素晴らしいブラ4!


11月も下旬。秋めいたかなあと思っていたら、近隣の銀杏も色付き、すっかり晩秋だ。ここ数日の冷え込みは初冬を思わせる。あっという間に年末だなあ…。先回の記事通りタンノイはセットしたものの、若い時分のように嬉々として音楽を聴くには至らず。聴いてみたい盤はもちろんあるが、これ以上音盤が増えるのも避けたいので、新規購入はほぼゼロ。そんなことを考えると、もう所有することは止めて、ナクソスのストリーミングサービス:ナクソス・ミュージック・ライブラリー(NML)でも始めようかと思案中だ。もともとは自社音源から始まったNMLも随分多くのレーベルが参画するに至り、一部のメジャーレーベル(独グラモフォン・英デッカ等)にこだわらなければ文句のない内容になっている。一方でマイナーレーベル、インディーズなどの個性的な音源は豊富で、名曲の同曲異演、珍曲・秘曲などはナクソスの面目躍如。先日、シューベルトの5番交響曲を選んでサーチしたところ、新旧取り混ぜて、実に多くの音源がリストされていて驚いた。 AAC+128kbpsというビットレートに少々難有りだが、月二千円で聴き放題なら文句もいえない。軽度オーディオマニアとしては、「CDと<ほとんど>遜色ない音質」という宣伝文句に納得できればOKだ。どんなもんだろう。すでにご利用の諸氏いらっしやれば、ぜひアドバイスのほどを。 そんなことを思いながら、CDの音質には到底及ばないYouTube音源を漁るのも何だかなあと思うのだが、こちらは音質はもとより期待していない。もっぱら音源の希少性、未知との出会いが身上だ。そんな中、少し前から注目している演奏団体:デンマーク放送交響楽団の音源を探っていたところ、素晴らしい演奏に出くわした。


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お馴染みのブラームスの交響曲第4番ホ短調。若き俊英ジュシュア・ワイラースタイン指揮デンマーク放送交響楽団による演奏。同団本拠地ホールでのライヴ。手持ちの盤含め、最近聴いた中では抜群の演奏だ。昨今の時流どこ吹く風の重厚な編成と鳴りっぶり、そして基本のテンポ設定がぼくの感覚にはジャストフィット。録音はやや残響多く、大きな装置で聴くと少々アラが目立つが、映像付きのライヴとしては及第点だ。



第1楽章のメロディー・フレーズはテヌート気味に音価を取ってたっぷりと歌う。音色は明るいが重量感に満ちた鳴り方で浮ついたところがない。メロディーを支えるように付点を刻む低弦や木管群は、次の拍に入るタイミングをぎりぎりまで待って、前のめりになりそうなフレーズを抑え、曲全体に重みを与えている。緊張から解決に至るプロセスでも<タメ>が効いていて、そのピークでティンパニーがここぞと打ち込んでくる。第1楽章が終わったところで数名の聴衆が思わず拍手を送っているが、それもうなづける素晴らしさだ。第2楽章でも弦楽群の明るいながらも重厚さと量感に満ちた歌が聴ける。第2楽章の聴かせどころ、22分30秒過ぎからの盛り上がりと頂点22分50秒からの総奏は、背筋に電気が走り、思わず落涙するところだった。

世界的に演奏団体の技量は十分高いところまで上がっている。BPO、VPO、RCGばかりでなく、欧州主要都市を代表するオケなら、よい指揮者に恵まれさえすれば、いくらでもいい演奏をしてくれるだろう。あるいは若い世代からなる新興の団体も、世に出ようという心意気が強いだろうから、これもまた期待できる。そんな風に考えると、いつまでもかつての巨匠時代の遺産を追いかけ、かつ所有することをやめても、楽しみが減ることはないだろうなと思う。


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プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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