サヴァリッシュ&バイエルン国立歌劇場管弦楽団 管弦楽名曲集


先日2月22日はサヴァリッシュの命日だった。まだ記憶に新しい三年前2013年のこの日、89歳で亡くなった。N響との演奏はテレビでしばしば、そして実演でも何度か接した。ぼくら世代の日本人にはもっとも馴染み深い外国人指揮者の一人だった。そんなことを思いつつ、手元にある彼の演奏から、こんな盤を取り出した。


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サヴァリッシュ(1923-2013)はミュンヘンに生まれ、長らく地元バイエルンの歌劇場の音楽監督も務めた。この盤はそのバイエルン歌劇場のオケによる管弦楽名曲集。数年前にタワーレコード・新星堂・山野楽器の共同企画で作られたシリーズの中のもの。1987年録音。このシリーズでは2枚がリリースされたが、すぐに廃盤。その後EMIから再リリースされ、現在は入手可能のようだ。収録曲は以下の通り。きょう聴いた第2集にはスッペ;軽騎兵序曲、エロール;ザンパ序曲、スメタナ;売られた花嫁序曲、ベルリオーズ;ハンガリー行進曲、シャブリエ;狂詩曲スペインといったよく知られたオーケストラピースが収録されている。

<第1集>
1. グリンカ:歌劇『ルスランとリュドミラ』序曲
2. ボロディン:交響詩『中央アジアの草原にて』
3. ムソルグスキー/リムスキー=コルサコフ編:交響詩『禿山の一夜』
4. カバレフスキー:組曲『道化師』 op.26
5. プロコフィエフ:組曲『3つのオレンジへの恋』 op.33~行進曲/スケルツォ
6. リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲 op.34
<第2集>
1. スッペ:喜歌劇『軽騎兵』序曲
2. エロール:歌劇『ザンパ』序曲
3. スメタナ:歌劇『売られた花嫁』序曲
4. スッペ:喜歌劇『詩人と農夫』序曲
5. オッフェンバック:喜歌劇『天国と地獄』序曲
6. ヴォルフ=フェラーリ:歌劇『マドンナの宝石』間奏曲
7. ベルリオーズ:劇的物語『ファウストの劫罰』 op.24~ハンガリー(ラコッツィ)行進曲
8. シャブリエ:狂詩曲『スペイン』

時にはこうしたオーケストラ曲を聴くのも楽しいものだ。通俗名曲などと言われることもあるが、通俗結構。オーケストラの音色、各パートの掛け合い、指揮者による料理の仕方など、聴きどころはいくらでもある。サヴァリッシュは正統派の独墺系指揮者というイメージ通り、いずれの曲でもまったく奇をてらわず正攻法のアプローチ。バイエルンのオケも実力は十分だ。チェロ・コントラバスの低弦群はどっしりとしているし、木管群のソロも鮮やかだ。しかも全体の音色は落ち着いていて弦と管がよくブレンドされていて安定したオーケストラサウンドが楽しめる。ぼくの好きなスメタナ;売られた花嫁序曲なども冒頭から快速調に進めるざわざわとした弦のうごめきがピタリと合い、そして切れのいいフリリアントのリズムが立ち上がるところなど、ぞくぞくするほどの緊張感。ハンガリー行進曲でも終始あわてず、立派な演奏だ。


N響を振ってこの盤にも収録されているエロール;ザンパ序曲を演奏している映像があったので貼っておく。1988年サントリーホールでの演奏。この時代のN響メンバーの顔が懐かしい。冒頭少ししたところでサヴァリッシュが指揮棒を落としてしまい、以降は棒なしで振っている。



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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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