閑話休題 ; スバル 小型スピーカー


◆富士重工のスバル

当地群馬県東部には車や電機、食品などの工場群がある。その中で歴史もあり規模も大きいのが富士重工・太田工場だ。きょうのニュースで同社で最後の軽自動車;スバルサンバーの生産が終了したとあった。同社の車はスバルの名で親しまれ、独フォルクスワーゲンの小型版;スバル360を始め、今回最終ラインオフしたスバルサンバー、メカ好きに根強い人気のある水平対向エンジンを搭載したレガシーなど、個性的な車を生産してきた。太田工場は旧中島飛行機跡地に設立され、現在も富士重工の主力工場だ。
ぼくが子供の頃、親父が最初に買った車はスバル360だった。当時昭和40年代初頭の乗用車が山道ではオーバーヒートを繰り返すことが多かった中、その名の通り360ccの空冷エンジンは中々タフで、ボンネットを開けてエンジンを冷ましている他の車を尻目にぐいぐいと山道を登っていったものだ。その数年後にはスバル1000が我が家にやってきた。水平対向エンジンのドッドッドッという音は今でもよく覚えている。地元の雇用にも貢献し、地域に愛されるスバル。軽自動車はなくなるが、これからも個性的な車を送り出し続けてほしい。





◆小型スピーカー

このところS-2Cという小型スピーカーで音楽を聴いている。写真にあるようにメインの大型スピーカー;三菱2S-305の上に載っているのがそれだ。東京神田にあるリビングミュージックという小さなオーディオ店のオリジナル品で2007年に買い求めた。現在も基本仕様はそのままで一部手を入れたモデルが継続販売されている(たいぶ値段が上がってしまったが)。当時2S-305をやめて小型スピーカーに乗り換えようといつくかトライして落ち着いたのがこのスピーカーだった。販売元のリビングミュージックへは、聴き慣れたCDを数枚持って2度足を運んで試聴した。店主のI氏は芸大の指揮科を出てミュージカルのオケピットで指揮を務めていた職業指揮者でもあり、音楽的に鳴るスピーカーの開発と販売を同店の売りにしていて、静かな部屋で音楽談義をしながら、ゆっくりと音を確かめることが出来た。

オーソドクスな小型バスレフ型だが必要十分な音で鳴ってくれる。クラシックでオーケストラを聴くときに気になる低音については、コントラバスのA線・E線の基音がそこそこ出てくれる。レスポンス的には60Hz(コントラバス3弦のド付近)は完全にOK。50Hz(同ラ~ソ付近)はバスレフのポートチューニングに合っているのでこれもよく出る。それ以下は少々レベルは低くなるが、音の存在は十分確認できるといった具合だ。B&Wの805を横に並べて比較したことがあった。低音の量感はサイズの大きな805が優勢であったが、いささかバスレフ臭さが鼻につく、ボワーッとした低音だった。中高音は805よりもむしろこちらの方が反応がよかった。

このまま小型スピーカーで聴き続けて半年文句がなければ、2S-305を処分してしまおうかとも考えている。段々年をとって、自分で移動も出来ないような大きなものとはさよならしようかという考えだ。レコードや本もそう、聴ききれない、読むこともない本を後生大事に抱えている生活にぼちぼち終止符を打とうかと思っている。

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さて週半ばの水曜日。天気予報では雪マーク。今週もあと数日がんばろうか。


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サヴァリッシュ&バイエルン国立歌劇場管弦楽団 管弦楽名曲集


きょう日曜の当地前橋は思いのほか冷え込み、朝の気温は氷点下2度まで下がった。昼間の陽射しこそあったものの気温上がらず、風もあって寒い一日だった。さて、先週からやや地味めの曲を聴いていたこともあり、きょう昼間はアンプのボリュームを上げてスピーカーを存分に鳴らすべく、多彩な音が聴けそうなオーケストラ曲を聴くことにした。こんなときはあれこれ考えずに、世にある名曲集的なアルバムが好適だ。棚を見回して選んだのはサヴァリッシュがバイエルン歌劇場のオケを振ったアルバム。数年前にタワーレコード・新星堂・山野楽器の共同企画で作られたシリーズの中の一つだ。


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サヴァリッシュといえば、ぼくら世代にはN響を振ってたびたびテレビにも登場していた最も馴染みの深い指揮者の一人だ。サヴァリッシュはミュンヘンに生まれ、長らく地元バイエルンの歌劇場の音楽監督も務めた。この盤はそのバイエルン歌劇場のオケによる管弦楽名曲集。このシリーズでは2枚がリリースされたが、どうやら現在は廃盤らしい。きょう聴いた第2集にはスッペ;軽騎兵序曲、エロール;ザンパ序曲、スメタナ;売られた花嫁序曲、ベルリオーズ;ハンガリー行進曲、シャブリエ;狂詩曲スペインといったよく知られたオーケストラピースが収録されている。

時にはこうしたオーケストラ曲を聴くのも楽しいものだ。通俗名曲などと言われることもあるが、通俗結構。オーケストラの音色、各パートの掛け合い、指揮者による料理の仕方など、聴きどころはいくらでもある。サヴァリッシュは正統派の独墺系指揮者というイメージ通り、いずれの曲でもまったく奇をてらわず正攻法のアプローチ。バイエルンのオケも実力は十分だ。チェロ・コントラバスの低弦群はどっしりとしているし、木管群のソロも鮮やかだ。しかも全体の音色は落ち着いていて弦と管がよくブレンドされていて安定したオーケストラサウンドが楽しめる。ぼくの好きなスメタナ;売られた花嫁序曲なども冒頭から快速調に進めるざわざわとした弦のうごめきがピタリと合い、そして切れのいいフリリアントのリズムが立ち上がるところなど、ぞくぞくするほどの緊張感だ。ハンガリー行進曲でも終始あわてず、立派な演奏だ。

N響を振ってこの盤にも収録されているエロール;ザンパ序曲を演奏している映像があったので貼っておく。1988年サントリーホールでの演奏。この時代のN響メンバーの顔が懐かしい。冒頭少ししたところでサヴァリッシュが指揮棒を落としてしまい、以降は棒なしで振っている。




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グスタフ・レオンハルト フローベルガー/チェンバロ名曲集


水ぬるむ…にはまだ程遠いが、日曜のきょうは長く続いた寒波が去り、終日穏やかな日和だった。午後は愛器;田邊ギターの弦を交換。弦をはずしたついで楽器クリーニングをし、フレットも磨いてリフレッシュ。そのあとひとしきり練習をしているうちに夕暮れとなった。このままサザエさんシンドロームの時間に突入するのもどうしたものか、1枚だけレコードを聴くことにした。


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取り出したのはつい先日1月16日に亡くなったオランダのチェンバロ奏者;グスタフ・レオンハルトがドイツ・バロックの雄;ヨハン・ヤーコブ・フローベルガーのチェンバロ曲を弾いたLP。1962年独ハルモニアムンデの録音だ。数年前、出張帰りに大阪梅田の中古レコード店で買い求めた記憶がある。
フローベルガーは同時期に活躍したブクステフーデやハッヘルベルと共に17世紀後半バッハ登場前夜のドイツ・バロック期を代表する作曲家だ。この盤には彼のチェンバロ曲から組曲3曲の他、トッカータやファンタジアなどが数曲収められている。中でも組曲は聴き応え十分だ。すでにフランスで流行っていた舞曲形式の組曲から、アルマンド~クーラント~サラバンド~ジーグを基本構成として30曲の組曲を残したと高野紀子女史がライナーノーツに書いている。この盤に収録されているのは第1番、12番、15番の3曲。作曲時期に違いはあるが、いすれも哀歌を思わせる旋律に豊かな和声と装飾句が絡み、美しい。名手レオンハルトの演奏を云々できるほどチェンバロや当時の演奏様式の知識を持ち合わせないが、多分耳に届く印象的な装飾音のうち相当数を即興で弾いているものと思う。当時はオルガンやチャンバロ奏者、また隆盛期を過ぎつつあったリュートの奏者も、即興演奏や自在な装飾音を我がものにしようと研究し努力していたのだろう。

この時代のチャンバロ曲はリュートやギターで弾いても曲によってはいい味わいになる。実際フローベルガーも旅先でゴーティエに代表されるリュート音楽に接していたと記録にもあるようだ。

こちらはYouTubeにあったリュートによる演奏。かつて10コースのルネッサンスリュートを所有していたが、ものにならずに手放した。こういう演奏を聴くとまた弾いてみたくなる。



こちらはモダンギターを使った演奏。弾き手はイタリアの名手;ステファノ・グロンドーナだ。
グランドーナはフローベルガーの曲をいくつか録音している。




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プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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