ベルリオーズ <ハンガリー行進曲>



早いもので六月最終週。相変わらずの梅雨空。先週末からちょっとややこしい案件対応に追われ、あれこれ思案もタイムリミット。エイヤッと一気に片付けて帰宅と相成った。 帰宅後、ヤレヤレとひと息ついてリラックス。先週の<はげ山の一夜>がきっかけで、このところちょっと派手目のオーケストラピースが気になり、こんな盤を取り出した。


R0013808 (560x560)


お馴染みベルリオーズの<ハンガリー行進曲>。手持ちの盤からCD三点を取り出し聴き比べ(この曲に関するうんちくあれこれはネットにたくさん書かれているのでそちらを参照のほどを)。
まずはサバリッシュ先生(1923-2013)。1987年に手兵バイエルン国立歌劇場管と録音してCD2枚でリリースされた管弦楽名曲集の中のもの。いかにもサバリッシュというべきか、終始インテンポをキープ。各パートともバランスを崩さず、教科書的模範演奏という感じだ。言い換えれば、この曲に多くのリスナーが求める即興的な味わいは乏しく、いささか精彩を欠く。欠点のない演奏だが、この曲を四角四面にやっても、はいそうですか…で終わってしまうお手本かな。

続いてジョージ・セル(1897-1970)&クリーヴランド管1970年来日のライヴ盤。1970年5月22日東京文化会館での演奏。シベリウス交響曲第2番のあとアンコールとして演奏されたもの。おそらくシベリウスで最高潮に達した会場の熱気を受け、その勢いのまま演奏されたのだろう、冒頭から速めのテンポで進む。録音条件もあるだろうが、ややデッドながら響きは透明を極め、低域までよくとらえられているが、決して肥大化せず、このコンビらしい筋肉質とでもいうべき音響バランス。鉄壁のアンサンブルをキープしたまま終盤一気にテンポを上げ、そのまま大団円となるあたりは鳥肌物の名演だ。

最後はポール・パレー(1886-1979)&デトロイト交響楽団による盤。<幻想>とこの曲の他、<海賊><ローマの謝肉祭><トロイアの人々>が収録されている。1958、59年録音。録音の良さで知られたマーキュリー・リヴィングプレゼンスシリーズの1枚。冒頭から輝かしい音色と広々とした音場感に圧倒される。やや強調感があるとも言えるが、少なくてもこの手の曲には相応しい音作り。フランス系指揮者ながらドイツ物も得意にしたパレーらしくやや遅めのテンポとどっしりとした低重心の響き。ジワジワと緊張感を高めつつ終盤へ。一旦テンポを上げておきながら、最後の最後で一気にテンポを落とすギミックが飛び出し、これまた大興奮のエンディングとなる。


セルの1970年来日ライヴ盤の音源。グランカッサの裏打ちは2分42秒から。出来のよいオーディオシステムなら、小音量ながら部屋の空気を揺るがす響きが楽しめる。3分15秒辺りから一気にアチェルランド、3分35秒辺りからさらにテンポアップ。音楽が最高潮に達したところで3分52秒から大きくリタルランド。そして4分02秒でテンポを戻して駆け抜ける。


小澤&ボストン響の1978年来日時の演奏。当時FMで聴いていた。最後のインタビューの声も記憶にある。アナウンスは当時のNHK中江陽三アナかな。


この曲では見せ場が多いロトンボーン以下ローブラスの練習。これを聴くと、セルのテンポで演奏するのがいかに難しいかよく分かる。



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音楽とクラシックギターに目覚めて幾年月。道楽人生成れの果てのお粗末。

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