ホリー・コール ガール・トーク


今月は業務中々多忙にして、夜のんびりと音楽を楽しむ余裕もないまま月末。そして早いもので、あすは仕事納めだ。この年末年始はカレンダーの巡り合わせよく、官公庁も民間も原則九連休。年の瀬の雰囲気はもひとつないが、ひとまず今年もお仕舞いだ。

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おとといクリスマスイヴの夕、都内での仕事を終えて東京駅に向かい、新名所日本郵政ビル:KITTEをちょっと覗いてきた。ちょうどクリスマスイルミネーションもあすで終わるという日で、折からコーラスグループJIVEがミニライヴをやっていた。吹き抜けにそびえる大きなもみの木は当地群馬県産だそうだ。

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今夜も日付が変る時刻。STAXのヘッドフォンを頭にのせ、ナイトキャップ代りにホリー・コールの初期のアルバムを聴いている。1990年の録音、1993年のリリース。確か彼女のトリオの第2作目ではなかったか。シンプルなバックにのせて浸透力のある歌声が耳元でささやく。今年も単調で呆気なかったけれど、まあいろいろありました。そんなつぶやきをしつつ、年の瀬を迎える。

この盤の全曲。


彼女のHPにあった映像。この時期に相応しい。



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ホセ・マリンのギター


先日の記事で、最近試奏した楽器について書いたが、その後そのうちの1台を送ってもらい現在自宅にて鋭意試奏中だ。一般の<何でもおいてある>楽器店や大手チェーン店と違い、クラシックギター専門店の敷居は低いとはいえない。これはギターばかりでなくヴァイオリン属など他の楽器でも同様だ。大体は大都市にあり、雑居ビルの階段を上がっていった一番奥やマンションの一室も珍しくない。そういう場所にあるから敷居が高いのか、敷居を高く、つまりは一般の流れ客を相手にしないからそういう場所にあるのか、まあその両方だろう。そういう店であっても、一、二度買い物をし、客が信用のおける相手で、なおかつ(ここが重要)楽器の扱い方を心得ていると判断すると、かなりの値段の楽器も自宅へ送ってくれる。個人の製作家でも試奏用の楽器を送ってくれる方もいるし、よかったらそのまま引き取って下さいと、ケースに現金書留の封筒を同梱していきたベテラン製作家もいた。楽器店との付き合い方に関しては、いつか書きたいと思う。


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さて、届いたのはスペイン・グラナダの製作家:ホセ・マリン2011年作のもの。店で弾いたときの印象そのままに、明るくカラッとした音でよく鳴っている。あまりに明るく鳴るので、少し音に重量感と太さを加えてみようと、弦をオーガスチンのリーガル(高音)と赤(低音)に替えて様子をみている。弦長650mm。ボディーサイズは標準かややコンパクト。重量を計ると約1500g。弦の張りも柔らかく感じる。極端ではないが、軽く柔らかく作られたギターだ。表板はスプルース、横裏は中南米ローズウッド。糸巻きはルブナー。塗装はセラック。工作精度もスペイン製ギターによくあるカジュアルさはなく、精緻に作られている。前オーナーは初心者であったとのことで、弦交換に伴う駒周辺のキズと表板の弾きキズが散見されるが、美品中古といってよい。
ギターの音色の印象に大きく影響する低音ウルフの設定はG#。突出して響く感じはなく、腰高でもドッシリ型でもなく中庸だが、6弦5フレット以下のボリューム感は十分ある。中高音は音の立ち上がりが速く、サステインも自然でよくのびている。自宅の部屋で弾いて自分で聴いているという状況下では、全体の音量感はぼくの手元にある楽器の中でも一、二を争う。総じて欠点らしい欠点が見当たらない。あえて言うなら、選ばれた名器が持つ音色の奥行きの深さ、楽器全体から放たれる風格といったものに欠けるだろうか。すぐに下種な例えをしてしまうが、おきゃんな少女時代を終えて、少し色香を漂わせ始めた若やいだ娘という印象だ。

昔よく日本のギターの音は暗く、スペインのそれは明るいと単純な言われ方をされた。ぼく自身も音色についての感度が今ほどなかった昔は、そんなものかなあ位に思っていたが、このマリンのギターを弾くと、かつてのそうした言われ方が現在も依然としてあると感じる。もっともマリン一族やアントニオ・ラジャ一族などに代表されるグラナダの楽器は、同じスペイン製のギターの中でも取り分けその傾向が強く、ラミレス系譜のマドリッド系のギターとはかなり性格が異なる。かつてサントス・エルナンデスやマヌエル・ラミレスらによって隆盛を誇ったマドリッド派も、60年代中庸以降のラミレス3世の影響もあってか、世代交代ごとに作風が変ったというのがぼくの認識だ。アルカンヘルやバルベロ・イーホなどの近作も弾いたことがあるが、かつてのスパニッシュな味わいが感じられず、すっかりモダンな音作りになっている。むしろグラナダ系の方に古きスパニッシュの雰囲気を感じる。マリンの楽器はモダンでよく鳴る楽器でありながら、そうした古いスペインの楽器をほうふつとさせる気配を持っていて、中々好ましい。さて、この初々しい色香にオジサンが参ってしまうのかどうか。いずれ後日談を。


スペイン、英国、フランスの楽器から代表格をそれぞれ数本を取り上げ比較し、その特徴についてコメントしている。マリン(叔父のアントニオ・マリン)も選ばれ、グラナダ系楽器としての特徴を説明している(2分10秒過ぎから)。
西:アントニオマリン・モンテロ、パコ・サンチャゴ・マリン他
英国:ゲリー・サウスエル、サイモン・アンブリッジ他
仏:フレドリッシュ、ドミニク・フィールド他



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閑話休題 2013年12月 冬支度


きのう11月30日はフルトヴェングラーの命日。1954年没。ちょうどぼくが生まれたあと2週間ほどして亡くなったことになる。ブログを始めた2010年翌年2011年の命日には彼の盤を聴いた。昨年はパス。そして今年も11月30日が巡ってきた(なんだかあっという間だなあ…)。今週はずっと第九を聴いていたこともあって、今年の命日は彼の第九に針を降ろす。折りしも寒波到来で夜半を過ぎて冷え込んできたので、アラジンストーブにも今シーズン初めて火をつけた。

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ぼくがせっせとクラシックを聴き始めていた70年代半ばは、フルトヴェングラーの第九といえばバイロイト盤が最有力だった。しかし貧乏学生にはレギュラープライスのバイロイト盤は買えず、たまたまフォンタナレーベルの千円盤で1942年のベルリンフィルとの演奏(ユニコーン盤と同一)が出たので買い求めて、それこそ擦り切れるほど聴いた記憶がある。四畳半の下宿にあったオーディオセットは、16cmフルレンジ三菱P-610を安直な後面開放の自作箱に入れたスピーカ、やはり自作の6BM8シングルのアンプ、プレーヤーはテクニクスの安物。思い出すと涙が出そうなくらい貧弱なセットだ。バイロイト盤は後年手に入れた。その後これら二つの代表盤以外にも随分いろいろな録音が出てきて、フルトヴェングラーの熱心なファンでもないぼくなどは、まったく整理がついていない。


そういえば、例の件のその後。
職場でチェロとフルートの名手と知り合って、ピアソラとジュリアーニを合わせることになった件。近々某所にて合わせることになった。その方の知り合いのチェリストもジョイントする予定。話が持ち上がってから三ヶ月近くになるのだが、結局まともな練習はしておらず、まあ止らずに最後まで行ければいいかという、いつもながらのスットコドッコイ状態だ。

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ブルクミュラーの夜想曲は問題なし。当初の目的だったピアソラ:タンゴの歴史のカフェ1930も及第点。ボーデル1900は所々ごまかしを入れて乗り切る予定。ナイトクラブ1960は速いパッセージがキッチリと弾けない。ジュリアーニは第1楽章のギターソロ部分がうまく乗れればOKだが、フレーズの最初でつまずくとはずしそうだ。2、3、4楽章は及第点。…とまあ、そんな具合だ。昨晩はその合わせ物の練習に加え、先日まとめて買ったメルツの楽譜をパラパラめくって拾い弾き。京本輔矩編の吟遊詩人の調べ上・下、それと今年現代ギター社から出た「音楽のパノラマ~136の楽しい小品集1・2」。共に海外図書館のアーカイブから拾えるものだが、見やすくまとまった出版譜は使い易い。特に「音楽のパノラマ…」は当時のホームミュージックとしての初級から中級程度のギター曲。19世紀中庸の欧州中流家庭の子女が燭台の明かりを頼りにポロポロと弾いていた光景を想像しながら弾くと味わい深い。


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さて12月。来年の手帳も準備完了。2005年から続けて使っている英レッツ社のオーソドクスな手帳を今年も選んだ。まだ今のところは手帳に予定を書き込み、それを確認しながら日々を送る生活が続いているが、仕事もやめ、晴耕雨読のその日暮らし、予定もへったくれもあるかというジジイの生活になるのだろうか。


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プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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