アンナ・モッフォ&ストコフスキー



日中の陽射しが暖かな一日。それでも夜半前には少々冷えてきた。ストーブに載せたやかんがコトコト音を立てる。安直にインスタントコーヒーを一杯。こんな夜は美形のディーヴァに癒されようかと、取っておきのこの盤を取り出した。


202401_AnnaMoffo_Stokowski.jpg


アンナ・モッフォ(1932-2006)がストコフスキー(1882-1977)指揮の管弦楽伴奏で歌っている有名な盤。1964年録音。収録曲は以下の通り。

・カントルーブ:<オーヴェルニュの歌>から
  アントゥエノ/羊飼いの乙女/泉の水/バイレロ/牧場を通っておいで/
  女房持ちはかわいそう/子守歌
・ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ第5番:アリア/ダンツァ
・ラフマニノフ:ヴォカリーズop.34-14

<オーヴェルニュの歌>は20世紀初頭にダンディ門下のカントルーブがフランスオーヴェルニュ地方の民謡を採譜しクラシカルな手法で歌曲に仕立てたもの。いずれも同地方の風光を思わせる明るい曲想。春の宵にはちょうどいい響きだ。ヴィラ=ロボスとラフマニノフは毎度お馴染み。ストコフスキーの伴奏はもっとアクが強かったのでは思ったが、こうして聴くといずれの曲も控え目に伴奏を付けていて、さすが老練の技といったらいいだろうか。ラフマニノフのヴォカリーズ、超好き~!などと高齢者オヤジが叫ぶのは我ながらどうかと思うが、すっかり通俗名曲となったとはいえ、やはりいつ聴いても胸キュンものの名曲だ。しかもハリウッドからも声がかかるほどの美貌のアンナ・モッフォが歌うとなれば尚更だ。通俗上等!ミーハー上等!…と


■ 最後までお読み頂きありがとうございます ■
■↓↓↓ランキングに参加しています↓↓↓■
■↓↓ バナークリックにご協力ください ↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村



この盤の音源のラフマニノフ「ヴォカリーズ」


同 「オーヴェルニュの歌」



■ 最後までお読み頂きありがとうございます ■
■↓↓↓ランキングに参加しています↓↓↓■
■↓↓ バナークリックにご協力ください ↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村

シノーポリ&ベルリンドイツオペラ 「オペラ合唱曲集」



先回聴いたワーグナーの合唱曲集。その流れできょうは音盤棚の隣りにあったこの盤を取り出した。


202401_Sinopoli_POpera_Chorus.jpg


ジョゼッペ・シノポリ(1946-2001)がベルリン・ドイツ・オペラを振って入れた「オペラ合唱曲集」。モーツァルト、ベートーヴェン、ワグナー、ウェーバーといったドイツオペラから5曲。そしてヴェルディが6曲収録されている。1982、1984年の録音。イタリアオペラはとんと縁がないのだが、この合唱曲集はときどき聴く。収録曲は以下の通り。オペラファンならずとも楽しめる選曲がいい。

1. 歌劇≪魔笛≫から 僧侶の合唱<イシスとオシリスの神に感謝を>
2. 歌劇≪フィデリオ≫から 囚人の合唱<おお、なんという自由のうれしさ>
3. 歌劇≪魔弾の射手≫から 狩人の合唱<狩人の喜びは>
4. 歌劇≪魔弾の射手≫から 村人たちの合唱<勝利だ!勝利だ!>
5. 歌劇≪タンホイザー≫から 大行進曲<歌の殿堂をたたえよう>
6. 歌劇≪ナブッコ≫から ヘブライの捕虜たちの合唱<行け、わが思いよ、金色の翼に乗って>
7. 歌劇≪十字軍のロンバルディア人≫から 十字軍兵士と巡礼の合唱<おお主よ、ふるさとの家々を>
8. 歌劇≪マクベス≫から スコットランド亡命者の合唱<しいたげられた祖国>
9. 歌劇≪トロヴァトーレ≫から アンヴィル・コーラス<朝の光がさしてきた>
10. 歌劇≪アイーダ≫から 凱旋の合唱<エジプトとイシスの神に栄光あれ>
11. 歌劇≪アイーダ≫から 勝利の合唱<戦いに勝った将軍よ、前に出よ>


こうして聴くと、豊かな声量と張りのある声質を持つ西洋人の合唱と伝統あるオーケストラサウンドの合体はまったく素晴らしい。この盤はセッション録音らしくテンポをゆっくりめに取ったスケールの大きな演奏が楽しめる。シノポリは次世代のオペラを担う指揮者として嘱望されたが、2001年にアイーダの指揮中に倒れて急逝した。 有名なアンヴィル・コーラス、そしてアイーダの凱旋の合唱と勝利の合唱…。もはや栄光も凱旋も勝利も無縁の年齢になったが、こうした曲を聴くと、先々の人生が無限で希望にあふれているように思えていた頃の気分を思い出す。


■ 最後までお読み頂きありがとうございます ■
■↓↓↓ランキングに参加しています↓↓↓■
■↓↓ バナークリックにご協力ください ↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村



この盤の音源。歌劇≪アイーダ≫から 凱旋の合唱「エジプトとイシスの神に栄光あれ」


同 歌劇≪ナブッコ≫から ヘブライの捕虜たちの合唱「行け、わが思いよ、金色の翼に乗って」


同 歌劇≪トロヴァトーレ≫から アンヴィル・コーラス「朝の光がさしてきた」



■ 最後までお読み頂きありがとうございます ■
■↓↓↓ランキングに参加しています↓↓↓■
■↓↓ バナークリックにご協力ください ↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村

ワーグナー合唱曲集



時々聴きたくなる盤というものがあるが、ワーグナーの作品もその一つだ。ドイツ語もゲルマン精神も分からずにワグナーファンなどと言うつもりはもちろんないが、かれこれ半世紀に渡り、その楽曲に親しんできた。とはいえ長大な全曲に何時間も対峙する覚悟もなく、大体は管弦楽曲集や抜粋盤を聴いて程々に手を打つことにしている。デッカのバイロイト・ライヴ盤やショルティ盤、いくつかのダイジェスト盤などを差し置いて、よく聴くのがワーグナーの合唱名場面を納めたナクソスのこの盤だ。


202401_Wagner_Choruses.jpg


フィンランド人のレイフ・セーゲルスタム(1944-)が指揮するスウェーデン王立歌劇場管弦楽団&合唱団による演奏。2003年のセッション録音で収録曲は以下の通り。

1. 楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」~フィナーレ(抜粋)
2. 歌劇「さまよえるオランダ人」水夫の合唱「舵手よ、見張りをやめよ!」
3. 歌劇「タンホイザー」~入場の行進曲「夢の殿堂をたたえよう」
4. 歌劇「ローエングリン」~婚礼の合唱「真心こめてご先導いたします」
5. 歌劇「リエンツィ」~平和の使者
6. 舞台神聖祝典劇「パルジファル」~モンサルヴァートへの旅

マイナーな作曲家やマニアック楽曲を集めた盤ならともかく、ナクソスレーベルでワーグナー?…とほとんど期待せずに手にしたのだが、その予想は見事に裏切られた。何がいいって、この盤のタイトル通り、まず合唱が素晴らしい。スウェーデンは合唱王国だそうだ。中でもこの王立オペラは同国内トップにあることは間違いない。2003年から2006年の間に何度か仕事でスウェーデンを訪れた際、ストックホルムの王立フィルハーモニーのコンサートは聴くことが出来たが、ロイヤルオペラはタイミングが合わずに観られなかった。それでも大柄なスウェーデン人たちが歌う合唱の迫力は想像に難くない。それにスウェーデンはドイツ以外の国では最も数多くのワーグナー公演がある国だそうだ。歴史的にゲルマン民族とのつながりが深いスウェーデン人の血が騒ぐのだろうか。

収録されたどの曲もそうした彼らの合唱の素晴らしさを堪能できる。2曲目「さまよえるオランダ人」の有名な水夫の合唱だけでも誰しもが納得するだろう。セッション録音なのでバイロイト・ライヴ盤で聴けるような水夫達が足を踏み鳴らす音や歓声などは望むべくもないが、反面、整ったアンサンブルと発声による迫力と美しさは比類がない。マイスタージンガーも聴き馴染んだ第1幕前奏曲に出てくる様々なモチーフが合唱で響き渡り実に新鮮。リエンツィやローエングリンの合奏曲も美しい管弦楽を伴い聴き応え十分だ。

ワーグナー、それとバッハを聴いていると、星の数ほどあるクラシック音楽の中でワーグナーとバッハだけあれば、他ももういいかなと思うときがある。現実にはベートーヴェンもハイドンもブラームスももちろん捨てられないのだけれど。


■ 最後までお読み頂きありがとうございます ■
■↓↓↓ランキングに参加しています↓↓↓■
■↓↓ バナークリックにご協力ください ↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村



この盤の音源。「さまよえるオランダ人」水夫の合唱「舵手よ、見張りをやめよ!」


同 「タンホイザー」~入場の行進曲「夢の殿堂をたたえよう」


同 「ニュルンベルクのマイスタージンガー」~フィナーレ(抜粋)



■ 最後までお読み頂きありがとうございます ■
■↓↓↓ランキングに参加しています↓↓↓■
■↓↓ バナークリックにご協力ください ↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村

ベルガンサ&イエペス「中世・ルネサンスのスペイン歌曲」



14年目に入っている本ブログ。昨年末からの更新頻度アップにもかかわらず日々のアクセス数はほぼ横ばいではあるが、「心ある」閲覧者のランキング・バナークリックや拍手に支えられ日々更新を続けている。拍手の数はギターやオーディオの記事で多くなることから、閲覧者の関心はそのあたりなのかもしれないが、実態はわからない。まあ、日々の備忘録のようなものなので、このままいきます。 さて、ギター弾きを自認しながらギターの音盤を聴くことが少ないなあと思いつつ音盤棚を見渡し、きょうはこの盤を取り出した。


202401_Berganza_Yepes2.jpg


スペインを代表するメゾ・ソプラノのテレサ・ベルガンサ(1933-2022)がギターのイエペス(1927-1997)の伴奏で、スペインの中世からルネサンス期の歌曲を歌っている1974年録音の盤。本来であればビウエラ(写真下)の伴奏が相応しいのだろうが、当時人気を博していたベルガンサの相方として、10弦ギターで世界的に活躍していたイエペスが選ばれたのだろう。少し細かくなるが収録曲は以下の通り。

01 アルフォンソ10世賢王:バラの中のバラ(Rosa das rosas)
02 ミゲル・デ・フエンリャーナ:アンテケーラの陥落(Pérdida de Antequera)
03 作者不詳:ディンディリンディン(Dindirindín)
04 アロンソ・ムダーラ:ダビデ王は悲しんでいた(Triste estaua el rey David)
05 作者不詳:悪い報せだ、カリーリョ(Nuevas te traygo, carillo)
06 作者不詳:人びとは大きな喜びに(Los hombres con gran plazer)
07 フランチェスコ・デ・ラ・トーレ:語れ、悲しい心よ(Dime, triste corazón)
08 エンリケス・デ・バルデラバノ:恋よ、どこからやってくる(De dónde venis, amore?)
09 ルイス・デ・ミラン:一生かけてそなたを愛した(Toda mi vida os amé)
10 フアン・デ・トリアーナ:言って下さい、御母よ(Dínos, madre del donsel)
11 アロンソ・ムダーラ: 誰か、私を呼ぶような(Si me llaman a mí)
12 フアン・デル・エンシーナ:巡礼(Romerico)
13 フアン・バスケス(ミゲル・デ・フエンリャーナ編曲):きみは私を殺めた(Vos me matastes)
14 ルイス・デ・ミラン:母さま、あの騎士が(Aquel caballero, madre)
15 アロンソ・ムダーラ:澄んで涼しい流れ(Claros y frescos rios)
16 アロンソ・ムダーラ:イサベルや、帯を失くしたね(Ysabel, perdiste la tu faxa)
17 ルイス・デ・ナルバエス:何をつかって洗いましょう(Con qué la lavaré?)
18 フアン・バスケス(ディエゴ・ピサドール編曲):バラの木の泉に(En la fuente del rosel)
19 アルフォンソ10世賢王:サンタ・マリア(Santa María)

202401_Vihuela.jpeg


中世・ルネサンスのスペインは、教会音楽、宮廷・世俗音楽、いずれもがヨーロッパの中でも独自の音楽文化を築いたという。ぼくらギター弾きには、ランやナルバエス、ムダーラといった、ほんの僅かなビウエラの作曲家の名前が思いつく。この盤では無名の歌曲に加え、そうしたビウエラ作曲家達の世俗歌曲が多く収められている。ちょっと歌詞をみると、「ウグイスよ、ウグイスよ、わたしのこの便りを運んでおくれ、男友達に告げておくれ、わたしはもう亭主持ちだと」「マリ・ミンゴの娘がさきの日曜、結婚したぞ、あの村の若者と、お前にとっちゃひどいことさ、悪い知らせだぜ、お前はこんなにいい若者なのに」…といった具合に、たわいのない色恋沙汰の歌詞も多い。当時のスペインの民衆も宮廷人もこんな歌を歌っていたのだろうか。

ジャケット写真からも美しさがうかがえる民族衣装姿のベルガンサ、控えめな紳士然としたイエペス。当時ともに40代で人気アーティストだった。イエペスのギター独奏の演奏にはあまり感心したことはないのだが、この盤のイエペスは中々いい。お国物への共感もあってか、曲の時代性や背景を理解し、抑制の効いた表現で楚々と歌い、弾いている。


■ 最後までお読み頂きありがとうございます ■
■↓↓↓ランキングに参加しています↓↓↓■
■↓↓ バナークリックにご協力ください ↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村



この盤の音源。収録曲全19曲の再生リスト


イエペスのソロでルイス・ミラン「6つのパバーヌ」(原曲はビウエラ) ぼくら世代の中級アマチュアは必ず手がけた曲の一つ。



■ 最後までお読み頂きありがとうございます ■
■↓↓↓ランキングに参加しています↓↓↓■
■↓↓ バナークリックにご協力ください ↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村

バッハ BWV6 カンタータ「われらと共に留まりたまえ」



この時期には珍しく年末にひと雨あった関東地方。年明けは穏やかな好天となった。散歩途中でみた近所のショッピングモール駐車場は、初売りの目玉を求める人たちだろうか、朝から随分と混雑。もはやその列に加わる年齢ではなくなったなあと横目で見ながら帰宅した。一服して音盤タイム。さて年明け最初に何を聴こうかと思い、ここ何年かの年頭に習い、令和「6」年にちなみこの盤を取り出した。


202401_BWV6.jpg


バッハ作品番号BWV「6」のカンタータ「われらと共に留まりたまえ」。教会歴に従えばキリスト復活第2日目(4月初め)に演奏されるもので、復活間もないキリストと弟子たちのやり取りが描かれている。取り出したのは例によって激安バッハボックスセット中の一枚。曲はほぼ型通りに以下の6曲から成る。

 第1曲 コラール
 第2曲 アリア(アルト)
 第3曲 コラール
 第4曲 レシタティーヴォ(バス)
 第5曲 アリア(テノール)
 第6曲 コラール

冒頭のコラールはゆったりとした三拍子にのせ、悲哀と希望が交錯するようにメロディーが歌われる。途中4拍子に転じて少し熱量を増したフーガをはさむ。第2曲はアルト(カウンターテナー)によって歌われるアリア。オーボエ・ダ・カッチャが程よく絡みながら穏やかなフレーズが続く。第3曲のコラールはソプラノによる清々としたメロディーが歌われる。曲全体を通じてチェロ(ピッコロチェロ)の対旋律が印象的だ。第5曲はテノールのアリア。弦楽器群が常に動き多い対旋律を奏で、終曲のコラールは短いながら満ち足りた終止感を与えてくれる。

クラシックは聴き始めて半世紀といいながら、恥ずかしながらバッハのカンタータを聴き始めたのは比較的最近でまだ十年余。教会歴に従って順に聴いていこうと思いながら遅々として進まず、相変わらずつまみ食いの域を出ない。手持ちのブリリアントクラシック盤の演奏は、2000年前後の短期間に録音されていることや、演奏自体の技量・完成度で難があることは承知だが、コンサートピースとしてではなく、実生活の中で日常的に教会で演奏されるイメージに近く、これはこれで価値ある盤として付き合っていきたい。


■ 最後までお読み頂きありがとうございます ■
■↓↓↓ランキングに参加しています↓↓↓■
■↓↓ バナークリックにご協力ください ↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村



鈴木雅明&BCJによる演奏。第3曲では鈴木秀美が5弦のピッコロチェロを弾いている。


YouTubeで積極的に演奏を披露しているネザーランド・バッハ・ソサエティによる演奏。



■ 最後までお読み頂きありがとうございます ■
■↓↓↓ランキングに参加しています↓↓↓■
■↓↓ バナークリックにご協力ください ↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村

ロッシーニ「スターバト・マーテル」



九月も半ば。ネットをみていたら、きょう9月15日は「聖母の七つの悲しみ」の日と知り、こんな盤を取り出した。


202309_Rossini_SrabatMarter.jpg


ジョアッキーノ・ロッシーニ(1792-1868)の「スターバト・マーテル」。カルロ・マリア・ジュリーニ( 1914-2005)の指揮するフィルハーモニア管弦楽団と合唱団の演奏。ジュリーニの人気が絶頂だった80年代初頭1981年に録音されている。手持ちの盤は十数年前に廉価盤でリリースされたときのもの。

スターバト・マーテル(悲しみの聖母)を取り上げた作曲家は数百人に及ぶとwikipediaでみて驚いた。ローマ・カソリック由来の聖歌が元ということから、中ではペルゴレージやスカルラッティそしてロッシーニなどイタリアの作曲家に名曲が多い。ドヴォルザークやプーランクまた20世紀に入ってはアルヴォ・ペルトも書いているようだ。

当時イタリアオペラの超売れっ子だったロッシーニだが、このスターバト・マーテルはオペラの作曲をやめたのちに作られたという。曲のタイトルから想像するほどの宗教色はないが、といってイタリアオペラ風に劇的なエンターテイメントかというとそうでもなく、中々どうして味わい深く感動的な曲だ。第1曲は荘重に始まり、第2曲でのテノールのアリアも明るく大らかではなるが、華美に過ぎず健全な落ち着きを持っている。終曲はフーガも織り交ぜ素晴らしい曲想を展開する。名曲の誉れ高いペルゴレージなどとは時代も味わいも違うが、このロッシーニも、宗教的意義は横に置いたとしてもコンサートプログラムとして十分に楽しめる。


この盤を同じコンビによる演奏。1981年8月23日ロンドン・アルバートホールでのライヴ。CDの録音日が1981年8月24、25日および1982年1月14日と記されているので、このライヴの翌日に過半の録音が成されたものと思う。


ロッシーニあれこれ



■ 最後までお読み頂きありがとうございます ■
■↓↓↓ランキングに参加しています↓↓↓■
■↓↓ バナークリックにご協力ください ↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村

ジョン・ラター「レクイエム」



先週末、音盤棚を整理しながら見つけた盤。そういえば随分前に記事にして以来聴いていなかったなあと思い出し、久しぶりにプレイヤーにセットした。


IMG_4238.jpg


現代イギリスの作曲家ジョン・ラター(1945-)の「レクイエム」。いつになくデザインされたジャケットまとったナクソス盤。ケンブリッジ・クレア・カレッジ聖歌隊とシティ・オブ・ロンドン・シンフォニアというオケをティモシー・ブラウンという指揮者が振っている。2002年録音。この曲は90年代後半あたりから大そうな人気曲のようで、多くのアマチュア合唱団が取り上げているという。

以前聴いたラターの管弦楽曲もそうだったが、全編わかりやすく美しいメロディーと和声に満ちている。ポピュラリティーが強く、これならアマチュア合唱団の多くの飛び付くのも無理もない。ラターはフォーレ「レクイエム」の新しい版を監修したらしいが、この曲を聴きだして間もなく、そのフォーレのレクイエムを思い出したほどイメージが近い。時にオルフの「カルミナプラーナ」を感じさせるフレーズも出てくる。レクイエムの様式に沿った曲構成になってはいるが、言葉のわからないぼくなどが聴くと、平易で美しい合唱曲としか感じない。

イギリスの教会組織やプロの合唱団は、この曲を重要な曲としては認めていないと、何かの記事で読んだことがある。つまり正式な典礼には使わないだろうし、作品としての質にも疑問を持っているということだろうか。死者を弔う音楽として不適切と判断しているということかもしれない。事の始終は知らないが、この曲を聴く限り、ぼくもそうした見解にうなづく。あまりにキャッチーな美しさが耳につきオリジナリティーを感じない。そういう音楽が世に多々あることは承知だし、ぼくも時に好んで接する。しかし曲に冠した表題はレクイエム…ということなのだろう。事情を知らないものが語る資格もないが、さて世の評価どうなのだろうか。


全曲。 冒頭、不穏な空気を感じさせるモチーフで出るが、ほどなく霧が晴れるように美しいハーモニーが始まる。


もっともよく歌われる第3曲「Pie Jesu」


この盤の音源。



■ にほんブログ村ランキングに参加中 ■
■↓↓↓バナークリックにご協力を↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
音楽とクラシックギターに目覚めて幾年月。道楽人生成れの果てのお粗末。

カレンダー
04 | 2024/05 | 06
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
最新記事
最新コメント
カテゴリ
検索フォーム
月別アーカイブ
QRコード
QR
閲覧御礼(2010.10.01より)