ニコル・ヘンリー「Embraceable」



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さて、暑い日が続く関東地方。きょうは日のかげる時間も幾らかあったが、暑さは変わらず容赦ない。高騰する電気料金にひやひやしながらもエアコンの恩恵に預かりつつ夜半の音盤タイム。きょうは久しぶりにジャズ。この盤を取り出した。


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ニコル・ヘンリー(1974-)のアルバム「Embraceable」。ジャケ買いの一枚。2011年リリースの輸入盤。十年程前、当時まだあった隣り町TWRで手に入れた。アルバムタイトルのEmbraceableは8曲目のガーシュインの曲「Embraceable You」による。

ニコル・ヘンリーは2000年代前半にデビューしてすぐに人気を得たとのことだが、ぼくはとんと知らず。このCDで初めて聴いた。もちろんジャズシンガーだが、この盤ではスタンダードとオリジナルを取り交え、アレンジもジャジーなもの、ポップス調、ソウルフルなもの、とあれこれあって多彩な彼女の魅力を楽しめる。硬派を自任するぼくをジャケ買いに走らせたビジュアルも魅力。歌はもちろん上手い。バラードからミディアムテンポまで選曲もよく、ちょっとジャズ好きの高齢者オヤジの夜のお供には打ってつけの一枚だ


この盤の音源。タイトルチューン「Embraceable You」


同 「A Day in the Life of a Fool」 お馴染み「黒いオルフェ」



ライヴ2題





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熱帯ジャズ楽団「September」



降ったり晴れたり…梅雨入りにはまだしばらくあるだろうが、すっきりしないなあと思いつつ音盤棚を眺めていたら、この盤が目に入って取り出した。


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以前何度か書いた通り、ぼくは暑さ、そして夏が苦手だ。赴任地は極北か熱帯かと言われたら、迷わず北の地を選ぶ。でも夏にはちょっとした憧れもある。若い頃、海だ山だと酔狂に遊びまわる連中を尻目に、どうせオレには無縁だぜと斜に構えて、暗くギターを弾いていた。内心はポニーテールの似合うガールフレンドと明るく海岸沿いをドライブして、トロピカルなレストランで夕日を見ながら食事をして…と妄想猛々しく思っていたのだ。しかし、いずれもかなわず地味な勤め人を続ける人生となった。男ばかりの高校でネクラな青春を過ごしたことと、酒が一滴も飲めないことで、どれほど人生損をしているが計り知れないのだ。 そんなことを何度も考えながら人生六十年余。もはやかなわぬ夢を追うの諦め、気分だけでもと、時々ホットなラテン音楽が聴きたくなる。

熱帯JAZZ楽団は、パーカッション奏者で元オルケスタ・デ・ラ・ルスのカスロス菅野が1995年に結成したラテンジャズビッグバンドだ。これまで十数枚のアルバムを出しているが、手元にはデヴューアルバムの「ライブインヨコハマ」ほか数枚がある。このバンドの魅力はなんといっても、ドラムスの神保彰(初代)、高橋ゲタ夫のベース、トランペットの松島啓之ほか実力派メンバー揃えた抜群のテクニックとグルーヴ感だ。どのアルバムも音が出て数秒後には、気分は夏の太陽が降り注ぐ白い砂浜へワープしてしまう。写真のセカンドアルバム「September」は彼らのメジャーデヴューアルバムで、アース・ウインド&ファイアーのアルバムタイトルチューンのSeptemberから、ミッション・インポッシブルまで、ノリノリのラテンビッグジャズの醍醐味にあふれている。


この盤の音源「Caravan」


「September」@ライヴ


同 カルロス菅野が歌う 「Flamingo」



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コルトレーン「Ballads」



今週始めに冷たい雨が降ったあと天気は一転。きのうから夏を思わせる暑さに見舞われている。しばらく忘れていた灼熱の日々を思い起こしながらも、クールダウンに今夜はジャズ。この盤を取り出した。


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サックスのジョン・コルトレーン(1926-1967)によるバラードアルバム。その名も「バラード」と題された一枚。1962年リリース。手持ちの盤は90年代初め頃、御茶ノ水の中古レコード店で手に入れた国内盤。コルトレーンがマイルス・デイヴィスのバンドから離れ、ピアノのマッコイ・ターナー、ベースのジミー・ギャリソン、ドラムスのエリヴィン・ジョーンズと自前のバンドを組んだ頃のものだ。コルトレーンというと火の出るような圧倒的なプレイを想像するが、このアルバム、そして前後して録音された歌手ジョニー・ハートマンと組んだアルバムでは彼の美しくジャズスピリットあふれるバラードプレイが楽しめる。収録曲は以下の通り。

1.Say It
2.You Don't Know What Love Is
3.Too Young to Go Steady
4.All or Nothing at All
5.I Wish I Knew
6.What's New
7.It's Easy to Remember
8.Nancy

第1曲の<Say It>の出だしから彼の深く伸びのあるトーンに打ちのめされる。ひとフレーズ吹いたあとに、マッコイ・ターナーが控えめながらインスピレーションに満ちたピアノを付ける。コルトレーンがややハイトーンを使ったフレーズで戻ってきて、曲は少し緊張するが、すぐにまたリラックスしたテーマを回顧して曲を閉じる。第3曲<Too Young To Go Steady>では、コルトレーンとマッコイ・タナーが寄り添うように美しいテーマを歌い上げ、途中からエルヴィン・ジョーンスがごく軽くスウィングして曲が動き出す。どの曲も型通りのバラードプレイであるが、まったく過不足ない。

よく引き合いに出される逸話では、当時彼のマウスピースが不調で急速なパッセージが吹きづらかったため、プロデューサーがちょうどいいから大衆受けするバラードのアルバムを作ろうとコルトレーンに持ちかけたという話がある。しかしコルトレーンがそれだけの安直な理由で2枚の傑作バラード集を作ったとも思えない。もしかするとマウスピースの不調は、甘いバラードを吹くための照れ隠しに彼が作った言い訳だったかもしれない。


この盤の全曲。30分間のリラックスタイムを約束してくれる。



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ビリー・ホリデイ「Lady in Satin」」



週末金曜日。ナイトキャップ代りに一枚、久々にちょっとディープなジャズを。ビリー・ホリデイの有名な盤「Lady in Satin」」を取り出した。


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女性ジャズ・ヴォーカル数々あれど、やはりビリー・ホリデイは別格ということになるだろう。この盤は彼女が亡くなる1年前のもので、様々に語られることの多い盤だ。ビリー・ホリデイ(1915-1959)の辛酸と苦渋に満ちた人生はよく知られている。しかし、そうした先入観を持たずに聴いてもこの盤の歌唱にはただならぬ気配がある。しかもその歌声をよそにストリングスのバックは甘美で華麗だ。そのアンバランスがこの盤の不思議な魅力でもある。

ぼくの好みはジャズ・ヴォーカルのバックに関してはピアノトリオがベスト、ストリングスのバックはあまり好まない。しかしこの盤は例外だ。どこまでも穏やかで、美しい弦楽の響きにのせてビリー・ホリデイはときに苦しそうに、ときに笑みを浮かべるような表情で歌い上げる。語尾にかかる独自のヴィブラートが彼女の心のひだを映しているように悲しげに響く。A面に最後の収められ、この盤以降ジャズ・スタンダードとしてジョン・コルトレーンほか多くのプレイヤーによって取り上げられるところとなった「コートにすみれを」は取り分け美しい。

夜更けてしみじみ聴きながらこんな記事を書いてはみたものの、明日さわやかに目覚めてこの記事にふれる方は、なんだかなあという感じだろうか。まあ、仕方ないか…それじゃみなさん、オヤスミナサイ。


「Violets for Your Furs」


「For All We Know」



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カーメン・ランディ「Love Me Forever」



月があらたまって令和五年卯月四月。新年度スタート…と思いながらも変わらぬルーチン、音盤タイム。今夜はジャズ。こんな盤を取り出した。


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ブラックビューティー、カーメン・ランディ(1954-)の盤。この盤は彼女がJVCと契約していた時期の2作目で1997年の録音。ライナーノートをあらためてみると1954年11月1日生まれとあった。まさに同世代。この盤以前にすでに何枚かのアルバムを出していたようだが、日本で知られるようになったのはこの盤のリリース時期、90年代後半からではないだろうか。歌手としては遅咲きというところだろう。この盤ではジャズのスタンダードの他にソウルのスタンダードも何曲か入っていて、いわゆるブラックテイストを強く感じさせる曲もある。

アレンジもいかにもコンテンポラリーな仕上がりで刺激に満ちた仕上がりだ。今や彼女は、カサンドラ・ウィルソンやダイアン・リーヴスらと並ぶジャズ界の大御所になりつつあるようだが、かつてのサラヴォーン、エラ・フィッツジェラルド、カーメン・マクレイらの時代とは明らかに違う新しさを感じる音楽だ。


この盤の音源 「When Your Lover Has Gone」


同 「You're Not In Love」


カーメン・ランディ自身によるギター弾き語り



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トゥーツ・シールマンス「Chez Toots」



三月に入って一気に春になった感あり。あと十日もすれば桜の便り。ついこの間までの酷寒が嘘のようだ。年度末納期の仕事も目途がつき、さて今夜はリラックスして、こんな盤を取り出した。


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数年前に94歳で亡くなったトゥーツ・シールマンス(1922-2016)のハーモニカ。1998年のリリースでヨーロッパテイストの曲を取り上げた「Chez Toots」というアルバム。「パリの空の下」「ムーラン・ルージュの歌」といったお馴染みの曲もあり、日本人好みのノスタルジック路線の盤だ。有体に言うなら<カフェに流れるおしゃれな音楽>というところ。セールス的にも好成績のアルバムらしい。ダイアナ・クラール、ダイアン・リーヴス、ジョニー・マチスといった大物がゲスト参加していて、一枚通して飽きさせずに聴かせる。たまには箸休めによろしでしょう。


2012年10月。シールマンス90歳。


90歳になってもこのくらい音楽を楽しめたら、さぞ楽しかろう。


この盤の音源。「Sous le ciel de Paris」



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チック・コリア「Return to Forever」



三月最初の週末日曜日。昼をはさんで道楽部屋の掃除。自治会事務仕事を片付けながら、久しぶりにこの盤を取り出した。


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1972年に録音され70年代のジャズ・フュージョン最大のヒット作となったチック・コリアのアルバム。あまりに有名な盤だし、ぼくら世代にはとりわけ懐かしくかつ見慣れたジャケットデザインだ。70年代半ばはちょうどぼくの学生時代、四畳半フォークに飽き足らない少しスノッブな音楽好きは、大体がジャズを聴いていた。当時のそうした連中の下宿に必ずあったレコードがこの「Return to Forever」だ。他によく見かけたアルバムといえば、ウェザー・レポートやキース・ジャレットの「ケルン・コンサート」あたりだったろうか。同時期にベストセラーになったリチャード・バック著「かもめのジョナサン」と記憶が重なる輩も多いだろう。

このアルバムのリリース元であるECMレーベルは「沈黙の次に美しい音」をコンセプトにしているという。コンテンポラリージャズの他にクラシック、特に現代音楽に積極的なドイツのレーベルだ。80年にアルヴォ・ペルトを広めたのもこのレーベルだった。
まったく予備知識なく、この盤をオーソドクスなジャズアルバムと思って聴くと少なからず驚くだろう。クラシックにそこそこ親しんだ人なら、明らかに現代音楽それもミニマルミュージックのアルバムと思うに違いない。コテコテのビバップはもう飽きた、その後の60年代フリージャズはやかましいだけだ…そう感じていた70年代初頭のリスナーに対するチック・コリアの回答がこの盤だということになるのだろう。収録曲は以下の通り。

 1.リターン・トゥ・フォーエヴァー
 2.クリスタル・サイレンス
 3.ホワット・ゲーム・シャル・ウィ・プレイ・トゥデイ
 4.サムタイム・アゴー~ラ・フィエスタ

アルバムタイトルにもなり、のちにバンド名にもなった第1曲<リターン・トゥ・フォーエヴァー>はそれこそミニマル風の静かな出だしで始まる。およそ5分間、単調な和声とリズムを繰り返しつつ次第に高揚。一旦頂点に達したのち再び冒頭の静けさに戻る。これをもう一度繰り返して12分間の曲が終わる。ジャズファンよりは近現代のクラシックファンの方がストレートにこの音楽を楽しめるに違いない。

チック・コリアが弾くフェンダー・ローズピアノの音も今聴くとレトロで独自の雰囲気があるし、スタンリー・クラークのベースもスリリングだ。ぼく自身は第3曲の<ワット・ゲーム・シャル・ウィ・プレイ・トゥデイ>だけがいやにポピュラリティが強く違和感を覚えるが、アルバムトータルとして傑出した盤であることにはまったく異論はない。このジャケットを眺めながら「沈黙の次に美しい音」に相応しいタイトルチューンを聴いていると、あす目覚めたらカモメになって、悩みながらも空を飛んでいてもいいかなと思ってしまう。


手持ちの盤からアップした。「Return to Forever」


同 「What Game Shall We Play Today」



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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
音楽とクラシックギターに目覚めて幾年月。道楽人生成れの果てのお粗末。

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