを集めて結成されたフィルハーモニア管のアンサンブルも負けてはいない。60年当時としては十分高レベルの録音と相まって、各パートの分離とマスの響きがほどよく調和し、全体的な音響バランスとしてはセル盤に勝るように感じる。 この曲の身上ともいえるフレッシュな溌剌さというイメージという側面ではセル&クリーヴランド盤に譲るが、このクレンペラー盤は、交響曲としての構成感という意味においてドイツの伝統を強く感じさせる重みと深さを備え、ややモノトーンな響きながら、ニュアンスに富んだ素晴らしい音楽的感興を与えてくれる。

ちなみにこの曲の第2楽章が19世紀イタリアのギタリスト兼作曲家ジョゼッペ・コスタ(Giuseppe Costa 1833-1897)によりギター独奏に編曲されている。ギター弾きにはお馴染みのナポレオン・コスト(仏1805– 1883)ではなくジョゼッペ・コスタ。楽譜はBoijeコレクションにあって、5つの小品と題された曲集の最初に収められている。この曲集はのちの1曲(ヴェルディ「椿姫」からのトランスクリプション)追加され6つの小品集となった。追加された曲の楽譜はこちら


この盤の音源。全楽章。


日本でもすっかりお馴染みになったパーヴォ・ヤルヴィの指揮するhr交響楽団(旧フランクフルト放響)による2012年の演奏。 第2楽章の11分50秒過ぎから、通常はヴァイオリン群の対旋律として扱われる木管群(フルート)を強調して効果を上げている。



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チャイコフスキー交響曲第2番ハ短調<小ロシア>



音楽とその地域性や風土、季節性を強く感じるものとそうではないものとがある。例えばぼくの場合、チャイコフスキーやシベリウスを聴くのは圧倒的に冬の期間が多い。あるいはブラームスの弦の主題を聴くと秋の深まりを感じる。今年も冬がやってきて、そしてぼちぼちお別れだ。ゆく冬を惜しみつつ、今夜はこんな盤を取り出した。


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モーリス・アブラヴァネル指揮ユタ交響楽団によるチャイコフスキー交響曲全集。70年代初頭の録音。6曲の交響曲の他、主要な管弦楽曲がCD5枚に詰め込んである米ヴァンガードの廉価盤ボックスセット。十年近く年前に隣り町のTWRで投げ売られていた。その中から第2交響曲ハ短調を取り出し、先ほどから少し大きめの音量で聴いている。

アブラヴァネル(1903-1993)とユタ交響楽団によるこの全集は中々個性的だ。まずマルチマイク方式と思われる録音が異様なほどリアル。オンマイクでとらえられた各パートの音が明瞭に分離する。このパートがこんな音形を奏でていたのかという発見が随所にある。わずかな音程の狂いやアインザッツの不揃いもはっきりと聴き取れてしまう。そういう意味では、ソファに深く腰かけて、ゆったりと遠めに展開するオーケストラサウンドを聴くという感じではない。むしとその対極だ。これがアメリカ的といえばいえなくもない。アブラヴァネルの解釈も基本はオーソドクスだが、フレーズはやや短めに切り上げて歯切れがいいし、各パートの出入りをはっきりと提示する。

第2番ハ短調<小ロシア>は後期の4、5、6番やそれらに次ぐ人気の第1番<冬の日の幻想>などに比べるといまひとつパッとしない。演奏時間は35分と、楽曲としての規模もチャイコフスキーあるいは他の同時期の交響曲と比べると小さい。ウクライナの旧称あるいは蔑称としての<小ロシア>の名が付いているように、第1楽章冒頭のホルンソロをはじめ、楽曲の主要主題にウクライナ民謡が使われている。少々盛り込みすぎで散漫な感を否めないが、アブラヴァネルの速めのテンポと粘らない解釈で案外気持ちよく聴ける。この第2番ほか他の曲も、チャイコフスキーの「最初の1枚」としては必ずしもお薦めしないが、すでに幾多の演奏でチャイコフスキーの交響曲のイメージが出来上がっている向きには、面白く聴ける演奏だと思う。


この盤、アブラヴァネル&ユタ響の音源。


レナード・スラトキンとデトロイト交響楽団による演奏。これはいい演奏だ。冒頭のホルンソロそして木管群のソロもうまい。以降もスラトキンの巧みなコントロールとそれに応えるオケのうまさが光る。



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ドヴォルザーク 交響曲第6番ニ長調



寒さ戻る。北風強し。今週末は関東平野部でも降雪の予報だ。
きょうは午後から霞ヶ関で仕事。行き先の部門は何でもバブル期に建てた庁舎の大改修とやらで、年明けから少し離れた民間の真新しい高層ビルを仮庁舎として業務を開始した。仮庁舎とはいえ、これから数年間の業務拠点になるそうだ。役所での業務はつつがなく終了。その後の残務も滞りなく完了し、帰途についた。
さて、ひと息ついて夜更けの一枚。今週末土曜日に群馬交響楽団の定期演奏会があって、プログラムがオール・ドヴォルザークだったことを思い出し、こんな盤を取り出した。


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チョン・ミョンフンとウィーン・フィルによるドヴォルザークの交響曲第6番と第8番を収めた盤。1999年ムジークフェラインでのセッション録音。手持ちの盤は発売まもなくの頃たまたま見かけて手にした輸入盤。今夜は第6番を選んでプレイボタンを押した。
ドヴォルザークの交響曲といえば第9番<新世界>、第8番が人気のツートップ。そのあと少し間があいて第7番。そしてようやく第6番が続くだろうか。ぼくはたまたま40年前に学生時代から6番、7番を当時FMエアチェックしたカセットで好んで聴いていたこともあって、6番も他の曲に等しいくらいに好きな曲だった。
第7番同様、ブラームスの影響を受けたといわれる第6番だが、ニ短調の第7番と比べ、ニ長調の第6番は全編明るい雰囲気をもち、ブラームスでいえば第2番ニ長調に通じるところがある。第1楽章は冒頭から穏やかで親しみやすいフレーズが続き、誰しも引きつけられる。第2主題はぐっと情緒的になって、この曲を単調な明るさだけにしていない。第2楽章は木管の主題に続き弦楽群が美しく歌う。ときおり遠くから聴こえてくるホルン、木管群と弦楽群掛け合いなど、次々と曲想が変わり飽きさせない。第3楽章はいかにもドヴォルザークらしいフリアントによるスケルツォ楽章。お馴染みの快速調<2+2+2+3+3>のリズムが華やかに踊る。終楽章はソナタ形式をとり、二つの主題も明確に提示される。出だしはまさにブラームスの第2番を彷彿とさせる。管弦楽は効果的によく鳴るが、民族調のズンドコ節にはならず、最後まで格調を保ち大団円となる。

チョン・ミョンフン&ウィーン・フィルによるドヴォルザーク交響曲の全曲録音へ発展するとのうわさもあったようだが、結局その後の新録音はないようだ。ムジークフェラインでのセッション録音ということもあって、全編美しいウィーンフィルサウンドにあふれる。チョン・ミョンフンがライヴパフォーマンスで時折みせる熱いドライブは控えめで、すべての音は常に整然としていて、演奏の格調はすこぶる高く、好ましい。


この盤の音源。


スウィトナー&SKBによる第3楽章。


イギリスの指揮者シャーン・エドワーズとベルリン・ドイツ交響楽団による全曲。



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プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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