クリスティーヌ・ワレフスカ 再来日中


2010年6月、36年ぶりに来日し、大きな話題となったチェロの女王;クリスティーヌ・ワレフスカが再来日中だ。このところコンサートからまったく足が遠のいていることから情報不通。以前このブログに書いたワレフスカの記事ワレフスカを聞く会の方の目にとまり、連絡をいただいて知った次第。きょう31日には当地群馬県内で今回の来日で唯一の協奏曲プログラムの演奏会が開かれた。都合で行けず残念至極。


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久しぶりに前回来日時のライヴを収録したCDを取り出した。最初のバッハのアリオーソが始まった途端、この演奏を通勤帰りの車での中で聴いたときの鳥肌の立つような感覚が思い出した。この盤のライナーノーツでも竹内貴久雄氏が、「最初の一音が出た瞬間、思わず涙がこぼれそうになった」、当日は多くの聴衆が同じように感じた特別な演奏であった」と書いている。「
この盤のジャケット写真、それもワレフスカの左手に注目してほしい。弦を押さえる指はまっすぐに伸びている。この指使いは、カザルスやロストロポーヴィッチらが登場する以前のスタイルだそうだ。ワレフスカ自身、そうした20世紀後半から現代に続くスタイルを「テクニックと引き換えに多くの芸術的な利点を見捨ててしまったメソッド」と言って否定しているという。もちろん左だけでなく、より音に直結する右手も、彼女のスタイルには現代の多くのチェリストが忘れてしまった独自のボウイングの秘密があるに違いない。素人のぼくでもそういう話に納得するほど、ワレフスカの音には深く強く訴えるものがある。


つい先日、タワーレコードで行われイヴェントの様子。左手の押弦に注目。


2010年来日時の演奏。CDと同じ音源と思われる。


若き日のワレフスカの演奏。貴重な映像だ。


このあとのスケジュールは以下の通り。
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 4/ 5(金) 東京・紀尾井ホール
 4/ 7(日) 福岡・ふくぎんホール
 4/11(木) 神戸・灘区民ホール
 4/13(土) 京都・青山バロックザール(チケット完売)
 4/16(火) 六本木・スィートベイジル(ライヴ)
 4/18(木) 秋田・アトリオンホール
 4/22(月) 仙台・青年文化センター
 4/28,30 台北市、高雄市
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明日4月1日朝日新聞朝刊にも記事が出るとのこと。


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SPU 音出し!


昨晩は夜遅く、前線通過の影響かいっとき激しく風が吹いた。小一時間で収束。明けてきょう日曜は暖かく穏やかな一日となった。昼過ぎにちょっと車に乗ったが、室内は完全に要冷房の状態。花粉に用心しようと外出も早々に切り上げて室内遊戯に専念。昨晩セットアップしたオルトフォン;SPU(SPU Classic G mk2)の音を楽しんだ。


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針圧は4グラムかける。カウンターウェイトの目盛りが信用に足るかどうか不明で、以前から手に入れようと思っていた針圧計もきのう一緒に買ってきた(カウンターウェイトの目盛りはほぼ正確だった…休心)。もっともオーディオ用針圧計ではなく単なる普通のデジタル表示の秤。500グラムまで0.1グラム単位で測れる。専用針圧計に比べると本体が大きく、盤面で針を載せて測ることは物理的に出来ない。仕方なくターンテーブル横において何とか針を載せた。少々不便だが専用針圧計と比べると値段は数分の一。一円玉を秤の上あちこちに置いてみたが、いずれも正確に1.0グラムを表示。メイドインチャイナも中々やる。まあ、いいでしょう。


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手持ちの盤から録音の良さそうなもの、編成や音色のバラエティーも考えて数枚を選び、とっかえひっかえターンテーブルに載せていった。オーケストラをいくつか聴く。ペーター・マーク&LSO<スコットランド>、ベーム&BPO<シューベルト第5番>、いずれも重心低く安定した響き。コントラバス4弦がしっかり曲を支えている様がよく分かる。弦や木管各パートの分離も申し分ない。コリン・デイヴィスの<ハルサイ>は少しボリュームを上げてみたが、もちろん破綻はないし、混濁感もわずかだ。室内楽やピアノ曲はしっかりした音像で核心的な音の出方だ。シュアの軽針圧カートリッジなどと比べるとレンジは狭いのだろうが、その分エネルギーが凝縮されている。高橋竹山の三味線や山下和仁の<コンポステラ組曲>で音の立ち上がりと瞬時ピークでの振る舞いを確認。ピークでのチリ付きもなく快調だ。
総じて不満も懸念も感じない。よいカートリッジだ。但し、この記事の美辞麗句によってSPUが5,000円の安直MMより格段に優れているとか、比べ物にならないと勘違いしないでいただきたい。聴こえない音が聴こえるようになった分けではない。こういう老舗定番アイテムは、歴史的淘汰(ちょっと大げさだが)と受けた長年の信頼(イコール十分な性能と品質)を買うという要素が半分以上だ。残りの半分近くはそういうものを手に入れたという自己満足と自己暗示。そんなところだろう。でも、このオールドファッションな面構えと文句のない音色・性能は十分価値ある一品。DL-103の三倍と少々値が張るが、まあ適正だろうと感じる。



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SPU 到着!


小春日和の土曜日。午前中は野暮用外出。午後からは隣り町のマンドリン楽団の練習。平日はほとんど楽器を取り出すことがないので、週末の楽団練習日は楽器を鳴らし調子をみる貴重な時間。手持ちの楽器を週替りローテーションで持参している。きょうはギターパート出ずっぱりの曲が続き、ラミレス3世をかき鳴らしていささか疲れた。 練習終了後、このところ委託販売等でお世話になっているオーディオ店に立ち寄る。目的は他でもない、注文していたオルトフォンSPUの受け取りだ。先日の記事でメンテナンス帰りのCEC;ST930が絶好調につきオルトフォンのカートリッジでもおごったろかと書いたが、あのあとすぐに発注していた。


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赤いオルトフォンカラーのパッケージを開けると姿だけは見慣れたSPUの神々しい姿。さっそく音出しといきたいところだが、アナログの世界ゆえいろいろと手順が必要だ。アーム高さやカウンターウェイトの交換、カートリッジのオーバーハング…。特にオーバーハングは、シェル一体型でカートリッジ本体では調整出来ないSPUなので心配していたが、アームに取り付けた状態でプレーヤー指定値とほぼ等しくなりホッとした。もっともカートリッジ付け根から針先まで50ミリというのがおおよその業界水準になっているし、10%程度の差異であればOKだろう。そのあたりの融通が効くのはアナログ世界の良さだ。
ひと通り調整が終わり、さて音だし…いやその前にリファレンスの音を確認しておこうと、DENONのDL-103を取り出す。以前はもっぱらこの103を使っていたが、このところ出番がなかった。盤は独シャルプラッテン(といっても徳間音工の日本盤)のスィトナー&SKDのモーツァルト<ジュピター>を選ぶ。数年ぶりに取り付けた103は交換前に付いていたシュアM44Gに比べるとかなりマイルドな音色。おそらくダンパー類のゴムは相応に経年劣化しているだろうから、その影響もあるだろう。しかし低音の柔らかくたっぷりした響き、各パートの分離の良さなど、このカートリッジならではの音だ。
基準音を耳にインプットしたところでSPU登場…といきたいところだが、少々時刻も遅くなったので、本日ここまで。音出しのアレコレはまた明日のココロだぁ~(ひっぱるなあ…)


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ST930 絶好調!


週末の春の嵐が去って週明け月曜日。再び寒さがぶり返してきたものの、きのうの荒れ模様が嘘のように穏やかな一日だった。5時の終業後ちょっと手こずって8時過ぎに帰宅。少し前にPCの前に座ったところ。アンプの灯を入れ、グールドの弾くベートーヴェン変奏曲集のレコードに針を降ろした。


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先日メンテナンスから帰還したCEC製レコードプレーヤーST930が絶好調だ。回転系の洗浄オーバーホールが効いたのか、回転の立ち上がりもよくかつ一層滑らかに感じる。取り分けSN比の良さは特筆ものだ。状態のいい盤を載せて針を落とし、8畳間でごく普通に楽しむ音量で聴いているとサーフィスノイズもほとんど感じない。何もしていないのに盤質がよくなったのではないかと思うほどだ。そんなST930を眺めながら、このままではもったいないなあと思案。ひとつカートリッジでもおごってみようかと良からぬ思いが生じつつあって、オルトフォンのSPUを聴いてみようかと画策中だ。

際限のないマニアックなオーディオの世界では、カートリッジ一つの値段がそこそこのオーディオセット一式分というものもかなりの数がある。SPUはそれに比べればかわいいものだ。とはいえ、ポケットマネーの上限近い金額でもありいささか思い巡らせている。 アナログ全盛期にはもっぱらDENONのDL-103を使っていたが、近年はシュアのM44GやスタントンなどB級路線が続いていた。ここいらで再び気合を入れてレコードを聴いてやろうかと考えた結果のSPUというわけだ。実は自重30グラム超えのSPUをST930のアームに付けるためのオプションのカウンターウェイト(写真右)を先日仕事帰りにCECのサービスに立ち寄って手に入れてきた。心はすでに決まっているのだ。あとはカートリッジ本体を発注すればいいという段階だ。いずれ届いたらまた記事にしましょう。


SPUを使うとなるとシステム全体もヴィンテージ物で固めたくなる。



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プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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