モンテヴェルディ ガイストリッヒ・コンツェルテ
猛暑の日曜も暮れる頃。つい一時間ほど前に午睡から覚め、熱い珈琲で目を覚ましたところだ。きょうも一歩も外へ出ず、終日エアコンのお世話になって自室にこもって終わった。ぐうたら生活ますます極まるの感有りだなあ…明日からまた仕事だというのに。


さて、少しは気分を引き締めようかと音盤棚を探索。写真の盤を取り出した。恥ずかしながら40年も音楽を聴いているのに、モンテベルディがルネサンスからバロックへの移行期に活躍したイタリアが作曲家であること程度の知識しかなく、まとめて聴いたこともなかった。以前も書いたがネットで知遇を得た方からLP盤をまとめて譲っていただいた中に、モンテベルディや同時代の宗教曲の盤がいくつかあることは確認していたが、これまで針を落としていないことに気付き、そういえば的に取り出した。収録曲は以下の通り。モンテベルディがサン・マルコ寺院の楽長だった頃、17世紀半ばに書かれた「宗教的・倫理的森」を称される作品群から取られている。
・よろこべ、シオンの娘よ
・主をおそれる者は幸いである
・天よ、声を聞け
・もろもろの国よ、主をほめたたえよ
・聖母マリアに栄光あれ
・天においては神に栄光あれ
多くのぼくら世代の音楽愛好家同様、バロック期やそれ以前の音楽には高校時代からNHKFMの朝の番組で親しんではいた。モンテベルディの名ももちろん番組にも出てきたし、有名な「聖母マリアの夕べの祈り」や「マドリガーレ集」などはその後も何度か耳にしているから、こうしてあらため聴いてみてもまったく違和感はなく、初期バロック風の作風と宗教的雰囲気を楽しむことができる。
特にこの盤に収録された曲は宗教典礼に従ったミサ用の曲でなく、様々な舞曲や華やかなヴォカリーズなど、世俗的要素や初期イタリアオペアの要素も取り入れられていて理屈抜きに楽しい音楽だ。
このアルヒーフ盤で指揮をとっているユルゲン・ユルゲンスはこの分野で有名な指揮者で、60年代に多く宗教曲の演奏を残している。通奏低音のメンバーをみると、リュートにオイゲン・ドンボワ、キタローネにミヒャエル・シェーファーの名があった。
通奏低音といえば、昨年から少しお付き合いのある古楽器奏者;竹内太郎さんのHPに興味深い記事があった。竹内さんはロンドンを本拠地に活躍しているリュート・ギター属の古楽器奏者で、たまたまこの7月に帰国してサントリーホールでモンテベルディの「聖母マリアの夕べの祈り」の演奏に参加したとのこと。そのときの様子が2012年7月18日の日記に記されている。これを読むをヨーロッパでの古楽演奏経験豊富な竹内さんがみた日本の演奏スタイルの特徴がよく分かって興味深い。その後、竹内さんとメールをやり取りしたのだが、やはり400年の歴史に支えられた現地での古楽演奏と、古楽スタイルをようやく模索しだした日本との差は大きく、それを埋め合わせるよりは、日本には日本の古楽スタイルがあっていいのではないかという結論になった。
ぼく自身も前古典からバロック期、それ以前の音楽の大きな森にはいずれ踏み込みたいと思っているのだが、その森の大きさと深さを前にいささか躊躇している。
楽しいマドリガーレ。Damigella tutta bella;邦題は「きれいなおネエちゃん」というところか。
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