ギター工房訪問記 大阪 庄司清英工房 2002年
本年の業務もつつがなく終了!ふ~っ…。きょう26日は仕事納め。あすから年末年始の休みに入る。この休みこそ懸案のアレコレを何とかしよう…と宣言しつつ、もう何度長期休みを無為に過ごしたことか。ホント、年取るごとに無精になっていけない。
さて、今夜は帰宅が少々遅くなり、もう日付が変る直前。オーディオのスイッチを入れるタイミングも逃したので、先日書いた久々の工房訪問記の続きをば。工房訪問記もちネタの最後として、大阪の庄司清英氏の工房を紹介したい。と言っておいていきなりナンだが、ぼくが訪問したのはもう10年以上前のこと。現在の工房へ引っ越す直前の訪問で、ここで紹介する工房は今はもうない。




庄司工房を訪れたのは2002年11月。ちょうど出張先ポイントのごく近い所に工房があることを知り、翌日は朝から重い会議という晩に大阪入りし、夜8時を過ぎた頃にお邪魔した。周辺は国道1号線沿いのビルが立ち並ぶ街中。その中に一軒、古色蒼然といってもいい民家があって、そこが庄司氏の工房だった。
写真でおおよそ見当がつくと思うが、典型的なギター製作現場という赴き。6畳を二つ並べたようなやや細長い部屋が工房になっていた。仕事で関東から来た、近々1本新調しようと思っている等、こちらの状況を告げると、歓迎と共に気安くいろいろと話をしてくれた。もともとは高知生まれで、長野県のあるギターメーカーの工場で働き始めたのが製作のきっかけと語っていた。庄司氏の楽器はその頃も現在も、年間10本程度の製作本数で、その多くは直接の注文のようだ。楽器店の店頭でコンスタントに見かけることはほとんどないだろう。ぼくも一、二度中古品が出たのを見た程度だ。訪問した日も製作途中のギターを仕上げている最中で、ネックの状態を確認し、糸巻きを取り付けるところだった。

さっそく、1週間ほど前に出来上がって、納品まで少し寝かせている最中というギターを試奏させてもらった。表板が松、横裏板は極上のハカランダ材、弦長650mmという仕様。当時で100万円の値付けで、庄司ギターの中で最上位グレードのものだった。もう随分と昔のことだし、当時と今とではギターの音色に対するぼくの感度も違うので、あまり自信はないのだが、とてもしっかりした楽器で、低音は強く重く、高音も張り詰めた緊張感と太さがあったと記憶している。当時、中国地方出身の何名かが庄司ギターを使ってコンクールに出ているとも伺った。初級者が軽いタッチで弾いて、楽に音を出すというタイプではなく、きちんとしたタッチで弾いてこそ真価を発揮するタイプの楽器だと思う。
前記のように、ぼくの訪問からほどなくして、現在の工房へ引越しした模様。年間10本の製作本数は変えていないということだから、昔も今も楽器の性格はそう大きく違わないだろうと思う。以前から製作教室を開いたり、コンクールに挑む若者を支援したりと、コミュニケーションの輪も広い様子。年齢も60歳を少し過ぎたところというから、製作家としてはもっとも油が乗っている時期かもしれない。
庄司ギターを使っている演奏動画。
-これまでのギター工房訪問記-
野辺正二(浦和)
中山修(久留米)
堤謙光(浦和)
廣瀬達彦/一柳一雄・邦彦(名古屋)
松村雅亘(大阪)
西野春平(所沢)
田邊雅啓(足利)
田邊工房2014年
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