高校時代の友人からメールがあり、最近バッハのカンタータにご執心だという。その友人とは高校時代に一緒にギターを弾いていた仲で、社会人になってからは疎遠になっていたが、二年前に再会し交流が復活した。彼は教会暦に従ってバッハのカンタータを聴き進めている由。そういえば最近聴いていないなあ、カンタータ…と思い、彼からのメールに書かれていたこの曲を聴くことにした。 カンタータ「イエスよ、汝わが魂を」BWV78。例のブリリアント版バッハ全集の一枚。このカンタータは、ちょうど今の時期、三位一体主日後第14主日のために書かれ、いわゆるコラールカンタータの中でも名曲として知られる。曲は以下の7曲からなる。 第1曲 コラール合唱「イエスよ、汝わが魂を」 第2曲 二重唱「われは急ぐ」 第3曲 レチタティーヴォ「ああ、われ罪の子」 第4曲 アリア「わが咎を消し去る御血潮」 第5曲 レチタティーヴォ「傷、釘、荊、墓」 第6曲 アリア「今や汝わが良心を鎮むべし」 第7曲 コラール「主はわが弱きを助くと信じたり」 第1曲冒頭から半音階の下降音形による印象的なフレーズが始まる。曲はこの冒頭の音形によるシャコンヌ(パッサカリア)として進行する。第2曲ではイエスの元へと急ぐ足取りが、低弦(指定はヴィオローネ)のピチカートと無窮動風のオスティナートで表現され、それにのってソプラノとアルトが伸びやかに歌う。テノールのレチタティーヴォとアリア(フルートのオブリガートを伴い美しい)に続き、第5曲バスのレチタティーヴォ。そしてオーボエとバスによる二重協奏曲を思わせる第6曲バスのアリアへと続く。数あるバッハのカンタータの中でも名曲として知られ、人気も高い曲だけに、構成するいずれの曲も機知に富みまったく飽きさせない。特にチャーミングな第2曲と、対照的なバスによる第5曲のレチタティーヴォと第6曲のアリアは印象的だ。 少し腕のあるクラシックギター弾きに中にはバッハ、バッハと熱っぽく語る輩も多いが、話をするとリュート作品として認知されている数曲や無伴奏のチェロやヴァイオリン曲に少々触れている程度で、鍵盤曲やオルガン曲、宗教曲に話が及ぶことはほとんどない。まあ、アマチュアの道楽だから何でもアリだろうから、他の曲を聴かずしてバッハを語ることなかれなどど言うつもりは毛頭ないが、今やYouTubeでいくらでも聴ける時代。他の曲に触れることでギターで弾く際の参考にもなるはずだ。 独ヴルツブルクのバッハカンタータクラブという団体よる演奏。動画コメントによれば指揮者とソプラノ、バスは日本人とのこと。アルトはカウンターテナーによる。オケは各パート1名という最小限の構成だが不足は感じない。VIDEO こちら方面はまったく疎いのだが、今やマタイ も魔笛 も歌う初音ミクによる第2曲ソプラノとアルトのアリア。 上に貼った音源では5分55秒から始まる。VIDEO ■ にほんブログ村ランキングに参加中 ■ ■↓↓↓バナークリックにご協力を↓↓■にほんブログ村
今週はこのところになく慌ただしい一週間。実はある仕掛かり案件の納期を勘違いしていて、気付いた時にはぎょっとした。何とか取り繕ってセーフ、セーフ!。安堵の週末金曜日を迎えた。帰宅後ひと息ついて一服。結果オーライを祝そうと、こんな盤を取り出した。 アントン・ヴィヴァルディの「グローリア・ミサ」RV589。ステファヌ・カイヤー(1928-2020)指揮のパイヤール管弦楽団、カイヤー自身が設立したステファヌ・カイヤー合唱団他による演奏。独奏者のリストをみるとオーボエのピエール・ピエルロやオルガンのオリヴィエ・アラン(マリ-・クレル・アランの兄)など見知った名前もある。手持ちの盤は1979年に廉価盤で出たときのもの。「グローリア」の他「キリエ」ト短調RV587、「エルサレムよ、主をほめたたえよ」RV609といった曲がカップリングされている。こちらのサイトによれば 録音は1964年。 冒頭の第1曲。「いと高きところ、神に栄光あれ」と合唱が喜びに満ちた旋律を高らかに歌う。何とも晴れ晴れするオープニング。祝!結果オーライに相応しい。この盤を手に入れたのは社会人になって間もなくの頃。もう40年以上前の話だ。レコード屋から持ち帰り、買い揃えたばかりのオーディオセットで聴いた時の感動が蘇える。今聴いても、ややレンジが狭いもののノイズ少なく低域もしっかり効いていて素晴らし録音だ。第2曲では一転、沈鬱な表情のロ短調に変わる。イタリアン・バロック、取り分けヴィヴァルディの曲がもつ明暗がはっきりとしていて、その明暗が躊躇なく振れ幅いっぱいの表現を取る特徴がこの曲でも感じられる。「グローリア」は12曲からなり30分を要する、当時としては中々の大曲だが、それぞれのキャラクタが明快でまったく飽きさせない。しかも時々ヴィヴァルディについて言われる「凡百の協奏曲作家」という面影はなく、「赤毛の司祭」の面目躍如。いずれの曲の十分練られた和声感をもっている。「四季」の三百倍は素晴らしいと思うがどうだろう(^^; クロアチアと日本の混成チームを鈴木秀美が指揮する。VIDEO スコア付き音源。パソコンの画面を追いながらギターでバスパートでも弾いて楽しもう。VIDEO ■ にほんブログ村ランキングに参加中 ■ ■↓↓↓バナークリックにご協力を↓↓■にほんブログ村
スペイン物連投…。前回の記事で聴いた盤の続き。 テレサ・ベルガンサ(1933-)がスペイン・ラテン系歌曲を歌った「The Spanish Soul」と題された3枚組。前回に続き、きょうはDISC1のファリャ「7つのスペイン民謡集」を聴くことにした。7つの曲は以下の通り(全3枚のリストは前回の記事参照)。 1. ムーア人の織物 2. ムルシア地方のセギディーリャ 3. アストゥーリアス地方の歌 4. ホタ 5. ナナ(子守歌) 6. カンシオン 7. ポロ 題名通りの歌曲集で、スペイン各地に伝わる民謡や踊りのリズムなどを元に7つの小品に仕立てた曲集だ。極東の彼方からスペインを眺めると、どうも画一的なイメージを持ってしまうが、おそらくスペイン人にとっては、歴史的に諸王国の集まりであった経緯もあって、それぞれの地方でアイデンティティがあり、「一緒にしてくれるな」と言い出すのだろう。数年前、スペイン国内州独立の動きが伝えられたことからもそれは分かる。この7つ民謡集はスペインのほぼ東西南北に渡る地方からモチーフが採られている。陽気な歌あり、内に秘めた情熱あり、歌詞も他愛のない民衆の戯言から成るようだ。オリジナルのピアノ伴奏歌曲以外にチェロやヴァイオリン等によるもの、伴奏をギターに置き換えたものなどが古くから知られていて、スペイン歌曲というジャンルとしてももっともポピュラーな曲の一つだろう。15分で巡るスペイン民謡紀行という趣きの佳曲だ。 ベルガンサによる60年代の録音音源。VIDEO ギター伴奏による歌唱。VIDEO チェロとギターによる「ナナ」 VIDEO ■ にほんブログ村ランキングに参加中 ■ ■↓↓↓バナークリックにご協力を↓↓■にほんブログ村
先回のグラナドスで思い出し、スペイン物の流れでこんな盤を取り出した。 テレサ・ベルガンサ(1933-)がスペイン・ラテン系歌曲を歌った「The Spanish Soul」と題された3枚組。もともとクラヴェスレコードから出ていたものを、例によってブリリアントレーベルがライセンスを受けてリリースした盤。指揮者ヘスス・ロペス=コボスの盤を探しているときに出くわして手に入れた。あまり聴く機会がない曲の入っているので、少々長くなるが収録曲を以下にリストしておく。 DISC-1 ・ファリャ:「代官と粉屋の女房」 ・ファリャ:7つのスペイン民謡 DISC-2 スペイン歌曲集 ・グラナドス:「トナディーリャス(昔風のスペイン歌曲集)」~「悲しむマハ」第1~3番、「内気なマホ」、「控えめなマホ」「トラ・ラ・ラとギターのつまびき」 ・トゥリーナ:「カンシオン形式の詩」Op.19~「献呈(ピアノ独奏)」「けっして忘れないで」「唄」「二つの恐れ」「恋に夢中」 ・トゥリーナ:「サエタ」「幻影」op.37-5(「セビーリャへの歌」より)「ファルッカ」op.45-1 ・グリーディ:「6つのカスティーリャの歌」~「向う、あの山の高みに」「夜番さん!」「スカーフで誘え、牡牛を」「あんたのハシバミの実は欲しくない」「当ててごらんと言ったって」「サン・ホアン祭の朝」 ・トルドラ:6つの歌~「陽気な羊飼いの娘」「母さん、ぼくは一対の目を見た」「サン・ホアン祭の朝」「誰も幸せにはなれまい」「小唄」「お前を知ってから」 DISC-3 エマよさようなら~南米歌曲集 ・ヴィラ=ロボス:「こわれたギター」「さよならエマ」「18世紀の詩人の歌」「古風なサンバ」「希望」「シャンゴ」 ・ブラーガ(1888-1948):「オキニンバ」「草むしり」「子守唄」「聖ジョアンのわらべ歌」「新しい機械」「小さな家」 ・グァスタビーノ(1912-):「二人兄弟のミロンガ」「兄弟よ」「チャパナイのブドウの木」「バラと柳」「パンパマーパ」「鳩のあやまち」「渇きの底から」「きれいな柳の枝」「サン・ペドロの男」 テレサ・ベルガンサ(M) フアン・アントニオ・アルバレス・パレホ(p) ヘスス・ロペス=コボス(指揮) ローザンヌ室内管弦楽団[DISC-1] 録音:1986年[DISC-2] 1983年[DISC-1,3] 今夜はこのうち1枚目をプレイヤーにセットした。さきほどからヘスス・ロペス=コボス指揮ローザンヌ室内管弦楽団によるファリャの「代官と粉屋の女房」が流れている。 のちに「三角帽子」として再構成されることになるこの「代官と粉屋の女房」。当初パントマイムの音楽として1916年に完成したという。1管編成と弦5部にピアノ、打楽器は無しという小編成オケを前提に書かれている。「三角帽子」と同じく二幕構成ながら、「三角帽子」にあるトランペットとティンパニによる景気のいい「序奏」や有名な「粉屋の踊り」などはなく(「粉屋の踊り」の出だしだけがある)、また打楽器も使われないことから、全体的な印象はかなり異なる。 「三角帽子」の華麗なオーケストレーションに馴染んだ耳には少々地味に感じるが、スペインの片田舎風情としては、むしろこのくらいの響きの方が適当かもしれない。打楽器なしでも弦楽群の刻むリズムは十分躍動的だし、木管群のソロもひなびた味わいで中々聴かせる。 1983年のデジタル録音。高音質で評判だったクラヴェスレコードの録音ということもあって、小編成ローザンヌ管の美しい響きが部屋に満ちて心地よい。前後左右の広がりに加え、コントラバスの最低音もダブつかずしっかり聴こえてきて、小編成オケの響きを堪能できる。 この盤の音源。第1部&第2部VIDEO こちらは改編後お馴染みの<三角帽子>踊り付き。スペインの指揮者ファンホ・メナとBBCフィルによるプロムスでの演奏。粉屋の踊りは19分30秒から。VIDEO ■ にほんブログ村ランキングに参加中 ■ ■↓↓↓バナークリックにご協力を↓↓■にほんブログ村
最近バッハのカンタータにご執心の知人が「YouTubeで聴いたカール・リヒターのミサ曲ロ短調が素晴らしかった!」と少々興奮気味にメールを送ってきた。ロ短調ミサかぁ…しばらく聴いていないなあと思い出し、今夜はこの盤をプレイヤーにセットした。 廉価盤ボックスセットの雄:ブリリアントクラシックスのバッハ全集中の2枚。言わずもがなのことではあるが、ロ短調ミサはバッハの数ある作品のうち、もっとも素晴らしい曲の一つだ。この曲に初めて触れたのはかれこれ40年以上前の学生時代。確かクレンペラー盤の演奏だったと記憶している。四畳半の下宿にしつらえた貧弱なオーディオセットではあったが、冒頭のキリエに戦慄を覚えたことをはっきり思い出す。 ロ短調ミサはバッハの作品中、マタイ受難曲と双璧といえる存在ではあるが、曲の性格は当然異なる。そして、ぼくのような声楽に馴染みのない、またその歌詞を聴きながら宗教的な意味合いを感じ取る素地がない聴き手には、マタイよりこのロ短調ミサの方が、音楽として親近感を感じながら楽しめる。マタイではエヴァンゲリストによるレシタチーヴォを交えつつ進行する<物語>としての側面が強いに対し、ミサ曲ロ短調はお馴染みのミサ曲の様式により音楽だけで進行する。そのあたりが声楽曲を<器楽的に聴く>ぼくのような聴き手には耳に馴染みやすい理由だろう。 冒頭、キリエの合唱とそれに続くフーガから一気にこの曲の魅力に引き込まれる。以降も全編バッハの対位法が駆使され、バッハファンならずとも身悶えるほどの音楽的感興に満ちている。一方でソリストの歌うアリアも美しいものばかりだ。同時にそうしたアリアにいくつかには器楽の魅力的なオブリガートが付く。例えば前半<グロリア>の中でアルトの歌う<Qui sedes ad dexteram Patris>にはオーボエダモーレの、そして続くバスの歌う<Quoniam tu solus sanctus>にはコルノ・デ・カッチャ(狩のホルン)によるオブリガートが付され、それを聴くだけでも心おどる。 ブリリアント版バッハ全集で多くの声楽曲を担当しているネーデルランド・バッハ・コレギウムに比べ、この盤でロ短調ミサを受け持っているハリー・クリストファー指揮ザ・シクスティーン の演奏は数段洗練された印象を受ける。合唱、オケ、ソリスト、いずれも立派なもので、1994年に録られた音の状態も上出来だ。その名の通り16名の合唱団をベースにした団体で、規模や編成はBCJあたりと同一のもの。村治佳織(G)が英デッカに移籍したあと、現地の合唱団とコラボしたアルバム<ライア&ソネット> をリリースしたが、その合唱団がハリー・クリストファーの主宰するこのザ・シクスティーンだった。手元にはやや古い重厚長大スタイルのクレンペラー&ニューフィルハーモニア盤、先鋭的なピリオドスタイルとは一線を画しつつ、穏かなバッハ演奏を展開するヤーコブス&ベルリン古楽アカデミー等の盤があるが、このザ・シクスティーンによる演奏も、それらとは異なるアプローチながら水準の高いクリアな演奏で、勝るとも劣らない。 この曲は冒頭のこの10分強だけでも価値有り。クレンペラー盤の第1曲キリエ・エレイソン「主よ、あわれみたまえ」 悲痛な叫びのような冒頭句。そしてそれに続くフーガが素晴らしい。各声部が入り混じりながら進み、最後にバスパートが入ってくる様はフーガの醍醐味。バスパートの入りは…2分23秒 4分55秒 6分59秒 8分41秒 12分44秒あたりVIDEO アルトが歌う、オーボエダモーレの美しいオブリガート付きアリア<Qui sedes ad dexteram Patris>VIDEO 2012年プロムスでの全曲。冒頭から10分過ぎまでのオケと合唱によるフーガはこの曲の魅力のダイジェストといってもいい程だ。ハリー・ビケット指揮イングリッシュ・コンソートによる演奏。ハリー・ビケットはトレヴァー・ピノックを継ぐ2007年からのイングリッシュ・コンソート三代目のシェフ。 41分30秒過ぎからオーボエダモーレのオブリガート付きのアリア。この演奏ではカウンターテナーが歌っている。45分45秒過ぎからコルノ・デ・カッチャ(狩のホルン)のオブリガート付きアリア。1時間33分20秒過ぎから:フルートトラベルソのオブリガート付きアリア。VIDEO ■ にほんブログ村ランキングに参加中 ■ ■↓↓↓バナークリックにご協力を↓↓■にほんブログ村
久々にバッハのカンタータを聴く。 一昨日の日曜日が三位一体節後第9週にあたることから、この日に関わる曲としてこの盤を取り出した。 三位一体節後第9日曜日にちなむカンタータはライプツィッヒ時代の三曲(BWV94,105,168)。例のブリリアント版バッハ全集からBWV105の収められた一枚を取り出した。「主よ、汝の下僕の審きにかかずらいたもうなかれ」あるいは「主よ、裁かないでください」といった題名が付される。曲は以下の6つの部分から成る。 第1曲 合唱 アダージョ‐アレグロ ト短調 第2曲 レチタティーヴォ(アルト) 第3曲 アリア(ソプラノ) 変ホ長調 第4曲 レチタティーヴォ(バス) 第5曲 アリア(テノール) 変ロ長調 第6曲 コラール(合唱) ト短調 冒頭第1曲の合唱から不安と悲劇性を感じさせる曲想が展開される。引きずるような通奏低音、<溜め息音形>の連続はまるで受難曲のようだ。後半はテンポを上げて素晴らしいフーガが続く。アルトのレチタティーヴォをはさんで、この曲の聴きどころともいえる第3曲ソプラノのアリア。オーボエのオブリガートを伴い、弦楽群が刻む細かな音形にのって、美しくもはかない旋律が歌われる。この曲では通奏低音は省かれて、高音域中心の音形であることが、美しい中にもどこか不安な表情を与える。第5曲は晴れやかなテノールのアリア。ヴァイオリンの装飾的な音形が印象的だ。そして終曲では再びト短調に戻って、荘重なコラールが歌われる。ここでもヴァイオリン群の音形が印象的で、冒頭16分音符の刻みであったものが8分3連音符となり、次第に音価を広げながら静かに曲を閉じる。不安と悲劇、厳粛と敬虔、そんなことを感じながらも、どこか心やすらぐ名曲だ。 ブリリアント版全集のピーター・ヤン・レーシンクとネザーランドバッハコレギウムによる演奏は、例によって合唱(特にボーイソプラノ)にやや難有りだが、彼の地の日常的なバッハ演奏として聴く分には不足はない。 百年の歴史をもつネザーランド・バッハ・ソサエティによる演奏。指揮しているのは同団の音楽監督だったヨス・ファン・フェルトホーフェン。現在は1stヴァイオリンを弾いている日本人の佐藤俊介が受け継いでいる。同団のYouTubeチャンネルには多くのバッハ演奏がアップされている。VIDEO 第3曲ソプラノのアリア。バッハ作品の中でももっとも美しいアリアの一つといわれる。VIDEO ■ にほんブログ村ランキングに参加中 ■ ■↓↓↓バナークリックにご協力を↓↓■にほんブログ村
年末年始の休暇入り。散らかった部屋の整理をしつつ音盤棚のほこりを払い…とのんびり過ごす。レコードを出し入れしていたら、こんな盤を見つけて取り出した。 80年代半ばに人気を博したソプラノ歌手キャスリン・バトル(1948-)がギターのクリストファー・パークニング(1947-)と協演した盤。パークニングの名は70年代半ばに見知っていたが、その後日本ではあまり話題に上らず10年近くがたち、この盤で久々に彼の姿を目にした記憶がある。この盤ではリリカルなバトルの歌をフィーチャーして、ダウランドから近代スペイン、ブラジル物、黒人霊歌まだ多彩な曲が取り上げられている。中ではグラナドス「ゴヤのマハ」やファリャなどのスペイン物、そしてヴィラ・ロボスのブラジル風バッハ第5番のアリアやエンリーケ、オヴァーレ、バローゾといったブラジル物がいい。楚々として、軽みのある歌いっぷりだ。ダウランドはさすがに当世の古楽歌唱などを聴いたあとでは、時代錯誤とは言わないまでも、いささか厚化粧に感じてしまう。 パークニングは日本で名前が知られ始めた頃、ギターよりもその甘いマスクで人気が出たものだ。元祖イケメンギタリストというところだろうか。60年代後半にセゴビアの肩入れもあってデビューし、アメリカでは大そうな人気を得た。クラシックギターの保守本流・正統派奏者としての評価は様々のようだが、この盤ではあくまでバトルの伴奏者としての役割に徹していて悪くない。 この盤のアルバムタイトルにもなっているグノーのアヴェ・マリア。1987年グラミー賞受賞のステージとコメントがある。取り上げた盤の時期のもの。VIDEO この盤の音源からVIDEO パークニングのいま。2016年のインタヴュー。全4話。彼のHPによると 現在も多方面で活動中の様子だ。VIDEO ■ にほんブログ村ランキングに参加中 ■ ■↓↓↓バナークリックにご協力を↓↓■にほんブログ村