ロベルト・シュトルツが振る <ウィンナ・ワルツ名曲集>


本日仕事始め。7時前いつもの通勤時間帯、車の室外温度計指示はマイナス3℃。寒いはずだ。日本海側は大雪の報。昨年末クリスマスあたりから寒波の波状攻撃が続く。
職場では恒例の社長年頭挨拶を放送で聞き、そのあと安全祈願・事業発展を祈るため近所の神社へ。他の事業部門が休日設定で社員食堂もまだ閉まっているため、昼ご飯は事務所で弁当。今や群馬県民のソウルフードと称されテレビにも登場した定番弁当のコレをいただいた。いつもながら終わってみればあっけない休み。寒さ本番のこれから、年度末そして新年度と、五月連休までまたダッシュで働こうか。


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きのうの記事でエヴァ・リンドの歌うウィンナワルツを聴き、今夜はその際思い出したロベルト・シュトルツの盤を取り出した。手持ちの盤は日本コロンビアから出ていた廉価盤の中の1枚。収録曲は以下の通り。ウィンナワルツの定番を集めた、一見ごくありふれた盤だ。

1. ウィーンの森の物語(J.シュトラウス2世)
2. 酒・女・歌(J.シュトラウス2世)
3. トリッチ・トラッチ・ポルカ(J.シュトラウス2世)
4. 皇帝円舞曲(J.シュトラウス2世)
5. 美しく青きドナウ(J.シュトラウス2世)
6. 春の声(J.シュトラウス2世)
7. ラデツキー行進曲(J.シュトラウス1世)
8. 南国のバラ(J.シュトラウス2世)
9. ピチカート・ポルカ(J.シュトラウス2世,ヨーゼフ・シュトラウス)
10. ウィーン気質(J.シュトラウス2世)

一見といったのにはわけがある。そこそこクラシックを聴いている輩には今更の話だろうが、ロベルト・シュトルツが振った一連のウィンナワルツの録音は古き良き時代のウィーン情緒を伝える数少ない演奏の一つだからだ。1880年生まれのシュトルツはウィーンで学びオペレッタの作曲家としてキャリアを積んだ。作品はオペレッタのほか映画音楽やダンス音楽にも及ぶ。後年指揮棒を取ってベルリン交響楽団と多くのウィンナワルツを録音し、幸いにも1975年94歳まで存命したため、60年代を中心に膨大な録音が良好なステレオ録音で残された。

きのうの記事で昨今のウィーン・ニューイヤーコンサートはいささか薄味、ボスコフスキー時代が…といった内容を書いた。しかしシュトルツを聴くとボスコフスキーさえ現代風に過ぎると感じるほど、ともかく情緒たっぷりの演奏だ。ゆったりとしたテンポ設定、音価いっぱいに引き延ばしたテヌート、ウィーン訛りのコブシとも言えそうなフレーズ変化での大きなテンポダウン、もちろんワルツの2拍目が前のめりになる独自の拍節感も。いずれも19世紀的といわれ、20世紀中庸にはどちらかといえば敬遠された所業だ。しかし今聴くとどうして、これが実に味わい深い。上にリンクしたアマゾンでの短い試聴でもその一端が聴き取れるだろうか。きっと今でもウィーン市内のホイリゲに行けば小編成の現地楽団でこうした情緒を味わえるかもしれない。しかしシュトルツは一流のシンフォニーカーを振って丁寧に演奏し記録に残したところにも価値があるだろう。

クラシック入門アイテムのウィンナワルツだが、実は玄人連中にも根強いファンが多い。美しくキャッチーなメロディーだけでなく、19世紀末のウィーン情緒を遠く思い浮かべながら聴くのもまた一興。膨大な録音のすべて聴くには及ばず、今なら日本コロンビアCRESTシリーズの2枚組が手頃だ。


シュトルツ指揮ウィーン交響楽団の<ウィーンの森の物語>。チターを伴う冒頭部分はアップロード時に省略した由。シンフォニックな響きと格調を保ちながら、情緒たっぷりに歌う。



往年の銀幕女優ヒルデガルト・クネフが歌うシュトルツの曲<Das Lied ist aus:歌は終わりぬ>。この路線の甘い歌もたくさん作ったようだ。



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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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