インバル&フランクフルト放響 ブラームス交響曲第2番ニ長調
遅い夏休みは予定通り、もとい予想通り、これといった前向きな行動もなく、グウタラ生活に終始。メンテナンス上がりの田邊ギターに新しい弦を張ってアレコレ音色の確認、あまり身の入らない仕事の宿題少々、きょうは隣り町のデパートまで出かけ秋冬の服で少々散財、そんなところで休みも残すところあす一日となった。
音楽は新規開拓なく、あてもなく手持ちの在庫確認。今夜はさきほどからインバルのブラームスを絞り気味の音量で流している。


手持ちの盤はエリアフ・インバルが長らくシェフを務めたフランクフルト放送交響楽団を振ったブラームス交響曲全集。2007年に日本コロンビアから3枚組のセットでリリースされた際に手に入れた。近年多くのマスタリングで高い評価を受けているマスタリングエンジニアの山下由美子によるリマスタリング盤。録音は1996から1998年に同団の本拠地フランクフルトのアルテ・オパーで行われている。
インバルとフランクフルト放響のコンビは、ぼくがまだ学生だった70年代後半からNHKFMの海外コンサートライヴの放送でよく取り上げられた。ほどなくDENONレーベルでの録音も始まり、マーラーやブルックナーなどの大曲と次々にリリース。その録音の素晴らしさもあって多いに人気を博した記憶している。その後も、フランスやウィーンのオケとラベルやショスタコーヴィッチを録音した。しかしどうもそうした大曲のイメージが強くて、ウィーン古典派やブラームスに関して、インバルの演奏が最初に推されることはほとんどない。1936年生まれのインバルも70代後半。都響との関係も深く日本でもお馴染みとなったが、マーラースペシャリストの看板は変らないようだ。
さてブラームス第2番。第1楽章からごくオーソドクスな解釈とテンポで進む。アルテオパーの前後左右に広がる音からは、いかにもヨーロッパのオケを感じる。どっしりとしたチェロ・バスの響き、やや遠めに響く木管群、時折り浮かび上がるホルン。いずれも過不足ないものの、一方で展開部や終盤の盛り上がりなどには少々物足りなさも感じる。第2楽章冒頭のチェロのフレーズなどはマーラーの緩慢徐楽章のようにたっぷり歌うかと思いきや、意外にあっさりとした表現だ。第3、4楽章もハッとするような表現、あるいはキリッとした造形、柔軟なフレージング、そういった特別な何かを感じさせるところはなく、不足なくしかし淡々と進む。マーラーなどでは、この冷徹さとでもいうべき性向が複雑なテクスチャの表現に合っていたのだろう。しかし、ブラームスとなるとそれだけではうまく事が進まないような気がする。インバルの方向性であれば、第3番や第4番の方がピタリと合うようにも思う。もう少し季節が進んだら、その時期に相応しい第3番や第4番でインバルのブラームスをもう一度聴いてみようと思う。
ドホナーニとNDR:北ドイツ放響。伝統を感じさせる重心の低い、よくブレンドされた音。いい演奏だ。
以前も貼ったチョン・ミュンフンとソウルフィルによる第2楽章。冒頭チェロの長いフレーズの歌いっぷりが素晴らしい。
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