ハーベス社 HL-P3ESR


六月最後の週末。高温多湿の梅雨ぞら。そしてあすは七月だ。今年も半分終わった。いろいろ環境変化もあって、この半年間はあっという間に過ぎた。そのあたりの述懐はまたいずれ。
さてきょうは久々にオーディオネタ。だいぶ前から小型スピーカへの移行を計画しながら、三菱2S-305への思い絶ちがたく、逡巡する月日が続いていたが、今春ついに305を放出(まだ買い手が付かず、某ショップ店頭でデモ継続中…)。これまで使っていたリビングミュージック社のS-2Cもいい音を奏でてくれているが気分一新したいこともあって、最近のモデルを物色していた。その結果、ELACの310IBを手にしたのだが、大胆にもこのベストセラー機にダメ出し。どうしようかと思案していたところ、まったく偶然としか思えないのだが、もう一つの候補に考えていたHarbeth社の小型スピーカの中古に遭遇。程度はほとんど新品ということもあって、エイや~と手を打った。…とまあ、そんなノン気な出来事がこのひと月ちょっとの間にあった。


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Harbeth社のHL-P3ESRが拙宅にきてからひと月近くになる。結論として、最初からこれにしておけばよかったと思うことしきり。内容量10リットルに満たない小型密閉型であるが、もっとも心配していた低音も予想よりもしっかりと出る。仕様上のfoは75Hzなので、周波数特性はその辺りからダラ下がりになるが、50Hz近辺、コントラバス3弦以下の音域もしっかりレスポンスする。オーケストラ曲を聴きながら、コントラバスパートに聞き耳を立てて和声の骨格の流れを楽しむにも問題はない。何よりバスレフポートの共振点を持たないので、50~70Hz辺りで不自然な低音を演出することがないのがいい。ELACダメ出しの要因だった中高音に関しては、オーソドクスなツイータのためキラキラもギラギラもなく、ごく自然な音色だ。つまり演出感のない低音からオーソドクスな高音まで音色が整っていてフルレンジを聴いているかのようだ。かなりキザな表現で使うのをはばかるのだが、「きわめて音楽的に鳴る」といえばいいか。そんなわけで、小型スピーカ探しの旅もここでひと段落となった。

きょう日曜の午後、半日かけてあれこれ録音を試みた。部屋でいつものようにHL-P3ESRを鳴らし、それをリスニングポジションにセットしたZOOM社のレコーダーQ2HDで録音してみた(写真参照)。ほぼ実際に聴いているイメージに近く録れたので、参考音源としてYouTubeにアップしてみたので聴いてみてほしい。最初はレコード盤が回る動画も一緒に入れようと思ったのだが、レコードが回っている動画というのはほとんど静止画に近く、何だかよくわからない。よって手元の極私的写真も入れてスライドショーに。


まずはCDによる再生。サルサバンド、オルケスラ・デ・ラ・ルスとNORAのヴォーカルによる演奏で(高田みづえの…といった方がいいかな)「私はピアノ」。音量は昼間ごく普通に部屋で聴いている程度、会話をしながら聴けるレベル。ヴォーカルの音で少し部屋のエコーがのっているのが分かる。



続いてLP再生。ペーター・マーク&ロンドン響によるメンデルスゾーンの第3番「スコットランド」。第1楽章序奏から主部に入るあたりまで。遅めのテンポ。1分50秒辺りからの低弦群の充実ぶり。2分20秒でのトランペットの強奏。2分26秒過ぎからの低音の上昇音階もたまらなくいい。何度聴いても名曲名演だ。


さらに2本アップしているが、近々また。


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ワグナーのボックスセット


六月も半ばを過ぎ、当地北関東は湿度・気温とも次第に上昇。梅雨もこれからが本番。それも前座で、あとには苦手な夏が控えている。以前も何度か書いたが、夏になると何故かワグナーを聴きたくなる。この時期だけは管弦楽曲集だけでお茶を濁さず、楽劇全曲盤を引っ張り出してくる。ワグナーの全曲盤となるとCDの恩恵を感じる。LPで何度も盤を入れ替えるのは中々大変。CDならおおむね7割ほどの枚数で済むし、盤のチェンジも簡単だ。


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写真は近年発売されたワグナーのボックスセット。それも相当な激安・爆安盤だ。まず左側黄色のボックスはバイロイトでのライヴを収めたデッカの名盤からの選集。サヴァリッシュのオランダ人、タンホイザー、ローエングリン。ベームのトリスタンとイゾルデ、指輪。ヴァルヴィゾのマイスタージンガー。レヴァインのパルシファル。以上の33枚組。2006年頃手に入れたとき1万円ほどだったろうか。その後廃盤になったが、近々また発売になる模様。価格も変わらない。いずれもLP時代から定評のある盤で、バイロイトの舞台ならでは臨場感あふれる響きを堪能できる。

写真に写っている右側のセットは指輪四部作。ギュンター・ノイホルトが指揮するカースルルーエのバーデン歌劇場でのライヴ録音。この劇場は日本人指揮者の大野和士が1996~2002年にシェフを務めていたところだ。このノイホルトによる録音は90年代半ばの録音で、ニーベルンクの指輪四部作がCD14枚に収録されている。ぼくが手に入れたのはやはり数年前だったと思うが、そのとき千円ちょっとの、ほとんど捨て値のような値段がついていた。演奏は先日のヴュルテンブルグフィルのブルックナー同様、ドイツの地方歌劇場の日常的な演奏レベルの高さを裏付けるもの。今もヘッドフォンでワルキューレの第1幕を聴きながらキーボードを叩いているが、ライヴのハンディキャップをほとんど感じさせない立派な出来栄えだ。音はややデッドながらオケと歌のバランスもいい。

ワグナーの全曲盤とはいっても、もとより独語は学生時代の第二外国語で終わったままだし、対訳本を見ながらも疲れる。仕方なくもっぱら器楽的に聴いている。それでも管弦楽曲集を聴くのとはまったく次元の違う感興がある。こんな音楽を一人で書き上げたワグナーの底知れない能力にあらためて感嘆する。


この盤の音源。ラインの黄金。



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新村理々愛登場 群馬交響楽団第491回定期演奏会


きのう15日土曜日は群馬交響楽団の定期演奏会に足を運んだ。先月は秋山和慶氏登場でオールドイツ物の魅力的なプログラムだったが所用で行けず。今回は4月の大友直人音楽監督就任記念演奏会以来二ヶ月ぶり。プログラムは以下の通り。指揮はパスカル・ヴェロ、フルート独奏には注目の若手新村理々愛が登場した。


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ハイドン/ 交響曲 第82番 ハ長調 Hob,Ⅰ:82「熊」
C.P.E.バッハ/ フルート協奏曲 ニ短調 Wq.22
シューベルト/ 交響曲 第5番 変ロ長調 D.485

まずプログラムが実に魅力的だ。バロック後期から古典派の確立、そしてロマン派の扉が開かれるまでの時期にあって、代表する作曲家の、しかもそれぞれの個性を反映した曲目。<熊>はハイドンのユーモアあふれるギミックがいっぱいだし、C.P.Eバッハのフルート協奏曲は近年のC.P.E.バッハ再評価の流れの中でも特に注目される曲。シューベルトの5番はいうまでもない。このブログでも何回も取り上げた。

演奏は前半の2曲が特によかった。ハイドンではティンパニとトランペットが追加された楽譜を採用。終始華やかで活気あふれる響きに満ちていた。弦の編成を10・8・6・6・4とし、運動性能と響きの充実を両立させた結果だろうが、その狙い通り、やや速めのテンポと大胆なダイナミクスの切り替えがことごとくうまく決まっていた。会場の群馬音楽センターは響きがデッドである反面、音の分離はよく、各パートの動きは手に取るように分かる。ハイドンの各所に仕組んだギミックがよく分かって、この曲の魅力を再認識した。

2曲目のC.P.Pバッハのフルート協奏曲ニ短調では、まだティーンエイジャーの新村理々愛が髪を金髪に染めて登場。プログラムにのっているイメージとは違っていて少々驚いた。原曲はチェンバロ協奏曲のこのニ短調協奏曲は名曲の誉れ高く、実際リトルネッロ形式の第1楽章の出だしから美しくも緊張感のある曲想が続き、実に素晴らしい。第2楽章も単なる緩徐楽章に留まらず、オケ部(弦8・6・4・4・1とチェンバロ)とのやり取りなど、後期バロックの域を出て古典派への道筋の過程にあることを感じる。前半2楽章では、フルートは総じて低い音域に終始し、華やかな協奏曲という印象は少なかったが、終楽章に入ると一気にテクニカルになる。弦楽パートが速いパッセージで導入主題を奏したあと、フルートソロの無窮動風のフレーズが続き、音域も高くなって華やかかつテクニカルになる。フルートのことはよく分からないが、新村理々愛の音色は低音域が太くたっぷりしていて、シャープさよりは丸みのある穏やかな音色に感じた。なおこの曲目は本人が望んだ選曲だそうだ。

休憩をはさんでシューベルト。弦パートは12・10・8・8・6。木管群はオリジナルの指定通り。先のハイドンと比べわずかに弦パートが増えただけなのだが、明らかに響きはたっぷりとして、反面シャープな運動性能は後退した。むしろこの曲の室内楽的な特性を生かし、ハイドンと同じ位の編成で臨んだ方が面白かったのではないだろうか。もっとも定期演奏会のメインプログラムという位置付けなので、そういうトライはやりづらかったのかもしれない。

今月は少々玄人好みの選曲といえないこともないが、当夜は夕方から激しく雨が降る中、会場は9割近い入り。古典の薫り豊かないい演奏会だった。来月は展覧会の絵とドヴォルザークのチェロ協奏曲。チェロ独奏には若手注目株の宮田大。また同じ7月には前橋でマエストロ高関の棒でオール・マーラーの演奏会が予定されている。時間がうまく取れたら、ぜひ聴きにいきたい。


名曲C.P.Eバッハのフルート協奏曲全3楽章。ホルンとファゴットが追加され、通奏低音にはリュートも参加。


小編制での演奏。



新村理々愛。まだ十代の彼女ですからね…。気持ちは分かりますが、ここは迷わずフルートの道に進んでいただきたい(^^;



きのうの演奏会について、大友直人氏とコンミス伊藤文乃のトーク。




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六月スタート 閑話休題


当地関東は先週梅雨入り宣言。宣言と同時に好天が続くのは例年通り。それでも陽射しはやや弱く、気温も湿度感も高い。すっきりした五月晴れとは違う、何となくムッとした天気だ。
六月最初の週末。これといったこともなく過ごす。夕方から久しぶりに少しまとった時間、ギターを弾いた。カルカッシ25の練習曲のあと、江部賢一編のポピュラー曲など。 実は某所より「よかったらどう?」と、河野ギターの最上位モデル「桜井・河野マエストロ」が送られてきて少し弾いてみた。2012年作。サウンドホール近くに言われてみればわかる程度の傷があって中古品扱いらしい。


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河野マエストロはこれまでも何度か弾いたことがあるし、一時期は本気で買おうと思って試奏したこともある。70年代の河野ギターは当時の他の国産ギターとは一線を画す良さを持っていたが、その後日本の楽器も良くなったし、若手製作家の登場もあって、かつてほどのステイタスは無くなってきた感がある。それでも材料の良さ、工作精度の高さ、耐久性、当たり外れのなさといった面で、しっかり品質管理されている安心感がある。今回自宅でゆっくりと弾いてみて、太く甘い河野トーンを再確認。どこをとってもたっぷりと良く鳴る。弾き易さも申し分ない。一方で、少し鳴り過ぎが故の分離の悪さが耳に付く。単音でメロディーを弾いている分にはとても気持ちいいのだが、2声・3声あるいは和音の響きとなると、耳元で音がワンワンと響き、どこが主声部だか分からなくなる。ステージで弾いたときの音の通りや分離に問題がありそうだ。この辺りが玄人筋に河野ギターがいま一つ受けが悪い原因だろうとあらためて感じた。曲で言えば、古典やそれ以前の曲、また響きの綾で聴かせる近代の曲などはやや苦手だろう。一方でメロディをたっぷり歌わせてなんぼの近代スペイン物には最高の選択肢の一つだろう(もちろん演歌ギターにも最高だ)。


ところでこのところまったくといっていいほどCDを買っていない。今年に入ってからショップを覗いたことは数回あるかもしれないが、いつも釣果無し。欲しい盤がないではないが、どうしてもというほどのこともないし、手元の音盤でまだ聴いていないものも多々ある。十年ほど前はあれもこれもと見境なく手に入れたが、そういう熱もいささか冷めた。それでもHMVタワーレコードのクラシックサイトをみたり、DMが届くと気になる盤はいくつある。


ジョージ・セル・エディション(49CD)。これは今一番どうしようかと悩んでいる。セルのCDは以外と手に入りにくい状態が続いていたので、これは朗報だ。

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ジュリアン・ブリーム/コンプリート・アルバム・コレクション(40CD+3DVD)
ギター弾きにはこれも気になるだろうか。一昨年10枚組の選集が出たのを入手しているし、LPも何枚かあるのでこれはパスかな。

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以下の二つも少し気になる。
ウエストミンスター・レガシー~管弦楽コレクション(65CD)。ウェストミンスター盤は玉石混合だが、ロジンスキー、シェルヘンなどややマイナーな演奏も多く手に入りにくいので、このセットは中々魅力的だ。

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トスカニーニ・コンプリートRCAコレクション(84CD+DVD)。今更トスカニーニでもあるまいとは思うが、大1枚でおつりがくると聞くと触手が動く。

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…う~ん、でもおそらくどれも買わないだろうなぁ。ウエストサイズ同様、身辺の持ち物もすっきししたいのだ。物も音楽も人間関係も、あれもこれもと夢みたいなことをいって拡張路線を走る歳ではなくなった。一つあきらめ、二つあきらめ…まあそういうお年頃であります。


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音楽とクラシックギターに目覚めて幾年月。道楽人生成れの果てのお粗末。

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