ほぼ千話…BWV1000
立春から一週間。当地関東はどうやら寒さもピークアウト。このところ暖かな日が続いていて、わずかな陽気のゆるみに春を感じる(…と思っていたら、あすは真冬の寒さとか)。
さて二月も半ば。ふとブログ記事のURLをみたら、この記事がちょうど千本目になることに気付いた。2010年10月開設からもうすぐ四年半。記事アップの不手際やら、あとになって削除した記事などもあつて、正味一千回目というわけではないが、ほぼ千話。<人生と国家天下を語らず>にもっぱら音楽道楽与太話をダラダラと続けてきた。この間、東日本大震災のときと、ある辛辣なコメントが届いたときの二度、もう更新を止めようと思ったことがあったが、何とか気を取り直して続けてきた。まあ、いつもイイ加減な与太話ばかりなので、感慨深いほどのこともないが、きょうは極私的プチ記念ということで記憶にとどめておこう。


さて、千、1000…でとっさに思い付く音楽と言えば、マーラーの第8番<一千人の交響曲>か、あるいはバッハのBWV1000。マーラーをドンと聴く気分でもないので、バッハのBWV1000番を聴くことにした。手元にいくつかの盤があるが、取り出したのは、イエラン・セルシェルによる本邦デビュー第2作目のアルバム。1979年録音。バッハが2曲、BWV1000のフーガと998のプレリュード・フーガ・アレグロ、それとフェルナンド・ソルのモンソー・ド・コンセール作品54とソナタハ長調作品15が収められている。このうちバッハをゲオルク・ボリン作の11弦、モンソー・ド・コンセールをラミレス3世1970年作の6弦、ソナタをボリン作の6弦でそれぞれ弾いている。このアルバム、とりわけバッハは当時大きな驚きと賞賛をもって迎えられた。11弦ギターを駆使した豊かな響きと低音域の拡張、そして純音楽的で端整なアプローチ。いずれもそれまでのギター界にはなかったものだった。今こうして聴いてもまったく古さを感じさせない普遍的な表現と魅力的な音に、しばし聴き惚れる。
バッハはもちろん好きな作曲家だし、バッハの全曲CDセットも手元にあってときどき聴く。しかし、当然ながらそれらの作品全容について詳しいわけではなく、ごく通り一遍の事柄しか心得ていない。そんな中、BWV995~1000番それと1006aはリュートまたはそれに類する楽器(ラウテンヴエルク等)のためのものされ、特にギターやリュートの愛好家にとって馴染みのバッハ作品だ。もちろんそれらの作品の真偽をめぐって様々な研究や議論がなされてきたが、新バッハ全集でこの7曲がひとまず認知された。
BWV1000は原曲である無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番ト短調BWV1001のフーガを取り出したものといえ、古くからプロはもちろん、中・上級アマチュアギター弾きの格好のレパートリーとなっている。6弦のモダンギターの場合はイ短調に移されて演奏されることが多く、冒頭の短いモチーフが幾重にも展開され、バッハらしさを十二分に感じることができる名曲だ。
エヴァ・ベネケによるモダンギターでの演奏。原曲BWV1001の前奏曲とフーガとして弾いている。
リュートによる演奏。
このフーガはBWV539の前奏曲とフーガにも使われている。フーガは3分過ぎから。
セルシェルの11弦ギターによる演奏。
http://youtu.be/VTB_fSrgpd4
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