A・タンスマン <ピアノ作品集>



十一月最後の日曜日。穏やかな一日。近所で弔事あり。七十七歳のご主人。つい先日、元気に歩いている姿を見かけたばかりだった。合掌
さて、あすからまた一週間が始まるという晩。気分転換に鞄の入れ替え作業。BGMにこんな盤を取り出した。


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ポーランド生まれのアレクサンドル・タンスマンによるピアノ作品集。以前にも一度記事にしたので再掲。
収録曲は以下の通り。エリアンヌ・レイエというベルギー生まれのピアニストによる演奏。2013年録音。昨年2月にリリースされたNAXOS盤。

・古風な様式による舞踏組曲
  Ⅰ.Entree II.Sarabande III.Gavotte
  IV.Choral fugue V.Aria VI. Toccata
・バラード第1番、第2番、第3番
・アラベスク
  No. 1. Intermezzo No. 2. Mazurka (Hommage a Chopin)  No. 3. Nocturne
  No. 4. Fanfare  No. 5. Berceuse No. 6. Danza
・5つの印象
  No. 1. Calme No. 2. Burlesque No. 3. Triste No. 4. Anime No. 5. Nocturne
・8つの歌
  No. 1. Prelude No. 2. Arioso No. 3. Interlude No. 4. Choral I
  No. 5. Invention No. 6. Choral II No. 7. Fuga No. 8. Postlude

タンスマンはクラシックの作曲家の中では、ギター弾きに馴染みの深い作曲家だろう。ぼくも学生時代にはポーランド風組曲や、音友社セゴヴィアアルバムにあったダンスポンポーザなど弾いて楽しんだ。ポーランドの民族的要素と、新古典主義的手法とが程よくミックスされていて、親しみやすくも新鮮な響きがあって好きだった。この盤ではタンスマンの持ついくつかの典型的な作風が示されている。ネオ・バロック調の「古風な様式による舞踏組曲」や、新古典主義風ながらロマン派の色濃い「5つの印象」、一筆書きの趣きの即興的な「アラベスク」、悲痛な心情告白にも似た「バラード」、8つの歌はバッハへのオマージュとして書かれている。
タンスマンは若くしてフランスで注目され、アメリカへも早々にデヴューし将来を嘱望されていた。しかし第二次大戦をはさんで、彼自身の方向性もあって、その勢いが途絶えてしまった、やや不遇なイメージがある。こうしてピアノ作品をまとめて聴いてみると、その音楽は私的で濃密なロマンティシズムを抱えていて、やはり20世紀初頭の前衛的なフランス楽壇に馴染めないまま終わったのもわかるような気がする。


タンスマンのピアノ曲がいくつかまとまってアップされている。


この盤の奏者エリアンヌ・レイエによる演奏。収録曲:古風な様式による舞踏組曲から、アントレ・サラバンド・トッカータの3曲。



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昭和歌謡 <冬の巻>



二つ玉低気圧が通過し、関東地方は天気回復。終日陽射しに恵まれた。近郊の街路樹も葉を落とし始め、初冬の趣き。暑さが苦手で冬LOVEのぼくにとってはいい季節の到来だ。
こんな晩には、ストーヴに灯をつけ、辛口のぬる燗でもやりながら昭和歌謡でも聴こうか…おっと、いけない。無粋な下戸は渋茶で一杯でありました。


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冬に入るこの時期の必聴盤。だいぶ前の記事にも同じ盤を取り上げていたので再掲しておく。取り出したのは以下の4枚。

 北の宿から
 津軽海峡冬景色
 哀しみ本線日本海
 小樽のひとよ

<小樽のひとよ>が少々時代をさかのぼって1967年。<北の宿から>と<津軽海峡冬景色>が70年代後半。<哀しみ本線日本海>は1981年の作だ。いずれの盤も10年ほど前に近所のリサイクルショップのジャンク箱から@50円で捕獲してきたもの。
<小樽にひとよ>では鶴岡雅義のレキントギターが懐かしい(写真のギターは黒澤澄雄作レキントギター:鶴岡雅義モデル)。この曲が流行った中学2年の頃ギターを弾き始め、このイントロも耳コピーして弾いた記憶がある。<北の宿から>と<津軽海峡冬景色>が巷に流れていた頃はちょうど大学時代の真っ只中。実らぬ恋に悶々としながら、北陸のうつうつとした暗い冬の中で過ごしていた記憶と阿久悠の名調子が重なる。両曲ともイントロにはマンドリンやテナーサックスが使われ、昭和歌謡の王道を行く。<哀しみ本線日本海>は80年代初頭の作。コードの扱いに少し新しい感覚が入っている。70年代中盤以降のぼくは、クラシックに没頭していた時期で、歌謡曲を好んで聴いた記憶はまったくないが、巷間流れていたメロディーはしっかり身体にしみ込んでいて、今更ながらにこうして聴くと、グッときてしまうのだ。


<小樽のひとよ>


<津軽海峡冬景色>


松田聖子も歌います!



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ブロムシュテット&SKD シューベルト第5



こうして夜ごと呑気な与太ブログを書いているが、公私とも年相応の悩ましき雑事もあって、実態はお気楽ブログほど脳天気でもない。五十路を過ぎ、還暦ともなれば、道楽三昧で日々安穏と過ごせるかと思っていたのだが、どっこいそう簡単にはいかないことを実感する毎日だ。まあまあ、それはともかく、週末金曜日。今週もお疲れ様でありました。
さて、先日届いたCDを引き続き検分中。今夜はこの盤を取り出した。


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ブロムシュテットとSKDによるシューベルト交響曲のセットから第5番変ロ長調。1980年、ドレスデン・聖ルカ教会での録音。HMVのサイトでは『ドイツ・シャルプラッテン本来の優秀録音が蘇ったと評判になったハイパー・リマスタリングによる廉価ボックスの登場。オリジナル・アナログ・マスター・テープ本来の音の情報が、間接音除去やイコライジングによって損なわれることなく忠実に再現されており、ドイツの名門シュターツカペレ・ドレスデン全盛期のサウンドをアナログ完成期の名録音で楽しむことができます。』…との口上がうたわれている。先日の記事に書いたベートーヴェンでのスウィトナー盤との比較で、録音状態に少々難くせを付けてしまったが、この盤だけに対峙して正面から聴いていれば、もちろん立派な録音。70年代終盤から80年代初頭のアナログ最後期の音として十分及第だ。

第5番はシューベルトの交響曲の中では第9(8)番<ザ・グレイト>と並んで好きな曲の筆頭。かなり劇的な作風の第4番から一転、トランペットやティンパニ、クラリネットも省いた小編成で、穏やかな古典的たたずまいに満ちている。モーツァルトの29番シンフォニーに相通じる雰囲気があある。ブロムシュテットはテンポを中庸に取り、この曲のそうした雰囲気にマッチした曲の運び。同時にマスの響きの雰囲気だけではなく、各声部が交錯する様などは明瞭に提示するなど、実に好ましい。


この盤の音源。第5番全曲。



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ケンブリッジ・バスカーズ



週末にかけて大荒れ予報の天気だが、きょうは昼過ぎから晴れ間がのぞいた。
ここ数週間引っ掛かっていた飛び込み案件が本日収束。これで万事一件落着ならいいのだが、飛び込み案件に手を焼いているあいだに、元々の計画業務が遅れ気味となり、あすからはそのリカバリーが必要だ。とはいえ、ひとやま越えてまずは休心。ホッとひと息リスニングタイム。音盤棚を眺めていたらこんな盤を見つけて取り出した。これもだいぶ前に一度記事にしていたので再掲しておく。


ケンブリッジ・バスカーズ  ケンブリッジ・バスカーズ


ケンブリッジ・バスカーズ。1970年代後半から80年代にかけて笛とアコーディオンの大道芸的演奏パフォーマンスのデュオとして人気を博した。久しく関心から離れていたら80年代後半にメンバーチャンジがあって、名前もクラシック・バスカーズと変わっていた。写真のLPはもちろん以前のコンビによるもので1983年の録音。クラシックの名曲、それも大管弦楽であろうが何であろうが、笛とアコーディオンでやっつけてしまう。参考までに収録曲をあげておこう。

01. 1812年序曲(チャイコフスキー)
02.セビリアの理髪師(ロッシーニ)
03.ジュピター交響曲(モーツァルト)
04.新世界交響曲(ドヴォルザーク)
05.未完成交響曲(シューベルト)
06.交響曲第4番(マーラー)
07.軽騎兵序曲(スッペ)
08.春の祭典(ストランヴィンスキー)
09. 古典交響曲(プロコフィエフ)
10.カリレア(シベリウス)
11.ヴァイオリン協奏曲(メンデルスゾーン)
12.チューニング
13.交響曲第1番-第9番(ベートーヴェン)
14.ツァラトゥストラはかく語りき(R.シュトラウス)
15.威風堂々(エルガー)
16.ペール・ギュトン(グリーグ)
17.セレナーデ(ハイドン)
18.鱒(シューベルト)
19. なき女王のためのパヴァーヌ(ラヴェル)
20.”アコーディオン”協奏曲第1番(チャイコフスキー)
21.大学祝典序曲(ブラームス)

1時間ちょっとの間にこれら21曲が演奏される。ベートーヴェンの9曲の交響曲をつなげてあっという間に聴かせる妙、メンデルスゾーンでの超絶技巧、春の祭典での意外な迫真感、まさにエンターテイメントの花咲くひとときだ。物まね、声帯模写のたぐいと同様、このデュオを楽しむには元ネタを熟知しておく方がよい。そうでないと彼らの仕掛けの半分も気付かずに終わってしまうだろう。例えばベートーヴェンの全交響曲9曲をつなげるとっても、元の曲を知っているのと知らないのとでは、笑うにしても腹のかかえ方が違うというものだ。この手のパフォーマンスは、古くはモンティ・パイソンやミスター・ビーンなどに通じる英国流のユーモア、ナンセンス、ギャグの系譜だろう。音楽でも1950年代からホフナング音楽祭なる抱腹絶倒のイベントがあった。フックド・オン・クラシックの元祖だ。

このクラシック・バスカーズ、ネットでみると近年も活動を続けている様子。しかし現役のアルバムは少なく、この盤もプレミアムが付いていて驚いた。最近はこの手の健全なユーモアは人気もなく、売れないのだろうか。


無茶にもほどがあるというワグナー;ワルキューレだが、原曲を知る者には抱腹絶倒だ。しかし、どうみてもミスター・ビーンのノリである。


1987年。来日公演の様子。
最高傑作はこの盤にも収録されているベートーヴェン交響曲全曲。28分50秒から35秒間のお楽しみ。



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バッハ <コーヒーカンタータ>



寒気流入で当地関東は肌寒い一日。週末にかけて例の二つ玉低気圧の通過で日本列島は大荒れの予報。さて、あすはどんな塩梅か知らんと思いながら、夜半の音盤タイム。平日の晩ということもあって、そうリラックスできるわけでもないが、ふと思いついてこんな盤を取り出した。


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バッハのカンタータBWV211<コーヒーカンタータ>。だいぶ前に一度記事に書いていたので、それを再掲。 バッハが活躍していた18世紀当時、珈琲はすでに庶民に人気の飲み物になっていたらしい。一方で珈琲は風紀を乱すものという評判もあって、このコーヒー・カンタータはそんな世相を取り上げている。「珈琲は千回のキスより素敵、マスカット酒より芳しい。コーヒーは素晴らしい」という娘に対して父親が、「コーヒーをやめないなら外出禁止だ」と言い出すといった、案外ドタバタ喜劇のような歌詞が付いている。歌詞を見ずに音楽だけを聴いていると、そんなドタバタは想像すら出来ず、いつものバッハらしい機知に富んだメロディーや和声で、純粋な音楽として楽しめる。特に第4曲のソプラノが歌う短調のアリアはことのほか美しい。

ブリリアント版バッハ全集中のカンタータは、オランダのネザーランド・バッハ・コレギウムという少しマイナーな団体による演奏が多いが、このコーヒー・カンタータを含むいくつかの世俗カンタータは、ペーター・シュライヤー指揮ベルリン室内合奏団の録音が使われている。ソプラノがエディット・マチス、テノール;ペーター・シュライアー、バス;テオ・アダムという、往時の独オールスターズといった顔ぶれだ。演奏スタイルも今から見ればひと世代前のものかもしれないが、終始安定したオーソドクスな曲の運び、そしてそれをよくとらえた低域の充実した素晴らしい録音だ。

バッハ自身も無類の珈琲好きで、この曲も彼自身による珈琲賛歌なのだろう。そういえばベートーヴェンも大そう珈琲が好きで、いつも60個の豆の数をきちんと数えて淹れていたという。緻密で隙のない楽曲を作ったベートーヴェンらしいエピソードだ。ぼくは珈琲が好きでほぼ毎日飲むが、豆の数を数えるほどではない。更に、珈琲がキスより千倍も素敵だとは思えない。もっともその辺りをつぶさに検証するチャンスもとんとないのだが…


コープマンと手兵アムステルダムバロック管による劇仕立ての音源。ネットで歌詞を探し、それを見ながら聴くとよく分かると思う。第4曲、フルートのオブリガートにのって歌うソプラノのアリアは4分10秒から。



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諏訪内晶子 <ドヴォルザークVn協>


三連休明けの火曜日。関東地方は昼間20℃超えの暖かい一日。予想では明日は冷たい雨に見舞われ、昼間も10℃になるかならないかの真冬の寒さとか。あさの出勤はこの冬はじめてコートの出番かな…。 さて、二夜続けてナージャ・ゾネンバーグを聴き、諏訪内晶子の動画も観たついでに…といってはナンだが、今夜はその続きでこの盤を取り出した。


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諏訪内晶子の弾くドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲イ短調。イヴァン・フィッシャー指揮ブダペスト祝祭管弦楽団のバック。1999年録音。収録曲は以下の通り。(この盤については、だいぶ前に一度記事にしたので以下に再掲)

サラサーテ:
 ツィゴイネルワイゼン 作品20
 カルメン幻想曲 作品25
ドヴォルザーク:
 マズレック ホ短調 作品49
 ヴァイオリン協奏曲 イ短調 作品53

諏訪内晶子がチャイコフスキーコンクールで最年少優勝してから早くも25年。比較的慎重にリリースしているアルバムも十指を下らないだろう。いずれも高い評価を受けている。ぼくも初期のアルバム以来何作かを手にした。彼女の演奏は2000年前後に2度コンサートでも聴いている。シュニトケの協奏曲を群馬交響楽団と協演したときにアンコールで弾いたラヴェルのツィガーヌは、デッドで鳴らない高崎の群馬音楽センターの隅々まで圧倒的な音量で響き渡って驚いた経験がある。そんなときでも彼女は極めて冷静で表情一つ変えないし、額に汗一つかかない。クールビューティーそのものだ。

収録曲をみてわかる通り、この盤のキーワードは『スラヴ』。先のラヴェルのツィガーヌもそうだが、彼女がスラブ的なものに惹かれ選曲したことは間違いない。サラサーテの技巧的な曲はいずれも比較的速めのテンポで弾き進めている。切れのいいテクニックを駆使し、同時に中音域から低音域に独自の力強さがある。ブラームスの影響も多分に感じられるドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲も腰高にならず、しかも男性顔負けに力強い。がしかし、そこにスラヴの土の匂いを感じるかと言うと少々希薄だ。

いずれもの曲も純音楽として何の文句の付けようのない完璧な演奏には違いないが、それ以上にグッと来るものがない。実際のコンサートのときもそうだったが、川の向こう岸で完璧な演奏をあっさりこなしているという感じなのだ。このあたりは五嶋みどりとは対照的だ。また音楽とは直接関係ないことだろうが、やや過剰に演出されたジャケットデザインや(素のままで十分美しいのに…)、更には彼女の周辺で持ち上がったスキャンダラスな話題なども、ぼくにとってややネガティブな印象に追い討ちをかける。多分こんな印象は、いくつかの断片的な体験や周辺情報から受けたまったく私的な印象で、音楽だけを聴いていれば客観的にはそんな気配は微塵もないのかもしれない。そこのところは、耳と情を切り分けられない浅薄な愛好家の独断と、ひとこと断りを入れておきたい。一方で、素の彼女が楽曲に同化して熱っぽく弾くさまを見てみたいとも思うのだが、どうだろう。


この盤の音源。全3楽章。


ピアノ伴奏による<ツィゴイネルワイゼン>



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ナージャ・ゾネンバーグ <ブルッフVn協第1番>



三連休最終日も終了。あすからまた社会復帰という晩。きのうの続きで、ナージャ・ゾネンバーグの盤を取り出した。


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ブラームスとブルッフのヴァイオリン協奏曲を収めた一枚。エド・デ・ワールト指揮ミネソタ管弦楽団がバックを務める。1988年録音。手持ちの盤はきのうの小品集同様、十年ほど前に出たEMI廉価盤シリーズの一枚。ロマン派ヴァイオリンコンチェルトの名曲二つを収めたという中々のお買い得盤だ。今夜はこのうちブルッフの協奏曲第1番を聴いている。

ヴァイオリン協奏曲の名曲というと、まずはベートーヴェン、メンデルスゾーン、チャイコフスキー、ブラームスが四大協奏曲ということになるだろうか。しかし、それらに加えてブルッフ、グラズノフ、ヴィニャフスキー、ヴュータンといったロマン派協奏曲も、ヴァイオリンの特性を生かした独自に魅力がある。中でもブルッフの第1番は他の有名コンチェルトに勝るとも劣らない、むせ返るようなロマンにあふれる佳曲。ヴァイオリンソロの名人芸だけでなく、オーケストラ部の充実した響きもこの曲の魅力だ。第3楽章はブラームスのVn協3楽章をイメージさせるジプシー風主題がラプソディックに展開される。

ナージャの演奏は、当時の<過激><奔放>といった、ややネガティブな評どこ吹く風といった赴きで、このロマンティックな名曲を堂々と弾き切っている。音程が正確でボウイングの切れがよいヴァイオリニストにときとして感じるように、一聴すると線が細いようにも聴こえるが、曲の盛り上がりに従って十分ボリュームと太さのある音でスケール豊かに弾き進める。弱音のコントロールも完璧で、そのあとにくるフォルテシモとのコンビネーションによって、一層ダイナミズムの大きさが際立つ。エド・デ・ワールト指揮ミネソタ管弦楽団のバックも荒っぽいところがなく雰囲気のあるオーケストラサウンドで申し分ない。


この録音のLP盤音源だそうだ。


2001年のPROMSでのブルッフ第1番。第2楽章途中から最後まで。


一昨日当地に来演してベートーヴェンを弾いた諏訪内晶子の演奏。第3楽章。バックは尾高忠明指揮の札響。2011年。



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プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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