ピアソラ@新杉田



過日、横浜郊外のレストランで開かれたランチタイムコンサートに行ってきた。
フルート&チェロ両刀使いの知人から、「ギター・チェロ・フルートのアンサンブルが聴けるが、与太さん行く?」との誘いがあって、その知人といつものチェロ相方の三人、以前ブログ記事にも演奏を載せた例のPorroの三重奏(モーツァルトVnソナタホ短調のアレンジ)をやったメンバーで聴きに行った。


piazzolla_bandneon.jpg  kafedebarbe.jpg


その日はちょうど年度末で仕事が一段落していたこともあって休暇を取り、のんびりと演奏と食事を楽しんできた。演奏が行われたのはレストラン<パレ・ド・バルブ>という店。横浜から何駅か先のJR新杉田という駅近くにある。店内ではしばしばイヴェントが開いていて、毎月ランチタイムのコンサートではギター関連もしばしば取り上げられる様子。この日も予約席だけで40名ほど、ほほ満席の盛況だった。ピアソラばかり40分ほど演奏があつて、そのあと食事。演奏されたのは…

 チキリン・デ・バチン(FL,Vc&Gr)
 タンゴの歴史(FL&Gr)
 オブリヴイオン(FL,Vc&Grト
 リベルタンゴ(FL,Vc&Gr)
 たのうち惠美(Vc)、吉野裕子(FL)、篠原正志(Gr)

…というお馴染みのピアソラ定番曲。<チキリン・デ・バチン>はギタリスト國松竜次氏が公開している楽譜のものを弾いたことがあるし、<タンゴの歴史>はチェロ相方と一度遊んだことがある。<オブリヴィオン>と<リベルタンゴ>も、顔を突っ込んでいる隣り町のマンドリン楽団で取り上げた。楽譜を眺めて弾いたことがある曲を聴く側にまわって鑑賞すると、どうしてもあそこはどう弾いているのかという弾き手側の立場になってしまい、ときとしてリラックスして音楽そのものを楽しむ気分でなくなることがある。今回も<タンゴの歴史>に関してギターの難所を篠原さんがどんな風に弾くのか少々気にはなったのだが、幸いランチコンサートという気安い雰囲気と演奏者三名のリラックスした様子もあって、純粋に聴く側で楽しむことができた。

<タンゴの歴史>は4曲を逆順、つまり第4曲「現代のコンサート」から時代をさかのぼるように、「ナイトクラブ1960」「カフェ1939」そして最後に「ボーデル1900」が演奏された。おそらく「現在のコンサート」が一般的視点からは馴染みにくい曲想であることから冒頭にし、終止感の強い「ボーデル1900」でフィニッシュという演出上の配慮だろう。ギターもフルートも難所が続くことに加え、折からの好天で背後から強い陽射しが当ることもあって、演奏者のお二人はいつもの二倍はエネルギーを消費しただろう。(お疲れ様でした…)
<タンゴの歴史>以外はチェロのたのうち惠美さんが加わったトリオ編成。チェロが入ると音の厚みと表現の幅が広がり、音楽が俄然豊かに響く。ギターの前にはマイクが置かれ、ごくごく控え目にPAを入れていたが不自然さはない。ぼくはほとんど演奏者の目前の席で聴いていたが、少し遅れて来て部屋の後ろで聴いていた知人の感想では、バランスもよく音もよく通っていたとのことだった。

演奏メンバーは<たのシック>という企画グループとして、様々なアンサンブルのリクエストに応えているようだ。たのうち惠美さん、吉野裕子さんは初めて接したが、ギターの篠原正志さんはギターデュオ他、様々なアンサンブルもこなしているベテランで、当地へもしばしば来演している。演奏終了後は、三名のメンバーも食事に席に加わり、ぼくらも気安く話を交わすことができた。ぼくらもアマチュアとして同じ楽器のアンサンブルを楽しんでいると言うと、ぜひきょう演奏した曲も取り上げてほしいとエールを送ってくれた。


<チキリン・デ・バチン>國松竜次氏の演奏。


帰りがけに篠原さんから<風花が舞う日>という朗読DVDブックをいただいた。YouTubeにその一部があったので張っておこう。原作者の高橋徹氏自身が作曲したギター曲を篠原さんが演奏している。



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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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