ラトル&バーミンガム市響 マーラー交響曲第3番ニ短調


今週に入って急に秋めく。そしてきょうで十月も終わりだ。そろそろ床につかなくてはいけない時間だが、あす乗り切れば三連休が待っている気安さから、渋茶で一服しながらひと息ついている。暖房はまだ不要。物音ひとつしない地方都市の住宅地。安普請戸建ての小庵。こんな夜をこれから何回過ごすのか知らん。年甲斐も無く少々センチメンタルになる。


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数年前に出たラトルのEMIマーラー全集のボックスセットから第3番を取り出し、DISK3に入っている終楽章を聴く。マーラーの緩徐楽章の中でもとりわけロマンティックな傑作だ。マーラーのこうした歌謡性を俗っぽいものと解す向きもあるが、これだけ徹底してくれれば文句も出ない。次々に繰り出される美しい旋律は、センチメンタルな夜に甘く切なく響き、20分超の演奏時間はあっという間に過ぎていく。15分過ぎに向かって徐々に盛り上がり、そして一旦沈静化したあと、再び20分に向けて最後のピークへと登りつめ、ティンパニ2台の連打を伴って堂々と終わる。ヘッドフォンで聴いていると、何か異次元に連れ去られるような気さえしてくる。けだし名曲。


チョン・ミョンフンとN響による終楽章。20分あたりから最後の山を登る。22分17秒のピークを前にした22分の木管群のパフォーマンス!




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バッハ平均律BWV853


きのうきょうと一気に晩秋の趣き。朝の気温は一桁に。繰り返し言われることだけれど、やはり近年の季節感のずれを実感する。ふつうの長袖シャツで過ごせる期間が異常に少ない。朝の通勤時もノータイのシャツにジャケットだと襟元が何となく寒々しい。つい先日まで汗だくだったのに…
さて、きょうは9時ちょうどに帰宅。遅い夕飯を取って一服。数日ぶりにアンプの灯を入れた。


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心静まる音楽をと、バッハ平均律からどれか一曲と思い、アファナシエフのCDを取り出す。よくよく録音データをみて、もっとも長い時間の曲を選んだ。アファナシエフの場合は第1集第8曲変ホ短調BWV853がそれにあたる。前奏曲に5分12秒、フーガに7分46秒を要している。
いつもながら静かに深く沈みこむバッハ。このところ平均律といえばもっぱらアファナシエフを聴いている。グールドの演奏が1曲1曲に意を尽くして様々なアプローチを展開するに対し、アファナシエフは平均律全曲に対して統一したコンセプトで臨んでいるように感じる。曲想の違いは解釈ではなく、もっぱら曲そのもの、バッハの楽譜そのものの違いによって表出される。だからどの曲を聴いても、同じ向かい合い方が出来るように感じるのだ。アファナシエフのバッハへのアプローチは技法的にはややロマンティックに寄っているだろうか。和音はやや分散和音的に弾く。楽曲全体に過度の緊張感や厳しさを持ち込んでいない。このBWV853に対しても同様だ。深く静かに進むが、厳しさはなく、どこかやるせない寂しさとあきらめが付きまとう。


パトリシア・ハーゼという若いピアニスト。ぼくは寡聞にして不案内。



ティモフェイ・ドクシツェルのトランペットで前奏曲。



アファナシエフ盤の第1集全曲。BWV853は38分24秒から。
http://youtu.be/kategnv_1oc



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<業務連絡>11月3日浅草で弾きます


ようやく快晴の日曜日。日帰り小ドライブ。外は風もあり気温も少し低めだったが、車の中は陽射しを受けてポカポカ。気持ちのいい一日だった。のんびり陽が高くなってから出たため、帰宅も少々遅くなる。夕飯を済ませてひと息つくと、もう日付けが変る時間になっていた。 今夜は音盤ナシ。先日の記事にチラッと書いた、知人のそのまた知人が開く個展の賑やかしにギターを弾く件の業務連絡を。

日時:11月3日(日)文化の日 午後2時頃から30分程。
場所:ギャラリー『ブレーメンハウス』@浅草

浅草のど真ん中といってもいい場所。ちょうど浅草公会堂の裏口。近くには天丼が名物の大黒屋もある。間口一間半のごくごく小さなギャラリーのようで、個展といっても小数の展示をするのみとのこと(ギャラリーHPの展示スケジュールには記載なし)。演奏曲目はおおよそ以下の内容。

◇ バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番から プレリュード・サラバンド・メヌエットI/II
◇ A.ロジー:組曲ハ長調 シャコンヌ・クーラント・メヌエット・サラバンド・ガボット・ジグ
◇ ソルかメルツの小品2曲ほど
◇ 佐藤弘和作品集から3曲ほど
◇ ポピュラー:江部賢一編の楽譜(+ジャズ風自己アレンジ追加)で数曲

楽器を通常のモダンタイプにするか19世紀タイプにするか思案中。ギャラリーのスペースは広くなく、響きもよさそうなので、オリジナルの19世紀ギターにしようかと思い、今夜はだいぶ古くなっていた弦を張り替えた。先日の記事に書いた英チャペル社の楽器に、弦はガットの音を模して開発されたイタリア:アクイーラ社のアンブラ800という19世紀ギター用のローテンションのもの。

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この弦の高音はやや特殊なナイロンで出来ていて、張りたてはまったく安定せずにどんどん延びる。こんなに巻いて大丈夫かと思うほどペグを回す。一晩おいて明日以降しっかりチューニングして様子をみる予定だ。曲目はここ2年ほどの間にmixiの集まりで弾いたもののかき集め。といっても、もう1年近く人前では弾いていないので、当日も楽譜を見ながらダラダラと弾くことになりそうだ。
天気に恵まれ浅草見物という方いらっしゃれば、天丼食べたあとの腹ごなしにでも、ぜひどうぞ。


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ロベルト・シュトルツのウィーンナワルツ集


当地関東は台風接近で、昨夜夜半から風雨強まるも朝には峠を越した。西の空はだいぶ明るくなってきたが、すっきり晴れるのは明日以降になる様子。秋たけなわを感じこともなく10月も最後の週末だ。きょう26日は東京近郊の腕利きかつマニアックなアマチュアギター弾きが集う会に誘われていたのだが野暮用で不参加。この会、数年前に故人となったギター専門誌元編集長S氏を囲むサロンとして始まり、メンバーも相応の連中が紹介を受けて入るというもの。私は旧友Y氏の紹介で機会を得たのが、未だ参加に及ばず。次回はぜひにと思っている。
さて空は晴れず、思い雲が垂れ込め、気温も低く肌寒い。こんなときは何を聴けばいいかとしばしの思案。より一層渋くブラームスの室内楽でもいいのだが、気分転換に先日買ってまだ封を切っていなかった盤を取り出した。


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ロベルト・シュトルツの振るウィンナ・ワルツ集の2枚組。シュトルツが60年代から70年代初頭にベルリン交響楽団とウィーン交響楽団を振って残した多くのウィンナワルツの録音から抜粋したもの。以前記事に書いた盤と半分近くがダブルのだが、といって12枚組の集大成盤を買うには及ばないかと、この2枚組を手に入れた。
演奏は以前の記事にも書いた通り、古き佳き時代の薫りを残す優雅でロマンティックなもの。オケの編成も大きくたっぷりとした響き、レガートかつ息の長いフレージングが今となっては味わい深い。ウィンナワルツの祭典とでもいうべきウィーンのニューイヤーコンサートが、いささかグローバルかつ立派過ぎる感無きにしも非ず。その点、このシュトルツ盤あたりは、東と西をつなぐウィーンのローカリティを感じながら聴くには最適だ。それも、「美しき青きドナウ」や「ウィーンの森の物語」といった超有名曲から少し外れた曲を選んでしみじみ聴くのはまことに趣き深い。

シュトルツ指揮ウィーン響のシュトラウス2世「南国のバラ」



以下はイタリア人のルイジ・アルディーティが作曲し、19世紀末に欧州全土で流行したイタリア生まれのウィンナワツル歌曲「IL Bacio」邦題「接吻円舞曲」。映画「オーケストラの少女」でディアナ・ダービンが歌って現代でも知られる曲となった。当時から様々な楽器に編曲されていて、きょう参加する予定だった先の集まりで、旧友Yと当日合わせで二重奏を予定していた。(ギター二重奏版の楽譜はこちら)。

ディアナ・ダービン


ヴァイオリンとギターの二重奏。



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ドヴォルザーク 序曲「謝肉祭」


先週の台風一過以来、当地関東はずっとぐずついた天気が続く。気温も低めで、夜半には暖房が欲しくなるほどだ。ついこの間まで、真夏日だ、夏日だと言っていたのに…
さて、このところ仕事にそこそこ追われていて帰宅も遅め。ゆっくり音楽を聴く状態ではないのだが、こんな調子だとずっとアンプに灯が入りそうにないなあと、今夜はやや強引にスイッチを入れた。そういえば、きょう帰りの車中のFMでドヴォルザークの序曲「謝肉祭」が流れていたのを思い出し、手持の盤を引っ張り出してきた。パーヴォ・ヤルヴィ指揮ロイヤルフィルハーモニーの演奏。激安ボックスセットの雄:ブリリアントレーベルのドヴォルザーク交響曲全集中の1枚。


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交響曲のいくつかとチェロ協奏曲が突出して有名なドヴォルザークだが、他にももちろん多くの名曲がある。管弦楽曲だけでも、4つの交響詩、いくつかの序曲、伝説曲、チェコ組曲、アメリカ組曲やセレナーデ、スラヴ舞曲など、思い出してみると結構な曲数にのぼる。そんな中にあって、序曲「謝肉祭」は10分足らずの小品ながら演奏頻度も高い人気の曲。きょうのNHKFMはフランス国立管弦楽団の現地シャンゼリゼ劇場でのコンサート幕開けの演奏だった。中間部にフルートとオーボエによる美しい緩徐部をはさんで、前後はまさにボヘミアの謝肉祭を連想するような素朴で賑やかなフレーズが続く。もちろんドヴォルザークらしい、どこか懐かしいメロディーにあふれ、おそらく初めて聴いても一緒に口ずさみたくなるだろう。


昨年2012年のプロムスでの演奏。この曲は中間部をはさんだソナタ形式で出来ている。懐かしさあふれる第2主題は1分47秒から。ここを聴いただけでドヴォルザークの曲と察しがつく。美しい中間部は3分50秒から。イングリッシュホルン、そしてフルート、オーボエが続く。中間部が終わるとソナタ形式展開部に相当するフレーズが続く。7分25秒過ぎからは、バロック期以来20世紀ポップス、昭和歌謡まで続く和音進行VI-II―V-Iが聴ける。指揮をしているのは1946年プラハ生まれのイルジー・ビエロフラーヴェック。90年代後半にBBC響へデヴューし2006年に首席指揮者に。そんなイギリスとの縁からプロムスに出たのだろう。



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このブログについて 2013年秋


この春頃から、このブログへのアクセス数はほぼ一定していて、毎日100~150IPというところ。開設から三年が経ち、記事数750余、取り上げた音盤500枚余になろうかというきょうこの頃。アクセス数横ばいながら、新旧入れ替わりもあるようなので、以前このブログの成り立ちについて書いた記事をあらためてアップしておきたい。以前からお付き合いいただいている方には再三の告知で恐縮です。

ブログが持つ性格上、だいたいはアクセスした当日の記事を読む。過去の記事にさかのぼってみたり、あるジャンルの記事を拾い読みすることも少ないだろう。従って、このブログを定期的に読んで下さっている方も、開設当時からの一部の方は別として、他の方は初めて来たとき以降の記事を見るに留まっていることと思う。そこできょうは過去にどんな記事を書いているかをブログの機能であるカテゴリー分類に従って思い出してみることにした。もしこのブログにアクセスしたときに更新していなかったら、更新しろッ、このボケッ!と言わずに、過去の記事をぽつぽつ読んでもらえるとうれしい。

<六弦>と<音曲>
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ところでこのブログのタイトル『六弦音曲覗機関(ろくげんおんぎょくのぞきのからくり)』についてひと言。由来は江戸時代の歌舞伎の外題による。河竹黙阿弥が江戸末期の文久2年に作った『勧善懲悪覗機関(かんぜんちょうあくのぞきのからくり)』という世話物狂言がある。今ではほどんど上演されないが、この外題の覗機関(のぞきのからくり)という表現が妙に新鮮で拝借した次第。この外題に6本の弦を持つギター=六弦と音楽=音曲とをくっつけたタイトルだ。若い頃は歌舞伎も好きで、NHKの中継は欠かさず観たし、群馬の田舎から歌舞伎座や国立劇場の立見席へも幾度となく通った。30年も前のことだが。

以下はブログの右側にあるカテゴリー選択で選べる記事の分類。カッコ内はこれまでの記事の数(2013年10月時点)。カテゴリーを選ぶとその分類の記事が順番に出てくる。画面の下までいくと<次のページ>が選択できるので、そこをクリックすると更に過去の記事へ飛ぶ。このブログの基本はクラシックを中心とした音盤鑑賞記。従ってクラシック分野のカテゴリーだけは雑誌やCD・レコードの分類慣習に従ってやや細かく分けている。


ギター (87)
ブログタイトルである六弦=ギターについての記事。多くはギターのレコード・CDを聴いてのアレコレ。YouTubeで見つけた演奏などもときどき貼っている。
楽器 (32)
自分の楽器や友人の楽器の紹介、楽器弾き比べ、ギター製作家の工房訪問記など。ギター工房訪問記でこれまで登場したのは、田邊雅啓、西野春平、松村雅亘、廣瀬達彦、一柳一雄/邦雄、中山修。訪問したもののまだ記事にしていないのは野辺正二、庄司清英など。
クラシック一般 (7)
クラシックは下記のジャンルごとに分類しているが、この分類はそうしたジャンルに入れられないもの、あるいは話のついでにクラシックのことを記したものなど。
ジャズ(81)
ジャスも好きでよく聴いている。お気に入りの音盤紹介。ジャズウーマンのジャケ買いもしばしば。
ポピュラー (16)
フュージョン、ロック、映画音楽など。
オーディオ(24)
オーディオについてはもっと書きたいこともあるのだが…
◆指揮者 (87)
好きな指揮者、気になる指揮者、??な指揮者など、オーケストラ作品を指揮者への興味から取り上げたもの。オーケストラ曲を聴いていると、どうしても指揮者の解釈、オケのコントロールといったところに興味が行き着く。
―以下はクラシック音盤の一般的分類に従ったカテゴリー分け-
◆交響曲 (66)
◆管弦楽曲(44)
◆協奏曲 (52)
これら3つの分類は、指揮者による分類よりは曲そのものへの興味から取り上げたもの。協奏曲の場合は曲自体とソリストへの興味もある。
◆室内楽(55)
2つ以上の楽器よるアンサンブル。チェロやヴァイオリンの独奏でもピアノ伴奏がある場合はここへ分類。
◆器楽曲(84)
ピアノ独奏、ヴァイオリンやチェロの無伴奏のもの。
◆声楽曲(13)
いかに声楽ジャンルを聴いていないかが分かる。

◆歌謡曲(16)
本当はもっと書きたいカテゴリー。手元には昭和歌謡のドーナッツ盤約200枚、LPも100枚ほど有り。
◆日々の出来事(57)
音楽に直接関係のない話題。
◆北欧(4)
2003~2006年に仕事で何度か行った北欧の思い出。現地オーケストラ体験など。しばらく書いていないものの、あと10本くらいはネタあり。
◆演奏録音(10)
下手くそな演奏をアップ。mixi仲間との19世紀オリジナルギターによるアンサンブルなども。


…というわけで、こうして分類とその記事の数をみると、おおよそ今の自分の音楽への興味を映し出している感じがする。これからも偉大なるマンネリズム目指し、かつ硬派をよそおいながらやっていきます。みなさん引き続き、アクセス・コメント・拍手・ランキングバナークリック・お知り合いへの紹介、諸々ヨロシクです。


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19世紀ギターで弾く古典の味わい


冷たい小雨降る日曜日。昼をはさんで少々野暮用。午後は久々に楽器を取り出してひとしきり弾いた。今のところ、これといって何か目標とする曲があるでもなく、暗譜するでもなく、いつもながら食い散らかしに近い練習。マンドリン用のオデル教則本に出ているスケール練習をいくつか弾いて指慣らし。そのあとはその日の気分で楽譜を広げる。きょうはソルの喜遊曲と、元々はソルがピアノために書いた曲のギターアレンジ譜を選んだ。楽器は19世紀半ばにイギリスで使われていたチャペル社の楽器を取り出した。


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19世紀古典期のギター曲を当時のオリジナル楽器で弾く楽しみ。その響きにはモダン楽器では味わえないものがある。現代の楽器と比べると絶対的な音量、音圧はもちろん小さい。しかし、それを補って余りある響きと反応の良さ、音の広がり、和音の調和は比類がない。ソルやジュリアーニをはじめ、マティエカ、ディアベリ、フォッサ、カルカッシなどが残した曲から技巧的にあまり無理のない曲を選んでポロポロと弾いて楽しむ。弦長610~630mmが標準だった当時の楽器に、当時と同じくらいの低めの張力の弦を張る。無理なく楽器全体が鳴り響き、まことの心地いい。弦は1年以上交換しておらず、低音の巻き弦はすでに輝きを失っているが、音は適度にエッジが取れて、むしろ好ましい。モダンギターもそうだが、ぼくの場合弦の交換頻度はとても低い。新品の弦に付きもののビーンビーンというメタリックな音を(しかも暴力的なタッチで弾いた音を)聴いていると、あれは楽器の音ではなく弦の音だと感じるからだ。極端な言い方をすると、金属バットでブッ叩いて音を出しているように感じる。そんなに無理しなくても楽器は鳴るはずだし、無理せずに鳴るところで留めておくべきだと、自戒を込めて思う。

弦をはじいた瞬間に音が立ち上がり、短めの余韻で消えていく。ギターの音にサステインの長さを求めたくなる気持ちは分かるが、ピアノ同様、発音のあとは減衰しかない楽器の特性をネガティブに捕らえる必要はなく、少なくても古典期のクラシカルな作曲家もそれを考慮して音符を並べているはずだ。物理的なサステインに関して、当時は部屋の響きがその役割を負っていただろう。音を切らずつなげて弾きなさいと、かつての教科書や指導者は主張した。しかしそのために無理な左手の運指を強いられ、結局音が切れてしまう。前後の音との関係とフレージングでいくらでもレガートな演奏は可能だろうと思う。まあ、ぼく自身が範を示せるわけではないので、説得力はないのだが…


デイヴィッド・スタロビンによる19世紀ギター(ウィーンモデル)の演奏でジュリアーニとソル。大曲と格闘する前に、音符の並びから言えば技巧的にさほど無理のないこうした曲を、フレージングとアーティキュレーションでレガートに聴かせる音楽性を大事にすべきだと、この演奏が教えてくれる。





昨年末に19世紀ギターで弾いた演奏から、バロック期のA・ロジーの組曲を二つ。

組曲ハ長調
http://youtu.be/6wMYLPhSo-8


組曲イ短調
http://youtu.be/MS8CIUzqhI0



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プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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