モレノ・トローバ 『セギディーリャへの賛歌』


関東地方に突風や雷雨をもたらした低気圧が去り、きのうから天気回復。一時的に冬型の気圧配置になって同時に気温も下がった。昨夜はエアコンの暖房をオンにしたほどだ。土曜の朝、この時間に音盤を取り出したのは久しぶりかもしれない。休日で時間があっても、音楽を聴く気分にならないことも多いからだ。さて、このところ聴いているギター合わせ物の続きで何かと考え、こんな盤を出してみた。近代スペインの作曲家モレノ・トローバのギターと管弦楽のための作品『セギディーリャへの賛歌』だ。

                                 ◆アンヘル・ロメロ近影
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この盤のジャケットには老紳士とギターを抱えた若者が写っている。若者はアンヘル・ロメロ、そして老紳士は作曲者モレノ・トローバその人だ。この盤は1982年に91歳で亡くなったトローバが亡くなる前年1981年に自ら指揮棒をとって録音された。ギターのアンヘル・ロメロは有名なロメロファミリーの一番年若の末弟。兄のぺぺ・ロメロと共に今も活躍している。
この盤には『セギディーリャへの賛歌』の他に、テデスコのギター協奏曲第1番が収録されている。こちらもトローバが指揮をしている。オーケストラは共にイギリス室内管弦楽団。
『セギディーリャへの賛歌』は3楽章からなる。第1楽章と第3楽章が取り分けスペイン情緒にあふれている。題名になっているセギディーリャのリズムとスパニッシュな和声に彩られ中々楽しい。第2楽章はトローバの得意とする抒情的な歌に満ちていて、ひんやりとした夜の空気が支配する。アンヘル・ロメロは録音当時30代前半。切れ味のある技巧で、特に1楽章、3楽章では随所に出てくるフラメンコ風のパッセージを華麗に弾きこなしている。トローバの指揮とイギリス室内管弦楽団のバックも安定していて、情熱的かつ抒情的な曲想をやや控え目に支えていて、実に好ましい。


ロメロではないが、参考に第3楽章の音源を貼っておく。あまり感心できる内容ではないが…



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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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