ブレンデル ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番ハ短調


本ブログもいよいよ飽きられつつあるのか、年明けからクラシック音楽鑑賞カテゴリー内での順位も2位に下がり低調だ。順位は記事下方にあるバナーのクリック数で決まる仕組みのようだが、トータルアクセス数がほぼ一定にも関わらず、このところバナーのカウントが少ない。もっともブログへのアクセス数もあまり信用できない数字で、このブログサービスを受けているFC2というサイト内での順位も、このブログよりも明らかにアクセス数が多いサイトが低順位のこともあって、ランキングの仕組みがはっきりしない。まあ、そんなことに一喜一憂するのも大人げないと、承知しながら続ける愚かさや如何に…(^^;


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ところできょう1月5日は<ピアニストの特異日>だ。ミケランジェリ、ブレンデル、ポリーニの三人とも、きょうが誕生日とのこと。それではと選んだのはブレンデルの弾くベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番ハ短調。ベートーヴェンボックスセットの1枚。協奏曲全曲とピアノソナタ全曲をCD11枚に収められている。協奏曲はレヴァイン指揮シカゴ響との1983年ライヴ録音。ピアノソナタは1970~77年のセッション録音。

数年前に引退を宣言したアルフレッド・ブレンデル(1931-)は中庸をいくピアニストというイメージで、際立った個性やエキセントリックな表現からは遠いというのが大方の評価だ。ぼくはピアニストの評価を出来るほどピアノ音楽を聴いていないので、おおむね賛成する以上の感想はないのだが、このライヴ盤に聴くブレンデルは中々積極的に攻めている。録音当時52歳壮年期のブレンデルが、レヴァイン指揮するシカゴ響のやや剛直で力に富んだオケに対向するかのように果敢なアプローチをみせる。その結果、この曲の持つ悲劇性がやや強調される感じになる。ぼく自身の好みでいけば、もう少しオケ・ピアノ共にしなやかさと抒情性がほしい。ブレンデルはアナログ期の70年代にハイティンク&ロンドンフィルとやはり全集を作っている。未聴ながらこちらの方がぼくの嗜好には合うかもしれない。さらに最初の全集、60年代のVOX盤もある。また2000年を前にラトル&VPOと4度目の再録音もしているが、こちらの評価はどうやら割れるようだ。指揮者でも独奏者でも同じ曲の再録音を重ねることはしばしばあるが、ある老舗クラシックレコード専門店亭主の意見では「多くの場合、最初の録音がいい」という。最初がいいか、最後がいいか、真ん中がいいか…もちろん決まった法則があるわけではないが、演奏家の人生で「時を得た」演奏というものはあるのだろう。このレヴァインとの演奏を聴くと、どうしても他の盤を聴いてブレンデルの真価を確認したくなる。


この盤の音源。レヴァイン&シカゴ響とのライヴ。



アバド&ルツェルン祝祭管と全楽章。2005年。残念ながら音質に難あり。アップロード時のものかどうか不明だが、ざらつき多く聴きづらい。


第2番・第3番のラトルとの打合せ風景他。



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チョイと宅録 2017年弾き初め <その2>


きのうの2017年弾き初め<その1>の続きで、きょうは<その2>。


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佐藤弘和氏の<48のやさしい小品集>。昨年4月現代ギター社から発売。1997年4月から1998年3月までの一年間に渡って月刊現代ギターに連載されていた小品をまとめたもの。佐藤弘和氏は1966年弘前市生まれ。弘前大学教育学部音楽科を卒業後、ギタリストとして、またギター曲を中心にした作曲家として活躍していたが、残念なことに昨年暮れに亡くなった

この曲集に関して佐藤氏いわく、ピアノによくある「子供のための小品集」のようなものがギターにもあったらとも思いで作曲したとのこと。おおむね初級から中級向けの小品が並ぶ。中上級者ならほとんど初見で通せるだろう。いずれも1分に満たないほどの長さ。コンセプトは「やさしく弾ける」「分かりやすく、親しみやすい」だそうで、その意図は十分に反映されている。

クラシックギターの初級者向け小品というと、カルリやカルカッシなどの小さなエチュードが上げられる。確かに音数は少なく、古典的でシンプルな和声で出来上がってはいるが、弾いていて楽しいかといわれると、残念ながらノーだろう。最大の理由は和声があまりにシンプルすぎるからだ。もちろん19世紀初頭の古典和声以上のものを求めるわけではないが、ギターの場合、技術レベルを限定すると和声はどうしてもごくごくシンプルになり、面白さはない。その点この佐藤氏の曲集は、音数を極力少なくし、ローポジションを主体にしながらも、和声的には6,7,9といった和音が多用され、近代的あるいは現代ポップス風の響きが使われている。いわゆる<オシャレ~!>な感じといえば分かりやすいだろうか。佐藤氏の他の作品に接したことのある輩なら「いつもの佐藤節!」とでも感じるだろう。クラシック音楽全般に精通している佐藤氏ゆえ、小品ながらも舞曲、行進曲、変拍子など様々な曲形式を含み、長調短調の按配も考えられている。音楽にノリやすい三拍子系の曲が多いのも特徴。大曲チャレンジもいいが、こんな曲集を初見で雰囲気よく、すなわち音楽様式を感じ取って、さらりと弾く技量とセンスも身に付けたいものだ。

さて能書きはこのくらいにして与太plays佐藤弘和。きょうは以下の3曲をアップした。いずれも短調の作品。きのうと同様、使用楽器はヤマハのつるしギターCG192。録音は安直レコーダーZOOM社Q2HD。レコーダー付属のソフトウェアでなんちゃってマスタリング。

 ・葬送行進曲
 ・北の歌
 ・夜警の騎士

<葬送行進曲> ハ短調の響きを味わう曲。ギターでは開放弦の使用が限られてくることから独自のくぐもった音色感になる。


<北の歌> ギターではあまり使われないヘ短調(フラット4つ)。北の国をイメージさせる陰鬱な表情。途中で突然ホ短調に転じる。意味深長な余韻を残す終止。


<夜警の騎士> ギターで多様されるホ短調。原曲フランスの遊び歌を佐藤氏がアレンジしたもの。肝心なところで押弦が決まっていない。喝!



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チョイと宅録 2017年弾き初め <その1>


穏やかに明けた当地の新年。近所のショッピングモールはきのう元旦の朝からたいそうな賑わい。歌舞音曲、外出をひかえという、かつての元日の慣わしはいずこへ。地方都市の活力低下顕著な現在、うるさいこと言わずにワイワイにぎやか大いに結構…ということかな。 さて、正月番組もコイツ以外はこれといって目当てもないので、元日の晩からギターを取り出し歌舞音曲の宴(^^。 といっても、ギターの小品をチョイと宅録という地味な企画であります。


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昨年末に亡くなったギタリストで作編曲家:佐藤弘和氏の<48のやさしい小品集>から、いくつかピックアップ。昨年数曲録音したものの続編という感じかな。取り上げたのは以下の6曲。

・アルボラーダ
・夕べの祈り
・楽しい休日
・葬送行進曲
・北の歌
・夜警の騎士

出し惜しみしてきょうは3曲を以下に貼っておく。例によって、練習を重ねたわけではなく、楽譜を広げて気ままに弾き散らかし、そのまま録音。楽譜の読み違い、弾き損じ、どうか大目に見てください。なお使用楽器は例のヤマハのつるしギターCG192。録音は安直レコーダーZOOM社Q2HD。レコーダー付属のソフトウェアでなんちゃってマスタリングを施してある。少しまともなオーディオセットで聴くと厚化粧の音だが、スマートフォンやPC付属のスピーカで聴くにはこのくらいでちょうどいいとのコメントもあったので。


<アルボラーダ> スペイン語で夜明けの意。佐藤氏曰く=タレガやトローバの明るい感じとは違った、ちょっと曇り空の何の変哲もない一日を迎える朝の歌。


<夕べの祈り> 佐藤氏曰く=一日の終わりに家族が穏やかに祈りを捧げる、そんな伝統(日常)的情景のイメージ(もちろん西洋の)。途中、完全に音価を間違えたり、最後で無視できない音のミスがあったり…でもテイクを重ねるほどのものでもないでの、そのままで失礼。


<楽しい休日> 第2ポジションから第9ポジションへ跳躍する、イ長調によくあるパターンだが、レコーダーのマイクを前に柄にもなく緊張MAX。しっかり音が出ていません。喝!



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プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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