アヴァロンで聴くブルックナー第5



きょう明け方、激しい雷雨に驚いた。五時半頃から一時間程だったろうか。ネットで雨雲レーダーをのぞくと、当地の半径5キロ圏内くらいの狭い範囲が真っ赤に染まり、雨量の多さを示していた。レーダーの予想通り雨は1時間ほどであがった。雨のおかげで気温は少々下がったが、その後湿度MAXのスタートとなった。まだ夏は序の口。今年は厳しいぞ。
さて、きょうも一日終えて日が暮れて…。先日の小澤ラヴェルによる暑気払いに続いて、きょうもアヴァロンのご機嫌伺い。今夜はこのスピーカーがもっとも真価を発揮しそうなこの曲を選んだ。


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ブルックナーの交響曲第5番。ルドルフ・ケンペ指揮ミュンヘンフィルハーモニー管による演奏。1975年録音。手持ちの盤は、学生時代に名曲喫茶で行われた発売プロモーションイベントに参加した際、抽選で当てたラッキーな1枚。後年、第4番とのカップリングでCD化された盤も手に入れた。


アヴァロンのエクリプスはその後あれこれ検分しているが、YouTubeにあるオーディオチェック用音源で周波数レンジを確認してみたところ、ローエンドは25Hzあたりから反応する。20~30Hz辺りを再生しボリュームを少し上げると、不気味な地響きのように部屋の空気がにわかに震え出し、30Hzを超えると完全に音として認識できるようになる。スペックで35Hzがマイナス3dBとされている通りの再現性だ。100Hz位までスイープしていっても、部屋の定在波影響以外に妙なピークデツブスは感じないのは密閉式の御利益。高音の分解能、反応の良さも文句なしだ。

さてケンペのブルックナー。
この演奏の第1楽章冒頭のテンポは、おそらく現在でも最も遅い演奏のひとつだろう。しかもLP時代にはSNの確保で苦労したピアニシモで始まる。この冒頭のコントラバスのピチカートは、きちんと基音が再生できるセットで聴かないと、音程がはっきり認識できない。自分でこの音程と思って聴いていても、続くヴァイオリン群の入りでそれがずれていたことに気付かされる。その点アヴァロンは完璧だ。LP再生でサーフェイスノイズが気にならない位のほどほどの音量で開始しても、コンパスのピチカートの音程はまともに把握できる。そして続く金管のコラールが両スピーカーの奥方向から悠然と響き渡る。この冒頭のひと節だけでも、この曲のスケール感とアヴァロンの素性の良さに満足してしまう。
第2楽章の弦楽群によるしみじみとした歌も、深さと広がりを感じさせ、時間の経つのを忘れる。圧巻の第4楽章は言うに及ばない。後半の二重フーガは、数あるブルックナーの交響曲の中でも、もっとも感動的なフィナーレの一つだ。だが、こうして十分満足して聴きながらも同時に、この録音もさすがに40年の月日が経ったことをあらためて思う。曲の素晴らしさと、新しいパートナー:アヴァロンのポテンシャルを考えると、何か適当な最新録音で聴いてみようかと思うのだ。


この盤の音源。



第4楽章フィナーレ。ブロムシュテット&ライプツィッヒゲヴァントハウス管@2002



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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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