ベートーヴェン 弦楽四重奏第15番イ短調


お陰様で<クラシック音楽鑑賞ブログランキング>は引き続き1位をキープ中。クラシック音楽全体のランキングでも5位に食い込んでいる。だからどうしたというものではないが、ちょっとしたお楽しみということで、引き続きバナークリック<一日一打>よろしくお願いいたしまスルメイカwww。
さて、このところずっと管弦楽主体の曲ばかり聴いているような気がして、久しぶりに弦楽四重奏でも聴こうかと思い、どうせ聴くなら渋い曲調にしようと、ベートーヴェンの後期四重奏の盤を取り出した。ラサール弦楽四重奏団による後期作品集の3枚組(現役盤はこちら)。第13番から第16番が収録されている。今夜はその中から第15番イ短調作品132の盤を取り出した。1977年3月録音。


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ベートーヴェン弦楽四重奏の手持ちの盤では、バリリSQの全集、ウィーン・アルバン・ベルクSQの中期作品集(最初の録音)、それとこのラサールSQ盤の後期作品集がある。 ぼくの場合、ベートーヴェンのカルテットはそうそう頻繁に聴く曲ではないが、聴き始めるとやはりその深い内容と充実した響きに心奪われる。 一方で、後期作品ともなると、その規模大きさ、和声の複雑さ、そして曲調の深遠さから、およそエンターテイメントの概念からは遠く、そうそう楽しく聴く音楽ではなくなる。そんな中にあって第15番イ短調は、明快なメロディーラインや和声感、穏やかで心温まる緩徐楽章など、あまり深刻にならずに聴ける曲だろう。全5楽章中でも取り分け、素朴な舞曲調の第2楽章や教会旋法からなるコラール風の主題が清らかに流れる第3楽章、そしてアラ・マルチアの第4楽章から続く終楽章と、明快な短調主題とその展開にベートーヴェンらしさが聴ける。初めて聴いても心惹かれるだろう。総じてこの第15番は、深刻な曲調が多い後期弦楽四重奏の中にあって、過度な深遠さとは無縁と言ってよく、素直に充実したベートーヴェンの音楽が楽しめる佳曲。深まりゆく秋の宵に聴く渋いベートーヴェンのカルテットはまた格別だ。


全曲(但し第2楽章割愛)。<beethoven string quartet 15>で最初にヒットした演奏だが、中々素晴らしい。
クラシックギター弾きには経験できない音楽的感興。嗚呼…



第3楽章の終盤から、第4楽章・第5楽章。
長い第3楽章の終盤が静かに終わり、4分30秒からアラ・マルチアの第4楽章へ。6分05秒からレシタチーボ風の経過句を経て6分45秒から第4楽章。



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セル&クリーヴランド管 ベートーヴェン交響曲第2番ニ長調


9月も下旬。好天続きで日中は30℃近くまで気温上昇。朝晩の寒暖差は15℃近くあり、日々大したこともしていないのに、夏の間に溜め込んだ疲れが出てくるのか、何となく体がダルい。秋口の今頃、過去何度か季節はずれの風邪を背負い込んだことがある。用心しておこう。
さて、少し前に久々に買い込んだCD、セルとクリーヴランド管のセット。シューマンと合せて、ベートーヴェン交響曲集もぼちぼち聴いている。


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ベートーヴェンの交響曲全集は一体何組めかという感じだが、セルの盤はもっと早く手に入れたいと思っていながら、中々出会うことがなく、今頃になってしまった。ベートーヴェンの交響曲全集を手に入れたとき、最初に聴く曲は第2番ニ長調と決まっていて、今回もまず2番をプレイヤーのトレイに載せた。1964年10月録音。ちょうど半世紀前ということになる。
第1楽章冒頭の序奏から、セル&クリーヴランド管の名前からイメージする音がそのまま飛び出してくる。きっちり整ったアンサンブル、引き締まった弦楽群の響き、各パートの明確な分離、もたれないフレージング…そんなところだろうか。同コンビの録音は70年代の廉価盤LP時代から、音の状態に不満が多く、その演奏の真価を伝え切れていないとの評が多かった。今回、2012年秋からリリースされた一連のSONYCLASSICAL盤や、この輸入盤のセットなどでは、その辺りは随分改善されているように感じる。それでも弦楽群の響きなどはもう少ししなやかであってほしいと思いのだが、おそらくこれがオリジナルに近い音だろう。やや硬質で乾いた響きも、このコンビの解釈と演奏にマッチした音とも言える。

第1楽章。序奏も、そして主部に入ってからも、要所要所のアクセントが切れ味鋭く短めのアインザッツで、ザッと打ち込まれる。決してズワ~ンとはならない。主部は速めのテンポでよく流れ、クレシェンドのフレーズでは、その山のピークの手前ギリギリまで待って、ここぞというタイミングで一気にクレッシェンドをかける。こうしたことで演奏の切れ味の良さがより強調される。
変奏名人のベートーヴェンだが、この曲の第2楽章は取り分け美しい。このコンビによる演奏は各パートの分離が明確なので、変奏形式のこの楽章は一層効果的に響く。ヴァイオリン群の音程が正確で、フル編成にも関わらず音が引き締まり、旋律線はひとすじの絹糸のように美しくつながる。かつ、アクセントを置いたリズミックなフレーズと横に流れる旋律的フレーズの対比が明瞭で、ベートーヴェンが書いたスコアの意味が実によく分かる。第3、第4の動的な楽章でもクリーヴランド管のアンサンブルの良さと筋肉質の響きが素晴らしい効果を上げているが、その合間に聴こえてくるひなびた木管群のソロも、妙に華美に吹かないところが好ましい。そして終楽章のコーダは熱を帯びたライヴのように一気呵成にアチェルランドして最後の和音を閉じる。 カラヤンが唯一マエストロと呼んで敬意を示す指揮者だったというセル。その面目躍如たる名演奏だ。


第5番冒頭の練習風景。



このコンビによる第2番全曲。



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チェロと合わせる 2014年9月編


先日、チェロとのデュオについて書いたが、過日、相方と合せる機会を持った。
いつもの通り、練習時間は途中珈琲ブレイクをはさんで3時間半ほど。あっという間に時間が過ぎる。今回も3曲ほど練習したが、その中から記事にも書いた新たなレパートリー候補曲のメンデルスゾーン<無言歌作品109>の音源をアップしておく。

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当日、さて始めましょうかと、初回合わせを録音した音源からの抜粋。抜粋と言えば聞こえがいいが、ちょっとミスったなあというところは削除した、ご都合主義の抜粋版(^^; 初めての合せなので、やや遅いテンポ設定。それでも、いきなり初めて合わせたにしては、ソコソコいい感じで弾けた…かな。 
チェロ相方の歌いっぷりは、さすがに正統派の長いキャリアの持ち主。本人は音程ほか気になるところで耳が痛いというが、どうして、初回合せにしては文句なしの歌いっぷりだ。 ギターの方は、ニ短調のアジタート部分が石月一匡編のギター譜だと切迫感が出ないので、原曲のピアノ譜を参考に6連符のアルペジオにあらためた。音量としてピアノのような迫力が出ないのでは仕方ないところだ。
10月にはフルートも交えて、モーツァルトのヴァイオリンソナタをアレンジした、ポッロのトリオ(こちらの記事参照)を合せる予定で、楽しみだ。


メンデルスゾーン <チェロとピアノのための無言歌作品109 ギター伴奏版 ~ダイジェスト~>



ついでながら…以前アップした<夜の歌~digest~><ブルーボッサ~digest~>などは以下の記事へ。
<ブルーボッサ>については、去る8月に某所にて演奏したフルヴァージョンを近々アップ予定。
◆チェロと合わせる 2014年5月編◆


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フルトヴェングラー&BPO シューマン 交響曲第4番ニ短調


え~、先週末のランキングバナー<一日一打>なるお願いに対して、快く応じていただいた方々のお陰で、本日現在暫定1位となっております。きょうまで増える一方だったポイントもあすからは1週間前から増えてきたポイント順次消えていくので、さてどうなるか。引き続き、ご協力のほどを、よろしくお願いしマスダアケミ(^^;。
バカなことを言ってないで、シューマン交響曲の在庫確認継続。きのう「近々また…」などと言っていたフルトヴェングラーとベルリンフィルの4番をさっそく取り出すことにした。


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語る必要もない名盤。フルトヴェングラーの数ある名盤の中でも屈指といっていい。手持ちの盤は30年以上前にオリジナルモノラルカッティングで出たシリーズ中の1枚。マンフレッド序曲とウェーバー<オイリアンテ序曲>とのカップリング。1953年5月、70年代初頭までBPOのほとんどの録音が行われたベルリン・イエスキリスト教会での録音。まともなセッション録音が少ないフルトヴェングラーの盤の中では異例ともいえる録音条件の良さもあって、モノラルながら往時のBPOサウンドが聴ける貴重な盤だ。
深く柔らかいアインザッツ、渋い音色の弦と木管群による重厚なサウンドバランス、そして晩年のフルトヴェングラーの幻想的な解釈に呼応し、素晴らしいアンサンブルとアーティキュレーションで応えるBPO。
第1楽想冒頭のユニゾンからして、その深い響きに圧倒される。主部はやや遅めのテンポでじっくり進む。テヌートの聴いたヴァイオリン群、ときに唸りを上げる低弦群。緊張に向かって一気にクレッシェンドをかけるティンパニ。そして緊張が解けたあとの、溜め息が聴こえてきそうな寂寥感に満ちた表現。どこを取ってもフルトヴェングラーならではの幻想的でドラマティックな解釈だ。


以下のYouTube音源はこの録音のリマスタリング音源とのこと。手持ちのLPに比べ、明らかに周波数レンジは広く、音の深みも増している。
第1楽章。5分24秒:展開部へ入るところで、譜面音価の倍近く引き伸ばされるユニゾン。その後5分55秒から6分10秒:長い経過句も緊張が途切れない。コントラバスが意味深く鳴り続ける。その後6分23秒に向けてクレッシェンド。6分43秒からの付点音形トゥッティの深いながらもよく整ったアインザッツ。7分5秒~:一旦解決したあとの幻想的な弛緩。7分48秒~:次の山に向かって緊張を高める金管群・・・。 23分10秒~24分30秒:終楽章導入部の素晴らしさ。その直前第3楽章から終楽章にかけての接続も緊張感に富む。そして終楽章の最後、29分過ぎから次第に盛り上がり、29分45秒からは息をも付かせず突き進む。



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コンヴィチュニー&LGO シューマン 交響曲第4番ニ短調


日中、台風崩れの気圧の谷が駆け抜け、夕方には西の空から雲が切れ始めた。あすは台風一過か。一緒に持ってきた南の暖かい風のせいか、夜になっても気温が高めで、少しムッとする。
さて、ブログ開設4周年を前に、プチ強化週間…ってわけでもないけれど、今宵も更新いたします。


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先日セルのシューマンを手に入れてから、手持ちシューマン交響曲の在庫確認が続いている。今夜は手持ちの盤の中ではもっとも初期に手に入れたコンヴィチュニー&ライプツィッヒゲヴァントハウス管による第4番を取り出した。ぼくら世代にはお馴染みの70年代廉価盤シリーズ:フォンタナレーベルの1枚。第3番と第4番のカップリング。1960年と61年の録音。数年前に同コンビのCDボックスセットが安く出た際に、全集として揃った。CDの11枚ボックスセットにはシューマンの交響曲他、同じシューマンの管弦楽ピース、ベートーヴェンの交響曲全曲、オイストラフ親子のソロによるバッハの協奏曲他、かなりの曲が収録されている。LPの方はかれこれ40年前となる学生時代に手に入れ、それこそ擦り切れるほどよく聴いた。幸い盤質は現在も良好。いまもノイズレスで当時の音が蘇る。

このコンビのキャッチフレーズというと、もう昔から決まっていた。いわく、伝統を誇るいぶし銀の滋味あふれる響き…大体はそんなフレーズだった。その後の東西ドイツの統合、そして世代交代もしただろうから、同団もいつまでもそんな形容詞でくくれるオケではなくなっていることだろう。しかし、そうした前置きを横におき、虚心に聴いてみる。
オケの音としては派手さはなく、弦楽群と木管群との音色を整いよくブレンドされている。金管群も突然突き抜けてくるような響きがない。弦や木管による響きを底上げするような鳴り方だ。弦楽パートでは、コントラバスとチェロの下支えが極めて明瞭で要所要所のアクセントも低弦群のエネルギーが支配する。全体的には古色蒼然とした渋い響きといえるが、オケは十分鳴っていて迫力に不足はない。アンサンブルも、切れ味鋭いものではないが、よく整っている。つまりは、シューマンの、そしてこの第4番のイメージにジャストフィットといっていいだろう。しかし…、とここまで書いておいて、ちゃぶ台をひっくり返すようでナンだが、この曲に関してはなんといってもフルトヴェングラー&BPOによる名盤がある。こちらのついては近々また。


この盤の音源。第1楽章。YouTubeへのアップに際して、かなり音をいじっているようで、ときに不自然なダイナミクスが耳に付く。



カラヤンとウィーン響によるリハーサルPart1。


英語字幕なしの全編はこちら。ゲネプロ付き。


夏前に、ラトル&BPOがシューマン交響曲全集をリリースした。中々商売上手なパッケージに仕上がっている。 そろそろPCオーディオやらハイレゾやらへの対応も必要かな…




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BBC PROMS 2014


過分にもクラシックランキングのバナークリップを沢山いただき(お前がうるさく言うから仕方ないだろう…スンマセン)、恐縮しております。せめてもの返礼として、せっせと更新いたしましょう。


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そういえば、夏の音楽祭のことを考えるまもなく夏が終わってしまった。ドイツのバイロイト、イタリアのヴェローナ、ロンドンのプロムス、そして日本は、おらが群馬の草津国際音楽アカデミー…。今年も縁がなかったかと思いつつ、NAXOSから出ているプロムス音楽集とでもいうべき1枚と取り出した。プロムスの最終日によく演奏される<お約束>の曲がひと通り入っている。ウォルトンの<Crown Imperial>に始まり、エルガー<威風堂々>まで、英国調の祝祭的気分とノスタルジーを感じさせる曲が収録されている。英国市民の家庭なら一家に一枚という感じの盤だろうか。

プロムスは7月から9月までおよそ二ヶ月に渡って開かれる。様々なアーティストが出演し、軽めのコンサートもあるし、本格的なクラシックももちろん沢山ある。YouTubeで検索すると、すでに多くの演奏がアップされているが、プロムスを主宰する本家BBCのホームページが中々充実している。
プロムスの特設HPが開設されているのはもちろんだが、多くの演奏音源がすでにアップされていて、存分に楽しめる。通信負荷や著作権のこともあってだろう、多くは音源のみだが、ものが音楽なのだから、絵は二の次で問題ない。こちらのページをみていただきたい。このページのListen&Watchと題されたメニューが演奏音源の入り口になっていて、それぞれのアイテムに跳べる。例えば、Proms 2014 Collectionという称するページに行くと、4ページ渡って演奏音源が並んでいる。ベートーヴェンの第九、ブラームスの1番・4番、マーラーの3番、マタイ受難曲、ホルストの惑星、ドヴォコン…。実際の演奏から一定期間公開されている様子。すでに9月11日にプロムスは終わっているので、いずれHPでは聴けなくなるかもしれない。もっともプロムスのこだわることもなく、BBCの音楽専門の3チャンネルも中々興味深い。BBCを聴くといっても、かつてのように短波ラジオから流れるフェージング混じりの音ではないから、うるさいことを言わなければ、音楽も必要十分の音質で楽しめる。幾多のインターネットラジオがあるだろうが、BBCの音楽番組はその質と内容において一頭抜きん出る。


2週間前に終わったプロムス2014の最終日から2題。
メリー・ポピンズのメドレー

BBCのリンクはこちら(期間限定)
http://www.bbc.co.uk/programmes/p026mr41


英国人の魂燃えるエルガー

BBCのリンクはこちら(期間限定)
http://www.bbc.co.uk/programmes/p026mr07



この4月の来日で聴いたジンマン&チューリッヒトーンハレによる<田園>



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オーレル・ニコレ バッハ フルートソナタ集


先日のバッハ:フルートソナタの記事で、オーレル・ニコレの盤があったはずと書いたが、その後の捜索で無事発見(^^;。 チェンバロはニコレと同年生まれのカール・リヒター。 1963年テレフンケン録音。手持ちの盤は、80年代初頭にキングからミドルプライスで出ていた盤。これも出張先の梅田あたりで入手したか…あまり気を入れて探した盤ではなかったのだろう、記憶がない。…こうして、記憶がはっきりしているものと、していないものと、入り混じってきて、段々もうどうでもよくなるのだろうなぁ…もうすぐ還暦だぁ~


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第1番ロ短調BWV1030に針を降ろす。
ぼくはバッハのフルート作品には知見がないに等しいのだが、フルートのために書かれたバッハ作品の中では、この第1番ロ短調と無伴奏ソナタBWV1013をもっとも好ましく感じている。第1番が最高傑作だという大方の評にも異論はない。フルートパートはもちろんだが、Flutensonaten fur Querflote und obligates Cembaloという原題の通り、チェンバロパートが一般の通奏低音形式ではなく、オブリガードチェンバロとして両手とも書き表されフルートパートと合せて3声のトリオ形式をなすことから、バッハのポリフォニーの響きが存分に楽しめる。
オーレル・ニコレは1926年スイス生まれ。フルトヴェングラー時代の後期からカラヤン時代の初期にベルリンフィルでトップを吹いた。手持ちの盤の録音状態はあまり感心しないのだが、そのせいばかりではないだろう、音色は渋く落ち着いた響きで、比較するまでもなく、例えばランパルやその後の現代の名手とは明らかに異なる。特に曲の大半を占める中音域の音色がマイルドで柔らかく感じる。おそらく実演で聴くと、チェンバロが本来持つ繊細で華奢な響きとよくマッチするのではないだろうか。モダンピアノのフルコンサートグランドと華やかに響き渡る現代のフルート、あるいは反対にフルートトラヴェルソと歴史的チェンバロによるオーセンティックな演奏、それぞれに価値のあるものだろうが、こうして一時代前の演奏様式を聴くと、なぜかホッとし、フルートが上手いの下手のといったことを忘れて、音楽そのものに浸れる気がする。


おそらくこの1963年録音の盤ではなく、70年代前半に同コンビで再録した盤のものだろう。
画像が意味不明だ…。



無伴奏FLソナタ:BWV1013からアルマンド。以前も記事に書いた名手:ホルヘ・カバレロ(Gr)による演奏。素晴らしい音色の楽器は1940年製ハウザー1世。



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プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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