今年の10枚


今夜もNHK-FMのバイロイト特集を聴きながらPCに向かっている。今夜はパルジファルだ。重厚で息の長いフレーズ、ゆっくりと時間をかけたクレッシェンド、ボリュームを絞り気味にしたステレオから深く静かで巨大なワグナーの世界が広がる。

さて今年の10枚…
年末なので、テレビの企画よろしく、今年聴いたベスト10を選んでみようと思ってこんな記事のタイトルを付けてみたのだが、さて音盤の棚を見回してみて実は驚いた。10枚が選べないのだ。選択に迷うのではなく、よく聴いたなあというアルバムが見当たらない。へヴィーローテーションの少ない1年だったというのが正直なところだ。そんな中、明らかに複数回聴いた記憶のある盤を選んだ結果が以下の通りだ。新譜でもないし、購入してから年月を経ているものもある。単に今年比較的よく聴いた盤、といったほどのものであることを最初にお断りしておこう。


今年よく聴いた10枚


<1> ブラームス;間奏曲集 グールド(pf)
<2> ショパン;4つのバラード他 ツィマーマン(pf)
<3> バッハ;パルティータ第2番ほか ペライア(pf)
<4> ハイドン;交響曲全集 フィシャー指揮オーストリアハンガリアンハイドン管弦楽団
<5> 「バトゥカーダ-ジャズボッサ」 平賀マリカ(vo)
<6> 「スウィングの空の下で」 アンジェロ・ドゥバール(g)
<7> 「ブラッサム・ディアリ」 ブラッサム・ディアリ(vo)
<8> 「オータムインニューヨーク」 タル・ファーロウ(g)
<9> ブルックナー交響曲第8番 チェリビダッケ指揮ミュンヘンフィル
<10> ピアソラ;フルートとギターのための作品集


<1> ブラームス;間奏曲集 グールド(pf)
今年、NHK教育テレビで坂本龍一が紹介してにわかに注目された盤だ。若きグールドがブラームスの静かな世界を素晴らしく克明に描き出している名盤。仕事に疲れた深夜によく聴いた。

<2> ショパン;4つのバラード他 ツィマーマン(pf)
ツィマーマンのショパンについては以前このブログでも書いた。いわゆるショパン名曲集のたぐいとは別世界のショパンを聴かせてくれる。<1>同様、深夜によく聴いた。

<3> バッハ;パルティータ第2番ほか ペライア(pf)
以前紹介したアルバム。ペライアのバッハは音色が美しく表現も中庸で、いずれも現代のリファレンスとして安心して聴ける。

<4> ハイドン;交響曲全集 フィシャー指揮オーストリア・ハンガリー・ハイドン管弦楽団
ハイドンの交響曲全104曲33枚のボックスセット。数年前に入手してポツリポツリと聴いていたが、今年は少しまとめて聴いた。ハイドンの交響曲は初期のものでも古典的な構成感と躍動が素晴らしく、どれを聴いても、いつ聴いても楽しい。

<5> 「バトゥカーダ-ジャズボッサ」 平賀マリカ(vo)
人気の平賀マリカが歌う、ボサノバアルバム。半ば「ジャケ買い」の1枚ではあったが、歌も演奏も楽しめた。彼女についてはこちらを

<6> 「スウィングの空の下で」 アンジェロ・ドゥバール(g)
ジャンゴ・ラインハルトのこと以前書いたが、その系譜を受け継ぐのマヌッシュギターの一人者。競演するルドヴィク・ベイエのアコーディオンも素晴らしく、ご機嫌なスウィングと哀愁あふれる歌が楽しめる、いいアルバムだ。

<7> 「ブラッサム・ディアリ」 ブラッサム・ディアリ(vo)
この盤についても、ブログ開設直後の記事に書いた。今年後半もっともよく聴いたアルバムかもしれない。

<8> 「オータムインニューヨーク」 タル・ファーロウ(g)
白人ジャズギタリストのタル・ファーロウは、ぼくの好きなジャズギタリストの一人だ。抜群のテクニックとよどみなく繰り出されるアドリブフレーズは何度聴いても飽きない。

<9> ブルックナー交響曲第8番 チェリビダッケ指揮ミュンヘンフィル
1990年チェリビダッケ晩年の来日公演のライブ。80年代後半以降一連の来日公演ライブのアルバムは賛否あるようだが、ぼくはいずれも素晴らしいと思う。チェリビダッケの作り出す音響バランスと、曲の隅々にまで行き届いた眼力に感服だ。

<10> ピアソラ;フルートとギターのための作品集
フルートとギターのための作品「タンゴの歴史」とお目当てで入手したナクソス盤。ボーデル1900、カフェ1930、ナイトクラブ1960、コンサート現在、いずれも哀愁と機知にあふれていて美しい曲。


最初に書いた通り、今年はあまりレコードもCDも聴かなかった。あるいはこれは長期的傾向で、だんだん音盤を聴く時間も少なくなっているようにも感じる。棚に収まったまま陽の目をみない盤も多い。だったらいっそ整理して、お気に入りの100枚だけを残してスッキリ片付けたいとも思う。昔は棚にぎっしりと並んだレコードコレクションが憧れだったが、もうそういう気分でもなくなってきた。単に年をとったということだろうか。


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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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