グノー 歌劇<ファウスト>バレエ音楽



関東地方は年が明けてから比較的暖かい日が続いていたが、きのうから寒気流入。加えて明日には本州南岸沿いに低気圧が進む見込み。関東平野部へ降雪をもたらす典型的な天気図となる予報。寒気のご機嫌により、わずかな気温差で雨になるか雪になるが決まる。去年2月は気温が下がり大雪になった。今回は如何に…
さて、過日通勤途上で聴いていたNHKFMでグノー作曲の歌劇<ファウスト>のバレエ音楽が流れていた。何気なく聴いていたのだが、その美しい旋律にあらためて心を打たれ、帰宅後、手持ちの盤を取り出した。


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パリの喜び~小澤征爾/フランス音楽コンサートと題された一枚。小澤征爾指揮ボストン交響楽団による演奏による1986年の録音。手持ちの盤は数年前にグラモフォンの廉価盤で出たときのもの。収録曲は以下の通り。

シャブリエ:狂詩曲≪スペイン≫
グノー:歌劇≪ファウスト≫-バレエ音楽
  1. ヌビアの踊り
  2. クレオパトラと黄金の杯
  3. ヌビア奴隷の踊り
  4. クレオパトラとその奴隷たちの踊り
  5. トロイの娘の踊り
  6. 鏡の踊り
  7. フリネの踊り
トマ:歌劇≪ミニョン≫序曲
オッフェンバック:バレエ≪パリの喜び≫
  序曲、ポルカ、 アレグロ、 ワルツ、 アレグロ・ヴィヴォ、 ワルツ、
  アレグロ・ヴィヴァーチェ・ミステリオーソ・レント、ワルツ・モデラート
  カンカン、ヴィヴォ、 舟歌

音楽にひっかけて人生を語るつもりはまったくないのだが、聴いていて幸せな気分になる音楽がある。グノーのこのバレエ曲やいくつかのウインナワルツなどは、その筆頭ではないかと思う。バレエ音楽の多くが当然ながら舞踏の付帯音楽として作られ、従って一般的には主役は踊り、音楽は脇役ということになる。脇役の気安さからか、バレエ音楽はカジュアルで親しみやすく、すんなりと耳に入る音楽が多い。いわゆる絶対音楽とは違って、絵画的様相や物語のイメージも持ちやすい。グノーのこの曲もその典型だろう。

ゲーテの原作に対するイメージをどれほど表現しているかぼくにはよく分からないが、ベルリオーズの作品を待つまでもなく、ときにおどろおどろしいイメージが付きまとう<ファウスト>だが、このグノーのバレエ曲はそうしたイメージとは違った<ファウスト>の一面が表現されているように思う。15分程の組曲の体裁になるが、どの曲を聴いても楽しく、心なごむ。
第1曲<ヌビアの踊り>は冒頭、ヴェルディ<運命の力>序曲を思わせる金管のユニゾンで始まるが、すぐに可憐なメロディーが出てくる。以降も19世紀クラシック音楽の美しい和声感と旋律のオンパレード。フランス風といっていい洗練された響き。それらを効果的に表現した管弦楽技法。これぞクラシック音楽の精華といっていいかもしれない。エキゾティックな<ヌビア奴隷の踊り>。もっとも知られる<トロイの娘の踊り>は以前NHKFM午後のクラシック番組テーマ曲だったし、他の曲もいずれもどこかで聴いたことのあるメロディーだろう。
チェリやヴアントあるいは無伴奏曲で内省的に向き合うもよし。こういう曲を万事ハッピーに聴くもよし…。明日もまた、心穏やか楽しく過ごしたいという気持ちになってくる。


バレエ音楽を得意としたエフレム・クルツ指揮フィルハーモニア管の60年代初頭のLP盤音源。70年代の廉価盤時代にはEMI系のセラフィムレーベルで出ていた。穏やかでしなやかな演奏だ。



<トロイの娘の踊り>< 鏡の踊り><フリネの踊り>。中国系マカオ人のヨンダニ・バットという指揮者がロンドン響と振る様子。録音セッションのものと思われる。ヨンダニ・バットはNIMBUSレーベルにベートーヴェン交響曲全曲他いくつかの録音がある。



第1曲<ヌビアの踊り>をバンドリアで弾いている。



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<魔笛>の主題による変奏曲 あれこれ



1月最終週スタート。寒さも今しばらくピークが続く。仕事はほどほどに多忙ではあるが、年度末に向けては昨年より多少ながら余裕の進行で、今のところ順調。 さて、昨夜の話になるのだが…しばらく前から気になっていた盤を取り出した。


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フルニエ(Vc)とグルダ(Pf)によるベートーヴェンのチェロ作品集。収録曲は以下の通り。1959年6月、ウィーンのムジークフェライン内の小ホール:ブラームスザールでの録音。手持ちの盤は70年代独グラモフォンのセカンドレーベル:ヘリオドールの国内廉価盤。数年前の長野出張の折、駅前書店の店頭で開かれていた中古レコードワゴンセールで入手したもの。5曲のソナタと3曲の変奏曲がLP3枚に収められている。

・チェロ・ソナタ第1番ヘ長調 op.5-1
・チェロ・ソナタ第2番ト短調 op.5-2
・チェロ・ソナタ第3番イ長調 op.69
・チェロ・ソナタ第4番ハ長調 op.102-1
・チェロ・ソナタ第5番ニ長調 op.102-2
・『マカベウスのユダ』の主題による12の変奏曲 WoO45
・『魔笛』の主題による7つの変奏曲 WoO46
・『魔笛』の主題による12の変奏曲 op.66

先ほどから、この中の『魔笛』の主題による7つの変奏曲WoO46を聴いている。魔笛のバリエーションのもう1曲、作品66と、ヘンデルの主題による変奏曲が初期の作品であるに比べ、この7つの変奏曲はチェロソナタの3番が作られる少し前の時期ということで、完全にベートーヴェンのスタイルが確立し、後世のぼくらがベートーヴェンらしいと感じる要素が盛り込まれている。 主題提示は変ホ長調8分の6拍子の設定で、チェロのオブリガードを伴ってピアノによって提示される。変奏に入ってからも、チェロの低い音域が積極的に使われていて、この楽器が持つ音色の魅力が十全に発揮される。ピアノとの絡みも巧みで、10分に満たない曲ではなるが、音楽はすこぶる充実している。

ところで、ぼくらギター弾きにとって<魔笛>の主題による変奏曲というと、真っ先にフェルナンド・ソルの作品を思い出す。プロ・アマと問わず、弾けようが弾けまいが、必ず手を付ける曲の一つだ。ベートーヴェンが使った主題とは別のものだが、有名な<これはなんと素晴らしい響き>による変奏曲。この曲は単独でもよく演奏されるように、当時から大そうな人気曲であったようだ。
過日、旧友Y氏とこの曲の話になって、意外に知られていないのだが、有名なソルの作品以外にも、同時代のカルカッシ、カルリ、ジュリアーニといったギター弾きにはお馴染みの作曲家もこの主題を使って変奏曲を書いているという話になった。確かにソルの作品は立派なホ短調の序奏が付き、軽妙な主題提示以降、各変奏曲もギターの特性を生かしながらも普遍的な古典的様式感と和声感を備えた素晴らしい曲ではあるが、他の曲も、当時の雰囲気を知る意味でもっと弾かれてもいいと感じる。


リン・ハレルの弾くベートーヴェン<魔笛>の主題による7つの変奏曲。



フェルナンド・ソルの<魔笛>の主題による変奏曲作品9。ホ短調の序奏に続き主題が提示されるが、原曲からはかなりデフォルメされている。 その風貌からどんな演奏をするのかと思っていると、至って<普通>のフラビオ・サラ。クラシックからジャズ、フラメンコまで何でもOKというギタリストだそうな。



ソルの使った主題の原曲<これはなんと素晴らしい響き>第一幕の合唱曲…だったかな。



◆カルカッシが同じ主題で書いた<イシスの神秘の主題による変奏曲>作品24。<イシスの神秘>は<魔笛>の仏版に付されていたタイトル。立派な序奏付き。
楽譜はこちら ⇒
http://boije.statensmusikverk.se/ebibliotek/boije/pdf/Boije%20624.pdf


リアルな演奏は見当たらず。MIDIで打ち込んだ労作があった。



◆ジュリアーニ <魔笛>の主題による変奏曲。
楽譜はこちら(第1曲) ⇒
http://maurogiuliani.free.fr/partitions/Tre%20tema%20favoriti%20con%20Variazioni%20....pdf


◆カルリ <魔笛>の主題による変奏曲は、かつて音友社から出ていたギターライブラリーにあった。
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ジミー・ヒース(sax) Picture of Heath



日曜日の夕刻。穏やかに日が暮れる…と、そんな日ばかりじゃないのも人生だ。久しぶりにジャズをガンガンに鳴らして、日頃のむしゃくしゃ、うっぷん、アレコレ晴らそうかと、音盤棚のジャズエリアをやさがしして、こんな盤を取り出した。


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サックス奏者にして作曲家のジミー・ヒース(1926~)のアルバム。ジミー・ヒースのテナーサックスとソプラノサックス、バリー・ハリスのピアノ、サム・ジョーンズのドラムス、ビリー・ヒギンズのドラムス。1975年録音。手持ちの盤は徳間音工の国内盤。以前@200円で箱買いしたクラシックLP数百枚の中に、少しジャズも混ぜておきましょうと入れてもらった中にあったもの。
アンプの温まるのをしばし待ち、針を落としてボリュームを12時辺りまで上げる。盤は完全なミント状態で、針のトレース音もなく、いきなりタンノイから音が噴き出した。アナログ最終期の万全のアナログサウンドだ。CDでこういう音が出ないなどと言うつもりは毛頭ないが、アナログでも負けない音が出ることは間違いない。
第1曲<For Only Minors Only>からノリノリのスウィンギーなサックスが飛び出す。続く<Body And Soul>では一転してリリカルなバラードプレイ。70年代半ばというと、モダンジャズ以降の実験的なアヴァンギャルドなジャズも少々色あせ、世はクロスオーヴァー、フュージョンの時代になりつつある時代。しかし、この盤は完全に50年代に戻ったかのよう、オーソドクスでメロディアスなモダンジャズ王道サウンドが理屈無しに楽しめる。
うん?むしゃくしゃ、うっぷん…、う~ん、晴れたことにしておきませう(^^;


A面の第1曲<For Only Minors Only>



B面の第1曲<Bruh' Slim>。ラテンビートとフォービートの融合。



昨年2014年の音源。88歳のジミー・ヒースと若いメリサ・アルダナ(1985年チリ生まれ)との演奏。いい雰囲気!



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メンデルスゾーン 協奏的変奏曲作品17



年明け早々にイヤフォンとヘッドフォンのハイエンド品をイッキ買い。イヤフォンのShure535は移動中の電車内、ゼンハイザーのHD800は自宅深夜リスニングでと、中々の贅沢三昧が始まった。まだ一月だというのに、この一年どうする…(^^; しかし、ドライブするヘッドフォンアンプが決まらない。shure535はiphoneにそのまま差し込んでも必要な音圧が取れることが分かったので、当面そのまま使うつもりだが、自宅内深夜リスニング用のゼンハイザーはいつまでもPCのイヤフォン端子から直にというわけにいかず思案中だ。昨年秋に発売されたマランツのHD-DAC1という製品が良さそうかと思ったが、アナログ入力系が貧弱で振り出しに戻ってしまった。基本DACのようで、アナログ入力は携帯プレイヤーを想定していて3.5ミリのミニジャック受け。感度も高めで0.2V以上は歪むという。しかも、一旦AD変換してからDAC共通の回路を通して、最後に再びアナログに戻しアンプ部に入る。どうして素直にアナログのまま増幅してくれないのか。ハイレゾも結構だが、レコードを聴く者にとっては、アナログ入力も同等程度に扱ってほしいのだ。そうなると仕様面ではフォステクスのHP-A8がマッチするのだが、こちらは見かけの面構え=デザインがイマイチ。箱物製品を作り慣れていない感じがミエミエだ。そんなこんなで一向に機種選定が進まず、イジイジしている。いっそアンプをヘッドフォン端子付きのものに変えようか…とか、とか、とか。 そんな呑気なことを考えつつ、さて、今夜も深夜音盤タイム。こんな盤を取り出した。


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メンデルスゾーンのチェロとピアノための協奏的変奏曲作品17。手持ちの盤は、激安ボックスセットの創始ブリリアントクラシクスの、メンデルスゾーンの室内楽全曲を収めた10枚組中の1枚。メンデルスゾーンが書いたチェロ作品、ソナタ2曲、無言歌、そしてこの協奏的変奏曲が収録されている。チェロはクロード・シュターク、ピアノはクリストファ・エッシャンバッハ。1985年録音。原盤はスイス・クラヴェス・レーベル。

メンデルスゾーンの室内楽は、もっとも有名なピアノトリオをはじめ、清廉な美しさに満ちた名曲ばかりだ。チェロのための作品もしかり。ソナタもいいが、いまチェロ相方と取り組んでいる小品の無言歌作品109もいいし、このヴァリエーションも美しい。もっとも、チェロ弾きにはお馴染みの曲だろうが、一般のクラシックファンにはそれほど知名度は高くない。ぼくも、このセットを手に入れるまで、はっきりと意識したことがなかった。

曲名の通り、ピアノとチェロとに対等の役割が与えられ、全体としてまとまりのある作品になっている。変奏曲によくある、ソロパートの技巧オンパレードではない。曲は主題と8つの変奏からなる。チェロのオブリガートを伴ったピアノによる穏やかで美しいテーマの提示に始まり、変奏を重ねながら、音楽全体として中盤から終盤に向かって熱気を帯びていく。チェロがピチカートをで奏でる変奏のあと辺りからチェロとピアノが激しく対峙してピークを迎える。決して大きな曲ではなく、10分ほどの変奏曲でありながら、一つの音楽としての起承転結が整えられている。最後に穏やかな主題が戻ってくるくだりは感動的ですらある。


ハンガリーのイシュトヴァン・ヴァルダイというチェリストの演奏。彼は神尾真由子が優勝した2007年のチャイコフスキーコンクールでチェロ部門第3位となっている。



<伝説の>という接頭語がつくロシアのチェリスト:ヤコフ・スロボトキンの演奏。スロボトキンはドヴォルザークの協奏曲ロシア初演者。



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グラズノフ ヴァイオリン協奏曲イ短調



少し前の記事で、今年はシベリウス生誕150年と書いた。たまたま聴いていたFMで今年もうひとり生誕から150年になる作曲家がいると、ロシアの作曲家アレクサンドル・グラズノフ(1865~1936)を紹介していた。そうかぁ、グラズノフねぇ…と思い出して、彼の代表作の一つであるこの曲を取り出した。


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グラズノフ作曲ヴァイオリン協奏曲イ短調作品82。
手持ちの盤はお馴染みナクソスの1枚。ヴァイオリン独奏はイリヤ・カーラー。80年代にパガニーニ、シベリウス、チャイコフスキーの国際コンクールですべて第1位となった逸材だ。それにしてはメジャーレーベルの録音はさっぱり。もっぱらナクソスレーベル専属という感有り。これには何やらストーリーがあるようだが、ここでは語らず…。この盤はドヴォルザークとのカップリングで、オケはこれまたナクソス御用達のポーランド国立放送カトヴィッツ交響楽団。指揮はカミラ・コルチンスキー。1994年録音。

曲はモデラート、アンダンテ・ソステヌート、アレグロの三つの楽章がアタッカで演奏される。三つの楽章といっても、真ん中の楽章にはカデンツァを記されていること、また全部で20分ほどの演奏時間ということもあって、三つの部分からなる単楽章という見方もされる。聴いていても、そんなイメージを持つ。
全編<美しい旋律の宝石箱やぁ~>とでもいうべきロマンティクな魅力にあふれる。特に前二つの楽章はその感が強い。時に19世紀的ヨーロッパロマンティシズムあり、ときにロシア民族色の色濃いエキゾティックなフレーズありと飽きさせない。もっともそれがアダで、少々構成感に欠けるところが、他の著名ロマン派コンチェルトと比べややマイナーな域を脱し得ない要因だろうか。終楽章のロンドは音楽が一気にダイナミックになり、技巧的なパッセージが続く。


あら懐かしや…シルヴィア・マルコヴィッチによる演奏を貼っておく。1972年、ストコフスキー90歳を祝した演奏会だそうだ。シルヴィア・マルコヴィッチはぼくら世代には懐かしい名前。70年代にルーマニア生まれの美貌のヴァイオリニストというふれ込みでデビューした。十代でエリザベートやロン・ティボーで優勝している。このコンサートのときちょうど二十歳とアナウンスされている。この曲は確か彼女のレヴュー曲だった記憶が。
第1楽章1分10秒~ 第2楽章5分30秒~ 第3楽章10分05秒~




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仏サヴァレス社 カンティーガ弦



正月気分の実感もないまま新年を迎え、気付けばもう下旬だ。
このところ、ブログランキングの登録をしている<日本ブログ村>というポータルサイトがメンテナンス作業をしているとかで、せっかくクリックしていただいたバナーカウントが反映されないとか、掲示される画像が上手く反映されないとか、そんな障害情報が届いている。まあ無料サイトでお気楽な駄文を書いているだけなので文句もないし、世の諸事に比べてどうでもいいことではありますが…
ところで、ここ何回かオーディオネタを記事にしているが、それに合わせたようにアクセス数が増えている。このブログは一応音楽系ブログということになっているが、やはりオヤジ・ブロガー達にとって、オーディオ話は鉄板ネタなのだろうか。しばらくオーディオネタだけで行こうかとも思ったが、ブログタイトルの原点に帰って、きょうはギターの話。


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三年ほど前から、米マリ社の弦が気に入って使っていたのだが、少し前に買ったもので立て続けに二回、低音不良弦に当たってしまった。外見も金属巻線の中のフィラメントがよじれているのが分かり、張ったときの音もボソッとしてまったく精彩を欠いた。昔ながらのオーガスチン弦が手元あったのだが、以前から一度使ってみようと思っていた、仏サヴァレス社のカンティーガ弦を取寄せ、ぼちぼち張替えのタイミングだった田邊ギターに張ってみた。


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カンティーガは低音弦の製品で、高音の3本は他の製品を組み合わせる。今回、高音は同じサヴァレス社のニュークリスタルというオーソドクスなナイロン素材を使った透明弦を合わせた。もっと現代風な弦かと思っていたのだが、思いの外しなやかで、張力も中庸。第一印象はすこぶるよかった。
カンティーガ低音弦は、金属巻線のピッチがオーガスチンあたりと比べると細かく、弦を手にしてみると、しなやかで柔らかい。張ったときの感触も指によく馴染む。音色もコラム弦よりは現代風だが、それほど金属的な響きでもなく、タッチへの反応も上々で、軽く音が立ち上がる感じだ。高音系のニュークリスタル弦は、完全透明のクリアナイロン弦で、その見かけそのままに、音も素直でピュアに響く。カーボン素材のアリアンス高音弦ほど金属的な音を発しない。6本のセットとしては、音程、音量とも上出来で、音に品格があり、大いに気に入った。
もちろんギターとの相性もあるだろうが、おそらく、やや軽めのボディーと低めの低音ウルフトーンを持つ、古風な響きの楽器にはよい選択だろう。わが愛器:田邊ギター(ロマニリョスモデル2004年作)にはベストマッチの一つだと感じた。もう二週間ほど経つが、バランスがよく、低音のボリューム感と音全体の反応の良さを兼ね備えていて、文句のない状態だ。


わが田邊ギターは製作から10年を過ぎ絶好調。
2011年田邊工房を地元の新聞社が取材したときの動画。
http://www.shimotsuke.co.jp/dosoon/town/ashikaga/official/20110405/489977


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ゼンハイザー HD800



数日前の記事でブログランキング・バナーのクリックをお願いしたところ、さっそく通常より多くのカウントをいただいた。厚く御礼申し上げます。日々のクリックカウント1週間分の累計で順位が決まるシステム。どうか引き続きご協力を。
さて、先日届いたお楽しみアイテムを引き続き検分中。今夜はその中の大物、ゼンハイザーHD800のファーストインプレッションを記しておく。

ヘッドフォンは長らくソニーのド定番:MDR-CD900を使ってきた。少し前にはスタックスの初期型を手に入れて併用。そのいずれもが音源モニター用としての正確無比な再生音で満足していた。しかし一方で、より積極的にスピーカーリスニングの代替をヘッドフォンに対して求めたくもなり、もう少し<作られた音>のモデルを随分前から物色していた。具体的には、解像度を落とすことなく、音の前後左右への広がりやゆったりとして低音の量感を持ち、長時間のリスニングで頭も耳も疲れないモデルをと考えていた。こうした条件を満たすモデルとなると、スタックスのコンデンサ型最新モデルか、通常のダイナミック型の大型開放型ユニットを持つモデルに絞られる。
あれこれ行きつ戻りつして最後に選んだのが独ゼンハイザー社のHD800だ。直前まで同社のHD650オーディオテクニカのATH-AD2000Xあたりが候補として残った。HD650はゆったりとした低域と全帯域でマイルドな音調で魅力的だったし、AD2000Xは高い解像度と音の広がりを兼ね備え、3Dウィング方式のヘッドサポートは抜群の装着感で大いに迷った。結局最後は総合点とゼンハイザーというブランド力で決定。ちょっとした小型スピーカーシステムが買える程の価格ではあったが、1万円キャッシュバックキャンペーンとやらにも背中を押されて一件落着となった。


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先日のカナル型イヤホン>Shure535の記事にも書いた通り、まだまともにヘッドフォンをドライブ出来るハードウェアがなく、相変わらずノートPCのイヤフォン端子に差し込んでの検分。HD800には申し訳ない状況で聴いている。何せHD800は使っているノートPC3台分の価格。しょぼいイヤフォン端子でオイラを聴くとは、いい度胸。たいがいに加減にしろよ…と言われそうな状況だ。試聴には聴きなれている写真の盤を使用。ソニーCD900と差し替えながら相対比較ということでHD800のご機嫌を伺った。


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CD900は中々高解像度で、低域の量感こそ控え目だが、40Hzの以下のローエンドまでレスポンスするし、装着感も悪くないし…と思っていた。が、こうしてHD800と比べると、やはり完敗だ。格下といわざるを得ない。CD900の名誉のために言うならば、そもそも土俵が違うのだ。
最初HD800を耳に被せ、PCのマウスをクリックしたとき、Windowsのピンッポンッというシステムエラー音が、ヘッドフォンの外から聴こえてきて、あれPC本体のスピーカーはならないはずなのに…と思った。よく聴くと音はヘッドフォンから出ていた。つまりヘッドフォンからの音の定位が頭の真ん中に集中しせず、周囲に広がる。もう20年以上前に初めてスタックスのコンデンサ型を使ったときのことを思い出した。


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実際の音楽を聴いていても、その印象は変らない。CD900が高い解像度をキープしながらも、音が中央に集中するのに対して、HD800は広く分散するように聴こえる。そのことで、一層音の解像度が上がったように感じるのだ。オーケストラなど、音の数と種類の多い音源では特に顕著にその違いが分かる。各パートが明澄に分離し、かつトータルの響きが豊かに広がる。CD900は高い解像度と狭い音場ゆえに、音楽に集中することになり、いささか疲れることもあるが、HD800ではそれがない。明瞭に聴こえながら広がることで、リラックスして音楽を聴ける。低域の再現性は30Hzまで十分聴き取れる。量感はHD650に比べると少し少なめかもしれないが不足感はない。よく締まっていて、低音域のボリューム感が中音域以上の帯域を邪魔することがない。CD900から切り替えて、PCのボリューム設定をHD800用に上げてみるが、どうしても音量が下がったように聴こえる。これは音量そのものではなく、高い分解能を維持しつつ、音場が広がり、音の見通しが良くなることから、相対的に音量が小さめに感じるのだと合点した。適切なハードウェアでドライヴすると、きっといくら音量を上げてもうるさく感じない、そんな状態になりそうだ。

…ということで、いささか安直な条件下でのインプレッションだが、ゼンハイザー社フラグシップモデルの実力の片鱗を垣間見た感じがする。それにしても、以前はほんのアクセサリーだったヘッドフォンも昨今、オーディオアイテムの一角を確実に占めるようになった。各社のハイエンド機は当然6桁プライス。高いなあと感じていたスタックス製品も、今や普通の価格帯に感じる(スタックスもそう感じたのか、少し前に40万円近いハイエンド機を出した)。もっともHD800並の音の質感をスピーカーで実現しようとしたら、アヴァロンウィルソンオーディオ辺りのハイエンド機が必要になるだろう。HD800は少々贅沢な買い物だったが、納得して愛用することにしよう。


秋葉原のヘッドフォン専門店による紹介動画。


オーディオの情報サイトにあるレヴュー


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プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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