夏の夜の妄想



八月も今週でおしまい。今月で夏が終わるわけではないが、なんとなく安定を欠く夏。不純な天候ばかりが報道される。これも夏型気圧配置が弱いことに起因するようだ。しっかりせえよ、太平洋高気圧! さて週明け月曜日。今夜は夏の夜の妄想を…

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しばらく、いや随分前からアンプ選びでしゅん巡している。
現有のラックマンL-570に特段不満はない。一昨年、予防保全を含むメンテナンスパックも施したから、当面不具合が発生することもないだろう。とはいえ、さすがに発売から四半世紀以上を経過している。そろそろ人生の行く末を考える歳になったこともあり、これからの人生黄金期の二十年(実態はそんなバラ色とは程遠いが)を共に安泰に過ごせるかどうかを考慮すると、バブル期の贅沢な設計思想で作られているとはいえ、ぼちぼち退役も考慮しないといけないと考えている。ダメになったらそのとき考えればいい、アンプがなくなるわけでもなし…。その通りではあるのだが、アンプの入替えはスピーカのそれとは違って音質が180度変わってしまうようなリスクは少なく、浮気をしても痛い目にあうリスクが少ない。つまりオーディオとしてのお楽しみ的要素が強い。音そのものが廉価モデルとさほど変わりなくても、デザイン、操作感覚、存在感などが選択の基準になるのも、道楽のお楽しみが由の世界だからだ。

この手の妄想の前提として、ひとまず懐事情は横に置くことにして…
現有機のレベルから考え、候補はプリメインの上位モデルかセパレートへの移行を考えている。次にどのメーカーにするかだ。同じラックスマンで行くのが妥当なのだが、ラックスマンのプリメイン上位機種に少々不安があることから、世評ではまったく異なる音質キャラクターのアキュフェーズを本命としている。プリメインならE-600(この機種はおそらく今秋モデルチェンジされるだろう)。セパレートならパワーアンプA-47+プリアンプC-2450(このプリアンプは出たばかりの新製品)が候補。このクラスのプリアンプにはレコード再生用にAD-2850というフォノモジュールが用意されている。優れたモジュールのようだが、価格もそれなり。フォノモジュールだけで国産の中級プリメインアンプが買える。プリアンプを一つ下のモデルC-2120にする手もあるが、こちらはオプションのフォノボードが現有のL-570より確実に見劣りしそうで悩ましい。もちろんそれぞれの機種のひとつ前くらいの中古という選択もアリだ。

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アキュフェーズは手堅い設計思想と継続的メンテナンスとで国内外オーディオマニアの強い信頼を得ているメーカー。外見デザインも安易に変えない。しかし、客観的にみると年商二十数億の小規模メーカー。大企業の一部門であれば真っ先に整理対象になりかねない規模だ。市場拡大がそうそう望めない本格オーディオの世界にあって企業活動の維持には苦労していると推察する。それが証拠に、安易なモデルチェンジはないというアキュフェーズの各モデルではあるが、実際はいずれも4~5年周期で確実にモデルチェンジをし、同時に価格もアップしている。モデルチェンジに際しては「最新の技術を投入し…」「全面的に見直し…」というふれこみがもちろん付くが、多くがマイナーチェンジの域を出ない。大きな技術変革は10年に一度くらい。最近でいえば、音量調整にAAVCと称する技術(入力信号を電圧一電流変換。その後必要なレベルに応じて電流加算したのち再び電圧レベルに戻す方式)くらいではないだろうか。それに加えて周辺技術として、音量ボリュームにメカとセンサーを組合せた操作感覚に優れたデバイスを投入したこと、スピーカへの接続回路の開閉を機械式接点のリレーからMOSFETの半導体スイッチに変えて信頼性とダンピングファクターを向上させたこと、小信号回路をパラレル動作させてSN比を改善したこと…くらいだ。アナログオーディオの主要回路に関しては、すでに技術革新はほとんどない証左ともいえる。そんなアキュフェーズではあるが、やはり日本オーディオ界でのリファレンスであることに違いはなく、数年ごとのマイナーチェンジと価格アップも、アキュフェーズ存続のための応援費用と考えるのが妥当だ。

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気になるメーカーは他にもある。
漆黒のフロントパネルにブルーアイズのマッキントッシュの存在感はどうだ。過去何度か身売りを繰り返して経営主体は変っているようだが、そのデザインと音質のポリシーはアキュフェーズ以上に一貫している。こちらも数年ごとにモデルチェンジをし、価格もアップしている。プリメイン上位機種は最近MA9000がリリースされた。しかし45キロを超えるその重量は、衰え行く老体を考えると諦めざるをえない。そこまで考えるなら、マークレヴィンソンやクレル、ジェフローランドはどうか。いや、いくつかの国内ガレージメーカも個性的な製品を出している等々。おっと、球アンプを自作という道もあるが、小学三年のときからラジオ工作で真空管と付き合い、三球ラジオ(三球・照代にあらず)からオールウェーブ受信機にSSB送信機、各種アンプと十分遊んだので、もう球はいいかなと。

オーディオ選びで悩んでいます…という質問に対して<識者>から必ず出てくる答えが「試聴してご自分の耳でよいと思いものをどうぞ」というものだ。その通りだろう。しかしスピーカならともかく、ことアンプに関して、音質の良否、自分の好みとのマッチング等、静寂良質な試聴室であっても判断できる自信はぼくにはまったくない。従ってアンプに関しては、もっぱら機能と面構え、操作感覚で選ぼうと考えている。アンプは見た目が100%。でも35億も存在しない…こうして妄想はいつ果てることなく堂々巡りを繰り返す。

横浜に本社工場があるアキュフェーズ社。誠実な日本のメーカイメージそのものだ。


マッキントッシュMA9000



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恋するあなたと…



恋するあなたと…?
「恋するあなたとヘッドフォンの間に+0.5mmの幸せを」というキャッチフレーズの<mimimamo>という商品。スーパーストレッチ・ヘッドホンカバー。ヘッドホンに装着して、汗・脂のべたつきや蒸れによる不快感を解消するアイテム。しばらく前から気になっていたのでアマゾン経由で注文したみた。

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恋には縁遠くなったしまったオッサンが手にしていいものか…、幸せは3cmくらい欲しいぞ…、キャッチフレーズには少々無理があるが、ちょっとしたアイテム。若い人の間では色を変えて楽しむオシャレもあるようだ。実用本位でグレーを選択。サイズはL。


普段使いのソニーMDR-CD900STへの装着状態。ちょうどいい塩梅。
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大型のゼンハイザーHD-8000へも装着可能。少々きつい感じもするが、よく伸びる素材なので問題なし。
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いつも耳の蒸れが気になるわけでもないが、何となく精神衛生上いいようにも思う。ヘッドフォン本体のイヤーパッド上に平面が形成されるが、柔らかく伸縮性に富む素材なので、耳が押さえられる感覚はほとんどなく、違和感もない。音質への影響もほとんどわからないので、事実上ゼロかな。
昨今のヘッドフォン・イヤフォン市場は、オーディオ機器本体の市場と同等の売り上げがある様子。秋葉原のオーディオ専門店は中高年オヤジ族がパラパラの状態だが、ヘッドフォン・イヤフォン専門店は若者でにぎわっていた。重厚長大のオーディオワールドも本当にごく一部のものになってしまったようだ。


まあ、こんなノリなわけですね。



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オーディオ小ねた Bluetoothスピーカ



アマゾン経由で注文していたBluetoothスピーカが届いた。


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ソニーのSRS-HG1というモデル。
このところ夜半のリスニングはヘッドフォンに頼ることが多いのだが、ちょっとした音の確認にはスピーカから出る音が便利だ。とはいってもPCでYOUTUBEをチョイ聴きするたびにオーディオシステムの電源を入れるのも面倒なことがあって、かねてより手軽な小型スピーカが欲しいと思っていた。このカテゴリーでは数年前からBluetooth接続の小型スピーカが人気のようで、ネットの評判等も参考にして選んだ。写真のイメージでお分かりなると思うが、ちょうど500mLのペットボトルサイズ。重さは790gということだからお茶よりは少し重く、手に持つとズッシリとした感触がある。接続はBluetooth、USB、アナログライン、無線LANと多彩だが、主眼はBluetooth接続。手持ちの古いiPhone4、先日手に入れたiPadとも簡単にペアリングして音出しとなった。

ネットでは随分とよい評価も見られるが、まあ所詮は手のひらサイズのスピーカ。あまり過剰な期待はしない方がいい。特に左右に分かれた中高音を担当するスピーカの間隔は20センチに満たないことから、左右に広がるステレオイメージは乏しい。その点では左右独立したアクティブスピーカの方が断然有利だ。音質そのものは素直なもので、米B社のシステムに見られるような作為的な低音増強はなく、好感がもてる。もちろん<ハイレゾ>の派手なポップが付く商品だが、その辺りにはまったく関心も期待もなし。出力は片チャンネル12W。といってもスピーカ側の能率は相当低いと思われ、8畳程度の部屋ならまずまずの音量が確保できるという程度だ。このユニット2本左右に並べてステレオ再生するモードも持っているが、あえてこのユニット2本買うケースは少ないだろう。やはりこの手のスピーカの価値はバッグに入れて持ち運び可能で、ポンとどこにでもおけて、PC内蔵のものよりはまともに聴けるという辺りにある。楽器仲間との練習で参考音源を一緒に聴いたり、チョイ録した音源をその場で確認するような用途には格好だろう。


オーディオのポータルサイトでの評価はこんな感じ
⇒ http://www.phileweb.com/review/article/201703/27/2471.html






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たまには掃除をせんと…


寒冷前線通過後に天候回復の予報だったが、朝の濃霧が長引き、昼過ぎ遅い時間になってようやく太陽が顔をのぞかせた。終日在宅。しばらく前から気になっていたことがあって、きょう昼前からようやく手を付けた。年末には少々早いが、オーディオセット周辺の大掃除。機器の後ろ側にたまったホコリやら、ケーブル類の整理やら、ほぼ一年ぶりにセット裏側に手を入れた。


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音楽愛好家なら規模の大小問わず、何がしかのセットが手元にあって、ときには掃除が必要だろう。そうでなくても一般的なテレビやビデオレコーダーの類を置くラック内もクリーンにした方がいい。少々のホコリで電気的な不具合やそれが原因の火災が起こる可能性は高くはないが、きれいにしておくにこしたことない。ちなみに拙宅の現状セットアップは以下の通り。

アンプ:ラックスマン L-570
CDプレイヤー:ラックスマン D-500
SACD/CDプレイヤー:デノン DCD-1500SE
アナログプレイヤー:CEC ST930
カートリッジ:オルトフォン SPU-G
スピーカ:アヴァロン ECLIPSE
ヘッドフォンアンプ:フォステクス HP-A7

すべての接続を外し、機器を棚から下ろす。ホコリを掃除機で吸い取り、ウェットティッシュの類で拭き掃除も実施。さっぱりとしたところで機器を戻し、接続する。接点のクリーニングもやった方がいいのだろうが、煙草も吸わないし、それほど劣悪な環境でもないのでパス。すべての接続を終えて、いつものように電源投入。聴きなれた音盤で音出し確認。心なしか音もスッキリ見通しがよくなったような気になって自己満足にて業務完了となった。

ついでに、手持ちの安直レコーダーZOOM社Q2HDをリスニングポジションにセットして、スピーカからの出音を録音してみた。部屋の響きをなるべく拾わないようマイクの指向性設定をやや絞り込んだので、左右の広がりは実際よりもかなり狭くモノラル的になってしまい、大失敗。こんな録音で音質の良し悪しをうんぬんできるものではないので、まあお遊びということで。屋内外の生活雑音混入も悪しからず。

中森明菜のLP盤アルバム<クリムゾン>から<駅>。部屋の響きがのっていて明菜嬢の歌声が引っ込んで聴こえるが、実際には彼女のウィスパーボイスがヒタヒタと迫ってくる。


同じく中森明菜の<思秋期>。こちらはCDアルバム<歌姫>に収録されているもの。千住明の秀逸なオケアレンジ。


群馬交響楽団が80年代初頭に行った一連の録音から、メンデルスゾーン交響曲第4番<イタリア>とブラームスの交響曲第4番(4分20秒過ぎから)の抜粋。メンデルスゾーンは豊田耕児、ブラームスはモーリス・ジャンドロンの指揮。ともに発売当時のLP盤。カメラータトウキョウによるデジタル録音でSN良好。ほとんどサーフェイスノイズを感じずに<イタリア>の溌剌とした音が立ち上がる。群響も現在のレベルからみるとさすがに30年前ではあるが、欧州仕込みの豊田耕児が徹底的にトレーニングした成果は著しく、この演奏以前とは隔世の感があった。



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SACD vs CD



十月も下旬。陽射し程々ながら穏やかな週末。昼をはさんで少々時間があったのでオーディオセットのスイッチを入れ、そういえばと思い出し、先日知人から借りた音盤を取り出した。


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先回の記事に書いた東京コレギウム・ムジクムの演奏会。その案内を届けてくれた知人が一緒に持参してくれたのが、五嶋みどりと今井信子によるモーツァルトのドッペル<ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲ニ長調>。そのSACD盤。なんでも知人のそのまた知人がダブり買いをしてしまったのでと譲り受けたとのこと。しかし知人がSACD用の装置がなく、与太さんよかったら聴いてみる?…となった次第。 この演奏は以前から愛聴盤のひとつ。演奏内容はもちろん、録音も素晴らしくいい。手持ちの盤は当然CD盤で、同じ演奏をSACDと聴き比べるのは興味あるところだ。

CDはラックスマンのL-500に、SACDはデノンのDCD-1500にセットした。L-500は名器ながら20年以上前のもの。デノンのDCD-1500はエントリークラスで筋金入りのオーディオマニアからみればおもちゃレベルだろう。音盤の音質比較をするのに違うプレイヤーで、それもメーカーも世代も違う…そんなもの比較にも何にもならないだろうという突っ込みどころはいくらでもあるのは承知。もちろんCDもSACDもOKのDCD-1500で比べることは可能だが、ぼくの知覚能力ではディスクを入れ替えている間に音の記憶が薄れ、比較できる自信はない。というわけで、まあ、ちょっとしたお遊びレベル。そのあたりはどうかひとつ…。ちなみにアンプはこれまた古めのラックスマンL-570、スピーカは昨年入れ替えたアヴァロンECLIPSE

SACDが世に出てかなり年月が経ち、プレイヤーもSACD対応機種がほとんどではあるが、メディアとしてのSACDは一向に普及せず、一時は風前のともし火になった。近年、SACDのDSD形式がハイレゾやネット配信などとの相乗効果で息を吹き返しつつあるといった状況だ。理由はいろいろあるだろうが、CDフォーマットの限界は登場当初から議論されていたものの、現実的にはCDでも十分に高音質が楽しめるというのが最大の理由だろう。実際ぼくの手持ちに中にもSACD盤は10枚とない。とはいっても、知覚能力の高い人はその違いが十分感じ取れるだろうし、もうあとには戻れないというSACD派もいるだろう。もちろんマルチチャンネル再生となればSACDの独壇場だ。

さて結果はどうだったか。
両音盤をそれぞれプレイヤーにセットし、楽曲がほぼ同時進行となるようにプレイボタンを押した。
まずはL-500によるCDを聴く。二人の奏する名工グァルネリ作のヴァイオリンとヴィオラの音色がともかく美しい。五嶋みどりのヴァイオリンはいつもながら音程が完璧、かつボーイングも均一で安定していて、あまりに正確過ぎて一聴すると線が細いと感じるほどだ。今井信子のヴィオラもさすがに世界のトップ。五嶋みどりに劣らず正確なピッチで、滑らかで暖かいヴィオラの音が堪能できる。今井信子はこの曲を弾くに当たって、楽譜の指定に従い調弦を半音上げたスコルダトゥーラで演奏している。これによって、原調の変ホ長調がヴァイオリン族でも最も弾きやすく音の出やすいニ長調で記譜されることになる。事実ヴィオラの発する音も張りのある音色で、ヴァイオリンとの「対比」というより「調和」を感じさせる。エッシェンバッハ指揮のNDR響もドイツの伝統あるオーケストラの実力を感じさせる安定した響きと落ち着いた渋い音色で申し分ない。録音も、クリアに録られた二人のソロと前後左右に展開するオケのバランスがよく、目を閉じて聴くとステージイメージも十分想像できるほどだ。CDで聴いてこれといった不満を感じない。 次にアンプの入力をDCD-1500に切り替えてみる。入力切替えのリレー音に続いて一瞬のミュートが入ってからSACD盤からの音に切り替わる。…う~ん、違う!二人のソロがよりクリアになり、オケ部とのコントラストが明瞭になる。オケ部の各パートもCDよりも更によく分離する。低弦群なども、コントラバスの弾くトリルの一音一音がはっきりとわかるほど。全体の響きも前後左右そして上下方向まで一段と広がり豊かになる。これはいい!思わずニヤッとし、しばし聴き惚れてしまった。

事前の予想では、ぼくの駄耳では違いに気付かないだろうと、(謙虚に)思っていたのだが、予想は一聴して覆された。何度もCDとSACDを行ったり来たりしたが、CDに切り替えるたびに音全体の解像度は下がるのを実感する。もっともそのままCDを聴き続けるとすぐに耳が慣れ、十分高音質に聴こえてくる。手持ちの盤をこれからSACDに買い替えるほど意気込みはないが、録音の良さにも魅力を感じて今後新しい盤を手に入れるようならばSACDを選択してみたいと思う。スピーカを含めた再生環境が音の広がりや空間再現性まで考慮できるレベルにあり、そうした要素をリスニングの対象として重視するなら価値有りというのが、きょうのところの結論だ。繰り返すが、プレイヤーが違うので、この違いが盤の違いとは断言出来ない。機会をみて同じCD盤を今回の二つのプレイヤーにそれぞれセットして、プレイヤー側の違いを確認してみたい。


この演奏の音源で第1楽章。何度聴いてもいい曲だなあ…。YouTube音源につき空間再現性云々は難しい。


同第2楽章。https://youtu.be/xOOftaGcsOs
同第3楽章。https://youtu.be/Uq1JtYHOC4o

モーツァルト作曲VnとVcのためのドッペル?!
ヨーヨーマがヴィオラパートを弾いている演奏。アイザック・スターンのヴァイオリン。



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CEC ST930



きのうのスピーカーネタの続きで、きょうはレコードプレイヤーの現況報告を。


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現在使っているレコードプレイヤーはCEC社製ST930というモデル。80年代終わりに発売されたモデルながら、細々と2000年頃まで生産された。ぼくが買ったのも1996年。ベルトドライブで電源ユニットが別置型になっている。このST930が届いて最初に聴いたとき、そのSN比の良さと瑞々しく解像度の高い音色に驚いた。三年程前には<回転数調整><アーム調整><ベルト交換><インシュレータゴム交換><基板半田アップ><各部クリーニング>といったメニューでオーバーホールを受け、その後は回転系の洗浄オーバーホールが効いたのか、回転の立ち上がりもよくかつ一層滑らかに感じる。状態のいい盤を載せて針を落とし、8畳間でごく普通に楽しむ音量で聴いているとサーフィスノイズもほとんど感じない。


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アームは購入時に付いていたS字タイプのもの。SME用のセットアップも可能だったが、当時はそこまで凝るつもりもなかった。このアームはもともと市川宝石製のもので、現在もカタログにSA-250としてリストされている。アームのゼロバランスを取ったあと、ヘッドシェル部にコピー用紙を1センチ角に切った紙片をのせると1枚で反応し、2枚で完全に沈み込む。紙片1枚が数ミリから10ミリグラムになる勘定だからアーム感度も及第だろう。
カートリッジは長らくDENONの定番MC型DL-103や安いshure社のMM型M44Gなどを使ってきたが、数年前にSPU-Gを手に入れ、現在はほとんどSPU-Gを付けっぱなしの状態だ。

このところ世間ではアナログ盤復活の話題をよく聞く。対前年比何倍かの出荷だとか。レコードプレイヤーの新製品発売のニュースもしばしば耳にする。もちろんCDには遠く及ばないが、そのCDが音楽配信に押されて出荷減少が続くこともあって、アナログ盤の勢いが目立つ。アナログ盤が市場から姿を消して四半世紀。気付いてみればひと昔いやふた昔だ。誰が買っているのか…。どうやら主な購買層は若者らしい。彼らにとっては、物理的な存在感のある新しいメディアのようだ。もちろん、ぼくら世代のカムバック組も多いだろう。実際、このブログのレコード盤の与太記事をみて、プレイヤーを買い込んだ復活組が身近にも数人いる。レコードの話をすると、決まって聞かれるのが「レコードプレイヤーって、まだ売っているの?針は手に入るの」という質問。答えはもちろんイエスだ。ポケットマネーでお気軽セットアップの松竹梅レベルから超弩級までより取り見取り。取りあえず押入れにしまってあるはずのレコードを引っ張り出して聴いてみようという人は、オーディオテクニカかDENONあたりのエントリー製品がお薦めか。1万円でおつりがくる。イコライザーという仕組みも内蔵しているのでミニコンポにも簡単につなげる。うるさいことを言わなければ、レコードの雰囲気を楽しむには十分だろう。利便性においてはCDに勝るものではないし、音質論議も各様でレコードが優位ともいえないが、四半世紀に渡って日陰の道を歩んだ結果、今ではノスタルジックな情緒的満足を手軽に得るツールとしては、中々いいのではないかと感じる。


よく安直にデジカメで動画撮影して、その音声でオーディオ機器を紹介しているのをよく見かけるが、?マークを3つくらい付けたくなる。せめて配慮されたレコーダーか、プレイヤー系の紹介ならこの動画のように音声をラインから取り出すべきだ。以下の動画はその意味で合格・正解。ST930のSNの良さ、解像度の高さが分かる。



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AVALON導入一周年



西日本・東海地方梅雨明けの報。当地もきょうは朝から日照強く気温も上昇中。関東の梅雨明けもまもなくだ。さて、三連休の最終日。夕方、定期点検で近所のディーラーへ車を持ち込む他にこれといった用件もなくダラダラと。昼過ぎからはオーディオのスイッチを入れ、アレコレと摘み聴き中だ。そういえば今のメインスピーカーAVALONを入れてからまもなく一年になる。


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AvalonのモデルEclipse。昨年のちょうど今頃、アキバの某販売店で程度のいい出物があり、試聴して1分後には即決した。Eclipseは1990年に発売され2000年代初頭まで販売された。この手の製品にしてはロングセラーの部類。同社がハイエンドスピーカーメーカーしての存在を確立した時期の主力モデルでもある。現行品モデルの中で大きさと重量から相当するモデルをさがすと…Ascendant 2以上Transcendent未満というあたりだろうか。スペックは以下の通り。

<製品仕様>
方式         2ウェイ・2スピーカー・密閉方式・フロア型
使用ユニット    低域用:22cmコーン型 高域用:2.5cmドーム型
再生周波数帯域 45Hz~24000Hz ±1.5dB -3dBポイントは35Hz以下
共振周波数    42HzにてQ=0.5
インピーダンス   6Ω(±1Ω、100Hz~20kHz)
出力音圧レベル 86dB(2.83V、1m)
外形寸法      幅280×高さ990×奥行(底面)381mm  重量48kg

創業当時の主宰者が代った現在の同社製品と大きく異なるのは、エンクロージャが密閉式だということウーファが1本だということだ。現行製品はバスレフ型+ツインウーファを基本としている。但し、エンクロージャの剛性を高くし、かつ不要回析を排除する基本ポリシーは変わっていない。明るい色の突き板はブックマッチされていて、たまたま部屋のフローリングの色合いに近いせいかうまく溶け込み、エンクロージャの大きさはあまり気にならない。

サイズの割りに50キロ近い重量はことのほか重く感じる。バッフル面の板厚は10センチを超え、キャビネットを叩いても、コンッと表面で音がするだけ。このスピーカと引き換えに下取りに出したタンノイ:スターリングはエンクロージャ容量ほぼ同一ながら重量は約半分。箱が鳴ることを前提としたスピーカであることをあらためて認識した。縦長で上部の両肩が傾斜しているスタイルも、今ではすっかりお馴染みになり、他社の多くのスピーカでも、このコンセプトを導入している(例えばヤマハのこれや、復活ダイヤトーンのこれなど)。


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以前使っていた三菱2S-305に文句はなかったのだが、そろそろ小型スピーカーでこじんまりやろうと思ったり、一度使ってみようと思っていたハーベスの小型(こちらこちらも)やタンノイに手を出したりしたが、結局音そのものが2S-305の代替になることはなく、イジイジしていたときに出会ったのが、このAVALONだった。現代風のハイエンドスピーカも一度経験してみたいという気持ちに抗し難く、実際試聴の印象もきわめてよかったので手に入れた。

ウーファサイズ9インチで密閉箱というスペックから心配していた低音は十分に低いところまで反応し、質、量共に文句はない。50Hz以下がスカスカでレスポンスしないスターリングとはまったく異次元。ローエンドは長らく使っていたダイヤトーン2S-305(12インチウーファと大容量160リットルバスレフ箱)と同等以上に深く沈み込む印象だ。もちろん密閉箱なので妙な共振やふくらみはなし。コントラバスやオルガンペダル音の音階がきっちりと示される。中高音の解像度はAVALONの真骨頂。高解像度を保ちつつ、音場感も広く深く展開する。86dBの能率はサイズからすると少々低いが、よくある低能率ゆえの反応の悪さなどはない。
何より秀逸なのは前後左右、取り分け前後に展開する音場感だ。きちんと配慮された録音を聴くと、オーケストラのステージイメージが見事に広がる。手前に弦が左右に広がり、山台の上の木管群がその奥から聴こえ、さらに左奥からホルンの響きとティンパニーが…といった具合だ。そういうイメージを感じながら聴くと、以前のように音圧による迫力がなくても十分に管弦楽が楽しめる。こうしたステージイメージは小型スピーカをうまくセッティングしたときにも得られるだろうが、そこはそれなりの大きさを持ったシステム。エネルギーレンジが広く、全域に渡って無理なく音が出て、小型システムより一層リアルに響く。特に音数の多いバッハの宗教曲、ブルックナーの交響曲などは、絡み合った糸がほぐれるように音楽の組立てが明解になり、抜群に相性がいい。

この一年、AVALONが本領発揮するような聴き方をしたのは数えるほどだし、これからもオーディオ三昧の日々というわけにもいかないだろうが、だからこそ、限られた機会には最良の音で聴きたいとも思う。今のところ死角のないこのAVALONを当分使っていくつもりだ。


アヴァロン社工場内での生産の様子。



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プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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