パコ・デ・ルシア <LUZIA>
週明け月曜日。都内での仕事を終えたあと、日本橋の老舗デパートに立ち寄り、九時少し前に帰宅した。相変わらず暖かい日が続く。街路樹の葉を落とし始めたが、この暖かさでは晩秋の赴きにはだいぶ遠く、北ドイツの光景を思い浮かべつつ渋いブラームスでも…という気分にもなれない。さて、どうしたものかと思いながら音盤棚を探索。取り出したのはこの盤だ。


パコ・デ・ルシア(1947-2014)が1998年に発表したアルバム<LUZIA>。
ぼく自身、同じようなギターを弾きながらフラメンコはまったく不案内。フラメンコギタリストを5名あげよと問われたらギリギリ何とか答えられるかというレベルだ。まず、伊藤日出男だろう(^^; サビーカス、モントーヤ…古いなあ。
さてこの盤は彼の14作目のアルバムだそうだ。おそらく正統派というか、歴史的なフラメンコスタイルから見るとパコはフラメンコの技巧をベースにしながらもまったくの別物という評価なのだろう。しかし、それが故に70年代に頭角を現し、以降の人気を得るに至った。フラメンコに興味があったわけではないが、彼が初来日した際にNHKテレビで演奏したときの印象は強烈だった。ギターというのはこんなにも速く音階が弾けるのものなのかと。 手元には70年から80年、人気のピークにあった頃のベスト盤CDと中古のLPが2枚ほど、そしてこのLUZIAがあるだけだが、このLUZIAはとても気に入っていて時々取り出して聴く。ジャズやフュージョン系のアーティストとの協演も数多いパコのイメージだと、圧倒的なテクニックとノリと勢いとで弾き抜けるイメージがあるが、この盤は全体を通してどこか静けさが支配する。冒頭のBuleriaからして、超低音域の響きを伴うカホンに導かれてパコのトレモロが繰り出される展開されていくが、フレーズの合間にはふと寂しさが宿る。この盤の作成中に亡くなった母に捧げられたというのも偶然ではないだろう。そしてパコ自身も一年半ほど前に66歳で亡くなった。
この盤の全曲。
若き日のパコ。
パコも激賞する現代の若手テクニシャン:グリシア・ゴリャチェフ。
★★追伸★★
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