セル&クリーヴランド管弦楽団 ブラームス交響曲全集


今週に入って不覚にも風邪をひいてしまった。
日曜の晩、のどがおかしいなあと思っていたところ月曜朝には痛みで唾も飲み込めないほどになり、鼻水も伴って事態最悪。会社帰りに勤務先近くの医院で薬を処方してもらった。きょうまでにのどの痛みは収まったが、抗ヒスタミン剤の薬効及ばず鼻水継続。ソフト仕上げの高級ティッシュの箱を抱えながら仕事に向かっている始末だ。

ところで当地北関東では一気に秋も深まり、今朝の通勤時プリウス号の気温計は10℃ちょうどを指していた。秋の音楽といえば何だろう…ぼくの場合最初に思い浮かぶのはやはりブラームスだ。彼の故郷北ドイツの港町;ハンブルグの街に枯葉が舞い、陽射しのない空に低く冷たい雲が垂れ込める。鬱々としたメロディー、歌い過ぎないロマンティシズム、渋さ極まる和声。嗚呼、ブラームス…

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…というわけで今週に入ってから通勤途上の車中リスニングは、先日手に入れたジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団によるブラームスの交響曲全集を聴いている。月曜からきょうまでで全4曲を聴き終えた。


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セルのブラームスが素晴らしいこと容易に想像できるのだが、たまたま手元には3番のレコードがあるだけだった。今回CBSソニーからリマスタリングされたCDがリリースされたのを期に手に入れた。録音時期は1966~1967年。CDでのリリースは1988年以来とのことだ。

いきなり結論めいてナンだが、演奏はいずれも期待に違わず素晴らしい。
まずテンポ設定がいい。「標準」といってもまったく個人的な感覚だが、その標準よりもわずかに遅めのテンポ設定。しかも大きなフレーズの切替ポイントでかなり大胆にテンポを落とすところもある。セルは19世紀的ロマンティシズムに根ざした演奏様式とは無縁というのが通説だが、こうして聴くとやはりその伝統を背負っていることを感じる。遅めのテンポだと全体としての響きが渾然一体となって重くなりがちだが、そこはさずがにセル。響きの透明度が高く、各パートの存在が手に取るように分かる。これこそがセルの真骨頂だろうか。もちろん録音の影響もあるが、そうした響きを目指して演奏し、録音技術陣もそれを最善の形で残そうとした結果だ。

セルのトレーニングを受けて鉄壁を誇ったクリーヴランド管弦楽団のアンサンブルも申し分ない。1stヴァイオリンがメロディーをとると、まるでひとすじの絹糸のようにメロディーが歌われる。そのメロディーをヴィオラとチェロが引き継ぐといったフレーズなど、こういうパート間の受渡しがあったのかとあらためて気付かされる。特に緩徐楽章での演奏にそうした美点が顕著に現れ、2番や3番の第2楽章などはあらためてその美しさに心打たれた。管楽器の扱いは弦楽群とのバランスを取り調和を図っている。しかしブラームスの曲でしばしば重要な役割を果たすホルンパートなどは、時にオッと思うほどの強奏を聴かせる。 周到に組立てられた展開、個々のフレーズの扱い、精緻かつ明晰な各パートの動き、そうしたもののベースの上に成り立つブラームスらしい音響と情緒の現れなど、秋色のブラームスにふさわしい名演だ。


第4番の第2楽章。4分10秒からの副主題の提示、そして9分10秒から同主題の再提示と盛り上がる展開はこの楽章この曲のもっとも素晴らしいフレーズの一つだ。



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このブログについて…あらためて


実はこの夏過ぎあたりからにわかにアクセスが増え始め、10月に入って一段落したかと思ったら、このところ再び右肩上がりの赤丸急上昇中。とはいっても世の人気ブログの足元にも及びないが、しかしこんな地味でマイナーかつサービストークもないようなブログに毎日100名超、多いときには150名程が覗きに来てくれるというのは望外の喜び。感謝感謝! そこで新規アクセスの方も増えているようなので、以前このブログの成り立ちについて書いた記事を再度アップしておきます。以前からお付き合いいただいている方には再三の告知で恐縮です。

ブログが持つ性格上、だいたいはアクセスした当日の記事を読む。過去の記事にさかのぼってみたり、あるジャンルの記事を拾い読みすることも少ないだろう。従って、このブログを定期的に読んで下さっている方も、開設当時からの一部の方は別として、他の方は初めて来たとき以降の記事を見るに留まっていることと思う。そこできょうは過去にどんな記事を書いているかをブログの機能であるカテゴリー分類に従って思い出してみることにした。もしこのブログにアクセスしたときに更新していなかったら、更新しろッ、このボケッ!と言わずに、過去の記事をぽつぽつ読んでもらえるとうれしい。ちなみに2年前の十月、最初の記事はこんな調子で始まった


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ところでこのブログのタイトル『六弦音曲覗機関(ろくげんおんぎょくのぞきのからくり)』についてひと言。由来は江戸時代の歌舞伎の外題による。河竹黙阿弥が江戸末期の文久2年に作った『勧善懲悪覗機関(かんぜんちょうあくのぞきのからくり)』という世話物狂言がある。今ではほどんど上演されないが、この外題の覗機関(のぞきのからくり)という表現が妙に新鮮で拝借した次第。この外題に6本の弦を持つギター=六弦と音楽=音曲とをくっつけたタイトルだ。若い頃は歌舞伎も好きで、NHKの中継は欠かさず観たし、群馬の田舎から歌舞伎座や国立劇場の立見席へも幾度となく通った。20代の頃の話だが。

以下はブログの右側にあるカテゴリー選択で選べる記事の分類。カッコ内はこれまでの記事の数(2012年10月末時点)。カテゴリーを選ぶとその分類の記事が順番に出てくる。画面の下までいくと<次のページ>が選択できるので、そこをクリックすると更に過去の記事へ飛ぶ。このブログの基本はクラシックを中心とした音盤鑑賞記。従ってクラシック分野のカテゴリーだけは雑誌やCD・レコードの分類慣習に従ってやや細かく分けている。


◆ギター (69)
ブログタイトルである六弦=ギターについての記事。多くはギターのレコード・CDを聴いてのアレコレ。YouTubeで見つけた演奏などもときどき貼っている。
◆楽器 (26)
自分の楽器や友人の楽器の紹介、楽器弾き比べ、ギター製作家の工房訪問記など。ギター工房訪問記でこれまで登場したのは、田邊雅啓、西野春平、松村雅亘、廣瀬達彦、一柳一雄/邦雄、中山修。訪問したもののまだ記事にしていないのは野辺正二、庄司清英など。
◆クラシック一般 (7)
クラシックは下記のジャンルごとに分類しているが、この分類はそうしたジャンルに入れられないもの、あるいは話のついでにクラシックのことを記したものなど。
◆ジャズ(59)
ジャスも好きでよく聴いている。お気に入りの音盤紹介。ジャズウーマンのジャケ買いもしばしば。
◆ポピュラー (13)
フュージョン、ロック、映画音楽など。
◆オーディオ(10)
オーディオについてはもっと書きたいこともあるのだが…
◆指揮者 (65)
好きな指揮者、気になる指揮者、??な指揮者など、オーケストラ作品を指揮者への興味から取り上げたもの。オーケストラ曲を聴いていると、どうしても指揮者の解釈、オケのコントロールといったところに興味が行き着く。
◆歌謡曲(15)
本当はもっと書きたいカテゴリー。手元には昭和歌謡のドーナッツ盤約200枚、LPも100枚ほど有り。
◆日々の出来事(39)
音楽に直接関係のない話題。
◆北欧(4)
2003~2006年に仕事で何度か行った北欧の思い出。現地オーケストラ体験など。しばらく書いていないもの、あと10本くらいはネタあり。
◆演奏録音(7)
下手くそな演奏をアップ。mixi仲間との19世紀オリジナルギターによるアンサンブルなども。

―以下はクラシック音盤の一般的分類に従ったカテゴリー分け-
◆交響曲 (33)
◆管弦楽曲(30)
◆協奏曲 (34)
これら3つの分類は、指揮者による分類よりは曲そのものへの興味から取り上げたもの。協奏曲の場合は曲自体とソリストへの興味もある。
◆室内楽(39)
2つ以上の楽器よるアンサンブル。チェロやヴァイオリンの独奏でもピアノ伴奏がある場合はここへ分類。
◆器楽曲(61)
ピアノ独奏、ヴァイオリンやチェロの無伴奏のもの。
◆声楽曲(9)
いかに声楽ジャンルを聴いていないかが分かる。

…というわけで、こうして分類とその記事の数をみると、おおよそ今の自分の音楽への興味を映し出している感じがする。これからも偉大なるマンネリズム目指し、かつ硬派をよそおいながらやっていきます。みなさん引き続き、アクセス・コメント・拍手・ランキングバナークリック・お知り合いへの紹介、諸々ヨロシクです。


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若杉弘&ケルン放送交響楽団 ブラームス=シェーンベルク;ピアノ四重奏曲第1番他


十月最後の日曜日、冷たい秋の雨が終日降り続いた。あすからまた1週間が始まるという晩、金曜日に買った若杉弘のブラームスが気になって仕方がない。そろそろ日付けが変る時刻だが、アンプの灯を入れプレイヤーにセットした。


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若杉弘は70年代から90年代にかけてドイツに根を下ろして完全に現地のスタイルを身に付け、溶け込んで活躍した。音楽や言葉はもちろん、ドイツやヨーロッパの歴史、文化など様々なものに精通し現地の人をも驚かせたという。『指揮者とは音楽的教養だ』と言ったのは誰だったか。彼こそは日本人にしてその資格を持ち合わせた指揮者だった。この盤には1980年前後、彼がケルンを本拠地としてコンサート指揮者として、また歌劇場のシェフとして活躍を本格化させた時期の録音が収められている。いずれも現地ケルンでの録音で一部はライヴと記されている。

まったく隙のない、整然とし、かつ深くドイツの伝統に根ざした演奏だ。まずケルン放送交響楽団の音が素晴らしい。弦楽群を中心にすべての音がよく溶け合い、どこかのパートが突出することはない。同時にそれらのブレンドされた音響が決して肥大化してぼってりとはならず、溶け合いながら同時に分離もよい。タクトポイントに対して低弦群がやや遅れて入ってくるアインザッツがいかにもドイツ風で鳥肌が立ちそうになる。オケのメンバーが互いによく聴き合っているのだろうし、そもそもドイツの音楽、それもブラームスをどう演奏するかを身体で知っているに違いない。そしてもちろんそれらを統率して彼らの力を引き出している若杉弘のコントロールによるところも大きい。

この曲に限らずブラームスの交響曲や管弦楽曲は後期ロマン派ながら構成としては古典的かつ室内楽的に作られていると思うのだが、ついドイツ的重厚長大さを前面に出して、重く肥大化させてしまう演奏も多い。それはそれで一つの魅力ではあるのだが、この若杉弘とケルン放響きの演奏を聴くと、これが本来のブラームスだと納得する。
シェーンベルク編のピアノカルテットはよく出来たアレンジで、初めて聴くとブラームスオリジナルの管弦楽作品ではないかと思ってしまうほどだ。原曲のピアノ四重奏版ももちろん渋く素晴らしいが、こうして管弦楽版を聴くと、見落としがちなモチーフや経過句にもスポットライトが当たったようにクローズアップされてくる。スコア(IMSLPにあるジムロック版のスコア)を見るとごくシンプルに書かれてはいるが音の響きが厚く、いかにもブラームスだ。また四分音符を刻むパートと一緒に、付点音形や三連符が同時進行するブラームスの特徴的な音形もあり、全編これブラームスを聴く楽しみに満ちている。

若杉弘の指揮姿は90年代初頭にテレビで何度か観た。ケルンのオケを引き連れて来日した際のリヒャルト・シュトラウス<ドン・ファン>、ブラームス交響曲第4番のビデオがどこかにあったはずだ。終始、天を仰ぐように顔を上げ、長めの指揮棒をきれいに振っていた姿を思い出す。


この盤の音源。シェーンベルク編ブラームス;ピアノ四重奏曲第1番・第1楽章
冒頭から鬱々としたブラームスらしい主題の提示が続き1分42秒からの印象的な第2主題へつながる。その後も息も付かせないほど充実した音楽が続く。



豪華なカルテットによる原曲。
エマヌエル・アックス、アイザック・スターン、ヨー・ヨー・マ、ハイメ・ラレード。



1988年。ソニー大賀氏を交えた対談。
こういう話を自在に出来る企業人・文化人、よき教養主義も遠くなりにけりか。


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久々に楽譜チョイ買い


本日も音盤ネタにあらず…です。
例によって<夕食後に爆睡、気付けば丑三つ時>という週末シフトで深夜3時のこんな時刻に覚醒。オメザの珈琲をあいにく切らしていて、仕方なく渋茶で一服。昨日買ったCDから若杉弘&ケルン放送交響楽団のブラームスを聴きながらPCに向かっている。悲劇的序曲、続いてシェーンベルク編のピアノ四重奏第1番の管弦楽版が続く。音楽の骨格と組立がしっかりしていて、一方響きはよく整い引き締まっていて素晴らしい演奏が展開している。この盤についてはいずれまた記事に書こう。


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さてきのうの土曜日、昼前後に出かけたついでに田舎の当地市内では大きめの書店に立ち寄った。特に目当てがあったわけでもなく、この手のロードサイドショップにお定まりのようにある楽譜コーナーを覗いてみた。たまにはオーケストラスコアでもと思って棚を見回すと見慣れないミニチュアスコアがあってその中にヴィラ・ロボスのギター協奏曲を見つけて思わず手に取った。スタディスコアというシリーズでヤマハから出ているものの1冊。発行はプリズム社でヤマハが発売元として扱っている。中々ユニークな品揃えで、カリンニココフの交響曲やベートーヴェンのピアノ協奏曲の室内楽版などがリストされている。ポケットスコアよりは大きめで楽譜自体もきれいで見やすい。手にしたヴィラ・ロボスのギター協奏曲は以前はコパカバーナ協奏曲と呼ばれていたが、最近はあまり演奏されないのだろうか。たまたま昨日、隣り町でギター指導をしてるA先生にお会いして際この曲の話になった。日本での初演は、ギター弾きにはバッハ無伴奏チェロのギター版でよく知られた小船幸次郎が横浜のオーケストラを振り、京本輔矩の独奏で行われ、京本門下だったA先生はその演奏会にも居合わせたとのこと。さらにそのとき京本輔矩が日本で初めてホセ・ルビオのギターを使ったそうだ。1970年前後のことだろうか。

楽譜コーナーのクラシックギターと書かれたセクションにはギター譜が申し訳程度に並んでいて、その中に阿部保夫・恭士編の<新版>バッハ選集があった。初版は1976年に出ていて、当時バッハの主要作品がまとめて収録された手軽な実用版として人気があった。手元にも当時のものがあるのだが、だいぶくたびれて落丁し始めていることや、新しい版では全面的に改訂したと記されていたのでどんなものかと買ってみることにした。ついでにあたりを見回し、ドヴォルザーク;チェロ協奏曲のポケットスコアとギロックのピアノ譜から<叙情小曲集>を一緒にレジに持っていった。ドヴォルザークは時々聴く曲だし、学生時代にはマンドリン楽団に所属していたこともあって、この曲をマンドチェロで挑戦した記憶もある。ギロックはピアノ譜での初見練習と何かギターで弾けそうな曲があればアレンジしようかと思って選んだ。

楽器がハードウェア、楽譜がソフトウェア、その両者を適切に選んでうまく再現することで音楽が成立する。このところ少々ハードウェア指向が強すぎたこと、安直に弾き散らかし過ぎたことを省みて、ソフトウェア重視を心がけようと思うことしきりだ。


ブリームのソロでヴィラ・ロボスのギター協奏曲第1楽章



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久々にCDチョイ買い


きのう金曜日は午後から横浜でちょっとした打合せ。3時過ぎには無事終了。週末でもあるし、時間も早かったので、駅前の横浜モアーズ内にあるタワーレコードに引っかかり、久々にCDをカバンにつめて帰途についた。


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釣果は以下の通り。写真左上から時計回りに…
(1)ジョージ・セル&クリーヴランド管弦楽団 ブラームス交響曲全集
(2)ノイリントン&ロンドン・クラシック・プレイヤーズ ベートーヴェン交響曲全集
(3)ヴァレリー・アファナシエフ ショパン ノクターン集
(4)若杉弘&ケルン放送交響楽団 ブラームス=シェーンベルク;ピアノ四重奏曲第1番他
(5)ギュンター・ヴァント&北ドイツ放送交響楽団 ブルックナー交響曲第8番

(1)セルは好きな指揮者の一人だが、手持ちの盤は意外に少ない。ブラームスも第3番があるだけでいずれ機会があればと思っていたところに最近CBSソニーが1988年以来久々にブラームスをまとめてリリースした。セルのアルバムはLP時代には廉価盤で随分出ていたが、CD時代になってからは意外に手に入りにくい。
(2)ベートーヴェンの交響曲全集は一体何組あるのか。10数セット以上手元にあるのだが、ピリオドスタイルの演奏がなく、何か適当なものを思っていたところにこの盤を見つけた。ノイリントンが80年代後半から90年にかけて当時の手兵;ロンドン・クラシカル・プレイヤーズと録音したもの。交響曲の他にメルヴィン・タンがソロを受け持ったピアノ協奏曲全5曲も入っている。7枚組で2千円の格安ボックスセット。
(3)最近よく聴くアファナシエフ。マズルカ集がよかったので同じショパンのノクターン集も買ってみた。
(4)若杉弘<写真>が2009年夏に74歳で急逝してからもう3年になる。日本人指揮者で海外の歌劇場で本格的に活躍した最初の指揮者だった。ブラームス;ピアノ四重奏のシェーンベルク編曲版はブラームスの5番目の交響曲と呼びたくなるほどの充実したアレンジ。この盤では1978年のライヴ演奏が収められている。
(5)90年代後半から2000年頃ギュンター・ヴァントの晩年の人気は異常なほどだった。ぼくは70年代から知っていたが、90年代初頭の指揮者名鑑のたぐいには名前さえなかったほどだ。それがカラヤンやベーム、バーンスタンなどの20世紀の大物が物故したあと、急にメディアの注目を集め始めて人気が出た。この盤は1990年来日時のサントリーホールでのライヴ。2枚組990円。
しめて14枚8千円也のお買い上げ。ノイリントンも格安ボックスセットだが、Altusレーベルが990円で投売り状態。20世紀の巨匠達の来日公演などNHK所有の貴重の録音が並んでいる

今回は硬派クラシックのみ。ジャズコーナーもちょっと覗いて、実はこんな盤を思わずジャケ買いしそうになったのだが、思いとどまった。その代わりといってはなんだが、YouTubeの音源を貼ってお茶を濁そう。

矢野沙織 ニューアルバム<Answer>収録風景



元曲を正調石川さゆりで。



お好み次第でこちらを



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オーガスチン弦の怪?!


本日はギター愛好家限定の話。それも少々込み入った話になる。
知らなかったのは、この私だけか…

◆ 黒・赤・青の高音弦はまったく同じもの
ギター用ナイロン弦の元祖;オーガスチン社の弦には古くから黒・赤・青のパッケージがあり、この順番でテンションが強くなる…というところまでは70年代からの共通認識であったと思うが、実はこの3種類の高音弦はまったく同じもの。テンションの違いはそれぞれの低音弦の違いだということに1年ほど前に気付いた。このことを話すと多くのギター弾きから「えっ?そうなの」と言われる。


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最近オーガスチン弦の黒・赤・青はダダリオ社プロアルテ弦の様なパッケージに変り、裏面には弦のゲージが記されている。高音弦の数字は3種類とも同じ。販売店でのバラ売り価格も同じ。同社のHPによれば、この3種に使われている高音弦は<Classic>と称し、ローテンションだと記されている。その上のテンションに<Imperial>があり、さらにその上に<Reagal>があるとも書かれている。一方低音弦には<Black><Red><Blue><Gold>がある。この低音弦<Black><Red><Blue>が高音弦<Classic>と組み合わされてお馴染みの3つのパッケージが出来上がっている。これは最近になってそうなったのか、昔からそうなのかはよく分からない。

高音弦の仕様
http://albertaugustine.com/trebles.html
低音弦の仕様
http://albertaugustine.com/basses.html

◆ 不良弦が多いと言われるが…
また不良弦と多いと言われるオーガスチンの高音弦だが、その理由は「音質重視のため、古いデュポンの成型機を使い続け、音程を整えるための研磨を一切していないからだ」とAria創業者;荒井史郎著「ギターに魅せられて」に書かれている。しかし、最近のオーガスチン高音弦をみるといくらか乳白色に見えて、完全なクリアナイロンとは違うように感じる。もしかすると音程確保の研磨工程が入っているのではないかと思ってしまう。それにそもそも弦自体の音程不良より、押弦時の力の入れ具合による音程の変動の方がずっと大きいと感じていて、私自身は音程に関してオーガスチンの高音弦を気にせずに使っている。中でも低音がほどよいテンションで鳴りもよい<赤>が私のお気に入りだ。


◆ 結局どうなのよ
この話、オーガスチン弦の黒・赤・青パッケージの高音弦は<Classic>という名のローテンション仕様でみな同じという件について決着をつけるべく、オーガスチン社のサポート宛にメールで問合せたところ早速返信があった。問い合わせた内容は「以前は黒・赤・青の高音弦はそれぞれ別物だったように記憶しとるが、いつから変ったんじゃい?」「ナイロンがやや乳白色に見えるが、以前はクリアで透明だったんちゃう?」という2点。以下がオ社からの返信だ。

Dear Maestro YOTA
Thank you for your message. No, the Classic trebles have always been the same. We merely added the information you saw online so that we might help our customers avoid confusion.
Also, we have not changed the Classic nylon formula, and yes, it is a bit milky. If you would like a crystal clear Augustine String, I suggest you try our Regal and Imperial trebles, coupled with your favorite Augustine basses!
Warm regards,
Stephen

…昔から同じだヨン。みんなが混乱しないようにサイトに追記したまでよ。仕様も変っていないヨン。クリアがよけりゃ、リーガルかインペリアル買ってチョ。…まあ、そんな内容だ。ちなみに国内ディーラー元締めの荒井貿易にも問い合わせてみた。以下が荒井貿易からの返信。

マエストロ与太様
お問い合わせいただきましてありがとうございます。
オーガスチン黒・赤・青の高音弦ですが、基本的に同じ物です。(リーガルはまた別です。)
これは以前からそうなのですが、オーガスチンがRED1弦などバラ弦もカラー別にパッケージを用意している事から別物という認識がされている場合が多いのが現状です。(当社も一時期まで別物という認識を持っていた時期もございました。)  色に関しましては、製造方法に関しては変更されておりませんので材料の微妙な変化だと思われます。ご参考になりましたら幸いです。

…基本的には同じ物です…<基本的には>少し前からよく使う常套句だが、じゃ<応用的には>どうなのよと突っ込みたくなるなあ。いずれにしても荒井貿易も気付かないで別物として扱っていたということがはっきりした。仕様についてもよくわかっていない様子。
そんなこととはつゆ知らず、長い間、大方の愛好家は黒・赤・青の高音弦は別物と思っていて、雑誌のコメントでもそれらしい表現があったり、我々もその違いを実感するような感覚を抱いてきた。クラシックギターの弦の評価に関してはオーディオ評論に近い、かなり怪しい世界のように思うことしきりだ。


◆ 更なる疑惑
その後同社のパッケージを見ていてまたぞろ疑問が出てきた。本当だとしたらかなりショッキングなので小声で言おう。実はオーガスチン高音弦<Classic>はダダリオ社プロアルテ弦のノーマルと同じではないだろうかと疑い始めている。そう思い始めている根拠は以下の3点。


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(1)パッケージが酷似
以前オーガスティンのセット弦パッケージは透明ビニール製の袋に入っていた。ところが1年程前からプロアルテのエコパッケージのような紙製の袋に入っている。しかもその形状、外形・切り欠き形状などがそっくりなのだ。但しパッケージの中の1本1本弦の包装は異なる。

(2)ゲージが酷似
プロアルテは以前からパッケージにゲージを表記している。一方オーガスチン弦はついこの間までゲージ表示をしていなかったが、(1)の紙パッケージになってから表示を始めた。インチ表示において小数第3位を四捨五入するとまったく同じ表記になる。

(3)弦の見た目が酷似
手持ちのデジカメで二つの会社の3弦を接写してみた。左からプロアルテ・オーガスチン、そして参考用にハナバッハの3弦を並べた。ハナバッハが完全なクリアナイロンなのに対して、プロアルテとオーガスチンはやや乳白色が混ざっていて、その度合いもほどんど区別できない。


以上3点。もちろんいくらでも異論は出るのは承知だ。以前に記事にも書いた通り、オーガスチン社は弦の仕様は昔から変えていないというのだが、どうもクサい。売れ筋の廉価ノーマル弦に限ってプロアルテとオーガスチンは共通仕様でコストダウンを図っているのではないかと。 もちろん音が違うという意見が山ほど出てくるだろう。品質が均一な楽器(例えば河野ギターやヤマハ辺り)を2本用意して、同時比較出来ればその判定も可能だろうが、オーディオのブラインドテスト同様、音の記憶に頼る判定は中々難しいと思う。
さて、あまりに単純な疑いか、ひょっとするとひょっとするのか…


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きのう10月22日が命日 カザルス バッハ;無伴奏チェロ組曲


秋真っ只中。そういえば昨日、帰宅後何気なくWikipediaを覗くと10月22日は1973年に96歳で没したパブロ・カザルスの命日とあった。一日遅れだが、今夜はカザルスの盤からバッハの無伴奏チェロを聴くことにした。といっても手元にあるカザルスの盤はごくわずかで、きょう取り出したバッハ無伴奏と、以前記事に書いたホワイトハウスコンサート、それと何かの協奏曲があったかもしれないという程度だ。


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カザルスのこの録音は1930年代後半のSP時代のもので、現在まで継続してEMIのリストに載っている。LP3枚組の写真の盤はイタリアのMAESTOSOというレーベルの輸入盤で1986年のリリース。当時都内のどこかの店で安く売られていたのを買った記憶がある。おそらくEMIからのライセンスを受けてのものだろうが、ライナーノーツもなく詳細は不明。少し調べてみたがMAESTOSOというそのレーベルも今は見当たらなかった。

この盤には久しく針を通していなかったし、30年代の録音ということで、さすがに古色蒼然とした演奏かと思いながら1枚目の組曲第1番に針を下ろした。軽いスクラッチノイズに続いてト長調のアルペジオ風のお馴染みのフレーズがスピーカーから流れてきた。予想よりもずっとフレッシュな音に驚く。もちろん帯域は狭いし、音のエッジはそがれているのだが、その分聴きやすく、ノイズもほとんど気にならない。本家EMI盤や現行CDはどんな音なのだろうか。少なくてもこの盤も音質を理由に聴くのをためらうようなものではない。

録音当時六十を過ぎたばかりのカザルスはまだ技巧的に破綻はなく表現も意欲的だ。テンポも総じて速めだし、当時としては画期的といわれたダイナミックなボーイングのテクニックもよくわかる。但しそれはいずれも当時の水準であって、21世紀の基準に照らすといささか難があることは否めない。バッハの無伴奏は第1番から第6番まで順に難易度が上がっているといわれる。第1番に続いてハイポジションを多用する難曲の第6番も聴いてみた。こちらは冒頭のプレリュードの音形がやや不安定に聴こえる。これはぼくらがすでに20世紀後半以降の高い技巧の演奏に慣れてしまっているからだろう。加えてSP時代の録音技術に起因する音のふらつきもある。
表現としてはもっと19世紀的なロマンティシズムを引きずっているものと思っていたが、第1番も第6番も十分現代的かつ意欲的だ。フレーズの頭に長めのボーイングで少し音を引っ張る特徴があるものの、テンポや拍節感はほとんど違和感はない。この曲を発掘し、のちに続くチェリストにとってのバイブルとしたカザルスの原点の曲であり、壮年期の充実した記録だ。


バッハ無伴奏チェロ第1番。1954年カザルス77歳のときの演奏。場所はカザルスが故郷スペインのフランコ政権に背を向けて移り住んだ仏プラドの教会。



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プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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