メルツの二重奏曲集



久しぶりにメルツのギター二重奏を聴く。


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ヨーゼフ(ヨハン)・ガスパール・メルツ(1806-1856)のギター二重奏作品を集めたアルバム。YouTubeですっかり知られるようになったクラウディオ・マッカリとパオロ・プリエーゼという二人組みによる19世紀ギターを用いた演奏。2001年の録音。今から二十年近く前、仕事で欧州へ何度が出張した際、滞在先で手に入れた。手に入れた当時はまだギターへの本格カムバック前夜で、メルツの二重奏に特別な思い入れがあったわけではなく、従ってずっと聴くこともなく棚に埋もれていた。その後やや本格的にギターに再開してからあらためて聴き直し、楽譜も手に入れた次第。収録曲は以下の通り。メルツの二重奏曲がひと通り入っている。すべて1stギターは通常のギターより短三度音程が高いテルツギターの指定があるもの。

(1) Naenien Trauerlieder
 ・Am Grabe der Geliebten
 ・Ich Denke Dein
 ・Trauermarsch
(2) Unrühe (3) Vespergang (4) Mazurka (5) Ständchen
(6) Deutsche Weise (7) Tarantelle (8) Barcarole (9) Impromptu


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ちょうど19世紀前半の半世紀を生きたメルツ。作風としてはロマン派の色合い強く、情緒的な趣き深い曲を多数残した。この盤の収められている二重奏もメルツらしい穏やかなロマンティシズムとうつろうような和声感に満ちている。ドイチェ・ヴァイゼ(6)とマズルカ(4)は十年程前あるステージで隣り町高崎のギター指導者:石原昌子先生と弾いたことがある。また挽歌集(1)の3曲は旧友Y氏と合わせてmixiの発表会で弾いた。この手の曲の雰囲気を楽しみ、当時意図された響きを再現するには19世紀ギターの使用が必須と思うが、用意できなければ1stパートのテルツ指定にはカポタストで対応する。いずれも技術的ハードルはそう高くなく、中級アマチュアの楽しみにはピッタリだ。


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この盤のコンビ:クラウディオ・マッカリとパオロ・プリエーゼ(Maccari-Pugliese)による「 Unrühe」


挽歌集(Naenien Trauerlieder)の第1曲「愛する人の墓の前で(Am Grabe der Geliebten)」
深い情感に満ちた内省的な曲想が美しい。


「マズルカ」作品40



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ジュリアーニ「私の愛する花の選集」作品46



一月も最終週。きょうも程々に寒い一日だった。しかしそこは文明社会。暖を取りつつギターの練習。こんな楽譜を取り出してひとしきり楽しんだ。


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マウロ・ジュリアーニ(1781-1829)の「私の愛する花の選集」作品46。楽譜は海外アーカイブで簡単に見ることが出来るが、校訂ノートも付いた楽譜が現代ギター社から出版されたので手に入れたもの。この曲集には10曲の小品から成る「ジュリアナーテ」作品148も収められている。「私の愛する花の選集」作品46は小品10曲からなる曲集で、以下の通りそれぞれの曲に花の名前が付されている。

1. Le Myrte ミルテ
2. La Pansée パンジー
3. Le Lis ユリ
4. Le Jasmin ジャスミン
5. La Rosmarin ローズマリー
6. L‘Oeillet ナデシコ
7. Le Narcisse スイセン
8. La Violette スミレ
9. La Rose バラ
10. Le Laurier ローリエ

ジュリアーニの作品というと明るい雰囲気とギター的な技巧をちりばめた曲想をイメージする。同時にそんな特性にいささか単調さを感じることもあるだろう。この作品46の小品集は、そんな「いつもの」ジュリアーニとはひと味違った曲想をの楽しめる。どういういきさつがあって、花の名前を付すことになったから定かでないが、楽譜を開いてざっとさらってみると、それぞれの曲の花と曲想が一致している、あるいはそういうイメージをもったのかと想像を掻き立てる。
例えば…第6曲の<なでしこ>は日本人としては楚々として可憐なイメージを持つが、この曲集では4分の2拍子アレグロ・ヴィヴァーチェの指定があって、ホ長調の闊達な動きをもつ。第9曲の<バラ>はジュリアーニにしては内声の微妙な変化と細かな装飾音風パッセージが続いて、愛と美の象徴にふさわしいようにも感じる。

道楽のギターにとやかくいうつもりはないが、バッハだ、バリオスだ、ディアンスだと、己の技術レベルを超えて結局弾けずに格闘するのもいいが、ふと足元をみて、こんな古典の小品をイマジネーション豊かに楽しむのも、セールスや集客を気にせずに済むアマチュアゆえの特権であり、務めでもあると思うがどうだろう。


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9曲目の<バラ>。 ジュリアーニにしては異例にロマンティックな曲想。 使われている楽器はミヒャエル・テムズという製作家によるトーレス:ラ・レオナのレプリカとある。


19世紀ギター(パノルモのレプリカ)で3曲<パンジー><ジャスミン><スミレ>を弾いている。もう少し感興にのった流れがほしいが…



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最近の朝練メニュー



昨年春に仕事を辞めてサンデー毎日状態になったが、あれこれ野暮用はあるもので、中々気ままな風来坊にはなれない。それでも以前と比べたら制約が少なくなり、ギターの練習時間も確保できるようになった。当面、ギター練習を優先度「高」と位置付け、午前中の黄金時間帯に行うことにしている。


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朝の身支度を整え、部屋が程々に暖まったところでギターを取り出し、ゆっくりと調弦を始める。ケースから出したばかりの楽器は、この時期冷え切っていることも多く、室温に馴染むまでギターの響きを確認しながら調弦にも少し時間をかける。

まずは両手の「お目覚め」と運動性能維持だけを目標として、もっぱらメカニカルに指を動かす。佐藤弘和編「原典版カルカッシ25のエチュード」には同じカルカッシの作品26「6つのカプリス」が収められていて、これが指慣らしにはちょうどよい。まずは和声と低音の動きを確かめるようにゆっくりと弾き、ついでほぼ指定のテンポ、そしてやや加速して…といった具合に弾き進める。全6曲をすべてやるのは少々時間がかかるので、第1番ハ長調の右手pimaパターンの曲だけで終わることが多いが、その日の気分で他の曲も選択する。

アルペジオで指が目を覚ましたら作品60の練習曲へ移る。全25曲はおおむね難易度順で並んでいるが、数曲をワンブロックとしてここでもその日の気分で数曲を選ぶ。ある日は1番から5番まで、ある日は20番から25番までといった具合だが、もちろん1,5,10,15,20,25番とピックアップしてもよいだろう。カルカッシというと教則本のイメージが強く、初心者向けのつまらない曲が並ぶと感じる向きも多いかもしれないが、「25の練習曲」は程々に音楽的な感興もあり、技術的な要素も併せ、そう捨てたものではないと感じている。もっと現代的なメソッドやテキストもあるのだろうが、ぼく自身はこの先もカルカッシは弾き続けようと思っている。また、指のためのメカニックな練習は一切せず、取り組んでいる曲の練習しかやらないという人も多い。それもアリだろう。ぼくはたまたまカルカッシの練習曲が好きだという理由があるからやっている。 以上のカルカッシに加え、コストの練習曲、アグアドの教則本他から、いくつかピックアップしてさらうこともある。特にコストは難易度も初級から中・上級まで幅広く、また他のギター系作曲家に見られない曲想も多いので、面白く接している。

ここまでの、主として指の機能維持のための練習で最低でも30分、少し念を入れると1時間ほど経過するだろう。以前はここまでの30分で終え、身支度を整えて仕事へゴー!ということも多かった。いずれにしても、ここで小休止。一服しながら指も休める。以降の時間はいわゆる「曲」の練習。当面弾こうと思って取り組んでいる曲の楽譜を広げる。もちろん練習曲をより念入りに取り組むのもいいだろう。ぼくの現状は以下の通りだ。

1.アーネスト・シャンドの小品から数曲
2.トローバ:ソナチネ第1楽章
3.バッハ:BWV998前奏曲/タレガ:アラビア風奇想曲/ソル:グランソロ
4.バッハ:BWV1006a前奏曲

1.は一昨年から興味をもってるシャンドの作品。サロン風の軽い曲想。あれこれ弾き散らかすには好適だ。難易度も程々で楽しめる。一音入魂のごとく気合を入れる曲ではないが、ロマン派の甘口表現の練習とお楽しみにちょうどよい。
2.は昨年夏前にさらった曲。その後も運指を忘れない程度に弾き続けている。
3.は昨年秋にBWV998を練習したとき、同じ6弦=dで昔さらったことのある曲を思い出そうと、あらためて弾き始めたもの。アラビア風もグランソロも最初に弾いたのは半世紀前のことで今更だが、一周回って感じる趣きもあり、そもそもきちんと弾けないので練習の対象になっている。
4.はまだ手を付け始めたばかり。継続して練習するかどうかは未定。

練習の中身は、まず全体を通してのポジショニングと運指の確認。次いで全体の曲想把握と区分の設定。和声変化とそれに伴う重要な音の動きの確認(緊張と解決の把握)…といった具合だが、実際にこの順序も決まっているわけではない。また技術的なこと以外は、じっくり検討することもなく、ほとんど感覚的に弾き進めることが多い。
…と、随分大上段に構えて書いてしまったが、実際には「ゆるく、てきとー」にやっている。課題曲を厳格に設定することもなく、他の曲もせっせと楽譜を広げて弾き散らかしている。 現在、やる気は満々だが、加齢もあって指の調子はよくない。しかし、若い頃弾けたものが今は弾けないという感じもなく、指の運動性はほとんど変わっていないように感じる。但し、今後は確実に低下していくだろう。一方で初見や楽想の把握は若い頃より強くなったと思うし、今後も伸び代がありそうだ。そんなこんなで、加齢と経験値の帳尻合わせで何とかこれからも楽しんでいきたいと考えている


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以前も貼ったある日のモーニングルーチン抜粋再現。まずアルペジオを定速→やや加速で弾く。次いで作品60の第23,24,25番。これらの3曲はイ長調・ホ長調における跳躍を伴なったポジション移動の練習が主眼となる。あちこちで押弦ミスがあるがご容赦のほどを。pimaの単純アルペジオもホント苦手だ。最後は家人から声がかかってサドンデス!。


カルカッシ「25の練習曲」から前半の数曲を弾いた再生リスト。


昨年からさらっているアーネスト・シャンド。4曲を弾いた再生リスト。スマホ録音やら調弦狂いやらで聞き苦しく、スミマセン。



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M・ジュリアーニ 「ロッシニアーナ」第6番作品124



昨年末に右手中指にちょっとした傷を負ってしまい、まともにギターが弾けない状態が続いていた。ほんの切り傷だが、こうした傷の治りも以前と比べ時間がかかる気がする。これも加齢の影響かな…。その傷もようやく治り、きょうは少し時間をかけてギターの練習。いつものウォーミングアップを終えたあと、さらったのは引き続き「6」しばりでこの曲。


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古典ギター全盛期イタリアの作曲家・ギタリスト:マウロ・ジュリアーニ(1781-1829)のロッシニアーナ第6番作品124。10年ほど前に現代ギター社から出た楽譜を広げた。
ジュリアーニはクラシックギター弾きにはお馴染みかつ習得必須曲を多々残しているイタリア生まれの作曲家。元々はヴァイオリンやチェロを学び、その後ギターも習得。19世紀初頭のウィーンで作曲・演奏両面で大そう人気を博し、その華麗な技巧を駆使して古典様式の曲を多く残した。ベートーヴェン、フンメル、ロッシーニらとも交流があったようだ。6曲残されている「ロッシニアーナ」は、その名の通り、当時人気絶頂だったロッシーニのオペラから題材を取ったポプリ。元のアリアの魅力というよりは、それを使った技巧的なパラフレーズが聴きどころの曲。


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第6番は6曲の中でももっとも規模の小さな曲だが、導入部、変奏部をもつ構成や終曲の技巧的な展開はギターらしい効果を上げていて不足はない。冒頭のセクションは同じジュリアーニの「英雄ソナタ」に瓜二つと言ってよい。それもそのはず自らタイトルに「Giuliani」と付している。以降のセクションにはそれぞれロッシーニの「セミラーミデ」「湖上の美人」「コリントの包囲」からモチーフが選ばれ、最後はロッシーニ・クレッシェンドを模したフレーズで華麗に曲を終える。

以前記したことの繰り返しになるが…
ジュリアーニのロッシニアーナを弾きこなせるのは相当な上級者ということになり、ぼくのような自称中級レベルではまともに弾き通すのは困難だ。それでもこのロッシニアーナをたどたどしくでもさらう意義は十分にある。具体的には大きく二つ。まず古典的な常用フレーズに慣れ親しむこと。機能和声をベースにした緊張と解決の和声感もサンプルとして好適だ。もう一つはギターの特性を生かした技巧パターンの修得。低音域から最高音域まで一気に駆け抜けるフレーズなどを弾く際、どこでポジションの移動・跳躍をするか、次のフレーズを指板上どのポジションで弾くか、といった左手のポジショニングと跳躍の練習にジュリアーニの作品はとても役に立つ。中でもロッシニアーナ全6曲はそうしたジュリアーニが駆使した技巧の多くが盛り込まれていて、最上のテキストの一つだと思う。


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名手フレデリック・ジガンテ(1961-)による演奏。ロッシニアーナ第6番。手元にこの音源の盤があるが、端正かつ技巧にもまったく不安のない演奏だ。


モンテネグロ出身のギタリスト:ゴラン・コリヴォカピチ(1979-)というギタリストによる演奏。少し力づくの感有りだが…



ジュリアーニ作品の楽譜を以下で閲覧可能。ロッシニアーナはOp.119~124。
http://maurogiuliani.free.fr/en/integral.php


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マヌエル・バルエコ「イタリアン・クラシック」



少し前に聴いたバルエコのギター。その続きで、きょうはこの盤を取り出した。


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70年代半ばから米国で評判が広まり、1978年から80年にかけて録音された「マヌエル・バルエコの芸術」と称する三枚のアルバムでデビューを飾ったマヌエル・バルエコ(1952-)。先日聴いた「スペイン・リサイタル」に続き、きょうは「イタリアン・クラシック」を題された盤を取り出した。その題名通り、バロックから古典期のイタリアの作曲によるギター曲(編曲を含む)が並んでいる。録音は1980年。収録曲は以下の通り。

Side1
D.スカルラッティ(バルエコ編)
 ソナタ ニ長調 K.490/ソナタ ホ短調 K.202/ソナタ ホ長調 K.380
 ソナタ イ長調 K.208 /ソナタ イ長調 K.209
チマローザ(ブリーム編)
 ソナタ ニ長調 /ソナタ イ長調/ソナタ ロ短調

Side2
パガニーニ(バルエコ編)ソナタ イ長調 作品3-1
M.ジュリアーニ 「スペインのフォリアによる変奏曲」作品45
パガニーニ(バルエコ編)ソナタ ホ短調 作品3-6
M.ジュリアーニ 「英雄ソナタ」 作品150

イタリア生まれスペイン育ちとも言えるスカルラッティの作品は古くからギターに編曲されてきた。ここではバルエコが現調のままアレンジした版により、モダンギターらしい音色とキレのいい技巧で、スカルラッティで聴かせどころの装飾音も鮮やかにこなしながら弾いている。 ジュリアーニの二つの曲「スペインのフォリアによつる変奏曲」と「英雄ソナタ」は、ぼくも大のお気に入りの曲で、時々楽譜を広げて格闘することがある。ジュリアーニらしいギターの特性を使った技巧的なパッセージももちろんだが、ときにやや単調なジュリアーニの和声感もこの2曲は中々充実していて、弾いていて楽しく、うまく弾ければ演奏効果も高い。もちろんバルエコは完璧だ。

バッハと同年生まれのD.スカルラッティに始まり、古典・初期ロマン派のパガニーニやジュリアーニまで中々楽しめる選曲。今や大御所バルエコの若き日の記録として貴重な録音だ。


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スカルラッティのソナタ ホ長調 K.380


ジュリアーニ「スペインのフォリアによる変奏曲」作品45


ジュリアーニ「英雄ソナタ」 OP.150



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マヌエル・バルエコ「スパニッシュ・リサイタル」



久しぶりにギター。取り出したのはこの盤だ。


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80年代以降のクラシックギター界に大きな存在感を示したマヌエル・バルエコ(1952-)。70年代半ばから米国で評判が広まり、1978年から80年にかけて録音された「マヌエル・バルエコの芸術」と称する三枚のアルバムが世に出た。彼の実質的なデビューアルバム。手元には当時手に入れた第2作「スパニッシュ・リサイタル」と第3作「イタリアン・クラシック」の二枚がある。きょうはそのうち「スパニッシュ・リサイタル」とターンテーブルにのせた。1978年録音。収録曲は以下の通り。ギター弾きにはお馴染みのスペイン物が並ぶ。

side1
アルベニス ( バルエコ編曲)スペイン組曲第1集 作品47から
1番グラナダ /2番カタルーニャ/3番セビーリャ/4番カディス/8番キューバ
side2
グラナドス(バルエコ編曲)スペイン舞曲集から
1番メヌエット/5番アンダルーサ)/3番サラバンダ/4番ビリャネスカ/7番アラベスカ

70年代後半のクラシックギター界を思い起こしてみると、老齢ながら現役だったアンドレス・セゴビア(1893-1987)を筆頭に、ナルシソ・イエペス(1927-1997)、ジュリアン・ブリーム(1933-2020)、ジョン・ウィリアムス(1932-)らが人気のトップグループだった。バルエコは彼らの次の世代として70年代半ばから頭角を現した。高い技巧とギターのハンディキャップを感じさせない均一な発音は当時の雑誌で黒船来航のごとく伝えられた。

また、かつてのスペイン系ギタリストに時折りみられた独自の歌いっぷりや古典的解釈からの逸脱といった側面(恣意的なテンポの揺れやアーティキュレーション)はほとんどない。スペイン物を弾いたこの盤では自身の編曲による楽譜を使い、20世紀初頭のタレガやプジョール時代からの編曲物レパートリーを正統的なクラシカルな音楽として表現している。スペイン組曲の「グラナダ」はハイポジションの扱いによっては音程や音色が乱れやすく、アマチュアレベルでは中々難しい曲だが、当然のことのながらバルエコの演奏は実によくコントロールされていて不安なく聴ける.し、こういう演奏ならば原曲を知るピアニストにも安心して聴いてもらえるだろうと感じる。スペイン情緒を十分感じさせながら、安易な「ギター節」にはなっていないよい演奏だ。


スペイン組曲から8曲。1991年来日時のライヴ。



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C・テデスコ ギター二重奏曲集



少し前の長期予想では暖冬傾向とのことだったが、今週初めから滅法寒い。ついこの間の夏日はどこへいったのか。まあ、この時期に夏日がある方がおかしいのだろうが…。 さて、週半ばの木曜日。きょうは久しぶりにギターの盤を取り出した。


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イタリアの作曲家マリオ・カステルヌオーヴォ=テデスコ(1895-1968)が2台ギターのために書いた作品を集めたナクソス盤。2007年録音。テデスコはぼくらギター弾きには馴染み深い。ギター協奏曲、詩の朗読に付した「プラテーロと私」、いくつかのギター独奏曲の中ではカプリツィオ・デアボリカ、タランテラあたりがまず頭に浮かぶ。ギター曲以外にも多くの作品を残していて、後半生には映画音楽の作品も多い。この盤には2台ギターのための作品からソナティナ・カノニカと平均律ギター曲集(2台ギターのための24の前奏曲とフーガ)のうち前半の12曲が収められいる。


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曲はテデスコの作風がよく出ていて、ときに新古典主義、ときにロマンティック、ときに民族的要素も現れる。ソナティナ・カノニカは程々の近代的和声にのせて耳に心地よいメロディーが続く。バッハへのオマージュといわれる24の前奏曲とフーガもギターのさまざまな技巧や特徴的な音形が仕組まれていて、1曲1曲がそれぞれに特徴的で美しい。
演奏しているのはブラジル・ギター・デュオという二人組。写真の風貌からするとノリノリのサンバでも弾き出しそうだが、この盤では実に落ち着いた曲の運びでクラシカルな演奏をしている。ライナーノーツによると使用楽器はセルジオ・アブリュー製ギター。音もすこぶる美しい。ギターといえばアルハンブラや魔笛、アラビア風を連想していたかつての時代とは違い、昨今はジャンルにとらわれない作品も多数出てきているが、半世紀以上前にこうした斬新かつ多彩な曲を作っていたことは驚きでもある。通俗名曲や手垢にまみれたギター曲に飽き足らない向きにはお薦めの1枚だ。


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ソナティナ・カノニカ。美しい第2楽章シチリアーノは4分過ぎから。そして終楽章はスパニッシュなファンダンゴが続く。


この盤のブラジル・ギター・デュオによるソナティナ・カノニカはこちら⇒
https://youtu.be/iaOn4FclOYk


この盤のブラジル・ギター・デュオによる演奏。第7曲:嬰ハ短調の前奏曲とフーガ。



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プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
音楽とクラシックギターに目覚めて幾年月。道楽人生成れの果てのお粗末。

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