マイ・ギター<その1> 田邊雅啓2004年製作
昨日の記事で紹介した田邊雅啓(たなべまさひろ)さんのギターをあらためて紹介しよう。
田邊さんは現在栃木県足利市で伝統的手法にこだわったギター製作を続けている。大学を出てから長野県上田の石井栄ギター工房で修行ののち独立。2001年から故郷の足利に工房を開いて製作を始めた。たまたまその頃、久しく中断していたギター演奏を再開するにあたり、新しい楽器を探していたときに名前を聞き及び、ぼくの自宅から車で1時間ほどの距離に工房があることもわかって、早速お邪魔したのが以降のお付き合いの発端である。
ちょうどその頃田邊さんは、名匠;ホセ・ロマニリョスの製作マスタークラスをスペインで受講、その教えと伝統的なスパニッシュギターの製作手法に忠実なギター製作を本格化させていた。最初に訪問したときに試奏した修行時代の作品と、その音作りの姿勢にひかれ、ぼくはすぐに新作のオーダーすることを決めた。一つ一つの製作工程を深く吟味しながらの製作は、およそ商業ベースの効率的な製作スピードからはほど遠く、ぼくの注文品の完成も2004年6月まで2年以上待つことになった。


田邊ギター;ロマニリョスモデルの特徴は、通常より低めに設定されたウルフトーンから繰り出される、どっしりと重く深い低音と、端正で伸びのある高音にある。決して派手にガンガン鳴る楽器ではないが、西洋音楽の基本バランスである低音をベースとしたピラミッド型の音楽構成を作りやすく、バロックからソルやジュリアーニあたりまでの曲を表現するにはベストの楽器だと思う。外国語ではギターが女性名詞であることから有り体に例えるなら、知的で清楚で優等生的な女性のイメージだ。反面、近代スペインのアルベニスやグラナドスなどの作品(ギターへの編曲物)やラテン系の艶っぽさ、熱っぽさを歌い上げるには、少々甘さと粘りが足らないと言えなくもない。
<追記>
ぼくの田邊ギターが、現代ギター2004年11月増刊『クラシック・ギター銘器コレクション』の190頁に載っていることを付け加えておきます。

田邊さんは現在栃木県足利市で伝統的手法にこだわったギター製作を続けている。大学を出てから長野県上田の石井栄ギター工房で修行ののち独立。2001年から故郷の足利に工房を開いて製作を始めた。たまたまその頃、久しく中断していたギター演奏を再開するにあたり、新しい楽器を探していたときに名前を聞き及び、ぼくの自宅から車で1時間ほどの距離に工房があることもわかって、早速お邪魔したのが以降のお付き合いの発端である。
ちょうどその頃田邊さんは、名匠;ホセ・ロマニリョスの製作マスタークラスをスペインで受講、その教えと伝統的なスパニッシュギターの製作手法に忠実なギター製作を本格化させていた。最初に訪問したときに試奏した修行時代の作品と、その音作りの姿勢にひかれ、ぼくはすぐに新作のオーダーすることを決めた。一つ一つの製作工程を深く吟味しながらの製作は、およそ商業ベースの効率的な製作スピードからはほど遠く、ぼくの注文品の完成も2004年6月まで2年以上待つことになった。





田邊ギター;ロマニリョスモデルの特徴は、通常より低めに設定されたウルフトーンから繰り出される、どっしりと重く深い低音と、端正で伸びのある高音にある。決して派手にガンガン鳴る楽器ではないが、西洋音楽の基本バランスである低音をベースとしたピラミッド型の音楽構成を作りやすく、バロックからソルやジュリアーニあたりまでの曲を表現するにはベストの楽器だと思う。外国語ではギターが女性名詞であることから有り体に例えるなら、知的で清楚で優等生的な女性のイメージだ。反面、近代スペインのアルベニスやグラナドスなどの作品(ギターへの編曲物)やラテン系の艶っぽさ、熱っぽさを歌い上げるには、少々甘さと粘りが足らないと言えなくもない。
<追記>
ぼくの田邊ギターが、現代ギター2004年11月増刊『クラシック・ギター銘器コレクション』の190頁に載っていることを付け加えておきます。

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