チョイと宅録 カルカッシ<25の練習曲>から



連休初日。昼間、時間があったので久々にレコーダーを取り出し、ギターの録音。このところ何か目標の曲を練習するということがなく、いつもウォーミングアップに弾いている(そして、いつもウォーミングアップだけで終わるのだが…)、マッテオ・カルカッシ<25の練習曲:作品60>を取り出した。


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カルカッシ(1792-1853)といえば、ぼくら世代にはその教則本(作品59)がお馴染みで、ギター入門者の多くが手にしたはずだ。その教則本とペア、あるいは次の段階として使われるのが作品60の練習曲集。25曲は概ね難易度順に並んでいて、初級から中級あたりをカバーする。ぼくは先生についてギターを習ったことがないので、この練習曲を叩き込まれることもなかったが、かつては中級へのステップアップとして必須の曲集だったはずだ。いずれも3分に満たない小さなエチュード。フェルナンド・ソルほどの音楽的感興はないが、古典的なセオリーで書かれていて、どの曲にも一箇所か二箇所は、ちょっといい和声感も備わっている。アマチュアの特権で、弾けなくても大曲、難曲に挑むが、バッハの組曲だ、ソルのソナタだという前に、このくらいの曲をまともに弾けるようでありたいものだ。(楽譜はこちら、スウェーデンのBoijeコレクションで⇒http://boije.statensmusikverk.se/ebibliotek/boije/pdf/Boije%2094.pdf

…と、講釈をたれたものの、相変わらずの雑な御手前にて失礼。拙宅内では玄関近くのスペースの響きがいいので、そこに椅子を持ち出して弾いてみたが、中高音ばかりに響きがのって、低音が痩せたバランスになってしまった。以前のようにデッドな居室で録って、後処理でエコーを加えた方がいいことが分かった。暗譜などは当然してないので、楽譜から目を離せない状態。ポジション移動であちこちボロが出てしまった。25曲を順番に弾くつもりでもないが、きょうは1番、2番と飛んで12番。練習曲なのでそれぞの曲ごとに何を習得すべきかのポイントや曲の解釈等、ひと通り考えてはいるが、ここに書くのは長くなるので、またいずれ。連休中、時間が取れたら他の曲もトライしましょうかね。


第1番 ハ長調


第2番 イ短調


第12番 ニ長調



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D・R・デイヴィスのハイドン<熊>



穏やかな陽気の週末も終わり、あすから連休前一週間がスタートだ。今年のカレンダーは、間にはさまれた二日間を休みにすれば十連休となる。数年前までの、時間的あるいは精神的にプレッシャMAXの日々なら、逃げ出したい気分で何とか休みを取る算段をしただろうが、勤め人生活のピークも過ぎてほどほどのタイトさの今はそれほどでもない。暦通りに、はいそうですかと従う気分になってきた。そんなことを思いつつ、残り少ない人生、事情の許す範囲で音楽を楽しみましょか…


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昨年入手してボチボチ聴いている、デニス・ラッセル・デイヴィス&シュトゥットガルト室内管によるハイドン交響曲全集のボックスセット。D・R・デイヴィスがシュトゥットガルト室内管の首席指揮者になった1995年に計画し、以降ライヴ録音を重ねて、ハイドンイヤーとなった2009年にリリースされた。この盤のリリースを知ったのは数年前だったが、すでにA・フィッシャー盤の全集が手元にあるし、どうしようかなと思っているうちに年月が経ち、結局流通在庫も少なくなった昨年になってから手に入れた。きょう現在、HMVのサイトではすでに販売終了だが、アマゾンではまだ入手可能だ。きょうは全37枚のセットから29枚目の盤を取り出し、そこに収められている第82番ハ長調の交響曲を聴いている。第4楽章冒頭の音形から<熊>と称される作品。

第1楽章は序奏なしで、ハ長調主和音を分散奏して力強く始まる。随所にティンパニの打ち込みが加わり、中々恰幅のいい曲想。その間をぬって可憐な第2主題が奏され、その対比が中々面白い。展開部はその女性的な第2主題と、第1主題を短調であつかったモチーフなどが交錯する。第2楽章はアレグレットの指定で、緩徐楽章という位置付けよりも少し動きを感じさせる。第3楽章は典型的メヌエット。トリオではオーボエ、ファゴット、ヴァイオリンが絡んで美しいアンサンブルを聴かせる。第4楽章は<熊>の通称の元となった前打音を伴った低弦群のフレーズで始まる。以降この前打音のフレーズと他のモチーフとが繰り返されながら、第4楽章としては異例ともいえるほど、充実した展開を繰り広げ、まったく飽きさせない。

このデニス・ラッセル・デイヴィス&シュトゥットガルト室内管の演奏をまだすべて聴いたわけではないが、総じてテンポをやや遅めにとり、大らかにゆったりと奏される。ピリオドスタイルの楽器や奏法からイメージする急進性や緊張感は少ない。付点音符の扱いやフレーズのアクセントなども意図的にやや<ゆるく>設定している。モダン楽器による旧来の演奏スタイルに慣れ親しんだ向きにも違和感なく受け入れられるだろう。録音は、欲をいえば低音、それも低弦群の低い音域がもう少し響いてほしいところだが、演奏終了後の拍手がなければライヴと分からないほどバランスよく整備された音質。A・フィッシャー盤の残響豊かで流麗な響きとはやや趣きを異にするが、細かなところまでよく聴き取れる解像度の高さでは一枚上をいくだろうか。

ハイドンの交響曲全曲を聴こうか、などという酔狂な道楽は、ひと昔前はごく一部の好事家がドラティー盤を手にする程度であったが、ここ十年でA・フィッシャー盤、そしてこのラッセル・デイヴィス盤(現在もアマゾンで六千円ほどで入手可)により、すっかり身近な存在になった。CDデフレは一応歓迎である。


この盤の音源。デニス・ラッセル・デイヴィス&シュトゥットガルト室内管による第82番<熊>第4楽章。


シュトゥットガルト室内管の動画チャンネルにあるハイドン第44番<悲しみ>の抜粋。指揮はヴォルフラム・クリスト。



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ヘスス・ロペス=コボス



スペインの指揮者:ヘスス・ロペス=コボス(1940-)が素晴らしい!
先日NHKFMでナカリャコフ(tp)がソロを吹くハイドンのトランペット協奏曲が流れていた。ナカリャコフのトランペットはもちろんだが、むしろそのバックのオケ伴奏に素晴らしさに耳を奪われた。オケはローザンヌ室内管弦楽団。指揮を務めていたのがヘスス・ロペス=コボスだった。


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コボスの名を初めて聴いたのは確か70年代の半ば。ホアン・クリソストモ・アリアーガの例の交響曲だった。NHKFMの何の番組だったか、濱田滋郎氏が例の調子で「ホアン・クリソストモ・アリアーガの…スペインの若手指揮者ヘスス・ロペス=コボスの指揮…」と紹介していたのを覚えている。

しかしその後、彼の音盤を手にする機会はなく過ぎた。そして数年前からこのブログを書きながらYouTubeを眺めている途中で、近年のコボスに演奏に触れ、その見事なオーケストラコントロールに感服していた。そんな矢先、あらためて聴いた先のナカリャコフのバック。ソロと対等にオケを積極的に鳴らし、考えつくされたアーティキュレーションでドライブしていく手腕は名匠の名に恥じないものだと感じた。スペインの指揮者というと、とかく欧州辺境のローカル色という色眼鏡で見がちかもしれないが、コボスはそうしたレベルとは一線を画す。80年代はベルリン・ドイツオペラの音楽監督、90年代は先のローザンヌ室内管の首席指揮者。いずれもほぼ10年に渡ってそのトップを務めた。もともとマドリッドの大学時代には哲学を修め、その後名伯楽ハンス・スワロフスキーに学んだというから少々異色の遅咲きだったのかもしれない。

90年代のローザンヌ室内管とのハイドン交響曲集、その後のシンシナティ響とのブルックナーなど、録音もかなりの数がリリースされたが、現在は入手しづらい状況だ。幸いYouTubeにはスペインの新興勢力:ガリシア交響楽団他を振った近年の演奏がアップされていて、それでのどの渇きをいやしている。いずれも知と情のバランスに優れ、各パートの役割が明確に描き出された演奏で、近年もっとも感心している指揮者の一人だ。今年の秋、そして2017年初頭にも来日が予定されている。機会あればその演奏に接してみたい。


田部京子がソロをとったモーツァルトの<ジュノム>。コボス指揮ローザンヌ室内管。1995年録音。日本コロンビアの廉価盤でリリースされていたが、現在は手に入りづらい。ピアノよりオケの音に耳を奪われる。


ベートーヴェンの第4番。オケはガリシア交響楽団。同団は90年代初頭に出来た比較的新しいオケだが、スペインローカルのオケと思って聴くと完全に打ちのめされる。日本では村治佳織が2007年に録音した2回目のアランフェス協奏曲のバックを務めたことで知られるようになった。


夭折したスペインのモーツァルトことアリアーガ(1806ー1826)の有名な交響曲ニ短調。曲目の表記はニ長調ながら、第1楽章序奏のあとの主題が二短調で提示される。


ブルックナー第8交響曲第1楽章。



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ギターもボチボチ



風薫る五月を前にはっきりしない天気が続く。幸い陽気は暑からず寒からずでまずまずの塩梅だ。
ところで最近、ギターねたの記事からご無沙汰で、ブログタイトルの半分はいつわり有りの状況だが、半端な時間を見つけてはボチボチ楽器にも触っている。昨晩も久々に19世紀ギターを取り出して、ひとしきり楽しんだ。最近弾くのはもっぱら古典期の小さな曲を多い。


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19世紀古典期のギター曲を当時のオリジナル楽器で弾く楽しみ。その響きにはモダン楽器では味わえないものがある。現代の楽器と比べると絶対的な音量、音圧はもちろん小さい。しかし、それを補って余りある響きと反応の良さ、音の広がり、和音の調和は比類がない。ソルやジュリアーニをはじめ、マティエカ、ディアベリ、フォッサ、カルカッシなどが残した曲から技巧的にあまり無理のない曲を選んでポロポロと弾いて楽しむ。弦長610~630mmが標準だった当時の楽器に、当時と同じくらいの低めの張力の弦を張る。無理なく楽器全体が鳴り響き、まことに心地いい。弦は1年以上交換しておらず、低音の巻き弦はすでに輝きを失っているが、音は適度にエッジが取れて、むしろ好ましい。モダンギターもそうだが、ぼくの場合弦の交換頻度はとても低い。新品の弦に付きもののビーンビーンというメタリックな音を(しかも暴力的なタッチで弾いた音を)聴いていると、あれは楽器の音ではなく弦の音だと感じるからだ。極端な言い方をすると、金属バットでブッ叩いて音を出しているように感じる。そんなに無理しなくても楽器は鳴るはずだし、無理せずに鳴るところで留めておくべきだと、自戒を込めて思う。

弦をはじいた瞬間に音が立ち上がり、短めの余韻で消えていく。ギターの音にサステインの長さを求めたくなる気持ちは分かるが、ピアノ同様、発音のあとは減衰しかない楽器の特性をネガティブに捕らえる必要はなく、少なくても古典期のクラシカルな作曲家もそれを考慮して音符を並べているはずだ。物理的なサステインに関して、当時は部屋の響きがその役割を負っていただろう。音を切らずつなげて弾きなさいと、かつての教科書や指導者は主張した。しかしそのために無理な左手の運指を強いられ、結局音が切れてしまう。前後の音との関係とフレージングでいくらでもレガートな演奏は可能だろうと思う。まあ、ぼく自身が範を示せるわけではないので、説得力はないのだが…

デイヴィッド・スタロビンによる19世紀ギターの演奏。大曲と格闘する前に、音符の並びから言えば技巧的にさほど無理のないこうした曲を、フレージングとアーティキュレーションでレガートに聴かせる音楽性を大事にすべきだと、この演奏が教えてくれる。ソル、モリーノ、マティエカの小品。







随分前にノートPCの貧弱なマイクで録音した演奏。ソルのワルツOp.32-6。
冴えないにもほどがあるな…。いずれまた録音し直そう。



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今宵もいっぷく <コーヒールンバ>



今週も業務に精励。懸案の処理も何とか済んで、無事に迎えた週末金曜日。ネクタイ、もとい、ベルトをゆるめてひと息きましょか。折から今夜は少々冷え込んで、ぼちぼち仕舞おうかと思っていたストーブに火をつけた。とっておきのスコッチを持ち出して一杯…なら、格好もつくのだが、そこは下戸の不調法につき、珈琲でいっぷく。幸い、先日知人からいただいた極上の豆もあるしね…。深入り焙煎の豆、愛用の珈琲グッズ、そしてBGMは西田佐知子のコーヒールンバだ。


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西田佐知子といって即座にイメージがわくのは50代以上だろう。代表的なヒット曲の「コーヒー・ルンバ」や「アカシヤの雨がやむとき」をリアルタイムでとなると、もっと上の世代しか体験がないかもしれない。ベネズエラの作曲家ホセ・マンソ・ペローニが1958年に作ったコーヒー・ルンバは、日本では西田佐知子でヒットし、その後もザ・ピーナツや井上陽水、荻野目洋子ら多くの歌手がカヴァーした。YouTubeで原題の<MoliendoCafe>を検索すると実に多くの演奏が出てきて、今でも世界中で愛されている曲だとわかる。

それにしても西田佐知子の歌いっぷりはワン・アンド・オンリーの貴重なものだ。当時、歌伴を付けるラテンやジャズのビッグバンドもあったはずだが、西田盤の伴奏はシンプル極まりない。パーカッションのクラヴェスなど最初から最後まで判を押したように教科書的なルンバのリズムを刻んでいる。コードの扱いもシンプルそのものだ。どう聴いてもノリがいいとか、ラテンテイスト満点といった感じからは程遠い。一言で言えば寂しく哀愁に満ちたコーヒー・ルンバに仕上がっている。これはもちろん意図的な編曲に違いない。もっと豪勢なラテンアレンジも可能であったはずだ。しかし西田佐知子の個性を生かして地味~なルンバにしたのだろう。

そんな日本的アレンジのコーヒー・ルンバではあるが、それゆえに歌詞の物語性がよく伝わってくるし、エキゾチックな光景が浮かんでくる。南の国の情熱のアロマ~、素敵な飲み物コーヒーモカマタリ~、コンガ・マラカス楽しいルンバのリズム~…物語性のある歌詞そして西田佐知子のクールながらハイトーンまでよく伸びた声。1番、2番と歌い進めるうちの、その地味なアレンジとクールな歌いっぷりが次第に迫ってきてグッときてしまう。「アカシヤの雨がやむとき」や「東京ブルース」も歌詞の意味深長さとメジャー・キーの妙な明るさとのパラドックスが何ともいい。トランペットで開始する印象的な曲をあげよという問題が出たらぼくは、マーラーの交響曲第5番、ベルリオーズのハンガリー行進曲と共に「アカシアの雨がやむとき」をあげるだろう。

60年代後半、テレビで観た西田佐知子は「きれいなおねえさん」というイメージで、その後関口宏と結婚したときは、子供ながらにコンチクショ~!と思ったものだ。最近とんと姿を見ないが、どんな風に歳をとったか、少々興味がある。


西田佐知子


正調コーヒールンバ。この曲を最初に世界的ヒットにしたアルパ奏者ウーゴ・ブランコの演奏。作曲家ホセ・マンソ・ペローニはブランコの叔父。


モダンラテンテイストかな。


実力派演歌歌手:小沢亜貴子。



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スウィトナー&SKB ブラームス交響曲第2番ニ長調


桜も散って新緑の季節を前に行きつ戻り三寒四温の日々。それでもきょうは暖かく、昼間はきっちりネクタイをしていると汗ばむほど。何となく初夏だなあと感じ、この時期になるとほとんど条件反射的に聴くこの曲を取り出した。


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ブラームスの第2交響曲。オトマール・スウィトナー(1922-2010)指揮ベルリン国立歌劇場管弦楽団(SKB)による演奏。1984年、お馴染みベルリン・キリスト教会で録られた。手持ちの盤は数年前からキングレコードの廉価盤シリーズで出ているもの。同コンビによるブラームス交響曲全曲がCD3枚でリリースされている。(しばらく前にこのコンビの第3番を記事にした

構想から二十年を経て1876年に最初の交響曲を完成させたブラームスだが、この第2番はその翌年、避暑地ペルチャッハ(写真)に滞在中に取り掛かり、わずか三ヶ月で完成させた。対照的ともいえる早書きだが、作曲期間ばかりでなく、曲そのものも第1番とは趣きを異にする。第1番がベートーヴェン的な<闘争から勝利へ>とでも言えるような構成と曲想であるのに対し、この第2番は初夏の自然を目の当たりにしたブラームスが、その光景と心情を素直にそのまま音にしたかのように、穏やかな明るさに満ちている。

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スウィトナー&SKBによるブラームスはドイツシャルプラッテンによる最後期のアナログ録音。同じコンビながら、同時期のベートーヴェンやシューベルトなど、日本コロンビアによる一連のPCM(デジタル)録音とは録音ポリシーが異なるようで興味深い。豊かなホールトーンと、どっしりとしたピラミッドバランスの音作りでは共通しているものの、日本コロンビア録音は響きが明るく、中高音に幾ばくかのきらめきがあって、よりハイファイ調といえる。一方、この盤にドイツシャルプラッテン録音は、細部にこだわらず、マスの響きが重視されている。単純にアナログ録音だからというわけでもないだろう。

そんな録音条件もあって、この演奏は渋く、そして美しい。曲想の明るさを控え目に表現するかのように、すべてが穏やかで、第1楽章から第3楽章まで、突出するような音響はほとんどない。音楽は終楽章になってみわかに活気を帯び、コーダでは一気に突き抜けるかのように燃焼する。硬派なベーム、緻密なヴァント、流麗なカラヤン。そんな幾多の名盤に混じって、このスウィトナー盤も初夏の夜にやや絞り気味のボリュームでしみじみ聴くのに相応しい演奏だ。


アナログ盤の音源。第1・2楽章


ティーレマン&シュターツカペレ・ドレスデンによる全曲。美しいゼンパーオパー。



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Author:マエストロ・与太
音楽とクラシックギターに目覚めて幾年月。道楽人生成れの果てのお粗末。

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