しばらく前に到着していながら、ずっと放置状態だったFalcon Acoustics Q7を先日ようやく組み立てた。

多くのオーディオ好きの部屋には複数のセットが鎮座する。限られた空間でいずれをメインに据えるかは楽しくも悩ましい問題だ。特にスピーカーは音の変化が大きく、大型、小型入り乱れて収拾がつかないことも多い。オーディオ病の典型症状の一つだ。 以前の記事にも記した通りこの10年、かくいうぼくも混戦状態が続いていた。2年前に三菱2S-305を再導入してからは、同機と数年前に手に入れたAvalon社Eclipseと時々入れ替えながら使っている。しかし、最近はまともにスピーカーと対峙して聴くことも少なくなり、また広くはない道楽部屋をなるべく清々と使いたいと思うようになり、小型ブックシェルフ型スピーカーを物色していた。そんな折に見つけたのがFalcon_Acoustics社のスピーカーQ7だった。2月初旬に到着していたQ7だが、年度末のごたごたの煽りで開梱もせずに放置状態。4月になってようやく落ち着いて開梱、そして組み立てとなった。







組立といっても、同梱されてくる工具を使って慎重に進めれば、1時間もあれば完成となる。電気配線も半田付けは不要。内部配線のケーブルを基板やターミナルの端子に差し込むだけだ。いくつか気を使うポイントはあるが、ネットからDLしたマニュアルに従っていけば特に難しいところはない。構成部品の加工精度も問題なく、組立後の調整もいらない。
組立完了後さっそく音出し確認となった。
大型の2S-305を別室に移動した道楽部屋はすっきりをして実に気分がいい。部屋に広さに関わらず、スピーカー前方の空間はなるべく広く確保し、音が部屋全体に広がるようセッティングするが基本だ。奥行き35センチほどの出窓があるので、ひとまずそこにセット。専用スタンドでスピーカー後方にも空間を確保して…というセオリーは承知してるが、見た目の印象を優先。さて肝心の音は…

予想通りの第一印象。以前、ロジャースLS3/5aにルーツをもつハーベス社のHL-P3ESRを使っていたときの記憶が蘇える。口径10センチちょっとのウーハと密閉型エンクロージャから想像するよりは遥かに低域が充実している。バスレフ型の共振作用による低音を違って特定の帯域だけ強まることがなく、ダンピングも良好だ。LS3/5aオリジナルに比べ奥行きのみ数センチ長く、容量が拡大されていることによりfoは10Hz下がっているとのこと(70Hz→60Hz)。その効果は確かにありそうだ。中高域は比較的穏やかな鳴り方で、音のエッジを立てて高解像度を装うような気配はない。音場の広がりはそう大きくなく、最近の小型スピーカーに比べると控えめと言えるかもしれない。総じて半世紀前のオリジナルLS3/5aのコンセプトを正しく継承しながら、そのバランスを崩さない範囲でエンクロージャ容量をわずかに増やして低域の伸長を狙った、その意図通りの音のようだ。しばらくはこの状態で色々と聴いてみるつもりだ。
以下、例によって安直なレコーダーを使った空気録音を試みた。やや大きめの音量で鳴らしたこともあって、部屋の影響(定在波や反射音のピーク・デプス)が目立ってしまった。参考にもならない、道楽人の手慰み程度に見てほしい。
熱帯ジャズ楽団
ダイアナ・クラール
ヤニグロのチェロ
諏訪内晶子の弾くバッハ・ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調
以前2S-305で録った音源は以下の通り。
https://youtu.be/tkZps71Eyq4
https://youtu.be/DJw8qfB-E3Y
https://youtu.be/NsTf7YwJnjw
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つい先日、英国Falcon_Acousticsへスピーカーを発注した。

十年程前、それまで使っていた2S-305から小型スピーカーへの乗り換えを試行。しかしその後紆余曲折を経て再び中型そして2S-305再導入という、オーディオあるあるのスットコドッコイを演じてしまった。道楽人間なんて勝手なもので、大きいのを手に入れば小さいのが欲しくなる。その逆もまた真なりで、結局当てのない道楽ワンダリング。実は少し前から小型スピーカーモードに突入していた。大は小を…兼ねないのだ。
小型(ブックシェルフ)スピーカーの選択は実に悩ましい。あまりに数が多いし、試聴すれば決まるかというと、そもそもスピーカーの店頭試聴は参考にすらならないことがほとんど。自宅環境との差が大きすぎるからだ。ネット情報、雑誌情報、ためつすがめつ…。堂々巡りもどこかで終止符を打たねばと決心。選んだのはロジャース社オリジナルに端を発するLS3/5aだ。
このあまりに有名なLS3/5aについてここで語る気も資格もない(ネットに山ほど情報有り)。現在、新品入手できるLS3/5a系のスピーカーは何種類かある。オリジナルに忠実に作りBBC認定を受けているもの(Stirling_Broadcast、Falcon_Acoustics、Graham_Audio等)、形態や思想を受け継ぎながらもモディファイしたもの(Spendor、Harbeth等)まで。もちろん中古市場でもタマが多いし、本家ロジャーズブランドのアニヴァーサリーモデルの在庫がまだあるようだ。
悩んだあげく選んだのは英国Falcon_Acoustics社のもの。Falcon_Acoustics社は欧州におけるスピーカーユニット、部品の供給メーカーとしてメジャーな存在。何よりオリジナルLS3/5aのユニットを供給していた当時のKEFでユニット開発に携わったマルコム・ジョーンズが起こした会社だ。同社のLS3/5aも評価が高い。但し今回ぼくが選んだのはLS3/5aそのものではなくLS3/5aをベースにしたQ7というモデル。 LS3/5aのキャビネットを奥行き方向のみ少し拡張し、さらに自宅でユーザーが組立てるようキット化したもの。Q7はQ=0.7から取られた。それが何を意味するかは、スピーカー工作を少しかじった輩ならピンとくるだろう。小型にも関わらず想像以上の低音感が得られるLS3/5aだが、さらにそのエンクロージャ容量を増やして低域を拡張している。解説によれば低域拡張による悪影響が出ないよう十分考慮されている様子。もちろんユニットやネットワークはLS3/5a同様のものが使われている。組み立てはネジ止めとワイヤ端子挿入で小一時間もあれば完成だという。Falcon_Acoustics社のLS3/5aは国内ではヨシノトレーディングが扱っているが、Q7は取り扱いがない。英国Falcon_Acoustics社へ問い合わせると日本への発送は可能ということで、送料込みの見積もりを送ってくれた。
ロジャーズ社オリジナルのLS3/5aにこだわってヴィンテージ物を探すもよし、現代のレプリカを探すもよし、ややモディファイしたモデルを選ぶもよし、お手頃価格の中国メーカー製キットでもよし。こうした選択肢が現在も途切れることなく存在することに驚く。さすがは歴史的名器だ。すでにPayPalで支払いも済ませた。到着が楽しみだ。
すでに同好の士による動画もある
同 組立篇
LS3/5a小史
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少し前、非公開のコメントいただいた。三菱ダイヤトーンのスピーカー2S-305に関連してこのブログがヒットしたとのこと。一度手放した2S-305をその後買い戻したという以前の記事に触れ、その方も同じような経緯をたどったとのこと。この手の話、同胞の輩にはあるあるネタのようだ。そんなこともあって手元にあるこの本を久しぶりに引っ張りだした。

ダイヤトーン開発生産拠点だった往時の三菱電機郡山製作所

昭和61年1986年にダイヤモンド社から出た「音づくりに生きる」。~ロボットと名人芸の結晶「ダイヤトーン」開発物語~と副題がついている。米山義男と後藤慶一というテクニカルライターが書いたいわゆる企業本だ。内容は表題から押して知るべしのもので、一時代を築いた三菱電機のスピーカーブランド「ダイヤトーン」の誕生から最盛期、そしてデジタル時代を迎えて新たな挑戦に挑む姿が描かれている。この本、企業本の常として相応の冊数が社内配布されたのか、発刊から40年近く経ちながら時々古本で見かける。今もアマゾンを覗いてみたら2冊がリストされていた。
ラジオ受信機用から始まりテレビそしてステレオ時代と、音響機器の需要は昭和の電気機器産業にとっては大きなカテゴリーだった。三菱ダイヤトーンスピーカーはそんな時代背景と、三菱グループという広範な技術資産と開発能力との上に花開いた。とはいえ、多くの昭和の技術開発ストーリーにもあるように、ダイヤトーンスピーカーも幾人かの技術者の寝食を忘れた努力、資材・生産・営業部門の多くの人々の人間力があって成立した。この本にもそうした人々の物語がいくつかの印象的なエピソードと共に描かれている。70年代の貧乏学生時代、ダイヤトーンのフルレンジP-610を自作の後面開放箱に入れ、貧弱な自作真空管アンプで鳴らして多くの音楽聴いてきた身には、この本で紹介されたエピソードにより当時の光景がリアルに蘇る。
当初業務用であった2S-305を一般市販した際、大量の受注残を抱え、販売停止の新聞告知がなされた。

2S-305のラウンドバッフル加工

中でも現在まで語り継がれるダイヤトーンのレガシーと言えば、NHKとの共同開発による放送局用モニター2S-305だろう。ぼくが2S-305に出会ったのは70年代半ば。大学一年の時に知り合ったある恩師宅だった。その音はまさに衝撃的だった。自分の貧弱なオーディオを比べるまでもなく、こんな音があったのかと二十歳になったばかりの学生を驚嘆させるのは、2S-305をもってすれば簡単なことだったのだろう。その後社会人となり「いつかは305」と唱えながら過ごし、そして出会いから20年を経過した90年代半ばにようやく手に入れた。過去一度、小型スピーカーへの移行を目指して手放したものの、その後紆余曲折を経て、今も日々素晴らしい音を奏でてくれている。
この本を眺めていると、往時のダイヤトーン全盛期の生々しい現場、活況を呈した市場、そしてオーディオ、カメラ、車…当時の若者があこがれ、日本市場そして世界を席巻したジャパン・アズ・ナンバーワンの時代を今更ながらに思い出す。
2S-305の音の確認。いわゆる空気録音。貧弱なレコーダーと何の音響処理もしていない8畳道楽部屋ゆえ、その真価は伝わらないのは承知しているが、ついついこんな遊びをやってしまうのも道楽人の常だ。
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先週末、注文していたオモチャが届いた。

アシダ音響のヘッドフォンST-90-05。気安く買える値段だったこともあり、しばらく前に同社のオンラインショップから注文していた。人気沸騰とのことで生産が追いつかず、到着までひと月ほどかかった。
アシダ音響というと、ぼくら世代で少々オーディオに興味を持った輩には聞き覚えのある会社名だろう。但し実際の製品となると一般民生用にはほとんど出ておらず、放送局の現場モニター等で使われる製品がほとんどだった。ぼくはかつてオーディオ雑誌で知ったフルレンジスピーカーで記憶にある。今回手に入れたヘッドフォンはそうした業務用のロングセラーをコンシューマー用にモディファイしたものとのこと。


かつて80年代にぼくら世代が熱中したオーディオ全盛期にはヘッドフォンはサブ、アクセサリの範囲を出なかったが、今の若い世代にとってオーディオデバイスといえばヘッドフォンやイヤフォンがデフォルトだ。今回手に入れた製品は写真でわかる通り、いかにも昭和レトロかつこれ以上ないくらいシンプルなデザインで、そこが今の若い世代に受けて人気となっている様子。 音はベースとなったモニター機の特性を引き継ぐ明解なもので、手持ちのソニーCD-900STに通じる。ダイヤフラム径は40㎜。1テスラの強力磁気回路が売りのようで、低音は低いところまでしっかり出る。中高音はソニーに比べると音数の多い管弦楽曲でやや団子になる感じだが、ボーカル、室内楽、ピアノ等は問題なし。耳の上に載るタイプの密閉小型シェルで音漏れはほとんどない。深夜に内緒?!の音源を聴くにも好適だ。ヘッドバンドは樹脂製でクッションはなく、調節機能も最小限だが、本体が110グラムと軽量なこともあって装着感も問題ない。
横綱・大関・小結…三役揃い踏み

ぼくの場合、日常的に夜半のダイニングテーブルにおいたノートPCでYouTubeなど聴くことが多いが、そのときのお供としてコンパクトで音質も及第点のこのヘッドフォンは、今まで使っているソニーに代わって活躍しそうだ。
ゼンハイザーHD599との比較。
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数年ぶりにヘッドフォンのイヤーパッドを交換した。


確か数年前に交換したはず…と思ってブログ記事をサーチしたら、何と8年前の2014年1月だった。ついこの間と思っていたのに、もうそんなに経ったかと驚いた。 かれこと20年以上愛用しているソニーのCD900ST。思えば近年、音楽を聴く時間の多くでこのヘッドフォンを使っている。もちろん気合を入れて聴こうというときはオーディオセットに灯を入れ、スピーカーと対峙することになるが、平日の夜はダイニングテーブルに置いたノートPCとヘッドフォンの組み合わせが多い。乱暴に扱っているつもりはないが、数年でパッドがボロボロになるのも無理はない。
以前の記事にも書いたように、ソニーCD900STは元々業務用として製品化された。その後評判を呼んで一般コンシューマ向けにも広まった。今でもテレビなどに映るスタジオ内の光景でよく目にする。そういうルーツもあって安易なモデルチェンジもなく、構成部品のほとんどが補修用として単独で手に入る。前回同様、今回も部品を取り寄せようと思っていたが、イヤフォン・ヘッドフォンの専門店「eイヤフォン」で部品を購入すると交換作業も無償でやってくれるというので、それにのることにした。
先日、都内の仕事帰りに秋葉原の少しはずれ、銀座線・末広町駅近くの同店に立ち寄った。小さなビルとはいえ、1階から5階まですべてがイヤフォン・ヘッドフォンとその関連商品。iPod以来の潮流にスマートフォンも加わって、今や若い世代にとってのオーディオはイヤフォン・ヘッドフォンがデフォルトなのだろう。ぼくらの若かりし頃とは隔世の感がある。 狭く急な「アキバ仕様」の階段を登って5階へ。愛用者の多いCD900ST用のパーツは専用コーナーがあって、すべてのパーツが揃っている。今回はイヤーパッドとウレタンリング。レジにもっていき会計を済ませたあと、待つこと5分程で交換完了。写真の通りに蘇った。
交換する前は、そろそろお役御免で違うモニタータイプを手に入れようかとも考えていたが、こうしてきれいになった姿をみると、まあ、このままでいいかと納得。次回交換のときには、こちらも後期高齢者となってお役御免か…などど思いつつ、若い客で賑わう当世流オーディオショップをあとにし、帰途についた。
もはやCD900STは老害!という見方もうなづける(^^
ソニーの後継機種としてはMDR-M1STがある
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時折り下手なギター演奏動画をアップする際、録画に使っているのはQ2n-4KというZOOM社のハンディビデオレコーダー。昨今ZOOMというとWeb会議システムの米ZOOM社の方が認知度が高いだろうが、楽器愛好家にとってはハンディ―レコーダーやマルチエフェクターなどの音楽電子機器メーカーの老舗ZOOM社がまず頭に浮かぶ。Q2n-4Kは同社の製品中、お手軽にアコースティック録音が出来るモデル。ぼくはギターを再開して少し経った頃、前モデルQ2nHDを手に入れて使っていた。Q2nHDに大きな不満はなかったが、たまたま昨年来のコロナ禍で宅内時間が増えて演奏録音に時間が取れるようになったこともあって、新しいQ2n-4Kを使ってみることにした。


Q2n-4Kはモデル名通り、4K動画に対応していることが売りのようだが、ぼくにとってはコンパクトで机上にポンと置けるデザイン仕様が最大の魅力だ。以前のQ2nHDは自立使用が難しくミニ三脚等のサポートが必須だったが、新しいQ2n-4Kは小さなおむすび型の安定した形状で、深夜のダイニングテーブルに楽譜と共に置いてチョイ録するにはとても使いやすい。そもそも4K動画を売りにする割には動画画質はイマイチで、映像もきれいに撮りたい場合は他の手段を選んだ方がいい。この製品はあくまでハンディ―ビデオレコーダーとして、お手軽にまずまずの音質で録れて、ついでに映像も撮れるという製品だ。ハンドリングしやすい点に加えて、電池の持ちも前モデルよりも良くなった。その他音質そのものや基本機能はほとんど変わりない。また、マイクロフォンの指向性を可変できる機能はQ2n-4Kではなくなり、120度固定になった。

またZOOM社はHandyShareという編集ソフトを無償提供している。これは同社製品用ということになっているが、スマートフォンで撮った動画ファイル(MOV)や独立した音声ファイル(WAV)も扱える。音声の加工ではリバーブが「ルーム・ジャズクラブ・コンサートホール・アリーナ・スタジアム」と用意されている。また、マスタリングとして3段階のプリセットが用意されているが、こちらはほとんど使わない。いずれも機能はごく限られていて自由度はない。編集ソフトというよりは簡単なエフェクターをいうレベルだが、アマチュア愛好家のチョイ録にはちょうどいい。動画や音声ファイルの編集・加工はやりだすと際限なく時間がかかる。楽器の前にポンとおいて録音し、最低限の始末だけ整えてという程度の処理だが、ぼくにはちょうどいい塩梅で重宝している。
HandyShareのエフェクト効果のトライアルを以下に二つ。
まず、例によって食卓テーブルに置いて録音。前半がすっぴん。後半がリバーブ付加(コンサートホール)でちょっとお化粧。やや厚化粧か…
外部WAVファイルも扱える。試しにデッドな録音で知られるトスカニーニのベートーヴェン(モノラル録音)にリバーブ(コンサートホール)を付加してみた。 トスカニーニ指揮NBC交響楽団によるベートーヴェン交響曲第3番変ホ長調「英雄」第1楽章。
まず1949年録音のオリジナル・モノラル音源
同 リバーブ(コンサートホール)付加。リバーブ処理では左右位相等もいじるようで、わずかに疑似ステレオ風の効果が出てくる。不自然さはほとんどなく、いい感じ! ちょっとびっくりだ。
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先回の続き。オーディオあるあるで、一度手放した2S-305を再び向かい入れたという、おバカな話のその後。

2S-305が来てからAVALON ECLIPSEは物置代わり使っている別室に放置状態だったのだが、先日小型のキャスターを買って移動可能にし、2S-305と時々入れ替えて楽しむことにした。本来ならキャスターなど使わず、床にしっかり設置するのがベストだが、利便性優先。まあ、大目にみることにした。
写真で分かる通り、2セットを並べることも可能ではあるが、8畳の部屋では少々圧迫感がある。それと部屋の横幅いっぱいまで占有すると、ギターを入れているクロゼットの扉を開けるには、その都度スピーカーを移動させなければならない。結局セットするのはどちらかワンセットにすることにした。

先週末二つのセットを切り替えて聴いた。そのときの感じを手短かに記しておこう。
2S-305はやや古めで音数の少ない録音では非常にリアルな音が熱く迫ってくる。ジャズは最高。昭和歌謡も◎。80年代フュージョンも悪くない。低音は50Hz以下の低いところまで十分な音圧があって文句なし。一方中高音はややレンジの狭い鳴り方。音場よりも音像の明快さが優先される。周波数レンジが広く、音場が前後左右に広がる最新録音はその情報を伝えきれない。しかし、そうしたネガティブな要素は、軽量コーンと強力な磁気回路による反応の良さで帳消しされる。
AVALONのECLIPSEは一聴して「きれいな音」。特にオーケストラを聴くと、音場の広がり・奥行きを伴いながらも、各パートが明瞭かつ歪みなく聴こえてくる。同じ録音を2S-305で聴くのと比べると、録音年代がひと世代新しくなったのではないかと思う程だ。中高音のレンジ、指向性、歪特性等が優れているためと思う。低音は量感、ローエンド限界とも2S-305に負けるが、足らないなあと眉をしかめるほどではない。
よくよく考えてみると、2S-305が昭和30年代初頭に世に出て、平成に変わると同時に引退だから現役生活30年。Avalon_Eclipseも1990年に発売後10年程現役だったが、すでに開発当時からは30年と、引退時の2S-305と同等の年月が経っていることになる。現代のスピーカーは広いレンジと音場感の表現が重要視されることを考えると、Avalon_Eclipseの設計思想は今もそのまま通用するし、製品自体の能力も現在のモデルと比して、それほど遜色ないというのも大したものだと感じる。アナログ時代の日本標準vsデジタル時代の世界標準(の一つ)…というと大げさだが、あながち遠からず。その二つを手元における幸運に感謝しよう。
いつもギター録音に使っている小型のレコーダー(ZOOM社Q2n-4K)で2S-305の音を録音してみた。最近は「空気録音」というらしい(ちょっと違和感ある言葉だなあ)。オモチャのようなレコーダーなので予想以上に情けない音だし、こういう試みでスピーカーの音など分かるはずもない。しかしオーディオマニアの悲しいさがで、ついついやってみたくなる。まあ、ほんのお遊びということで…。AVALONとの比較ができればよかったが、その辺りはまたいずれ。
熱帯ジャズ楽団「Mambo Inn」 1分51~53秒付近では高橋ゲタ夫のベースが40Hz付近まで押してくる。
アントニオ・ヤニグロのチェロ フォーレ「夢のあとに」 1960年の録音でややテープヒスノイズが目立つ。
ファリャ「火祭りの踊り」 ガルシア・ナヴァロ指揮ロンドン交響楽団 元の録音そのものがイマイチ。
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