少し前から心中くすぶっていたのだが、オーディオ装置の一新を決めた。先日隣り町のオーディオ専門店の若旦那が来宅。委託販売やら買取りの相談にのってもらった。今回依頼した店は委託手数料も妥当だし、初めて店を訪れた際の対応も感じがよく、お願いすることにした。

大物はスピーカー2S-305だ。音にまったく文句はないが、狭い部屋をいくらかでも広く使おうと思い、手放すことにした。この1年間305をほとんど使わず、小型SPで音楽を聴き通して別れる準備をしてきた。気持ちの整理はついたつもりだが、こればかりは実際に別れてみないと分からない。きっと心乱れるだろう。しかしまずはこれを処分しないと全てが進まない。

押入れで塩漬け状態になっていたアンプ類も整理する。UV845シングルのアンプは久々に動作確認のため鳴らしたが、いい感じで鳴っていた。通常は1000ボルトかけるプレート電圧を7割ほどに抑えてある。そのため出力は10ワット程度に下がるものの長期信頼性は万全だ。どこかの愛好家宅でトリウムタングステンのヒーターを明々と輝かしながら鳴ってくれるといいのだが。

ONKYO製のデジタルアンプとCDのセットも放出する。数年前の生産終了直前にスタイリッシュなデザインにひかれて手に入れた。音の鮮度とキレは抜群だったが、こちら側の嗜好も変化したのか、音も、またモノとしても愛着を感じることなく出番が減っていた。

現用アンプ純A級の名器ラックスマンL-570と、SN良好でキリッとしたアナログサウンドのレコードプレイヤーCEC社製ST-930は当面そのまま使うつもりだが、実はLINN社のLP-12中古品の紹介があって心が揺れている。いつかはLINN…レコード再生に心砕く愛好家ならそう思う代物だ。アンプにL-570、プレイヤーにLP-12とくるなら、2S-305を手放さずにアナログ時代の名器で固めたらと言われてしまいそうだが…
今回放出ののち2S-305の後釜として何を導入するかは思案中。スピーカーは慎重に選びたい。レクスト社;SH-EP2、ELAC社の310IBが有力候補だが、当面は現用のリビングオーディオ社製S-2Cを使おう。あるいは初心にかえってフォステクスのフルレンジを適当な箱に入れようか。あれこれと心乱れる春がやってくる。
音盤愛好家にとってのオーディオ装置は、楽器演奏家における楽器の位置付けに似ている。凝る人凝らない人、要不要、それぞれに考えと信条あってのことだし懐具合との相談も必要。今回はおそらく我がボンクラ人生終盤の音盤ライフ環境を決める入替えになる予定だ。
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米国生まれのレコード盤はインチサイズを基本にしている。通常のLP盤は12インチ。それよりひと回り小さい10インチサイズのレコードがLP初期の一時期流通していた。手元の音盤棚の一角に10インチのLP盤が30枚ほどある。いずれもリサイクルショップのジャンク箱から@100円で救済してきた。どれも昭和30年代の国内盤で、ジャケットデザインも写真製版技術が未熟な時期だったのでイラストのものが多い。いま手にするとそのサイズと相まって中々味わい深い。ちなにみマニア筋は10インチ盤を<トーインチ>を呼ぶ。

たいぶ以前一度記事に書いたが、再びその中の1枚、キリル・コンドラシンの有名な盤を取り出した。カバレフスキーの組曲「道化師」とハチャトゥリアンの組曲「仮面舞踏会」が入っている。ちなみにCDでも同じジャケットデザインで現役だ。第1回チャイコフスキーコンクールでヴァン・クライバーンが優勝して凱旋した際に、冷戦の最中ではあったがコンドラシンがソ連から一緒にやってきて米国のオケといくつかの録音を残した。その中の1枚。米RCAが誇ったリビングステレオの録音は古い10インチ盤で聴いても優秀で、この2曲の色彩的で華やかな管弦楽曲に相応しい。
以前のデジカメテストをかねて撮った映像があったので貼っておく。10インチ盤を載せると12インチ用のターンテーブル周辺に少し空きができる。すっかり有名になったハチャトゥリアンの仮面舞踏会から<ワルツ>。いろいろ所帯じみたものが映っているがご勘弁のほどを。
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三連休をいいことに夜更かしし、昨年末に続き自宅チョイ録りアゲイン。
先日の記事に書いた昔の曲集から三曲選んで弾いてみた。いずれもマズルカの指定があるもの。初級から中級に差し掛かるレベルの小品だが、いざレコーダーを前に弾くとつまづき多く難儀した。それに深夜であったため音量も少々セーブして弾いているので、タッチも浅く音に芯がない。…と言い訳から始まるのはいつもの通り。

バッハをはじめソルやジュリアーニの大曲、ポンセやテデスコなど、難しい曲へ挑戦するのも価値あるが、この辺りの小品を様式をふまえてきちんと音楽として聴けるように弾き、範を示せることも中級を卒業するための必須条件と心得、選んでみた。
ザグレラス/マリア・ルイサ
ヘンツェ/マズルカ
フェレール/水神の踊り。 途中でホ長調に転調するところで譜めくりのため少し途切れている。
事前練習ではもう少しまともに弾けていたのが…しかも、ホ長調の終り前で拍節を間違えた(>_<)
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きょう日曜日、旧友Y氏他と古楽器奏者;竹内太郎さんのところでガダニーニやシュタウファーのオリジナルを試奏しようとの誘いがあって、そのつもりでいたのだが、午後から野暮用ができて残念ながらキャンセルした。竹内さんからは19世紀ギターのオリジナル楽器やロンドン在住の製作家;デイヴィッド・ホワイトマンのギターを紹介していただいた経緯がある。昨年、一昨年と過去3回ほどスタジオへもお邪魔して、いろいろな楽器の試奏や音楽談義で楽しい時間を過ごした。現在ロンドンを本拠地に、欧州での演奏活動の合間をぬって帰国し、日本でのコンサートやレッスン会なども開いている。HPには欧州での演奏会や古楽関係者との交流が綴られていて興味深い。また楽器の紹介もしている。このページを見ると、はなはだ危険な状況になりそうなので覚悟して見ないといけない。

午後の野望用を済ませたあとは、ダラダラと楽器を弾いたりCDを聴いたりして過ごす。少し前に記事に書いたブラームス;ピアノ四重奏のシェーンベルク編の管弦楽版を再聴。そういえばあの記事を書いたあとに、隣り町のマンドリン楽団を指導しているA先生がそのシェーンベルク編のスコアを貸してくれた。簡素に書かれていながら、あの分厚い響きが出るのが不思議なほどだった。A先生はギター・マンドリン指導者にあっては異例とも言えるほどクラシック全般に精通している。ぼくの交流範囲はしれたものだが、クラシックギターやマンドリンに関係する人たちで、それらの楽器以外の音楽全般に関心をもち、精通している人を五人と知らない。A先生や旧友Y氏、あるいは先の古楽器奏者の竹内さんなどは数少ない面々。古典音楽に通じ、共通認識で会話が出来るのは何とも安心だ。音楽をやっているからといって会話が通じると思うと大間違い。ぼくの経験からも多くは話が基本のところでかみ合っていないことが多いのだ。だから少々生意気のようだが、音楽談義は様子を見ながら程々のところで切り上げ、通り一遍の相槌で済ますことも多い。その判断基準は<古典を理解しているか(しようとしている)><古典に敬意を払っているか>につきる。

そういえば昨年末、ギターケースを一つ新調した。仏bam社のもので、ギターのみならず管弦楽器全般のケースで人気のブランド。ハイテクのカーボン樹脂素材を使っていて軽量かつ堅牢、温度や湿度の変化も受けにくいという触れ込みだ。ケースとしては少々値が張るが、以前から軽量かつ丈夫なケースを一つ欲しいと思っていたので手に入れた。ツィードグレイという色だが、現物はアルミ素材のようなモダンなイメージで、色使いの割には中々派手だ。これを背負って歩くのは少々勇気がいる。
bamケースの隣りの写真は何だか所帯じみているが、ギターをしまっている押入れ上段の様子。先日から乾燥対策として押入れ扉の内側に濡れタオルを下げている。これまでギターが乾燥でやられた経験はないし、ごく普通の木造住宅なら過度に乾燥することもないのだが、ちょっと気になったので。最近はギターケースの中に入れる調湿材もいろいろ売られているが、いくつものケースに入れて管理するのも面倒なので手軽な方法で済ませてみた。どれほどの効果があるかは不明だが。
さて、あすからも仕事も本格始動。また1年始まる。まあ、ボチボチいきますか。
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本日仕事始め。7時前いつもの通勤時間帯、車の室外温度計指示はマイナス3℃。寒いはずだ。日本海側は大雪の報。昨年末クリスマスあたりから寒波の波状攻撃が続く。
職場では恒例の社長年頭挨拶を放送で聞き、そのあと安全祈願・事業発展を祈るため近所の神社へ。他の事業部門が休日設定で社員食堂もまだ閉まっているため、昼ご飯は事務所で弁当。今や群馬県民のソウルフードと称されテレビにも登場した定番弁当のコレをいただいた。いつもながら終わってみればあっけない休み。寒さ本番のこれから、年度末そして新年度と、五月連休までまたダッシュで働こうか。

きのうの記事でエヴァ・リンドの歌うウィンナワルツを聴き、今夜はその際思い出したロベルト・シュトルツの盤を取り出した。手持ちの盤は日本コロンビアから出ていた廉価盤の中の1枚。収録曲は以下の通り。ウィンナワルツの定番を集めた、一見ごくありふれた盤だ。
1. ウィーンの森の物語(J.シュトラウス2世)
2. 酒・女・歌(J.シュトラウス2世)
3. トリッチ・トラッチ・ポルカ(J.シュトラウス2世)
4. 皇帝円舞曲(J.シュトラウス2世)
5. 美しく青きドナウ(J.シュトラウス2世)
6. 春の声(J.シュトラウス2世)
7. ラデツキー行進曲(J.シュトラウス1世)
8. 南国のバラ(J.シュトラウス2世)
9. ピチカート・ポルカ(J.シュトラウス2世,ヨーゼフ・シュトラウス)
10. ウィーン気質(J.シュトラウス2世)
一見といったのにはわけがある。そこそこクラシックを聴いている輩には今更の話だろうが、ロベルト・シュトルツが振った一連のウィンナワルツの録音は古き良き時代のウィーン情緒を伝える数少ない演奏の一つだからだ。1880年生まれのシュトルツはウィーンで学びオペレッタの作曲家としてキャリアを積んだ。作品はオペレッタのほか映画音楽やダンス音楽にも及ぶ。後年指揮棒を取ってベルリン交響楽団と多くのウィンナワルツを録音し、幸いにも1975年94歳まで存命したため、60年代を中心に膨大な録音が良好なステレオ録音で残された。
きのうの記事で昨今のウィーン・ニューイヤーコンサートはいささか薄味、ボスコフスキー時代が…といった内容を書いた。しかしシュトルツを聴くとボスコフスキーさえ現代風に過ぎると感じるほど、ともかく情緒たっぷりの演奏だ。ゆったりとしたテンポ設定、音価いっぱいに引き延ばしたテヌート、ウィーン訛りのコブシとも言えそうなフレーズ変化での大きなテンポダウン、もちろんワルツの2拍目が前のめりになる独自の拍節感も。いずれも19世紀的といわれ、20世紀中庸にはどちらかといえば敬遠された所業だ。しかし今聴くとどうして、これが実に味わい深い。上にリンクしたアマゾンでの短い試聴でもその一端が聴き取れるだろうか。きっと今でもウィーン市内のホイリゲに行けば小編成の現地楽団でこうした情緒を味わえるかもしれない。しかしシュトルツは一流のシンフォニーカーを振って丁寧に演奏し記録に残したところにも価値があるだろう。
クラシック入門アイテムのウィンナワルツだが、実は玄人連中にも根強いファンが多い。美しくキャッチーなメロディーだけでなく、19世紀末のウィーン情緒を遠く思い浮かべながら聴くのもまた一興。膨大な録音のすべて聴くには及ばず、今なら日本コロンビアCRESTシリーズの2枚組が手頃だ。
シュトルツ指揮ウィーン交響楽団の<ウィーンの森の物語>。チターを伴う冒頭部分はアップロード時に省略した由。シンフォニックな響きと格調を保ちながら、情緒たっぷりに歌う。
往年の銀幕女優ヒルデガルト・クネフが歌うシュトルツの曲<Das Lied ist aus:歌は終わりぬ>。この路線の甘い歌もたくさん作ったようだ。
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