群馬交響楽団2013サマーコンサート


今年の夏は暦通りの勤務体制。夏休みは7月から9月の間に6日間あげるから各自適当に取ってちょうだいね、ということなっているのだが、当面の仕事が立てこんでいることもあって、まだ休みを取っていない。お盆もせっせと仕事をした。それでも先週後半から引っ掛かっていた少々ややこしい案件が片付いたこともあって、きょうは少し早く退社。ちょうど群響のコンサートがあるというので高崎の音楽センターまで足を運んだ。曲目は以下の通り。

 ヴェルディ 歌劇「運命の力」序曲
 モーツァルト クラリネット協奏曲イ長調
 ブラームス 交響曲第2番ニ長調

指揮はファゴット奏者であり近年指揮者としても活躍しているミラン・トルコヴィッチ。モーツァルトのソリストにはウィーン・フィルのクラリネット奏者として活躍したペーター・シュミードル。きょうは定期演奏会ではなく、サマーコンサートと題したもので、あすから始まる草津音楽アカデミーでのオープニングコンサートと同じ演目。毎年この時期に同アカデミーのプレコンサートの位置付けで高崎でも演奏会が開かれる。草津音楽アカデミーが始まったのが1980年。当時、有名な温泉地とはいえ、群馬の山奥のそんなイベントがいつまで続くのだろうと思っていた。しかし、あれよあれよと歴史を重ねて30年余。すでのヨーロッパでのKUSATSUの認知度は十分高いと聞いて驚いた。今年はヴェルディとワグナーの生誕200年。草津のイヴェントではワグナーが取り上げられる様子。今日のヴェルディもそんなことで演目に上がったのだろう。

実はきょうのコンサートはあまり感心するところがなかった。
開演前のベルが鳴ってもステージでは何名かの奏者が残って楽器の調子を見ていて、いつ引っ込むのかなあと思っていたら、そのまま他の団員が登壇してコンサートが始まった。夏の疲れか、エキストラが多いのか、団員の登場も何となく緊張感がなく、演奏もその延長線でピリッとしたところがないまま終わってしまった。
演奏会は観客が大方入り終わり、予鈴が鳴ったときから始まるというのがぼくの考えだ。整然と並べられたステージの椅子。静寂に包まれるホールの空気感。やがて客電が落ちて団員の入りを待つまでの緊張感。そうした演奏開始前のいわば儀式も重要な要素だと思う。厳格な演目であろうと、夏休みファミリーコンサートであろうと、最低限の様式感が必要だ。団員がゲネプロの続きのようにステージで指ならしをし、そのまま本番を始めるというのは考えられない。群響のコンサートでも、こういうことは初めてみた。
そんな調子で、最初のヴェルディから気もそぞろになってしまった。モーツァルトも、ソロの出来も含めていただけなかった。ブラームスはさすがに曲の良さに引っ張られて第1楽章の半ばあたりから充実した響きになってきたが、この曲で重要な役割を負うホルンの調子が悪い。音程が終始高めにずれる。決め所が多いはずのティンパニーもまったく精彩を欠いた。若い奏者なのに覇気がない。
…まあ、良くなかったコンサートをあれこれ語るのも気持ちが良くないのでもうやめよう。というわけで、せっかく勇んで会場に足を運んだ割には冴えない金曜日となった。


口直しに以前も貼ったチョン・ミュンフンとソウル・フィルのブラームス第2番・第2楽章を聴こう。



トスカニーニ&NBC響 「運命の力」



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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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