2016年回顧 <覗機関編>


年末恒例本年回顧。ブログタイトルをなぞって<音曲編><六弦編>に続き、きょうは<覗機関=のぞきからくり編>。覗くためのからくり…まあ、オーディオって感じですかね。


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…と記事タイトルを立てたものの、今年はオーディオ関連の出入りは一切なし。2015年にスピーカーをアヴァロンに入れ替えてからは不動のセットアップが継続中だ。

 アンプ:ラックスマン L-570
 CDプレイヤー:ラックスマン D-500
 SACD/CDプレイヤー:デノン DCD-1500SE
 アナログプレイヤー:CEC ST930
 カートリッジ:オルトフォン SPU-G
 スピーカ:アヴァロン ECLIPSE
 ヘッドフォン:ゼンハイザーHD800ソニーCD-900ST
 イヤフォン:シュアSE535
 ヘッドフォンアンプ:フォステクス HP-A7

そもそも最近はまともにスピーカーを鳴らす機会が減った。与太ブログを書いたりネットを覗いたりしながら、PC付属のドライブにCDを入れてそのままヘッドフォンリスニングということが多い。オーディオ的には及第点に届かない構成だが、うるさいことを言わなければ深夜のチョイ聴きにはオッケーのレベルだ。アヴァロンと対峙して聴くときには、もちろん音楽を楽しむことに違いはないが、アヴァロンが提示する音場感に浸るのが主目的になってきた。オーケストラはもちろんミニチュアサイズだが、左右の広がり、前後方向の奥行きなど、実際のステージをイメージして聴く。ピアノやチェロ、ギターなどの器楽曲は、少し音量を上げれば、実際の楽器を目前にする感じにかなり近く、リアリティ満点だ。

スピーカーの解像度や音場感が向上すると、音盤に刻まれた情報にはまだ奥があるのではないかと<欲>が出てくる。そんな欲がゆえに、オーディオの泥沼にずぶずぶと沈みこむ輩も多いわけだが、その気持ちも理解できる。理解は出来るが、それを具体化するためには相当は財政出動が必要。そこで逡巡、停滞、撤退、突進…と分かれることになる。この1年、アヴァロンを生かすためには、やはりアンプとプレイヤーの入れ替えが必要かと思いつつも、アンプで音なんて変わらんよ…という気持ちもあって迷っている。具体的にはアキュフェーズのプリメインかセパレートが候補なのだが、どうしたものかと思案しながら1年が過ぎた。いじいじ迷っているのも精神衛生上よくないのは明らかで、来年は一気に突進しようかと考えているが、どうなるか。


☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆

さて、今年もいよいよ押し詰まり、残すところわずか。代わり映えのしない本ブログの与太記事にお付き合いいただき、まことにありがとうございました。年内更新はこれにて終了。年明けには装いも新た…にはならず、またマンネリMAXでスタートの予定です。引き続き、アクセス、コメント、バナークリック、拍手等、よろしくお願いいたします。最後にこれも年の瀬恒例の長講一席。冬の噺<二番煎じ>を貼って本年最後の記事といたします。 それではみなさま、よいお年を!


2001年に急逝した志ん朝は若い頃ドイツ語を学び、大のクラシック音楽ファンでもあった。



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2016年回顧 <六弦編>


本年回顧<音曲編>に続き、きょうは<六弦編>。マイ・ギターライフを振り返る。
クラシックギターを始めたのは1970年高校一年のときだから、足掛け四十年余ということになる。といっても長いブランクもあり、本格再開したのは50歳になってからのこと。再開後は遅れてきた道楽バブルよろしく、楽器調達に他流試合にと楽しく過ごしてきた。幸い、若い頃に比べて指が動かなくなったという感じはない。当時弾けたものは今も弾ける、弾けなかったものは今も弾けない。しかし還暦オーヴァーとなった今、それもいつまで続くか。短時間でも毎日楽器に触れるようにしたいと思うが、中々それもできずいる。


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◇チョイと宅録◇
今年は何度か宅録を実施。初見+アルファで何とかなる小品やエチュードを弾いてみた。あちこちで見聞きした受け売りのブログ記事など書いているよりは、下手でも演奏録音のアップの方がずっとオリジナリティーがあるだろう。録音して聴いてみると、自分が意識せずに弾き飛ばしているところ、意識しているが理にかなっていないところなど、よくわかる。楽器弾きは録音すべし。実はごく最近、数曲録音したのだが、うっかりミスでデータを消去!近いうちに気を取り直して再録音予定。

カルカッシ:作品60(25のエチュード)より
第1番
第2番
第3番
第10番
第12番
第13番
第14番

佐藤弘和:48の小品集より
<思い出 Remembrance>
<聖ヴァレンタイン・ワルツ St.Valentine Waltz>
<メランコリー Melancholy>
<家路 Homeward>
<子守唄 Lullaby>
<パストラーレPastorale>
<前奏曲 Prelude>
<悲しいワルツ Sad Waltz>
<夏の朝 Summer Morning>


◇アンサンブル◇
2011年からmixiの集まりに時々出向いて下手なソロや旧友Y氏のギターとのデュオを楽しんできたが、このところmixiはご無沙汰。一方で以前から、ヴァイオリンやチェロ、フルートとのクラシカルなアンサンブルをやりたいという気持ちがあったのだが、運よく三年ほど前に、チェロ弾き、フルート吹きのハイアマチュア2名と知り合い、ときどき合わせる機会を持つに至った。残念ながら今年はぼくの個人的な事情で全員集合はなかったが、来年は三月末に、チェロ相方が予定している本番のヴィヴァルディ:チェロソナタ第1番変ロ長調に通奏低音で参加予定。久々のアンサンブルが楽しみだ。

以下は昨年までのアンサンブル演奏音源。
-チェロとのデュオ-
メンデルスゾーン<無言歌>作品109(抜粋)
エルガー<夜の歌>(抜粋)
ジャズ・ボッサの定番<ブルー・ボッサ>(抜粋)
-フルート、チェロとのトリオ-
ピアソラ<チキリンデバチン>
ピエール・ジャン・ポッロ(仏1750–1831)の三重奏曲。モーツァルトのヴァイオリンソナタK.304を元曲にしたもの。
-フルートとのデュオ-
イベール<間奏曲>(抜粋)


…というわけで、今年の述懐<六弦編>のあれこれ。楽器探しの放浪も一旦終息し、長期安定の見込み(ホントに?)。アンサンブルに関しては相手に恵まれながら、ぼくの個人的事情でお誘いに応じられていない状況だが、アンサンブルはソロ演奏よりずっと楽しいもの、来年は何とか時間を作ってトリオやデュオで遊ぶ機会をもちたいと思っている。


以下の本ブログのギター関連記事リンク。
◇ギター工房訪問記◇
庄司清英(大阪)
野辺正二(浦和)
中山修(久留米)
堤謙光(浦和)
廣瀬達彦/一柳一雄・邦彦(名古屋)
松村雅亘(大阪)
西野春平(所沢)
田邊雅啓(足利)
田邊工房2014年

◇本ブログのギター関連カテゴリー◇
カテゴリー<楽器談義>
カテゴリー<ギター全般>
カテゴリー<演奏録音>


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2016年回顧 <音曲編>


今年も残すところ数日となった。
マンネリMAX、与太記事続きの本ブログだが、例年通り、年の終わりのまとめとして本年述懐をしておこう。ブログタイトル<六弦音曲覗機関:ろくげんおんぎょくのぞきのからくり>の成り立ちより、本日はまず<音曲編>を。去年の述懐とほとんど変わらない状況に、我ながら進歩のなさと加齢を実感する。

さて、今年2016年は270本の記事を書き、その中でおそらく200枚程の音盤を取り上げた。10月にはブログ開始から6年が経過し7年目に入った。記事の総数はまもなく1500。記録していないので定かでないが、この間、記事にした盤は1000枚を下ることはないだろう。昨年あたりからそうであが、音盤棚の目に付くところにある盤は大体取り上げたかもしれない。全在庫4000枚余の確認を記事にしていると一生続きそうになるが、そう意識して確認するつもりもないし、土台無理な話だ。もちろん新たな音盤購入は皆無といっていい状態だし、中古レコード店巡りはもうやるつもりはない。魅力的ながらCDのボックスセットに付き合うのもそろそろ止めにしようと考えている。…といった舌の根も乾かぬうちにナニではあるが、わずかながら新規調達もあった。


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まず大物はショルティのワグナー録音を集めた36枚組ボックスセット。ウィーンフィルとの指環が御目当てで、そのセットもあったが、この際だからと、ワグナーの主要作品を集めたセットにした。 『トリスタンとイゾルデ』、『タンホイザー』、『パルジファル』、『マイスタージンガー』、『さまよえるオランダ人』、『ローエングリン』そして『ニーベルンクの指環四部作』。さらにボーナスCDとして『トリスタンとイゾルデ』の全体リハーサル、ピアノ・リハーサルや、出演者のディスカッションも含むレアな音源と150ページほどのブックレットが付く。『さまよえるオランダ人』のみシカゴ響。他はウィーンフィル。いずれも英デッカ黄金期の高音質のセッション録音。これで9千円余はもってけ泥棒状態。かつてのLP時代を知るものには隔世の感ありだ。 ワグネリアンでもないのに<指環>だけでもこれで3セット目になる。バイロイトでのライヴを集めたセットと、ノイホルト指揮バーデン歌劇場でのライヴ録音。そして今回のショルティ盤。もちろん抜粋盤は他にもいくつかあって、「ちょっとワグナー気分」というときは抜粋盤のお世話になることが多い。しかし、ショルティ&VPOの指環はワグナー録音の金字塔としてやはり持っておきたいとの気持ちに抗し切れなかった。まとめて聴くほどのゆとりもないが、時折取り出して、その圧倒的な音響とオーケストラのプレゼンスに酔いしれている。

次はR・シュトラウスのセット二組。まずルドルフ・ケンペ指揮SKDによる管弦楽全集9枚組。これは十年ほど前に出たEMI盤緑色のボックスセット時代から手に入れたいと思いながら、何となくスルーしていたもの。EMIがワーナーに組み入れられたこともあって、今回ワーナーレーベルで新装発売となった。演奏・録音とも常に絶賛されるケンペ最大の遺産といえる録音だ。ついでにR・シュトラウスの室内楽集のセットも手に入れた。

ベルガンサがスペイン物を歌っているセットは、もちろん彼女の歌が主役だが、一部の曲で伴奏を付けている指揮者へスス・ロペス・コボスにも興味があったもの。

サイモン・ラトルとウィーンフィルによるベートーヴェン全集は、たまたま立ち寄ったTWRで投売りされていた。2000円のプライスタグにひかれて購入。元々EMIから出ていたものだが、こちらも2013年EMIの身売りに伴い、ジャケットにはEMIに代わってWARNER CLASSICSのロゴが入っている。折りしもラトルとベルリンフィルによるベートーヴェンの交響曲全集が数日前にリリースされたばかりというタイミング。それへの対抗もあるのか、破格の値付けだ。演奏は2002年の4月から5月にかけ、ウィーンフィルの本拠地ムジークフェラインでライヴ録音されたもの。ライヴとして短期間にまとめて録られたこと、またベーレンライター版が使われたことなどが話題になった盤で、例の石原俊著のオーディオ本でも、同著発売当時(2005年)のベートーヴェン演奏の一つの形として、またオーディオ的リファレンスとして取り上げられていたもので、ムジークフェラインの音響を生かした高音質でも評価されていた盤だ。値段はともなく、日頃古めの録音ばかり聴いていて、たまには時流にのるものいいかなあと思っていたこともあって手に入れた。手元にあるベートーヴェン交響曲全集は十種を超えるが、もっとも新しいのがジンマン&チューリッヒトーンハレ盤(1997-98年録音)、高関&群馬交響楽団盤(1995年録音)あたりで、21世紀の録音は今回が初めてになる。しかし買ってはみたものの、実のところあまり出番がない。ベートーヴェンを聴こうという段になると、ブロムシュテット&SKD盤やスウィトナー&SKB盤に手が伸びることが多い。でも、まあ2000円ならいいかと…

5月の福原彰美さんのピアノリサイタルとその直前にあったプライベートなお披露目会は、今年印象に残ったイヴェントの一つ。会場で入手した14歳のときのデビュー盤他はそのときのメモリアル。このブログでも記事にしようかと思ったのだが、録音状態が芳しくなく、彼女の魅力を伝えきれてないことから見合わせている。今の状況を伝える新録音がほしいところだ。


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…と、挙げてみると今年の音盤購入はごくわずかだった。おそらく来年はもっと少なくなるかもしれない。加齢も進み、新しいものを望まなくなった。そもそも在庫確認も出来ていないのに…。そんな中でダントツの勢いを示すのがヴィジュアル物の<孤独のグルメ>。テレビ録画が全部残っているSession5以外のDVDを一気に調達。拙宅ではトップのヘビーローテーションとなった。今年は新年と夏のスペシャル版があっただけで、新編の放映はなかったが、その渇きを癒すように、来年2017年の新年早々にまたもスペシャル編が放映されることになった。1月2日夜11時20分から<2017年お正月スペシャル> 乞うご期待!

もう二、三年前から考えていることだが、音盤在庫もいずれ整理しようと思っている。その「いずれ」のタイミングを推し量りつつ、当面差し迫った状況でないのをいいことに先延ばしをしているわけだが、還暦も過ぎたのを機にボチボチと…という意識にはなってきた。実は数年前に、音盤に押されて場所を失った書籍数百冊を処分した。処分する前には、後悔の念に襲われるのではないかとも思っていたが、実行してみればあっさりしたもので、どうということはなかった。レコードやCDもと思うのだが、こちらは高校時代に最初に買ったレコードからして、まだ1枚も処分していないという現実があって思案中だ。ぼくよりふた周りくらい若い世代で熱心な音盤マニアがいれば、みんな持っていって!とお願いし、20年後には手提げ鞄一つに道楽の品を収まる程度にして、跡を濁さずの状況を作りたいのだが、さて実行かなうか、かなわざるか。来年の今頃、また同じセリフをつぶやいているのかな…


ブログ記事に貼り付けるYOUTUBE音源散策では、いくつか興味深い音源に出会った。
バッハのカンタータも昨年来、聴き進めようと思いながら、ほとんど手付かずだった。この演奏も印象に残ったもの。80年代後半から試みられるようになった合唱団をおかず各声部1名による究極の小編成。ジェズアルド・コンソート・アムステルダムによるBWV80。躍動的で小編成ながらまったく不足感はない。



先に記したショルティ&VPOのセッション風景。<神々のたそがれ>ジークフリートの葬送行進曲。当初乗り気でなかったウィーンフィルがショルティの熱意により、次第にその気になっていったという逸話が分かるような指揮ぶりだ。



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訃報 佐藤弘和


ギタリストで作編曲家の佐藤弘和氏が昨日亡くなった。
1966年弘前市生まれの佐藤氏は一流のギター奏者であると同時に、多くのギター曲を残した。弘前大学教育学部で音楽を専攻され、クラシック音楽全般に精通。とかくギター音楽だけに偏重しがちなギター界にあっては貴重な存在だった。氏はそのプロフィールで、作曲のモットーとして「弾き易くわかり易くメロディックであること」といい、また「楽器としてのギターを弾くことだけに偏りがちな傾向を打破するために、普遍的な音楽の中でのギターというものを考えていきたい」との信条をお持ちだった。技巧的に無理のない、シンプルで音数の少ない小品でも、豊かなメロディーと気の効いたモダンな和声が施され、弾いていて気分のよくなる曲が多かった。


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ぼくは数年前にmixiを通じて知遇を得て、何度かメールのやり取りをした程度のお付き合いであったが、「与太さんの作った作曲家年表をレッスン室に貼りました」と返信を受けたことがあった。 かねて病気療養中で、一時期お元気になられたのだが…。
享年50歳。ご冥福をお祈りいたします。


ほころびだらけのつたない演奏ながら、以前弾いた佐藤作品から2曲。
佐藤弘和ギター作品集1<秋のソナチネ>から <素朴な歌 A Simple Song>


48のやさしい小品集から <思い出 Remembrance>



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ジャコー・ド・バンドリン作品集


12月半ばの週末土曜日。昼をはさんで野暮用外出。ほどなく戻って午睡に落ち、終日ダラダラと過ごす。朝は冷え込んだが昼頃から暖気流入し気温上昇。陽射しほどほどながら穏やかな日和となった。
昼間の惰眠が効いているのか、夜半になっても意識覚醒するも、楽器を取り出して練習するほどの甲斐性なく、安直に音盤チョイ聴き。きのうの記事に貼ったバンドリンおじさんを思い出し、こんな盤を取り出した。


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エヴァンドロ/メモーモリアス~回顧録~<ジャコー・ド・バンドリン作品集>と題された一枚。1992年、当時新星堂傘下のインディーズレーベル:オーマガトキからリリースされたもの。オーマガトキレーベルは80年代後半から90年代かけ、いわゆるワールドミュージックの広まりと呼応するように、それまで一部の好事家にしか知られていなかった様々な音楽とその演奏家を紹介するユニークな盤を数多くリリースしていた。この盤も、当地にもあった新星堂の店舗に並んでいるのを見つけて手に入れた。ブラジル音楽の代名詞ともいえるショーロ。そのタイトル通り、この盤ではジャコー・ド・バンドリンことジャコー・ビテンクール(1918-1969)が残したショーロから14曲が選ばれ、一世代若いバンドリンの名手エヴァンドロことジョゼヴァンドロ・ピリス・ジ・カルヴァーリョ(1932-)が演奏している。エヴァンドロ来日時の日本国内録音。バックは井上みつる(カヴァキーニョ)、田嶌道生(ギター)、栗山豊二(パーカッション)らが務めている。

ブラジル音楽に見識のないぼくなどが語るものは何もないのだが、曲はいずれも肩の凝らないポピュラリティーと懐かしくも切ない曲調にあふれる。バンドリン(ポルトガルスタイルのフラットマンドリン)の音色と、ギター(ヴィオーラ)、カヴァキーニョ(ポルトガルスタイルのウクレレ)、パーカッションというシンプルな典型的なショーロスタイルの響きも、方寸の部屋を満たすのにはちょうどいいサイズ感。こうしてときどき聴くと実に心温まる。


ジャコー・ド・バンドリン作・演奏<Vibrações>という曲。


同じ曲のやや現代風演奏。ブラジルの(特にショーロスタイルでは)ギターは7弦が主流。この動画で使われているギターは少し変わっていて、糸巻き中央部先端部にもペグがあり7弦仕様とわかる。


ジャコー・ド・バンドリン作・演奏<Noites cariocas>



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マレイ・ペライアのバッハ


週末土曜日。きのうの記事に書いた通り、きょうは明日の本番を前に、ギター仲間四人衆で最後の練習。う~ん、2週間前の合わせ練習のときに比べ、確実に改善があったところと、依然として克服できないところとが相半ばして、微妙な仕上がり状況。まあ、止まらずに何とか通して楽しみましょうと、ユルユルの合意で本日解散。あすはどんな具合かな…。 さて、北風吹く寒い一日を追え、アラジンストーブで暖をとりながら一服。こんな盤を取り出した。


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マレイ・ペライアの弾くバッハのパルティータ。ペライアは90年代に指の故障でしばらくブランクがあったがそれを克服。復帰以降の演奏は年齢的にも円熟期を迎えた彼の近年の様子を伝えるものとして評判になっている。特に一連のバッハ演奏は高く評価されている。手元には以前も記事にしたバッハのパルティータ第2・3・4番が入った盤と、きょう取り上げる第1・5・6番の盤がある。

相変わらず美しい音色だ。ややオンマイクでしっかり音の芯をとらえ、それに過度にならない美しい残響がのった録音も見事。今どき中々珍しい見開きのジャケットには録音会場の様子が写っているが、天井の高いオーディトリアムで、いかにもいい音が録れそうだ。 ペライアの解釈は全編奇をてらうところがなくニュートラルだ。そのため美しいピアノの響きとバッハが書いた音そのものに集中できる。もちろんバッハの曲をモダンピアノで弾くことの是非はあるだろうが、ぼく自身は是として受入れる方なので、ペライアの演奏はモダンピアノの美しさを引き出している演奏として満点を付けたい。

第1番のプレリュードは当然第1番の最初の曲ではあるが、全6曲のプレリュードであるかのように静かに、そして丁寧に奏される。アルマンドやクーラントのテンポ設定も流れは十分感じるものの決して急がずに曲を運ぶ。サラバンドも自然なテンポ設定で、歌い方もシフほどではなく控え目だ。 第5番はト長調という明るい調性を意識してか、第1曲のプレリュードでも粒のよく揃ったスケール音形を明快かつ溌剌と繰り出す。そして続く第2曲アルマンドは一転してレガートに引き分け、その対比が見事だ。各声部を丁寧に弾き分ける第6曲パスピエと続くジーグではモダンピアノのダイナミズムを生かしていきいきと聴かせる。 ホ短調の第6番はプレリュードからときに陰りのある表情も感じながら、全6曲を締めくくるにふさわしくキリリと引き締まり、聴いているこちらも居住まいを正してしまうほどだ。

こうしてペライアのバッハを聴いていると、彼はいい歳の重ね方をし、実りある円熟期を迎えているように感じる。モダンピアノによる新たなバッハ・スタンダードとの評価もうなづける。


YouTubeに2003年アムステルダムのコンセルトヘボウでのライブ音源(動画はなし)があったの、第6番の第1曲トッカータを貼っておこう。順次他の曲も再生される設定になっているようだ。録音のためか音がやや硬質に響き、CDで聴く彼の音とはかなり雰囲気が違う。



こちらは録音セッションの合間にバッハ演奏について語っている。



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最近弾いたギター 2016年初冬


師走12月。業務ほどほどにひっ迫。溜め息をつくほど忙しく、うんざり…という状況ではなく、マア、こんなもんかなと合点しつつ本日も終了。きのうの寒さがいくらかゆるんだ中、8時少し前に帰宅した。
実は先週と今週、久々にギター試奏で都内楽器店へ。行き先は某恵比寿方面。たまたま仕事のついでに近くまで行ったので…(もちろん、どちらがついでかあやしいのだが)。2回とも平日の夕方5時過ぎに店に伺い、閉店前の1時間ほど、アレコレ気になった楽器を弾かせてもらった。以下はそのインプレッション。印象の良かったものだけを記しておくことにする。


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◆中野潤 2006年作 ハウザー1937年レプリカ
松本在住の製作家中野潤氏による作品。セゴビアが壮年期に愛用したハウザー1世作の楽器を忠実にフルコピーしたもの。表板は松、横裏は中南米ローズ。ネックとヘッドはVジョイント。中野氏についてはあらためて記すこともないだろうが、21世紀になった頃から評判になり、伝統的手法で細部にまでこだわったギター作りで人気の製作家だ。特に華やかな装飾やトルナボスを再現したトーレスレプリカが有名だが、このハウザーモデルも派手な装飾こそないが、細部にまで神経の行き届いた作りが実感できる。手元にあるオルディゲスのハウザー1世モデルと比べると、ずっと音に締まりと緊張感がある。高音ははっきりと突き抜けるように鳴り、低音はF#あたりのウルフを中心にたっぷりと鳴るが、芯のある音で、総じてすべての表現が明確になる印象。音量は十分。ハウザーらしいややコンパクトなボディーと形のいいネック裏形状で、弾き易い。

◆ペドロ・(コントレラス)・バルブエナ 2006年
60年代ラミレス工房ではその作品にスタンプ<PC>を付していた名工バルブエナ。ラミレス工房を出てからは、アルカンヘルやアグアドの影響なども受けながら製作を続けていたが、惜しくも2007年に急逝した。現在は息子が跡を継ぎ、同じペドロ・バルブエナ名で製作を続けている。今回弾いた楽器は亡くなる前年2006年の作。表板:松、横裏:ハカランダ。いずれも良材が使われている。見た目は両肩がなだらかに下がった、いかにもマドリッド派風のビジュアル。音も見た目の印象そのままに、中高音の切れがよく、同時にも低音の量感も不足ない。製作から10年しか経っていないが、まるで半世紀くらい経過したような枯れた味わいの音で、好印象だった。

◆アントニオ・マリン 1994年
もはや長老のマリン父の作品。1994年作というから、マリンファミリーの知名度も今ほどではなかった時代のもの。表板:松、横裏:ハカランダ。弦長は標準的な650ミリだが、指板幅がほんのわずか広いことと、ネックの仕上げが扁平であることから、手にした第一印象がやや大型の楽器に感じた。音は最近のマリン作品のような華やかさはなく、ゆったりと落ち着いた音、くつろいだ音で鳴る。といっても、音の出がにぶいわけではなく、右手への反応も軽く、レスポンスも早い。20年の年月を経ているためか、上記のバルブエナ以上に枯れた色合いの音。日頃ハウザー系の楽器を好むぼくにとっては、ゆったりと緊張を解きほぐすような鳴り方は中々魅力的だった。

◆松井邦義 2016年 バルベロ1世モデル
町田市在住のベテラン:松井氏バリバリの新作。表板:松、横裏はハカランダ。このハカランダが実に見事。以前使っていた中出敏彦氏の最上位モデルを思い出した。さらに糸巻きにはアレッシと、力が入っている。音はいかにも出来たてホヤホヤで、高音も低音もカリカリっとした鋭敏な反応。特に高音の鳴り方は鋭く明瞭。低音はまだまったく緩みのない音だが、少し弾き込んで楽器全体がほぐれてくると、とてもいいバランスになるのではないかと予感させる。


もちろん他にも魅力的な楽器もあったが、ぼく自身の嗜好もあって、ひとまず上記4本のインプレッションに留めておく。近年はハウザー1世、ロマニリョス系の音が好みで、いわゆる近代スパニッシュの王道のもいうべきマドリッド派の楽器にはあまり感心がなかった。しかし、今回のバルブエナや以前も何度か出くわしたアルカンヘル、アグアドなどを弾いてみると、アルカンヘルのような透明感あふれる高音と、アグアドのようの近代的でありながらヴィンテージ風の味わいもほどほどに感じるような楽器にも、やはり独自の魅力を感じて心惹かれる。…とはってもいずれも状態のよいものとなると高級車相当の対価。話だけならいいが、その先には中々進まない。


今回弾いた楽器とは関係はないが、名器で奏でる和み系三題。例のGSIのYOUTUBEチャンネルから。

状態のいいフレタも弾いてみたい。クリコヴァの演奏。


同チャンネルにある名手:テイコルツの演奏。ミゲル・ロドリゲス1970年作


アンドリュー・ヨーク、トーレスを奏でる。



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音楽とクラシックギターに目覚めて幾年月。道楽人生成れの果てのお粗末。

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