クレンペラーのワーグナー・アルバム <2>


週末金曜日そして8月も終わり。今年も3分の2が過ぎたというわけだ。月日の進みは、早く終わって欲しいことを考えていると遅いし、続いて欲しいことを思っているとあっという間に過ぎてしまう。四十代になった頃は月日の進みが早く、歳を取ったせいだと思っていたが、最近はまた時間の経過が遅く感じられるようになった。若返ったわけではないので、早く終わって欲しいが中々終わらないことが増えたためだろう。つまりは、あまり楽しいことがないということですなあ。はいはい。


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…で、クレンペラーの続き。ワーグナー管弦楽曲集の第2集。収録曲は以下の通り。第1集と同時期の1960年から61年にかけて録音されている。ライナーノーツによれば収録場所はキングスウェイホール。昨日の第1集もあらためて確認したことろ、アビイ・ロードスタジオではなくキングスウェイホールと記されていた。つまり昨日の記載は大間違い。スンマセン、訂正&お詫びであります。但し、きのう短めの残響と書いたが、その印象は変らず、ホールトーンを控えめにして各パートの明瞭度を確保しようという意図がうかがえる。

1. 楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕の前奏曲
2. 楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第3幕より”徒弟たちの踊りと親方たちの入場”
3. 楽劇「ラインの黄金」より”ワルハラ城への神々の入城”
4. 楽劇「ワルキューレ」より”ワルキューレの騎行”
5. 楽劇「ジークフリート」より”森のささやき”
6. 楽劇「神々の黄昏」より”ジークフリートのラインの旅”
7. 楽劇「神々の黄昏」より”ジークフリートの葬送行進曲”
8. 楽劇「パルジファル」より第1幕への前奏曲

相変わらず極めて重厚かつクリアな曲作りで、ワーグナーの複雑なスコアに書かれた音を団子にして放り投げるのではなく、一つ一つ分別収集して精緻に並べ直したような演奏だ。精緻に並べたというと、整然としているだけで盛り上がりに欠けるように思われそうだが、そうではない。<重厚かつクリア>という、通常は相反しそうな二つの要素を両立しているところにクレンペラー&フィルハーモニア管の素晴らしさがある。この第2集に関していえば、ニーベルンクの指輪から取られた曲に関して抜粋上(曲の切り出し)の不満があるにはあるし、いくつかの曲はやはり歌も入ってほしいと思ってしまう。それでも「ジークフリートの葬送行進曲」だけでもそうした不満を補って余りある演奏だし、マイスタージンガーやパルジファルは独立した前奏曲なのでその違和感はない。
マイスタージンガーは出だしから悠然としたテンポで始まり、途中更にテンポダウンして一層スケールが大きくなる。こういうテンポ設定になると、オケ側にも精神面・体力面共に相当な負荷がかかるはずだ。フィルハーモニア管の各セッションはそんな不安をまったく感じさせずにクレンペラーの要求に応えていく。そしてそうした音楽を克明に捉えた録音技術もたいしたものだ。

マイ・プリウス号のカーステレオは特別なチューニングなどしていないありきたりの純正オプション。そんな装置で聴いていると録音の全容など分かるはずもない。低音は60~100Hz付近がボコボコ鳴って不明瞭だし、走行音の邪魔もあるのでピアニシモのニュアンスを十分聴き取ることも出来ない。それでもクレンペラーの骨格のしっかりした設計図と、それをクリアかつ量感や力感も十分に実現するオケや録音の素晴らしさはよく分かる。もちろん帰宅してフルサイズのオーディオセットで聴くスケール感と細部の明瞭さは別格だ。
クレンペラーのCDはEMIから度々再発売されているが、その都度カップリング内容が変わったり値段も上がったり下がったり。紹介した盤も2006年に『EMI CLASSICS 決定盤1300』という廉価盤シリーズで出たが、すでに廃盤のようだ。EMIにはぜひ発売当初のオリジナルジャケットとオリジナルカップリングでまとめて復刻してもらいたい。クレンペラーのボックスセットなら十分セールスも期待できると思うがどうだろう。


この録音のLP盤で聴くワルキューレの騎行



こちらも立派なワルキューレ 昔ケンブリッジ・バスカーズ、今クラシック・バスカーズ



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クレンペラーのワーグナー・アルバム <1>


きょうも暑い暑い…。朝の出勤時間帯は薄い雲が広がっていて陽射しもなく、きょうは暑さもほどほどか思っていたが、昼前には太陽をさえぎっていた雲もなくなり気温上昇。結局35℃超えの猛暑日となった。アメダス画像をみると全国で当地北関東の平野部だけに35℃超えの赤マークがあった。それでも朝晩はあちこちで虫の音が聞こえ始めているから、季節が変わり始めていることだけは確かだ。いましばらくの辛抱ですね。
このところ相変わらずまともに音楽を聴くことが少ない。毎晩1時間程度の時間は取れるし、爆音はともかく音楽を違和感なく聴く程度の音量を出しても文句は出ない。聴き始めれば長いシンフォニーも最後まで聴き通すのだが、その手前で最後のひと押しが働かない。傍目には中々魅力的な音盤を前にその気にならない…。音盤更年期、音盤倦怠期…てな感じかな。そんな訳で前回の記事同様、きょうも通勤車中リスニング。ちょっとガッツリ聴いて音盤更年期を乗り越えようかと、こんな盤を持ち込んだ。


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                     <EMIアビイ・ロードスタジオ>

オットー・クレンペラー&フィルハーモニア管弦楽団によるワーグナー・アルバム。LP時代から繰り返しリリースされ、CD時代になっても何度か再発されている。EMIはこの十数年間にHS2088やらARTやら何度かデジタル化のマスタリングプロセスを変えている。手元のこの盤は2006年に廉価盤で出たときのもので24bitリマスタリングと記されていている。録音は1960年、同時代にビートルズの録音でも使われたEMIアビイ・ロードスタジオ。ワーグナー管弦楽曲集<1><2>と二つのアルバムにワーグナーの主要な管弦楽曲が収録されている。Vol.1のこの盤の収録曲は以下の通り。

1. 歌劇「リエンツィ」序曲
2. 歌劇「さまよえるオランダ人」序曲
3. 歌劇「タンホイザー」序曲
4. 歌劇「タンホイザー」第3幕の前奏曲 “タンホイザーの巡礼”
5. 歌劇「ローエングリン」第1幕への前奏曲
6. 歌劇「ローエングリン」第3幕への前奏曲
7. 楽劇「トリスタンとイゾルデ」より前奏曲と“愛の死”

演奏は今更くどくど駄文を連ねる必要もない評価の高いもの。きょう車中のカーステレオという悪条件下ではあるが、少しボリュームを上げて聴いてみて、あらためて感心した。まず音楽の捉え方が整然としていて実際の音作りも極めて明晰だ。ドイツ人指揮者によるワーグナーという言葉から想像するイメージからは遠い。もちろん重厚な音の積み重ね、悠然としたテンポ設定などはいかにもドイツの権化;ワーグナーに相応しい。しかし決して混濁せず、熱気で押し切るようなところがない。晩年のイメージから独墺系の重鎮をイメージするクレンペラーだが、若い頃は現代音楽を積極的に取り組んだというから、音楽の基本的な組立ては明快で冷静なのだろう。リエンツィ、オランダ人、タンホイザーと3曲続けて聴くだけで、クレンペラーの特質、音楽作りの方向性はよく分かる。

またこの盤はリマスタリングの成果もあるのか音質も良好。各パートの分離がよく、一つ一つの楽器やパートが糸を引くようにきれいに分離してピックアップされている。残響は大ホールのそれと違っていて、EMIアビイ・ロードスタジオのやや短めのエコーが付いてくる。このあたりの録音条件も明晰な音楽作りにつながっているように思う。更にクレンペラーの指示でヴァイオリン群の対向配置をとるフィルハーモニア管の演奏能力も極めて高い。弦楽群のソノリティーはよく整っているし、オーボエなど木管群の音色も印象的だ。また時折繰り出すホルンの強奏も迫力十分だ。このオーケストラの創設者ウォルター・レッグが腕利きのミュージシャンを集めただけのことがある。

ワーグナー・アルバム数々あれど、このクレンペラー盤はフルトヴェングラーやクナッパーツブッシュなどとはまったく異なるアプローチながらも、ドイツ的な重厚さを存分に味わえる名演だ。


この盤の音源。タンホイザー序曲



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アルゲリッチ&チョン・ミョン・フン シューマン ピアノ協奏曲


当地北関東は相変わらず厳しい残暑。朝晩はいくらか涼しくなった気もするが、日中は連日猛暑日の35℃超えが続いている。北関東の熊谷・館林・伊勢崎・前橋など、近年暑さで名をはせるようになった。他の地域在住の方には北関東といってもイメージがわかないだろうが、地図でみたとき緑色の広い関東平野の左上辺りといえばいいだろうか。海から遠い内陸、東京都心部で発生した熱が関東平野を対流してちょうど北関東に熱気が降りてくる…いろんな事情が重なって暑くエリアになっているようだ。きょうも仕事を終え、まだ暑さいえぬ夕暮れ時の帰宅ドライブの車中、こんな盤を聴きながら36キロの帰途を急いだ。


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アルゲリッチのピアノ、チョン・ミョン・フン指揮のフランス国立放送フィルハーモニーの演奏するシューマンのピアノ協奏曲。2001年12月パリ・シャトレ劇場でのライヴ録音で、2008年にタワーレコードの企画物廉価盤として発売された。
シューマンのピアノ協奏曲はロマン派のピアノ協奏曲の中では好きな曲の一つで、古くはリパッティとカラヤン&フィルハーモニア管から、70年代のリヒテルとマタチッチ&モンテカルロ歌劇場管、デ・ラローチャとコリン・デイヴィス&ロンドン響、同じアルゲリッチでロストロポーヴィチ&ワシントン・ナショナル交響楽団との盤などが手元にある。

さてこのシューマン。アルゲリッチとチョン・ミョン・フンの組合せと聞けば何となくイメージできる印象があって、実際のこの演奏はそのイメージ通りといったらいいだろうか。アルゲリッチのピアノはちょうど彼女が還暦を迎えた時期とは思えないほど生気に満ち、鋭いタッチから生まれる音は彼女のイメージそのままに奔放に空間に解き放たれる。ロマン派の曲だからそうした自由さも違和感はないし、彼女が得意としていたこの曲では、全編鋭く切り込むフレージングとスリリングな展開に、聴く側も思わずハッとして手に汗握る。

第1楽章は出だしのピアノとオケのトゥッティが緊張感のある音と付点のリズムで出たあと、オーボエが奏でる主題がテンポを一気に落として奏される。その音色とテンポチェンジが素晴らしい効果を上げている。以降もアルゲリッチの切れ込みよいピアノとそれに拮抗して対等に渡り合うオケ。程よい伴奏に終始しがちなオーケストラパートに、こんなフレーズがあったのかと何回もハッとするほどチョン・ミョン・フンの読みは深い。第2楽章でも終始オーケストラパートが雄弁で、特に例のチェロが繰り出すテーマなど、テンポを遅くとって息の長いフレージングで聴かせ、まるでマーラーの緩徐楽章かと思うほどのロマンティックな歌いぶりだ。第3楽章アレグロ・ヴィヴァーチェもピアノとオケの競い合いが素晴らしい。時折アルゲリッチが多分リハーサルでは確認していなかったような急激なアチェルランドをかけ、オケがそれに反応し切れずにヒヤッとする部分があったりする。躍動するリズム、終盤で奏される滑らかなスケールは僅かなタイミングの中に加速し緊張を高めていきながら、ピアノとオケが一体となって曲を盛り上げる。終演後の万雷の拍手も収録されていて、ライヴ盤を聴く醍醐味を堪能できる。

この盤、もちろんアルゲリッチのピアノが主役だろうが、チョン・ミョン・フンの譜読みの深さとそれに応えるオーケストラの素晴らしさも賞賛に値する。併録されているシューベルトの未完成も感動的な演奏だが、これについてはまた日をあらためて取り上げよう。


この盤の音源。第3楽章。1分30秒前後、一瞬ヒヤッと…



シャイー&ライプツィッヒゲヴァントハウス管との第1楽章前半



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ウィーンのシュランメル音楽


きのう土曜は野暮用あって午後から外出。出先で夕飯を済ませて帰宅後またもソファで爆睡してしまった。せっかくの週末の晩を何もせずに惰眠をむさぼり後悔しきり。気を取り直して熱いお茶を入れて一服し、何か夜明けどきに相応しい音盤はないかと探して、こんな盤を取り出した。


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19世紀後半にウィーンで流行ったシュランメル音楽のCD。シュランメルについてはこちらの解説をみていただくのが手っ取り早いが、音楽そのものは多くの日本人にも耳に馴染みがあるはずだ。新年のニューイヤーコンサートで演奏されるウィーナワルツがオーケストラによる表舞台の音楽とすれば、シュランメル音楽は小規模アンサンブルによって演奏され、カフェや酒場でウィーンの市井の人々に愛された音楽だ。曲目は仔細に紹介する必要のない盤だと思うが、シュランメル音楽という名の元になったシュランメル兄弟の作品を中心に、ときに楽しくときに哀愁に満ちた曲が並んでいる。
ウィーンと言えばクラシック音楽ファンなら一度は訪れたい街の一つだ。四半世紀も前のことになるが、ぼくも一度ウィーンに遊びに行ったことがある。ムジークフェラインではウィーン交響楽団を2回聴き、国立歌劇場ではヴェルディのシモン・ボッカネグラを観た。何度が入ったカフェではこの盤のようなシュランメル音楽やシュトラウスのワルツなどを情緒たっぷりに演奏していたのを思い出す。同時のそうしたウィーン風の音楽や街の様子に、東ヨーロッパやジプシー民族の雰囲気を色濃く感じた。ウィーンの街で、ヴァイオリン2、G管クラリネット(またはアコーディオン)、バス弦付きギターという昔ながらの編成で、今でも広く親しまれているシュランメルの音楽にはそうした雰囲気がダイレクトに感じられる。




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このブログについて <再々掲載>


このところ新規アクセスの方が増えているようなので、以前書いた記事を再度アップしておきます。
ブログが持つ性格上、だいたいはアクセスした当日の記事を読む。過去の記事にさかのぼってみたり、あるジャンルの記事を拾い読みすることも少ないだろう。従って、このブログを定期的に読んで下さっている方も、開設当時からの一部の方は別として、他の方は初めて来たとき以降の記事を見るに留まっていることと思う。そこできょうは過去にどんな記事を書いているかをブログの機能であるカテゴリー分類に従って思い出してみることにした。もしこのブログにアクセスしたときに更新していなかったら、更新しろッ、このボケッ!と言わずに、過去の記事をぽつぽつ読んでもらえるとうれしい。


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ついでにこのブログのタイトル『六弦音曲覗機関(ろくげんおんぎょくのぞきのからくり)』についてひと言。由来は江戸時代の歌舞伎の外題による。河竹黙阿弥が江戸末期の文久2年に作った『勧善懲悪覗機関(かんぜんちょうあくのぞきのからくり)』という世話物狂言がある。今ではほどんど上演されないが、この外題の覗機関(のぞきのからくり)という表現が妙に新鮮で拝借した次第。この外題に6本の弦を持つギター=六弦と音楽=音曲とをくっつけたタイトルだ。若い頃は歌舞伎も好きで、NHKの中継は欠かさず観たし、群馬の田舎から歌舞伎座や国立劇場の立見席へも幾度となく通った。20代の頃の話だが。

以下はブログの右側にあるカテゴリー選択で選べる記事の分類。カッコ内はこれまでの記事の数(2012年8月中旬時点)。カテゴリーを選ぶとその分類の記事が順番に出てくる。画面の下までいくと<次のページ>が選択できるので、そこをクリックすると更に過去の記事へ飛ぶ。このブログの基本はクラシックを中心とした音盤鑑賞記。従ってクラシック分野のカテゴリーだけは雑誌やCD・レコードの分類慣習に従ってやや細かく分けている。


◆ギター (61)
ブログタイトルである六弦=ギターについての記事。多くはギターのレコード・CDを聴いてのアレコレ。YouTubeで見つけた演奏などもときどき貼っている。
◆楽器 (24)
自分の楽器や友人の楽器の紹介、楽器弾き比べ、ギター製作家の工房訪問記など。ギター工房訪問記でこれまで登場したのは、田邊雅啓、西野春平、松村雅亘、廣瀬達彦、一柳一雄/邦雄、中山修。訪問したもののまだ記事にしていないのは野辺正二、庄司清英など。
◆クラシック一般 (6)
クラシックは下記のジャンルごとに分類しているが、この分類はそうしたジャンルに入れられないもの、あるいは話のついでにクラシックのことを記したものなど。
◆ジャズ(53)
ジャスも好きでよく聴いている。お気に入りの音盤紹介。ジャズウーマンのジャケ買いもしばしば。
◆ポピュラー (11)
フュージョン、ロック、映画音楽など。
◆オーディオ(9)
オーディオについてはもっと書きたいこともあるのだが…
◆指揮者 (60)
好きな指揮者、気になる指揮者、??な指揮者など、オーケストラ作品を指揮者への興味から取り上げたもの。オーケストラ曲を聴いていると、どうしても指揮者の解釈、オケのコントロールといったところに興味が行き着く。
◆歌謡曲(14)
本当はもっと書きたいカテゴリー。手元には昭和歌謡のドーナッツ盤約200枚、LPも100枚ほど有り。
◆日々の出来事(34)
音楽に直接関係のない話題。
◆北欧(4)
2003~2006年に仕事で何度か行った北欧の思い出。現地オーケストラ体験など。しばらく書いていないもの、あと10本くらいはネタあり。
◆演奏録音(6)
下手くそな演奏をアップ。mixi仲間との19世紀オリジナルギターによるアンサンブルなども。

―以下はクラシック音盤の一般的分類に従ったカテゴリー分け-
◆交響曲 (31)
◆管弦楽曲(29)
◆協奏曲 (30)
これら3つの分類は、指揮者による分類よりは曲そのものへの興味から取り上げたもの。協奏曲の場合は曲自体とソリストへの興味もある。
◆室内楽(38)
2つ以上の楽器よるアンサンブル。チェロやヴァイオリンの独奏でもピアノ伴奏がある場合はここへ分類。
◆器楽曲(56)
ピアノ独奏、ヴァイオリンやチェロの無伴奏のもの。
◆声楽曲(8)
いかに声楽ジャンルを聴いていないかが分かる。

…というわけで、こうして分類とその記事の数をみると、おおよそ今の自分の音楽への興味を映し出している感じがする。これからも偉大なるマンネリズム目指し、かつ硬派をよそおいながらやっていきます。みなさん引き続き、アクセス・コメント・拍手・バナークリック、諸々ヨロシクです。


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アルゲリッチ 1978&1992年コンセルトヘボウ・ライブ 協奏曲編


お盆休みが終わり仕事再開。午前中は休み中に溜まったメールの処理、月曜定例の会議、午後はちょっとした打合せと、休み前からの懸案事項の調整ほか。いつものことだが長期休みのあとの初日は何となく一日が長く感じる。


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さて昨日の続きで、アルゲリッチのコンセルトヘボウでのライヴ盤を取りあげる。
きのう書き忘れたが、このライヴシリーズは共に十年ほど前にEMIからリリースされた。国内盤も出たと記憶しているが、手元にあるのは輸入盤。おそらく幾らか安かったのだろう。
昨日のソロ・リサイタルから転じてきょうの盤は協奏曲が二つ、モーツァルトの第25番とベートーヴェンの第1番が収録されている。モーツァルトはシモン・ゴールドベルク指揮オランダ室内管弦楽団、ベートーヴェンはハインツ・ワルベルク指揮のロイヤル(アムステルダム)コンセルトヘボウ管弦楽団(RCO)が伴奏を付けている。それぞれ1978年、1992年のライヴ録音。

仔細に調査したわけではないので曖昧だが、アルゲリッチのモーツァルト録音はそう多くはなかったはずで、この25番もこれが唯一ではなかったか。ハ短調の傑作第24番と、第26番『戴冠式』、最晩年の白鳥の歌とでもいうべき第27番、それらの間にあって、この25番ハ長調は華やかで相応の規模の曲ではあるが、演奏に接する機会はそう多くない。アルゲリッチのピアノで聴くとこの曲は一層豪華で、ときにアグレッシブでさえある。特に第1楽章は少々構えが大き過ぎるとさえ思えるほどだ。伴奏を付けているゴールドベルク指揮オランダ室内管弦楽団がいささか非力に思えるほどで、アルゲリッチのソロが少々浮いている感さえある。中では第3楽章のロンドが軽やかで、オケとのマッチングも悪くない。
一方ベートーヴェンは録音年代の違いによる音質差や編成の違いもあるが、さずがにオケ(RCO)が格違いに立派で、アルゲリッチのピアノもそれとバランスし、よく調和している。第1楽章でもアルゲリッチのピアノに力ずくのところはなく、上質のオケのバックを受けて、余裕をもって自在に弾き、楽しんでいるといった感じだ。この第1番はベートーヴェン二十代の作品で、よくモーツァルト的な作風と言われるが、あらためて聴くと、展開部など後年のベートーヴェンらしさが十分うかがえる。アルゲリッチの相性としては、モーツァルトよりは格段に良く、生き生きしかし過ぎずに弾いていて好ましい。

ところで話はアルゲリッチから離れるが、この盤の指揮をとっている二人は共に日本との関係が深い。シモン・ゴールドベルクは山根銀二(その昔、岩波新書の「音楽美入門」や「音楽の歴史」を何度も読み返したものだ)の姪;山根美代子と結婚し、晩年は立山が望める富山県大山町のホテルで過ごし、そこで没した。またベートーヴェンを振っているハインツ・ワルベルクは度々NHK交響楽団に客演し、日本のファンにはお馴染みだった。


小澤と協演したベートーヴェンのP協第1番;第3楽章の冒頭2分ほど。オケはバイエルン放響。1983年。



1949年アルゲリッチ8歳のときの演奏。公式の場で初めて弾いた協奏曲とのことだ。同じベートーヴェン。



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アルゲリッチ 1978&1979年コンセルトヘボウ・ライブ


週末二回を含む九日間の休みは、またまた近親者が急遽入院の憂き目となり、その対応であたふたと終わった。さて明日は久々に出社し仕事再開だ。すでに八月も下旬。ほどなく九月の声を聞き、そのまま年の瀬まで突っ走るのかなあ…。 そんなことを考えながら音盤棚を見回し、脈絡なくこんな盤を取り出した。アルゲリッチがコンセルトヘボウで開いたソロリサイタルのライヴ盤だ


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1978年といえばアルゲリッチは30代後半。80年代に入るとソロ活動から室内楽活動に軸足を置くようになる前の、名実ともピアニストとしてその絶頂期だったといってよい。この盤からも、バッハから近現代に渡る多彩なプログラムで自信のほどが伺える。収録曲は以下の通り。

 J.S.バッハ;パルティータ 第2番ハ短調BWV.826
 ショパン;ノクターン 第13番 ハ短調 作品48-1
 ショパン;スケルツォ 第3番 嬰ハ短調 作品39
 バルトーク;ピアノ・ソナタ Sz.80
 ヒナステラ;アルゼンチン舞曲集 作品2 第1~3曲
 プロコフィエフ;ピアノ・ソナタ第7番変ロ長調作品83「戦争ソナタ」
 <アンコール>
 D.スカルラッティ;ソナタ ニ短調 K.141=L.422
 J.S.バッハ;イギリス組曲 第2番 イ短調 BWV.807よりブーレ

実際のライヴの曲順とは異なるだろうが、この盤1枚を最初から聴くと、まさに一夜のコンサートを楽しむ気分になる。冒頭のバッハ;パルティータはコンサートの開始に相応しく、穏やかなタッチで静けさをたたえて始まる。特に第1曲のシンフォニアは実に控え目で抑えた表現が美しい。組曲の後半になって次第に音楽の温度感が高くなり、サラバンドのあとのロンドからカプリチオへはアタッカで入って一気呵成に弾き切るあたりは、いかにもアルゲリッチらしいところだ。次ぐショパンの2曲でぐっと音楽の密度が上がる。ノクターンでも決めどころの和音は重量感にあふれたタッチでずっしりと響かせる。スケルツォ共々、軽いロマンティックなショパン風情ではない。バルトークはプログラムとしたら休憩前の前半最後の曲という位置付けになるだろう。後半に置かれたプロコフィエフのソナタ共々、キレにいいリズムとタッチとライヴのノリの加わって音楽をドライブする力にあふれる素晴らしい演奏だ。彼女と同郷のヒナステラは小品3曲だが、『粋な女の踊り』と称する第2曲でのブエノスアイレスの冷たい夜の気配と官能を感じさせるような抒情から、第3曲『やくざなガウチョの踊り』での複雑なリズムの高速処理まで、その描き分けが素晴らしい。

ぼく自身はアルゲリッチの特別なファンではないが、こうして彼女のソリストとしての絶頂期とも言える時期の録音を聴くと、当時多くのファンが圧倒され、熱狂した理由が分かる。


この盤でアンコールとして弾かれているスカルラッティのソナタ



以前も貼ったアルゲリッチ若き日の記録



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プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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