チョイと宅録 E・プジョール「小ロマンス」



ここ二、三日寒さもピークアウトしたかと思わせる日が続いている。とはいえ、まだ春の陽気には遠く、ギターを弾くにもまずは道楽部屋を暖め、手を暖め…思い立って即練習とはいかない。まだしばらくは新しい課題に取り組むのは難しそうだし、そういえば録音も久しくしていないなあ…などど考え、このところポロポロと弾いて遊んでいたこの曲を録音してみた。


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エミリオ・プジョール(1886-1980)の「小ロマンス」。
プジョールはギター弾きにはお馴染みの名前。「アルハンブラの思い出」で知られるフランシスコ・タレガ( 1852-1909)の高弟の一人として演奏・作曲そしてギター音楽全般の研究でも多くの成果を残した。ぼく自身は彼の独奏曲をほとんど弾いたことがなく、彼の編曲による二重奏を少しかじった程度の経験しかない。

この小ロマンスはわずか2分程の小品。「姪のコンチータへ(A mi sobrina CONCHITA)」と付記されていて、あどけない姪のコンチータ嬢を思いながら作られたのだろうと、イメージできそうな可憐な曲だ。ギターで効果的に響く1弦~4弦の10度音程を使って、シンプルなメロディーとロマンティックな和声をうまく響かせている。出だしのフレーズなどは師匠タレガのラグリマを思わせ、ニヤッとしてしまう。 全体としては初~中級程度のレベルかと思うが、後半に入るところにある装飾音のターンと、所々にあるアラストレが技術的なポイントだろうか。小品ながら師匠タレガを想起させる「ちょっといい曲」だ。


この作品が作られた頃の楽器ハウザー・ウィーンモデル1921年作を使い、ピッチも通常より半音程低いA=415Hzで録音。もっとロマンティックにテンポを揺らす手もあるだろうが、ひとまずインテンポで通した。楽譜には♪=108の指定がある。後半に入るところの装飾はあわて過ぎで音になっていない(スミマセン)。


ギターをモダンタイプ(ヤマハGC-30B)に変え、ピッチもA=440Hzで録音。表現にも少しだけ動きを加え、上の演奏より10秒程短くなった。



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チョイと宅録 E・シャンド「Meditation」



少し前からさらっていたトローバのソナティナ第1楽章。その後なんとか望むテンポで通して弾けるようになり、雑な仕上げながら早々に次の課題曲を検討中。そのままソナティナの第2、第3楽章にいくか、他の曲にいくか…。そんなことを考えながら合間にアーネスト・シャンドの小品をつまみ食いという毎日だ。きょうは先回弾いたシャンドの2曲に続く曲として、この曲を弾いてみた。


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一年前からご執心のアーネスト・シャンド(英1868-1924)の作品69-2。「Meditotion」と題された1分半程のごく小さな作品。ニ長調4分の3でA-B-Aのもっともシンプルな三部形式。A部では1弦上の旋律が6度下の3弦を伴って穏やかに歌われる。1弦と3弦で取る6度音程は、ギターの響きのうちもっとも効果的で美しい響きの一つだと思う。B部ではイ長調に転じ、フレーズ全体が少し活発になり、ディミニッシュコードを使ってフレーズの緊張とその後の解決をうまく導いている。

シャンド作品の中では技術的にはやさしい部類に入る。中級以上の人なら初見で通せるだろう。 明るく穏やかな曲想で、Meditationという副題ほど深く瞑想する気配はない。「音楽作り」などと称して感情移入せず、テンポや強弱等そのときの気分でサラっと弾きたい。楽譜はIMSLPのこちらで。2曲から成る作品69の2曲目が「Meditation」1曲目のGavotteも愛らしい佳曲。そちらも近々録音してみよう。


今回はスマホではなく、以前から使っているレコーダ(ZOOM社Q2n-4K)で録った。



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チョイと宅録 E・シャンド2題



アーネスト・シャンド(英1868-1924)の作品に興味をもってからちょうど一年になる。


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YouTubeでルベルト・ロッカが演奏にするシャンド作品に触れたのが直接のきっかけだった。その後、運よく楽譜を手に入れ、更に昨夏にはシャンドの作品がまとまった曲集が出版されるなどして、シャンドがちょっとしたマイブームをなった。シャンドの作品は趣味のよいサロン風作品のオンパレードといってよく、その後も折に触れ楽譜を開いては楽しんでいる。


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ここひと月ほど、トローバのソナティナばかりさらっていたのだが、今週になって小休止。箸休めといってはナンだが、シャンドの曲集をあらためて開き、その中から2曲を選んで録音を試みた。すでにシャンドの作品にあたっている輩は先刻承知のことと思うが、一見さらりと心地よい音を奏でるシャンド作品だが、仔細にみていくと思いのほか高い技巧や表現力を要するところも多い。今回選んだ2曲はいずれも耳に馴染むフレーズをもち、思わず鼻歌で歌いたくなる作品だ。

A Forgotten Strain(忘れられたメロディ) はニ長調4分の2。ハーモニクスによる序奏のあと明快なメロディーが出る。中間部は4分の3拍子に転じてテンポも少し上がって動きを伴う曲想になる。半音階を伴う和音の経過句をはさんで最初のフレーズに戻り、最後はテンポを上げた短いコーダ風のフレーズがあって終止する。
Prelude et Impromptu(前奏曲と即興曲)はホ短調4分の4。即興風の序奏(前奏曲)のあと、はずむようなリズムにのって印象的な短調メロディーが出る。ナポリ6度を使って終止したあと、二つめのモチーフが出る。中間に挟まれた下降半音階の和音による経過句が印象的だ。冒頭の主題に戻ったあと、下降半音階を交えた短いコーダ風のフレーズを繰り返し、最後はメジャーコードで終止する。

いつものレコーダーをセットするのさえ面倒で、譜面台に置いたスマートフォンで録画。マイクはモノラル仕様かつかなり歪みがのる。加えてリバーブの厚化粧を施しているので、まともなヘッドフォン・イヤホンでは粗が目立ち過ぎるだろう。もちろん演奏そのものも、あちこち不手際はそのままの録って出し。いろいろお粗末ご容赦下さい。


A Forgotten Strain(忘れられたメロディ)


Prelude et Impromptu(前奏曲と即興曲)



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チョイと宅録 ソル練習曲作品33-22」とオマージュ作品



ここ数日、寒波到来で寒い日が続いている。電気料金アップ対応で拙宅ではエアコン暖房禁止令が出され、アラジンストーブが全開運転中。おかげで灯油はガンガン消費する。お得なのはいずれか…怪しいところだが、ひとまず原始的に化石燃料直接消費の一択で残る厳寒期を乗り切る計画だ。 さて一月最後の週末。少し時間があったのでギターを取り出し、久しぶりに録音を試みた。


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弾いた曲はフェルナンド・ソル(1778-1839)の練習曲作品33の22。日本では「月光」の名で親しまれている一曲だ。クラシックギターを始めて初級から中級に差し掛かる段階で、ほとんどの人がこの曲をさらう。ロ短調4分3。淡々としたアルペジオが続く一見単純な曲だが、同じモチーフを繰り返し提示しながら、その都度ちょっとした和声の変化を施すあたりがソルらしく、多くのギター愛好家に好まれる。特にアンドレス・セゴビアが編んだ「ソルの20の練習曲」ではオリジナルのアレグレットの指定を変えてモデラートとし、ロマンティックな解釈でこの曲のイメージを定着させた。 ぼくがこの曲を初めて弾いたのは、ギターを始めて半年ほどたった頃だったように記憶している。その後しばらく好んで弾いていたが、あまりにポピュラーで、いささか手垢が付き過ぎた感じがし、その後は弾くことはなくなってしまった。


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久々にこの曲を意識したのは3年前のこと。コロナ禍になる直前に発刊された佐藤弘和氏の小品集「音楽のおもちゃ箱」の中に「フェルナンド・ソル賛」としてこの曲のオマージュ作品があったからだ。このオマージュ作品が中々の秀作で、原曲と同じ規模の小品ながら、多様な和声感によって古典的な原曲を現代風に色付け、大いに楽しめる作品だった。そうして、あらためてソルの原曲を眺めると、練習曲という性格から、簡素な形式と限られた技法の範囲を守りながらも、学習者に古典的素養を備えさせようとする意図がよくわかる。


ソルの練習曲作品33-22。例によって深夜の食卓テーブルでチョイ録。 何年ぶりかと思うほど久しぶりに弾いた。あれこれミスを修正する気力なく、弾きっぱなしのお粗末です。


こちらは佐藤弘和氏によるオマージュ作品。以前撮ったものを貼っておく。



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チョイと宅録 E・シャンド「Legende」Op.201



少し前から興味もっているアーネスト・シャンド(英1868-1924)の作品。その後、運よく楽譜も手に入れ、時々弾き散らかして楽しんでいる。


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昨年、左手人差し指が不調になってから、まともに練習をする気にならなくなり、このまま我がギター道楽人生もフェイドアウトするのか…と、いささか意気消沈していたのだが、その後指の状態も一進一退で、ならばと最近になってまた楽器を意識的に手に取るようになった。そんな折に、これまでほとんど接することがなかったアーネスト・シャンドの作品に触れた。

程々の難易度、明解でキャッチ―なメロディーラインと定石ながら気の利いた和声進行。品のいいサロン風の親しみやすい曲想で、弾くのも聴くのも心地いい。初見大会で遊んでばかりではナニかなと思い、一曲選んで久々に録音でもしてみようと、弾きやすそうでかつ親しみやすい曲として「Legende」作品201を選んだ。

この曲は難所というほど技術的にややこしいところはないが、何カ所からあるポジション移動であわてないよう注意が必要だ。テンポの加減速やメロディーの抑揚は、曲想にそっていけば自然とついてくる。いくつかある大胆な転調は十分意識して緊張しながら楽しむ…まあ、そんなところだろうか。


まず最初は楽譜を手に入れた翌日の晩、初見で探り弾き。当然あちこちミスを連発しているが(特にポジション移動のところで)、少しさらえば弾けるかなあという感触。ハウザー・ヴィエナモデルの楽器でピッチA≒415Hz


その後、時折り弾いているうちに要所を何となく暗譜したこともあり、カジュアルに通して弾いてみた演奏。ポジション移動でミス有り。メロディーラインのタッチもあいまいで和声に埋もれたり、凸凹があったり…



上の録画をした翌日、テンポを少し下げ、ポジション移動とタッチの改善を目指して再録音。足台も使って少しきちんと臨んだが、つまらない演奏になってしまった。それと演奏開始前にエアコンをオフにしたのだが、その影響で室温がわずかに上がり、高音弦のチューニングがずれてしまった。


…というわけで、ほぼ一年ぶりの録音は課題を残しつつ、ひとまず終了。折をみて他のシャンド作品にもトライしてみようと思う。


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チョイと宅録 カルカッシのエチュード



昨年後半あたりから、ギターを弾いているとき左手人差し指に違和感を感じるようになった。今年の春先頃にはその違和感がはっきりした痛みに変わり、人差し指を曲げようとすると第一関節に痛みが走るようになった。しばらく様子を見ていたが改善しない。道楽ギター人生もこれまでか…。心配になって整形外科を受診すると「へ―バーデン結節」確定診断。レントゲンを見ると、人差し指第一関節の軟骨が減っていて、対向する骨が直接当たっている状態だった。比較的初期段階のようで、今のところ指の変形などはない。但し明確な治療法はなく、現状より悪化させないように付き合っていくしかないというのが現実のようだ。

これまで何十年もギターを弾いてきて、今になって指の故障に見舞われるとは思いも寄らなかった。元々練習熱心でもなく、ここにきて急に練習量が増えたわけでもないが、昨年秋以来、時間があれば朝練に精出していたのが要因の一つかもしれないし、もちろん加齢もあるだろう。まあ、よく分からないが現実問題として付き合っていくしかないなあと、いささか意気消沈の日々が続いているが、しかし、このままではいけないと、不調の指をかばいつつも先日来楽器を取り出し、指の負担を考慮しながらギターを弾いている。


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数年間から時折りさらっているカルカッシ「25の練習曲」作品60。特に昨年、コロナ禍で在宅時間が増えたこともあって、これまであまり手を付けていなかった後半の曲をひと通りさらった。そして練習曲という枠を越え、古典的な小品として十分楽しめることも今更ながらに確認した。マッテオ・カルカッシ(1792-1853)の教本や練習曲はクラシックギター愛好家のほとんどの人が古典のテキストとして取り組む課題だろう。一方、修得が進むとあまり面白くないなあとも感じ、より充実した和声感をもつフェルナンド・ソルなどに興味が移るのが一般的だ。確かのその通りではあるが、カルカッシの教本や練習曲、特に作品60「25の練習曲」は中々捨てがたい。若い頃に一度接して、その後疎遠になっている輩も、もう一度取り組んでみると、ぼくと同じような感慨をもつかもしれない。

楽器を取り出したので、ついでも録音もしてみた。これまで録音していない2曲選んでチョイ弾き@深夜の食卓テーブル。例によってテイクを重ねる気力もないので、あちこち制御しきれていない音やミスもあるがご容赦を。


第16番ヘ長調。


第8番イ長調。


数年前に録音したものも含めた「25の練習曲」から9曲の再生リスト。
https://youtube.com/playlist?list=PLjAvYRun0efNzj41ayqkwX7nnC_lymnUN


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チョイと宅録 「IF」 by David Gates



数ヶ月前から左手人差し指の調子が悪く、時折り第一関節に痛みを感じるようになった。バネ指の前触れかと思い整形外科を受診すると、なんと「へバーデン結節」確定診断。レントゲンをみると人差し指第一関節部の軟骨部がほとんど無く、対向する骨が直接接している状態と分かった。ギター弾きあるあるの症状で、今のところ程度は軽いが用心しないといけない。ひとまず、なるべくギターは弾かず、気休めのテーピングも施しながら様子見が続いている。そんな状態ではあるが、昨晩、楽器を手にして弾いてみると痛みもほとんどなく調子がいい。それじゃあと、チョイと宅録。こんな楽譜を広げて遊んでみた。


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80年代初頭に出た江部賢一編曲のポピュラー曲集「華麗なるギター・ソロ・アルバム(1)」。現在まで多くのポピュラー系編曲の曲集を出している江部氏だが、この曲集はまさに出世作とも言うべきものだった。発売当時、クラシックギタースタイルの初めて「使える」ポピュラー曲集として人気を博した。当時のポピュラーアレンジというと、メロディーラインに簡単なコードをぶら下げた程度の安直なもの、つまりは「使えない」曲集が多かったが、この江部編の楽譜はテンションノートを含むほとんどの音が記譜されていて、きちんと弾けば十分な感興が得られる初めての出版だった。しかし代償として難易度は高く、アマチュア中級レベルでは「使える」が「弾けない」アレンジでもあった。その後、難易度を下げた第2集が出たが、今度は面白みがなくなってしまった。

この楽譜を手に入れてからかれこれ40年になるが、今でも時折り引っ張り出して楽しんでいる。収録されている27曲は、映画音楽、ボサノバ、ジャズスタンダード、ヒットポップスなど、いずれもぼくら世代には懐かしく、また今でも定番曲として親しまれている曲ばかりだ。先に記した通り、クラシックギタースタイルとして記譜された通りにきっちり弾くには中々手強いが、少々音を省いたり、バックにリズム隊がいる気分になってポロポロを弾くだけでも楽しめる。クラシックギター弾き向けの気の利いたポピュラーアレンジの数少ない好著の一つだ。

先日同様、深夜のダイニングテーブルに楽譜を広げてチョイ弾き。70年代にヒットした「IF」。今でも時々耳にする。この曲集の中では一番難易度が低い(^^)。 例によってあちこちほころびがあるが、ご容赦下さいませ。



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Author:マエストロ・与太
音楽とクラシックギターに目覚めて幾年月。道楽人生成れの果てのお粗末。

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