川越で弾いてきた


土曜日は前日までの雨も上がり好天に。気温もグングン上がって、関東のあちこちで25℃超えの夏日となった。連休初日、かねて予定していた川越の観光スポット『蔵里くらり』で開かれたギター仲間の内輪の発表会に行ってきた。あくまで内輪の発表会であるが、場所柄観光客がのぞいてくれることもあって、ミニコンサート的な雰囲気があるイベントだ。今回も昨年同様地元ケーブルテレビの取材も入っていたし、数日前には新聞の地方欄にイベント案内として載ったとのこと。開始時間までには会場のギャラリー席が8割方埋まった。

当日のプログラム
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午前11時前に会場入り。演奏予定の三重奏曲をまず合わせる。三人揃って合わせるのは今回が初めて。繰り返しの段取りを決めてスタート。弾けるテンポではなく、曲本来のあるべきテンポ設定で強引に進む。ぼくも含めて三名ともこのアンサンブルを楽しみにしていたのだが、だからといって練習を重ねていたわけではない。多分各自の個人練習といっても、自宅で数回弾いてみたというレベルだろう。それでもみな古典への理解と下地のあるメンバーなので、音を外す場面はあっても、曲のイメージははっきりしているし、妙な解釈は飛び出さない。ざっと1回通して、止らずに最後まで行ったからOK!とリハーサル終了となった。本番での演奏を以下に貼っておく。
パート受け持ちは年功序列?で決定。1stは旧友Y氏、3rdはO氏、両氏のあいだでぼくが2ndを担当した。初見+アルファの状態でミステイク数々あれど、まあ、大人の楽しみということで、一つ…





ソロは参加者全員が15分の枠で、演奏のほか自己紹介、楽器自慢、曲紹介を行う。みな相応の年齢なので、トークは演奏以上に達者だ。今回ぼくは19世紀後半にフランスで作られた楽器を使ったが、曲はあえて当時の作品ではなく、20世紀に作られたポピュラリティーの強い曲を選んだ。恥を承知で演奏の様子を貼っておく。曲目は以下の通り。この他に武満徹編の「失われた恋」を弾いたのだが、あまりにひどい出来なので割愛した。佐藤さんの曲もブラジル演歌のレイスも、意図的にあっさり弾こうと思ったが、こうして聴きなおしてみると、どうも先を急いでいる。あっさり、しかし落ち着いて運ばないと… レイスの曲は久々に弾いて、あちこちほころびボロボロ。 グリーンスリーヴスとワンノートサンバは即興で少し遊んでみた。

  佐藤弘和/夏のセレナーデ、素朴な歌、小さなシシリエンヌ
  D・レイス/もしも彼女がたずねたら
  江部賢一編・自改編/グリーンスリーヴス
  佐藤正美編・自改編/ワンノートサンバ




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グラニアーニ ギターのための三重奏曲 ニ長調 作品12


フィリッポ・グラニアーニ。イタリアの作曲家。18世紀後半から19世紀初頭にかけて活躍した。当時は古典ギター黄金期ともいえる時代で、ギター弾きにはお馴染みで同じイタリアのカルリ、ジュリアーニらとほぼ同時代だ。クラシック音楽の潮流の中では、ハイドン・モーツァルト・べートーヴェンなどのウィーン古典派につながる。このグラニアーニが書いたギターのための三重奏曲を今度の週末に弾くことになっている。三重奏なのでギターが3本。それも当時のスタイルの19世紀に作られた楽器を使うことになった。1stを学生時代にはジュリアーニの協奏曲も弾いた旧友Y氏、3rdは権威のあるコンクールでの優勝経験もあるO氏。名手二人にはさまれてぼくは2ndギターを担当する。当日午前中に初めて三人で合わせることになるが、どんな風になるか、足を引っ張る側としても興味津々だ。


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曲は古典派の典型的スタイルで、パガニーニのソナタなどに通じる明るく楽しい曲想。第1楽章は充実したソナタ形式。1stと2ndがテクニカルなパッセージを応酬したり、展開部ではロ短調に転じて短いながらも緊張感に満ち中々聴かせる。第2楽章は主題と変奏。シューベルトのピアノ五重奏曲『鱒』を思わせる主題で、2nd、3rdもソロを取る。第3楽章はロンド風のメヌエット。全3楽章で10~12分ほどの曲だが、きちんとした様式感を持ち、古典様式の教材としても好適だ。


演奏者がバラバラ、かつあまりお薦めできるような演奏内容でもないが、全楽章の動画を貼っておく。

第1楽章 アレグロ


第2楽章 主題と変奏


第3楽章 メヌエット



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ケイコ・リー イフ・イッツ・ラヴ


月曜日。朝から何となくすっきりしない、熱っぽいなあと思っていたら、昼前から頭痛にみまわれ、週明け午後定例の会議もガンガンする頭を抱えながら乗り切った。昼過ぎと夕方の2回頭痛薬を飲み、帰宅後少し熱めの風呂につかってようやく生気を取り戻した。昨夜は早く休んだのに、なんてこった。散々な週明けだ。こんな散々な週明けの夜は理屈抜きに弛緩しようと、ジャズボーカルのアルバムを取り出した。


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少し前に一度記事にしたケイコ・リー。この盤は1998年の録音で彼女の4枚目のアルバムだ(収録曲、試聴はこちら)。それまでのジャズ・スタンダードから一転して、この盤ではポップス系の名曲を取り上げている。ポップスには詳しくないので、誰の作品で、どういう趣きでと語ることも出来ないが、フュージョン系あり、R&B系ありの大人向きのポップスアルバムという風情だ。そして一聴してケイコ・リーと分かる個性でどんな曲も自分の世界に引き込んでしまう。リアルな録音も素晴らしく、ヘッドフォンで聴いていると目の前で彼女が自分のために歌ってくれているのではないかと錯覚するほどだ。バックのインストゥルメンタルのセンスも抜群。週明けから消耗した五十男にはもちろんだが、頭痛の見舞われない諸兄にもお薦めだ。





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アファナシエフ ショパン マズルカ集


桜はすでに散ったが、きのうきょうと花曇りといったらよいか、気温も低く寒い週末だった。昨晩そして今夜も、押入れにしまおうかと思っていたストーブに灯をつけた。きのうの土曜日は野暮用で出かけた折に隣り町高崎のタワーレコードへ。このところあまり音楽を積極的に聴く気にもならず、従ってこれといってほしいCDも見当たらなかったのだが、それでも2枚だけ買い求めてきた。そのうちの1枚、ヴァレリー・アファナシエフの弾くショパン・マズルカ集をさきほどから聴いている。


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日本コロンビアの廉価盤シリーズ;クレスト1000には現代の名盤が目白押しだ。アファナシエフの盤もいくつかある。バッハ、モーツァルト。シューベルト、ブラームス、いずれもが最近の演奏には中々みられない孤高の境地というべき名演だ。このマズルカ集には全部で13曲が収められているが、そのうちわずか2曲が長調作品。残り11曲はひたすら短調の作品を弾いている。
ぼくはショパン・ファンというわけではないが、ときどき聴きたくなってルビンシュタインやミケランジェリの盤などを引っ張り出す。ショパンの作品の中ではマズルカやバラードを好む。特にマズルカはショパンの望郷の思いが詰まっていて特別な存在だ。アファナシエフはどの曲も通り一遍のマズルカとしては弾いていない。テンポは三拍子であることを忘れるほど解体され、そして彼の意識のもとで再構築される。グールドはショパンの公式録音を残さなかったが、解体と再構築という点において、グールドがショパンを取り上げたら、こんな演奏になるかもしれないとさえ思う。『絶望と悲惨と荒々しさに満ちた無克の歌』とアルバムのライナーノーツにあった。
クラシックをもっと気軽に楽しみましょうと、とかく万人に受け入れられるように砂糖菓子のような選曲や企画、解釈が目に付く。そうした試みはもう何十年も続いてきたが、一体何が残ったというのだろうか。どんな音楽もそれぞれがごく一部の人だけの慰安のためでいいのではないか。アファナシエフの演奏を聴いているとそんな風に思えてくる。
(なおこの録音は、当地群馬県東部にある笠懸野文化ホールでちょうど11年前の2001年4月23・24日行われている)


彼を取り上げたドキュメンタリーがあったので貼っておこう。



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来週4月28日は川越で演奏


高校時代に始めたクラシックギター。学生時代まではせっせと弾いていたが、社会人になってからは次第に弾く時間が取れなくなり、三十代・四十代と20年近くブランクがあった。五十の声を聞く頃に至って再開。それでも人前で弾くことなく炬燵ギタリストで一生を終えるものと思っていたのだが、ふとしたきっかけでソーシャルネットワークサービスmixiの仲間内で開く内輪の発表会(一般の方の入場は歓迎。もちろん無料。)があることを知り、1年ほど前からときどき参加している。関東一円に足を伸ばすつもりなら毎週どこかしらで開催されているが、関東平野の北西端に位置する当地前橋からは毎週気安く参加というわけにも行かない。そんな中、来週4月28日川越の観光スポット『蔵里;くらり』で行われるイベントに久々に参加を表明した。


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今回の発表会は1年前の同時期に開いて好評だった『古楽器・珍楽器・民族楽器特集』の第2弾。昨年は各種リュートやバロックギターから始まり19世紀ギター、バンジョーやフォルクローレ、更にライアーやカンテレなど珍しい楽器が集合し、アマ・セミプロ・プロ入り混じっての楽しいイベントであった。今年も各種リュート、19世紀ギター、多弦独系ラウテ、バラライカ、オールドマンドリンなどが集まる予定だ。
発表会といっても参加のスタンスはいろいろで、綿密に練習を重ねる者、珍しい曲を発掘して披露する者、今回のように当日合わせでアンサンブルを楽しむ者、それぞれご自由にどうぞというユルいイベントだ。今回は旧友Y氏、かつてギターコンクールでの優勝経験を持つO氏と組んで、古典期の作曲家;グラニアーニの三重奏作品12全3楽章を演奏する。楽器は三人とも19世紀のオリジナルギターを使う予定。当然みな離れているので当日合わせだ。イベント開始前にわずかな時間で1回通してそれで本番となる見込み。初見合わせや当日合わせはというのは緊張感と同時に、その瞬間に初めて音になるという楽しみがある。このブログをご覧の方で当日4月28日13時より時間都合つく方は、よろしければ小江戸川越の観光散歩かねておいで下さい。


今年2月の発表会を地元ケーブルテレビが取材。ニュースで流れた映像



昨年2011年7月の演奏。バッハの無伴奏チョロ組曲からメヌエット1・2。使用楽器は19世紀後半仏ラミー社のもの。iphoneのマイクがそっぽを向いていて音がまともに入っておらず聴きづらくてスミマセン。まあ、下手くそなことだけはよくわかりますが…。少し音量を上げて見て下さい。




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Chappell(チャペル/シャペル)社のギター


とある事情で美しい女性、もといギターが手元にある。19世紀半ばのチャペル社の楽器だ。チャペル社は200年の歴史を持つロンドンの楽器店で、現在もボンド・ストリートに店を構えている。このギターは1811年に開業したチャペル社が当時フランスにおける弦楽器の里ミルクールで作り英国で輸入していたもの。当時英国では大変なギターブームであった由。以前記事に書いたラミー社の楽器も英国のアーチャー商会向けのギターだった。


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ご覧の通り、サウンドホールと表板パーフリング周辺、そしてブリッジにも美しく精緻な螺鈿細工が施されている。表板はスプルースで、150年を経たにもかかわらず割れやクラックは見られない。横・裏板は真性ハカランダ材。裏板は2枚が中央ではぎ合わせれている現代のギターと違って1枚板。さすがにここには大きなクラックの修復跡がある。ネックやヒール部分もハカランダ材が巻かれている。白く見えるパーフリングの材料は象牙。この当時当然ながらプラスチックは存在しない。糸巻きは英ベイカー社製のもので、白いツマミはやはり象牙で出来ている。

音はこれまで弾いたことのある19世紀ギターの中では最も素晴らしいものの一つだ。低音は胴鳴りを伴って深く響き、現在張ってあるガット弦から出る高音は反応よく立ち上がる。ガット弦に爪先が触れたときに出るカサッという音が、そのあとの弦の振動による本来の音と一体化し、味わいのある音となる。弦高がかなり低くセットしてあるので、モダンギターのタッチではところどころビリ付きが生じるが、やや古楽器風のタッチを意識して弾くと、素晴らしく古風で味わいのある楽音を奏でてくれる。こうした楽器で古典期のカルリやジュリアーニ、ソル、そして初期ロマン派風のメルツなどを弾いていると、その後100年を経て現代のギターは随分と無骨で野卑で、力ずくで弾く楽器になってしまったものだと痛感する。

チャペルのギターではないが、19世紀ギターの雰囲気をどうぞ。
19世紀当時の奏法は現代のギターと右手のタッチが違う。親指は手の平の内側へ折り込むように向かい、他の指のやや弦をすくうような恰好になる。そして小指は表面板に軽くつけて弾く。リュートのタッチに近い。




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マタチッチ&チェコフィル チャイコフスキー 交響曲第5番ホ短調


先日久々にマタチッチのエロイカを聴いて、その引き締まった造形に感心し、あらためて彼の盤を聴き直そうと思い立った。70年代には廉価盤で出ていたマタチッチとチェコフィルの演奏やN響との演奏他いくつかの盤が現在も日本コロンビアから出ている。手元に数年前に手に入れた盤がいくつかあったが、きょうはその中からチャイコフスキーの5番を選んだ。


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1960年の録音。前年1959年に先日聴いたエロイカを同じチェコフィルと録音している。ベートーヴェンとは時代も異なり当然アプローチも違うチャイコフスキーだが、この盤でもマタチッチは速めのテンポと引き締まった音作りで、チェコフィルの美しい音色と相まって素晴らしい演奏が楽しめる。
第1楽章の序奏は物々しく始めることが多いが、この盤では思いのほかあっさりと進む。過度な表情付けはないが、よく聴くとフレーズの緊張・解決に沿ってわずかに音の重みに変化を付けている。主部に入ってからも速めのテンポでもたれず進む。主題の切り替わりで僅かにテンポを揺らしたり、展開部ではせき込むようなアチェルランドを過度にならない範囲で効かせ、効果を上げている。チェコフィルの弦楽器群の音は潤いに満ちていて、フォルテッシモでも余裕を持った柔らかな響きをキープしていて美しい。管楽器群も鋭く響くようなところはなく弦楽群とよく調和している。第2楽章のホルンのソロや、ときどき金管群やホルンが聴かせるヴィブラートがこの時期のロシア・東欧系オケの特色を感じさせる。
料理の仕方次第で様々に変化するチャイコフスキーだが、この演奏は過度な演出を避けながらもスラヴ的感興にも不足のない、そして往時のチェコフィルの音を堪能出来る素晴らしいアルバムだ。


1975年にN響を振って演奏した同じやチャイコフスキー第5番の音源があったので貼っておこう。チェコフィルとの録音から15年を経てテンポは少し遅めになっている。




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プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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