ウェーバー 歌劇「オベロン」序曲
きょう11月18日はカール・マリア・フォン・ウェーバーの誕生日だそうだ。1786年にドイツ・リューベック近郊で生まれ、1826年にロンドンで客死したとある。ウェーバーの父の兄の娘・コンスタンツェはモーツァルトと結婚している。幼い頃から劇団を主宰した父親に連れられて各地を旅し、10歳を過ぎた頃から音楽の才を発揮し始めたとWikipediaに記されている。彼の作ったいくつかの歌劇によってドイツオペラが確立したといわれるほどの功績者だ。そんなウェーバー最晩年の作品の一つに歌劇「オベロン」があるのだが、歌劇としての人気はいまひとつながら、その序曲はよく出来た曲で人気も高く、独墺系オーケストラによってしばしば演奏される。古典派からロマン派の管弦楽曲小品といえる序曲、前奏曲のたぐいは山ほどあるが、この「オベロン」序曲は大好きな曲の一つだ。どのくらい好きかといえば、この10分ほどの小品を続けて3回くらいは聴いてもまったく飽きず、4回目を聴こうかと思う程度に好きだ。モーツァルトやベートーヴェンのいくつかの序曲より数段好んで聴く。


手元にはこの曲を収めた盤がいくつかあるが、最近よく聴いているのが、去る9月18日に98歳で亡くなったクルト・ザンデルリングとドレスデン・シュターツカペレ;SKDによる1973年の来日公演ライヴの演奏だ。この盤については以前記事に書いたことがあった。冒頭のホルンによる主題とそれを受ける弦楽群との対話から、もうすっかり気分はドイツの森のイメージなる。「魔弾の射手」や「ウィリアムテル」の序曲などもそうだが、ウェーバーの序曲導入部はいずれも秀逸だ。ホルンやチェロを巧み使い、ドイツの深い森と神秘的な雰囲気を表現している。ゆっくりと歩を進める導入部が終わり主部に入る。弦楽群が生気みなぎる旋律を繰り出し、管楽群がリズムを刻んでその旋律を後押しするして前進させる、そんな曲の運びで、途中いくつかの転調で緊張感を高めていく。ザンデルリングとSKDは抜群の合奏能力と艶やかでありながら華美にならない落ち着いた音色で、ドイツ音楽の代表格のこの序曲にはぴったりだ。
手元にある他の盤では、ジョージ・セルとクリーヴランド管の1970年の東京ライヴも素晴らしい。こちらは更に躍動的でオーケストラの機能性が十全に発揮される。おらが郷土の誇り、群馬交響楽団が豊田耕児の指揮で録音した盤も、同団が80年代以降躍進する起点になった貴重な記録だ。それ以前の、生気に乏しく技術的にも課題の多かった時代の演奏とは隔世の感がある立派な演奏だ。
YouTubeにあったチョン・ミョン・フンとフランス放送のオケによる演奏を貼っておこう。
チョン・ミョン・フンらしく各声部が混濁せず見通しがいい。う~ん、やはりいい曲だ。
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