セル&クリーヴランド管 チャイコフスキー 交響曲第5番ホ短調
今朝いつものように車に乗り込むとプリウス号の外気温計はジャスト零度。昼間も日照やや乏しく昼過ぎでも7℃ほどと寒い一日だった。週末にかけて日本列島を挟むようにクリスマス寒波・年末寒波の元凶『ふたつ玉低気圧』が通過するようで、ここ数日は寒さが続く模様。こんな気圧配置になると少々『天気フェチが入ってます』の人間としては若干Highになり、NHKラジオ第2放送の気象通報に耳を傾けたくなる。今年は今のところ暖冬からは遠く、寒い冬になりそうだ。 そういえばきょうは冬至。夕飯のあとゆず湯につかって一服。アラジンストーブで暖を取りながら、こんなレコードを取り出した。


ぼくの年代のクラシックファンには懐かしいジャケットだろうか。70年代半ばにCBSソニーからお抱え指揮者の名盤を集めた3枚組のシリーズが発売された。そのうちのひとつでチャイコフスキーの後期交響曲、第4番から第6番までがそれぞれオーマンディー&フィラデルフィア管、セル&クリーヴランド管、バーンスタイン&ニューヨークフィルの演奏で納められている。冬になるとチャイコフスキーが聴きたくなる道理に従い、今夜はこの3枚の中でももっとも気に入っているセル&クリーヴランド管による第5番を聴くことにした。
ジョージ・セルの名演については過去に何度か書いた。このチャイコフスキーの5番も期待に違わぬ素晴らしい演奏だ。まずテンポ設定がいい。第1楽章の冒頭から明確な拍節感を保ちながら揺ぎ無く音楽が進む。第2楽章はいくらでも崩すことが出来る楽章だが、ここでも実に律儀に拍を刻んでいく。それでいてソナタ形式の主題の描き分けや、2楽章の憧れに満ちたホルンソロなどは、四角四面ではない心情の揺れを感じるに十分な流れを作り出している。加えてセルによって鍛え上げられたクリーヴランド管弦楽団の抜群のアンサンブル能力と正確なピッチ、ビシッと締まった音色。まったく隙の無い名演だ。40分ほどでこの全曲を聴き終えたあと、第4番のオーマンディー&フィラデルフィア管の盤に針を落としてみたのだが、出だしから余りに締まりの無い音楽の運びに、数分も聴かないうちに針を上げてしまった。チャイコフスキーもかっちり演奏すれば、ロシア趣味のムード音楽に留まらず実に素晴らしシンフォニーであることをこの演奏は教えてくれる。
この盤の第4楽章の音源があったので貼っておく。残念ながらセルの動く姿はないが音楽は楽しめる。
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