オーディオ小ねた MDR-CD900ST


長らく愛用した大型スピーカー:2S-305を手放す決心をしたのが去年の今頃。その後しばらく委託先のオーディオショップ店頭にあり、ネットでも露出をかけてもらっていたが、昨年秋に嫁ぎ先が決まった。なんと行き先は隣国中国。現地在住邦人からの注文だそうだ。初めての海外発送、しかも2本で100キロ超えの大型荷物ということで、店をあげての大仕事になった由。今頃は彼の地で305サウンドを奏でていることだろう。

本当の別れとなると幾ばくかの寂しさも募るかと思ったが、305を横に見ながら小型スピーカーを使うという宅内別居1年。さらに委託先に預けてからの完全別居1年。この間、たまには会おうよ、なんて都合のいいことも言わずに過ごした。2年のあいだに十分覚悟は出来ていたし、別居の隙をぬって新しい恋人ハーベス嬢も早々にやってきた。そんなわけで305との別れも大仰になることなく終わった。今はハーベス嬢との蜜月も過ぎて安定期に。しかも深夜のリスニングも多いという事情もあって、最近はヘッドフォンで聴くこともしばしばだ。以前から使っているソニーMDR-CD900STに加え昨年、ちょっとレトロなSTAXの初期型も手に入れた。シビアに聴くときはSTAXの出番となるが、PCでYouTube音源をチョイ聴きという際は、ソニーの900STをノートPCのヘッドフォン端子に無造作に差し込んで聴く。PCの横に申し訳程度においたPC用モニタースピーカーなるオモチャに比べると、当然だが別格の音だ。

このソニー900STを手に入れたのは、もう15年ほど前。当時も今もソニー・ミュージックエンターテイメント扱いの商品で、スタジオワークの業務用機器。当初一般市販ルートではあまり目にしなかったが、その後次第に注目されるようになり、今では量販店にも並ぶようになった。テレビや雑誌に出てくるミュージシャンの録音風景でもたびたび見かける。
そんなド定番となった900ST。さすがに長年の酷使によりイヤーパッドはくたびれ、耳への側圧もいささか甘くなっていて、そろそろメンテナンスしようと思案していた。業務用ということもあって、このヘッドフォンはすべてのパーツが個別に取寄せ、交換できる。先日、年末年始の休みを前にイヤーパッドとウレタンリングの保守セットを手に入れて交換を試みた。


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業務用らしく紙ペラ1枚のインストラクションが付いてくる。イヤーパッドの交換は少々コツと力が要るかもしれない。ウレタンリングは柔らかい上に両面テープの接着力が強いので、うっかりすると両面テープの接着面どうしがくっ付いてしまい、収拾が付かなくなる恐れがあるので要注意だ。ギターで鍛えた黄金の左手を持つぼくは(^^;、渋茶をすすりながら20分ほどで無事リフレッシュ作業完了となった。

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900STは、あくまで原音波形を忠実にトレースするのが目的のヘッドフォン。全帯域で作為なく、録音されたすべてのコンテンツを美醜を問わずさらけ出す。低音はすっきりと締まっていて、米某社のような作り物の低音とは無縁。中高音も耳当りのよさを求めたりはしない。どんな音も輪郭をぼかさず、くっきりと描き出す。しかも業務用ということでモノとして丈夫に出来ている。2S-305と近似するコンセプトを感じる逸品だ。
ポータブルオーディオ全盛となった10年ほど前から、ヘッドフォン売り場の品揃えは驚くほど増えた。こんなにたくさんあって、一体どう選ぶのか。メーカーも利益は確保されているのか。そんな心配をしたくなるほどだが、この勢いは一向に衰える気配はない。スピーカーと違って、ポケットマネー程度でそこそこの商品が買えるところがまた悩ましい。実は900STとSTAX:SR-5に満足していながら、ちょっと毛色の違うモデルをと画策中。さてどうなるか…


MDR-900STの派生機種にして隠れた逸品:MDR-7506。こちらを高く評価する向きもある



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音楽とクラシックギターに目覚めて幾年月。道楽人生成れの果てのお粗末。

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