バッハ 2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調BWV1043
あっという間に五月も下旬。今月の業務予定も大過なく終了見込みで休心。来月以降の予定を少しでも先行して着手しようと、殊勝にもいつになく前向きハッスル。こんな様子を神様も見ていてくれたのか、知人から吉報あり、「おい、与太。先月のクレーメルの続きだけどなあ、ヴェンゲーロフのチケットがあるが行かないか?イヴリー・ギトリスも出るぞ。」とのこと。ヴェンゲーロフといえば最上級の評価を受けながら先年の故障で一時は指揮者に転向かとの噂もあったが、完全復活との本人談。ギトリスにいたっては90歳超えの現役にして最長老だ。二つ返事で誘いを快諾。あさって29日は都内での仕事が終わり次第、横浜みなとみらいへGo!の予定となった。


プログラムにのっている2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調BWV1043。いくつかある手持ちの盤の中から、ちょっと古いオイストラフ親子によるレコードを取り出した。オールドファンには懐かしい廉価盤ヘリオドールレーベル。もちろんオリジナルは由緒正しいDG。1962年録音。録音技師はギュンター・ヘルマンス。ユージン・グーセンス指揮ロイヤルフィルハーモニー管。チャンバロはジョージ・マルコム。オイストラフ親子はこのDG盤に先立つこと数年前に、シュターツカペレ・ベルリンともバッハの協奏曲集を録音している。
久しぶりに針を降ろしたのだが、一瞬プレイヤーの回転数設定を間違えたのかと思った。昨今の演奏に慣れた耳にはそれほどゆっくりとしたテンポに聴こえる。テンポばかりかピッチも半音くらい低いのではないかと思うほどだ。半世紀前のスタイルはこれがスタンダードだった。横に流れるフレーズ重視で風がそよぐように奏でられる演奏の対極。一音一音確かめるように丁寧に弾き進める。親子で2つのパートを弾き分けているわけだが、やはり父ダヴィッドの音がひときわ太く響く。この曲はバッハの協奏曲、いや器楽曲の中でももっとも好きな曲の一つ。決して技巧的な難曲というわけではないが、多声的な展開、明快なリズムとアクセント、トゥッティとソロの対比など。実に美しく気品に満ちた名曲だ。
あさっての晩は、ヴェンゲーロフとギトリスの両巨匠がどんなバッハを聴かせてくれるのか楽しみだ。
ヴェンゲーロフの演奏。2011年モスクワのオケと。第1楽章。
オイストラフとメニューヒン。
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