クリスマ協奏曲 イタリアンバロックを聴く


クリスマスイヴが明けたきょう12月25日、関東一円はこの冬一番の冷え込みとなった。寒波渡来で日本海側は降雪が続き、当地群馬も新潟県との県境付近では雪、そして県南部では気温は低いものの冬晴れの一日となった。いつもの通り、午後からは隣り町;渋川市のマンドリンアンサンブルの練習へ。10名ほどが集まり今年最後の練習となった。
夜になって今夜はしんしんと冷えている。食事と風呂を済ませたあとギターを取り出し、先日の記事に書いたJ・K・メルツの「燕が我が家に帰る頃」を少し念入りに繰り返した。さて珈琲を淹れて一服しようと思って取り出したのは、この盤だ。


クリスマス協奏曲集


ヴィヴァルディ、トレッリ、コレッリ、マンフレディーニ、ロカテルリといったイタリアンバロック時代の作曲家たちの合奏協奏曲から、クリスマスにちなむ曲を集めたアルバムだ。「クリスマスにちなむ」いうのは、曲中にパストラーレ(田園・牧歌)風の楽章を持つ曲のという意味で、8分の6あるいは8分の12拍子で、持続低音(ドローンバス)やオーボエ・フルートなどを使って、羊飼いをイメージする曲想を持つ。そのことがすなわちキリストの降誕の物語につながるという、宗教的バックボーンがあるようだ。パストラーレはバロック時代だけでなく、古典期以降でも例えば有名なベートーヴェンの交響曲第6番その名も「田園」にもその形式が使われている。
イタリアンバロックの作曲家達の作品はいずれも、おおからで美しく、同じバロックでもバッハのような深遠さはない。それがよくもあり、少々飽き足らないところでもある。演奏しているイタリア合奏団は、かつてのローマ合奏団を母体に1979年に結成された。この盤は1993年イタリアのコンタリーナ宮殿での録音で、世界屈指といわれるその音響が素晴らしい。少し大きめの音量で愛器;2S-305から繰り出される音を聴いていると、チープな拙宅の8畳間がにわかに豪華な石造りの間に変わったかのように感じるほどだ。


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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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