久々に楽譜チョイ買い


本日も音盤ネタにあらず…です。
例によって<夕食後に爆睡、気付けば丑三つ時>という週末シフトで深夜3時のこんな時刻に覚醒。オメザの珈琲をあいにく切らしていて、仕方なく渋茶で一服。昨日買ったCDから若杉弘&ケルン放送交響楽団のブラームスを聴きながらPCに向かっている。悲劇的序曲、続いてシェーンベルク編のピアノ四重奏第1番の管弦楽版が続く。音楽の骨格と組立がしっかりしていて、一方響きはよく整い引き締まっていて素晴らしい演奏が展開している。この盤についてはいずれまた記事に書こう。


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さてきのうの土曜日、昼前後に出かけたついでに田舎の当地市内では大きめの書店に立ち寄った。特に目当てがあったわけでもなく、この手のロードサイドショップにお定まりのようにある楽譜コーナーを覗いてみた。たまにはオーケストラスコアでもと思って棚を見回すと見慣れないミニチュアスコアがあってその中にヴィラ・ロボスのギター協奏曲を見つけて思わず手に取った。スタディスコアというシリーズでヤマハから出ているものの1冊。発行はプリズム社でヤマハが発売元として扱っている。中々ユニークな品揃えで、カリンニココフの交響曲やベートーヴェンのピアノ協奏曲の室内楽版などがリストされている。ポケットスコアよりは大きめで楽譜自体もきれいで見やすい。手にしたヴィラ・ロボスのギター協奏曲は以前はコパカバーナ協奏曲と呼ばれていたが、最近はあまり演奏されないのだろうか。たまたま昨日、隣り町でギター指導をしてるA先生にお会いして際この曲の話になった。日本での初演は、ギター弾きにはバッハ無伴奏チェロのギター版でよく知られた小船幸次郎が横浜のオーケストラを振り、京本輔矩の独奏で行われ、京本門下だったA先生はその演奏会にも居合わせたとのこと。さらにそのとき京本輔矩が日本で初めてホセ・ルビオのギターを使ったそうだ。1970年前後のことだろうか。

楽譜コーナーのクラシックギターと書かれたセクションにはギター譜が申し訳程度に並んでいて、その中に阿部保夫・恭士編の<新版>バッハ選集があった。初版は1976年に出ていて、当時バッハの主要作品がまとめて収録された手軽な実用版として人気があった。手元にも当時のものがあるのだが、だいぶくたびれて落丁し始めていることや、新しい版では全面的に改訂したと記されていたのでどんなものかと買ってみることにした。ついでにあたりを見回し、ドヴォルザーク;チェロ協奏曲のポケットスコアとギロックのピアノ譜から<叙情小曲集>を一緒にレジに持っていった。ドヴォルザークは時々聴く曲だし、学生時代にはマンドリン楽団に所属していたこともあって、この曲をマンドチェロで挑戦した記憶もある。ギロックはピアノ譜での初見練習と何かギターで弾けそうな曲があればアレンジしようかと思って選んだ。

楽器がハードウェア、楽譜がソフトウェア、その両者を適切に選んでうまく再現することで音楽が成立する。このところ少々ハードウェア指向が強すぎたこと、安直に弾き散らかし過ぎたことを省みて、ソフトウェア重視を心がけようと思うことしきりだ。


ブリームのソロでヴィラ・ロボスのギター協奏曲第1楽章



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久々にCDチョイ買い


きのう金曜日は午後から横浜でちょっとした打合せ。3時過ぎには無事終了。週末でもあるし、時間も早かったので、駅前の横浜モアーズ内にあるタワーレコードに引っかかり、久々にCDをカバンにつめて帰途についた。


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釣果は以下の通り。写真左上から時計回りに…
(1)ジョージ・セル&クリーヴランド管弦楽団 ブラームス交響曲全集
(2)ノイリントン&ロンドン・クラシック・プレイヤーズ ベートーヴェン交響曲全集
(3)ヴァレリー・アファナシエフ ショパン ノクターン集
(4)若杉弘&ケルン放送交響楽団 ブラームス=シェーンベルク;ピアノ四重奏曲第1番他
(5)ギュンター・ヴァント&北ドイツ放送交響楽団 ブルックナー交響曲第8番

(1)セルは好きな指揮者の一人だが、手持ちの盤は意外に少ない。ブラームスも第3番があるだけでいずれ機会があればと思っていたところに最近CBSソニーが1988年以来久々にブラームスをまとめてリリースした。セルのアルバムはLP時代には廉価盤で随分出ていたが、CD時代になってからは意外に手に入りにくい。
(2)ベートーヴェンの交響曲全集は一体何組あるのか。10数セット以上手元にあるのだが、ピリオドスタイルの演奏がなく、何か適当なものを思っていたところにこの盤を見つけた。ノイリントンが80年代後半から90年にかけて当時の手兵;ロンドン・クラシカル・プレイヤーズと録音したもの。交響曲の他にメルヴィン・タンがソロを受け持ったピアノ協奏曲全5曲も入っている。7枚組で2千円の格安ボックスセット。
(3)最近よく聴くアファナシエフ。マズルカ集がよかったので同じショパンのノクターン集も買ってみた。
(4)若杉弘<写真>が2009年夏に74歳で急逝してからもう3年になる。日本人指揮者で海外の歌劇場で本格的に活躍した最初の指揮者だった。ブラームス;ピアノ四重奏のシェーンベルク編曲版はブラームスの5番目の交響曲と呼びたくなるほどの充実したアレンジ。この盤では1978年のライヴ演奏が収められている。
(5)90年代後半から2000年頃ギュンター・ヴァントの晩年の人気は異常なほどだった。ぼくは70年代から知っていたが、90年代初頭の指揮者名鑑のたぐいには名前さえなかったほどだ。それがカラヤンやベーム、バーンスタンなどの20世紀の大物が物故したあと、急にメディアの注目を集め始めて人気が出た。この盤は1990年来日時のサントリーホールでのライヴ。2枚組990円。
しめて14枚8千円也のお買い上げ。ノイリントンも格安ボックスセットだが、Altusレーベルが990円で投売り状態。20世紀の巨匠達の来日公演などNHK所有の貴重の録音が並んでいる

今回は硬派クラシックのみ。ジャズコーナーもちょっと覗いて、実はこんな盤を思わずジャケ買いしそうになったのだが、思いとどまった。その代わりといってはなんだが、YouTubeの音源を貼ってお茶を濁そう。

矢野沙織 ニューアルバム<Answer>収録風景



元曲を正調石川さゆりで。



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オーガスチン弦の怪?!


本日はギター愛好家限定の話。それも少々込み入った話になる。
知らなかったのは、この私だけか…

◆ 黒・赤・青の高音弦はまったく同じもの
ギター用ナイロン弦の元祖;オーガスチン社の弦には古くから黒・赤・青のパッケージがあり、この順番でテンションが強くなる…というところまでは70年代からの共通認識であったと思うが、実はこの3種類の高音弦はまったく同じもの。テンションの違いはそれぞれの低音弦の違いだということに1年ほど前に気付いた。このことを話すと多くのギター弾きから「えっ?そうなの」と言われる。


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最近オーガスチン弦の黒・赤・青はダダリオ社プロアルテ弦の様なパッケージに変り、裏面には弦のゲージが記されている。高音弦の数字は3種類とも同じ。販売店でのバラ売り価格も同じ。同社のHPによれば、この3種に使われている高音弦は<Classic>と称し、ローテンションだと記されている。その上のテンションに<Imperial>があり、さらにその上に<Reagal>があるとも書かれている。一方低音弦には<Black><Red><Blue><Gold>がある。この低音弦<Black><Red><Blue>が高音弦<Classic>と組み合わされてお馴染みの3つのパッケージが出来上がっている。これは最近になってそうなったのか、昔からそうなのかはよく分からない。

高音弦の仕様
http://albertaugustine.com/trebles.html
低音弦の仕様
http://albertaugustine.com/basses.html

◆ 不良弦が多いと言われるが…
また不良弦と多いと言われるオーガスチンの高音弦だが、その理由は「音質重視のため、古いデュポンの成型機を使い続け、音程を整えるための研磨を一切していないからだ」とAria創業者;荒井史郎著「ギターに魅せられて」に書かれている。しかし、最近のオーガスチン高音弦をみるといくらか乳白色に見えて、完全なクリアナイロンとは違うように感じる。もしかすると音程確保の研磨工程が入っているのではないかと思ってしまう。それにそもそも弦自体の音程不良より、押弦時の力の入れ具合による音程の変動の方がずっと大きいと感じていて、私自身は音程に関してオーガスチンの高音弦を気にせずに使っている。中でも低音がほどよいテンションで鳴りもよい<赤>が私のお気に入りだ。


◆ 結局どうなのよ
この話、オーガスチン弦の黒・赤・青パッケージの高音弦は<Classic>という名のローテンション仕様でみな同じという件について決着をつけるべく、オーガスチン社のサポート宛にメールで問合せたところ早速返信があった。問い合わせた内容は「以前は黒・赤・青の高音弦はそれぞれ別物だったように記憶しとるが、いつから変ったんじゃい?」「ナイロンがやや乳白色に見えるが、以前はクリアで透明だったんちゃう?」という2点。以下がオ社からの返信だ。

Dear Maestro YOTA
Thank you for your message. No, the Classic trebles have always been the same. We merely added the information you saw online so that we might help our customers avoid confusion.
Also, we have not changed the Classic nylon formula, and yes, it is a bit milky. If you would like a crystal clear Augustine String, I suggest you try our Regal and Imperial trebles, coupled with your favorite Augustine basses!
Warm regards,
Stephen

…昔から同じだヨン。みんなが混乱しないようにサイトに追記したまでよ。仕様も変っていないヨン。クリアがよけりゃ、リーガルかインペリアル買ってチョ。…まあ、そんな内容だ。ちなみに国内ディーラー元締めの荒井貿易にも問い合わせてみた。以下が荒井貿易からの返信。

マエストロ与太様
お問い合わせいただきましてありがとうございます。
オーガスチン黒・赤・青の高音弦ですが、基本的に同じ物です。(リーガルはまた別です。)
これは以前からそうなのですが、オーガスチンがRED1弦などバラ弦もカラー別にパッケージを用意している事から別物という認識がされている場合が多いのが現状です。(当社も一時期まで別物という認識を持っていた時期もございました。)  色に関しましては、製造方法に関しては変更されておりませんので材料の微妙な変化だと思われます。ご参考になりましたら幸いです。

…基本的には同じ物です…<基本的には>少し前からよく使う常套句だが、じゃ<応用的には>どうなのよと突っ込みたくなるなあ。いずれにしても荒井貿易も気付かないで別物として扱っていたということがはっきりした。仕様についてもよくわかっていない様子。
そんなこととはつゆ知らず、長い間、大方の愛好家は黒・赤・青の高音弦は別物と思っていて、雑誌のコメントでもそれらしい表現があったり、我々もその違いを実感するような感覚を抱いてきた。クラシックギターの弦の評価に関してはオーディオ評論に近い、かなり怪しい世界のように思うことしきりだ。


◆ 更なる疑惑
その後同社のパッケージを見ていてまたぞろ疑問が出てきた。本当だとしたらかなりショッキングなので小声で言おう。実はオーガスチン高音弦<Classic>はダダリオ社プロアルテ弦のノーマルと同じではないだろうかと疑い始めている。そう思い始めている根拠は以下の3点。


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(1)パッケージが酷似
以前オーガスティンのセット弦パッケージは透明ビニール製の袋に入っていた。ところが1年程前からプロアルテのエコパッケージのような紙製の袋に入っている。しかもその形状、外形・切り欠き形状などがそっくりなのだ。但しパッケージの中の1本1本弦の包装は異なる。

(2)ゲージが酷似
プロアルテは以前からパッケージにゲージを表記している。一方オーガスチン弦はついこの間までゲージ表示をしていなかったが、(1)の紙パッケージになってから表示を始めた。インチ表示において小数第3位を四捨五入するとまったく同じ表記になる。

(3)弦の見た目が酷似
手持ちのデジカメで二つの会社の3弦を接写してみた。左からプロアルテ・オーガスチン、そして参考用にハナバッハの3弦を並べた。ハナバッハが完全なクリアナイロンなのに対して、プロアルテとオーガスチンはやや乳白色が混ざっていて、その度合いもほどんど区別できない。


以上3点。もちろんいくらでも異論は出るのは承知だ。以前に記事にも書いた通り、オーガスチン社は弦の仕様は昔から変えていないというのだが、どうもクサい。売れ筋の廉価ノーマル弦に限ってプロアルテとオーガスチンは共通仕様でコストダウンを図っているのではないかと。 もちろん音が違うという意見が山ほど出てくるだろう。品質が均一な楽器(例えば河野ギターやヤマハ辺り)を2本用意して、同時比較出来ればその判定も可能だろうが、オーディオのブラインドテスト同様、音の記憶に頼る判定は中々難しいと思う。
さて、あまりに単純な疑いか、ひょっとするとひょっとするのか…


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今宵はR50指定! 松坂慶子 夜明けのタンゴ


はい、金曜日。今週も五日間働きましたよ。
少し前まで暑い暑いの連発だった当地北関東も一気に秋本番。掛け布団もパジャマも冬仕様に。ぼちぼちアラジンストーブの出しましょうか。 秋の夜更けは渋くブラームスの室内楽かベートーヴェンの後期弦楽四重奏…というところだろうが、今宵は昭和歌謡で和もう。


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すっかり貫禄たっぷりの熟女となった松坂慶子だが、ぼくの記憶には1972年NHKの銀河テレビ小説で石坂洋次郎原作の『若い人』でデビューしてから10年ほどの印象が当然ながら強い。「夜の診察室」という桃色映画に出ていた時代のことは知らない。その後歌も歌って、テレビドラマの主題歌『愛の水中歌』がヒットした。手元にある『夜明けのタンゴ』はその路線にのったもの。流行った当時の記憶はあまりないが、YouTubeでみる彼女の姿に、そういえば的に思い出す。


夜明けのタンゴ



やはりこちらも…



Wikipediaを見ていたら、きょうは漫才コンビWけんじの宮城けんじの命日とあった。昭和40年代の演芸物は随分とテレビでみたものだ。そんなもの観ずに、いやいやながらでもピアノのおけいこでも通わされていたら、人生変っていたかもしれない。

Wけんじ


ことのついでに、これもイテマエ!


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デイヴィッド・ホワイトマン作 Newコンセプトモデル


ロンドン在住のギター製作家;デイヴィッド・ホワイトマンについては、以前彼のハウザー1世モデルの記事を書いた。そのハウザーモデルは1940年前後の1世の新作もかくやと思わせる出来栄えで、60年代半ば以降のハウザーとは異なる、よりスパニッシュな色合いを持つ楽器だった。 きょうはそのホワイトマンが今年になって完成させた楽器を紹介する。この楽器は今年2012年春に完成。元々米国のギター専門店へ納品予定だったが、訳あってぼくのところへダイレクトにやって来て現在も滞在している。


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昨今、ノーメックスシートをサンドイッチしたダブルトップにワッフル状(格子状)力木構造、強固な横裏板、更にレイズドフィンガーといった時流のコンセプトを盛り込んだギターは、その音量の大きさからプロのステージ用楽器とし重宝されている。
この楽器はホワイトマンが作る通常のラインナップとは異なるもので、最近流行のそうしたコンセプトを一部取り入れて作られている。写真にある彼自身のスケッチ通り、スプルース表板の力木に一部格子状構造を取り入れている。表板そのものは通常のギター同様の単板で特別薄くはないとのこと。横・裏板のうち横板はラミレス3世のようにシープレスの薄板を張り合わせている。また裏板はアーチ型ではないが構造をより堅固にするためだろうか、縦方向に2本の力木が走っているのが特徴的だ。パーフリングとヘッドには茶色のベースに斑点があるスネークウッドをあしらっている。ネックの仕込みは通常の角度、ブリッジもいたってノーマルな仕様だ。糸巻きには簡素な見かけながらリジットな使い心地のルブナー製が使われている。塗装はセラックの鏡面仕上げで、ぼくが今まで見たギターの中で最も美しいものの一つだ。

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ホワイトマンのHPのある、このギターの製作途中の日記から。
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肝心の音はどうだろう。
昨今の新コンセプトのギターは大音量が得られる一方で、音色に魅力がない、音色の変化が付けにくい、音量の割りに音が通らない、耐久性に乏しいといったネガティブな意見も散見される。このホワイトマンのギターはひと言でいえば、その構造通り伝統と革新がうまく調和し、伝統的なギターが持つ音色の魅力を保ちながら新コンセプト導入による音量拡大を実現しているといえる。音量だけなら以前弾いたサイモンマーティーに軍配が上がるだろうが、音量と音色を指先のタッチで制御して音楽を作っていく道具としては、マーティーは中々じゃじゃ馬で一朝一夕にはコントロールできない(この点が以前サイモンマーティーの入手を見合わせたポイントでもある)。その点このホワイトマンは明るく反応のよい音でタッチの強弱にもリニアに追従するのでコントロールしやすい。絶対的な音量はサイモンマーティーやスモールマンには及ばないものの、音に芯がありサステインも長く浸透力があるように感じる。弦のテンションはそう強い感じはしないし軽いタッチにもよく反応する。

中高音の音色は明るく、ちょっとマリンなどグラナダ系のギターを思わせる。低音のウルフトーンは目立たずG#あたりからFまでほぼ均等の音量感で、音色としてはドーンあるいはボーンではなく、芯のあるビーンに近い。弦高を通常よりも低くセットしてあるにも関わらず(6弦12フレットの弦~フレット間で3.5mm)、低音弦でビリつきはなく、弦の振動がうまく制御され有効にエネルギー変換されているのではないかと推察する。あえて難点をあげつらうとすれば、音全体に落ち着きとか深みといった要素があまり感じられない。またセラックの鏡面仕上げが美しい反面、ちょっとした扱いでくもりや荒れが出やすいことくらいだろうか。音の落ち着きや深みは作り出す音楽で実現すればいいし、デリケートなセラック塗装の状態が気になるなら時折メンテナンスすれば美しい鏡面はよみがえる。いずれも欠点というには当らないないだろう。また良く通る明るい音色と十分な音量は他の楽器とのアンサンブルで武器になりそうだ。そういえば最近の日本人プロギタリストの中にでも、ソロにはハウザーやロマニリョス系譜の楽器を使いながら、アンサンブルではより浸透力と音量感のある時流の楽器(レイズドフィンガーの桜井RFモデル等)を使う人も多いと聞く。まあ四の五の言って自宅で一人弾いていても音の評価は定まらない。いずれどこかでお披露目演奏したいと思っている。


きょう紹介した楽器と同時期に作られていたハウザーモデル



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ギターの手入れ 私的方法


ようやくというか、いきなりというか、先週末あたりから本格的に秋がやってきた。つい先日まで真夏日だ夏日だと言っていたのが嘘のようだ。特に夕方、陽が落ちる頃の光景は秋を実感する。日没時刻は早くなり、気温も一気に下がる。澄んだ西の空が赤く染まることも多い。三連休も好天に恵まれたが、出不精のぼくは相変わらずステイ・ホーム。ギターの甲羅干しに続き、きのうは一部のギターの弦張替えとクリーニングを済ませた。以下はぼくのやり方の紹介。あくまでごく個人的な方法と考え。他の愛好家にお薦めするものではありません。


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弦を外した際には楽器全体をクリーニングする。シリコンクロスやセーム革、マイクロファイバークロスなどで日頃から拭いていれば、それほど酷い汚れは付いていないだろうが、弦を外した際にはより細かなところまで拭く。河野ギター製作所の指南では、通常はシリコンクロス等で乾拭きし、汚れがひどい場合は水に濡らして固く絞ったタオルで拭いたあと乾拭きするのがよいとしている。あながち間違いではないし河野ギターのカシュー塗装ではそれが適切なのだろうが、塗装仕様によっては水分は避けたほうがいい。特にセラック塗装の場合は要注意だ。
ぼくの手元には複数の塗装仕様(ウレタン、ラッカー、セラック)のギターがあるので、汚れ落としと艶出し用に塗装仕様に関わらず使えるカルナバワックスを使っている。少量を塗り広げて白く乾いたら拭き取る。車のワックスがけと同じ手順だ。拭き取りにはグラス磨き用のマイクロファイバークロスを使っている。百均にあるマイクロファイバークロスでも効果は同じだろう。
皮脂が付きやすい指板はレモンオイルで汚れを落とし、ついでにフレットも手入れする。一般のフレットは洋銀製なので銀製品磨き用のコンパウンド入りクロスを使うと光沢がよみがえる。フレットを磨く際に指板をこすらないように最近写真ような道具を手に入れて便利に使っている。学生時代の製図の授業で使った字消し板のような金属製のもので、フレット間隔に合せて2枚セットで市販されている。指板部分をマスキングテープで覆ってももちろん構わない。


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ナットやブリッジも外して溝をきれいにして元に戻す。滅多にないが牛骨や象牙で出来ているナットやブリッジに割れやヒビがないかも確認する。写真はぼくの田邊雅啓作のギターだが、ナット・ブリッジとも左右(弦の低音側と高音側)でわずかに寸法差(テーパー)が付けられていて、溝に横から差し込んでぴたりと収まるように作られている。ギターの内部のホコリも取る。ぼくの方法はこうだ。ハンドタオルを軽く濡らしてよく絞り、それをサウンドホールから胴の中に放り込む。その状態で周囲に気を付けながら胴の中でハンドタオルが踊るように楽器を軽く振る。これで内部のホコリがタオルについてくる。サウンドホールから注意深く手を入れて直接拭き取るのも有効だが、くれぐれも内部の力木や構造体に過度な力を加えないよう注意する。


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クリーニングが終ったら弦を張る前に楽器の横裏板を軽くノックし、異音がないか確認する。表板も注意して軽くタップする。コーン・ポーンと澄んだ音がすれば問題ないが、濁った音やグズッといった音がするようだと板にひびが入っていたり力木や構造体の接着はがれの可能性がある。こうした際には修理が必要だ。異音がなければ弦を張る。ブリッジ側の処理、写真の左は通常のワンホールでの例、右はスリーホールでの処理。左の例は最近試している処理方法。高音弦の抜け防止になるほどではないだろうが、余った弦の尻尾がいたずらして雑音が出るのを防ぐ程度の効果はあるだろう

大切な楽器だから丁寧に扱い、適切にメンテナンスするのが本来だと思うが、<丁寧さ><適切さ>の個人差は意外に大きい。ある大学のマンドリン部の演奏会で、ステージに登場する団員がギターのサウンドホールに手を入れて楽器をぶら下げて出てきたのには驚いた。同じステージで予備楽器が団員の足元のむき出しで置かれていて、危ないなあと思っていたら案の定、出入りする団員が足に引っ掛けてステージ上に転がった。これは極端な例だが、楽器の汚れや不調を気に留めない人も多い。簡単に出来るクリーニングやメンテナンスは必ずやるべきだし、楽器に汚れや故障があれば出来るだけ早く現状回復してあげるべきだ。そのままにしておくのは泣きべそをかいている愛する彼女をそのまま放置するのに近く可哀想だ。弾いて出来るキズはよいとしても、何もせずにブリッジ周辺や弦の下にホコリが付いたままになっていたり、指板にべっとりと汚れが付着している様は見るにたえない。


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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
音楽とクラシックギターに目覚めて幾年月。道楽人生成れの果てのお粗末。

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