Avalonのスピーカー



七夕も何事もなく終了。週半ばの水曜日。都内での仕事が予定通り終われば、その足でコンサートへGo!のつもりだったが、仕事以外の諸事情あって断念。代わりにと言ってはナンだが、アキバのオーディオショップをちょいとハシゴし、気になっていたスピーカーを試聴してきた。


idea.jpg  avalon.jpg


米Avalon Acoustics社のスピーカ<idea>。家が一軒建つほどのハイエンド品をラインナップする同社にあってはエントリークラスの製品。JR御茶ノ水駅近くの某ショップ、ハイエンド品フロアにて試聴。大きさは差ほどでもなく、6~8畳程度の部屋に入れても圧迫感はなさそうだ(写真右、もっとも小さいのがidea)。同社のスピーカーとすぐにわかるデザインと美しい突板仕上げが、音を聴く前からマニア心をくすぐる。

まず店備え付けのPC音源でショパンのピアノを聴く。アーティスト等未確認。評判通り、まず驚いたのがスピーカーの向こう側に深く広がるサウンドステージ。目を閉じると、試聴ポイントから数メートル先にあるグランドピアノがイメージできる。音場が奥に展開するスピーカーは昔からあるが、それらの多くは音そのものの輪郭があいまいで、ボケた音であることが多い。Avalonはそこが決定的に違う。奥に展開しながら、一つ一つの音がクリアであいまいさがない。音が前に出てこないにも関わらず、それによるもどかしさがない。これこそがハイエンドのハイエンドたる所以だろうか。低域の50Hzから下が入っているCDとして、こんなときのためにと鞄に潜ませておいた木住野佳子のアルバムを取り出してかけてもらった。トールボーイ型としてはコンパクトなエンクロージャサイズと口径7インチウーファ2本としてはまずまず及第の低音感。バスレフ臭さはなく、現用のタンノイ:スターリングのような特定帯域の共鳴・箱鳴りもない。50Hz以下のローエンドも静かにのびてくる。総じて、少なくてもクラシックをホールの程よい席で聴くイメージならば文句のない音だと感じた。一方50年代のハードバップをホーン型スピーカーで聴くような押出し感とリアリティはない。しかし音像そのものは明確なのでジャズも十分いけそうだ。値引きしてもらうと何とか6桁プライスになるという価格設定だけが悩むところだ。最新モデルにこだわらず、90年代以降の程度のいい中古があればというところだろうか。


在りし日のマイ2S-305…
2S-305.jpg


もう一軒、ビンテージ品に強い某ショップへ向かう。お目当ては2年前にお別れした三菱2S-305。実は何度かお世話になったことのあるその店の担当者に、一度手放した305を買い戻すかもしれない、適当な出物あれば連絡してほしい、とだいぶ前からお願いしていた。買い戻し…大きな声では言えないが、かなり本気で悩んでいる。あれほど考えてサヨナラしたのに。まあ、そんなモンだよ人生は。
さて今回入荷したという305。昭和54年製。再塗装や内外部のメンテナンスも程々に施し、いい状態のもの。音はもちろん昔の印象と変わらずヴェリーナイス。何を聴いても安心の305サウンド。軽量コーンと強力アルニコ磁気回路によるパリッとした立ち上がりよい中高音。レンジが狭いの広いのという議論など吹き飛んでしまう。そして大型バスレフにも関わらずタイトかつローエンドまでのびる低音。半世紀以上前の設計であることが驚きだ。昭和レトロなコスメティックも美しい。ウ~ン、いい音だなあと腕組みして聴き入っていると、担当丁氏が耳元で、「スターリング下取りで、追い金はほんのわずかになりますよ。」と甘いささやき。さらにウ~ンと捻りつつ、ひとまず本日退散と相成った。 Avalonと2S-305。対極に位置するような両巨星。さてどうする。


Avalonの製造工程



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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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