リパッティのバッハ



プレミアムなんとかだそうだが、当方おかまいなくいつもの週末金曜日。それでもきょうで三月、そして今年度終了ということで、何となくひと区切り感ありの週末だ。きょうは朝から花曇り。さらに夕方からは雨も降り出した。夜半近くになるとまだ暖房がほしくなる。エアコンをスイッチオン。風速設定を最弱にして、さて音盤タイム。こんな盤を取り出した。


201703_lipatti.jpg  201703_lipatti_Bach.jpg


ディヌ・リパッティの2枚組。もう十数年前に出ていた<Great Pianists of the 20th Century>というシリーズの中のもの。2枚組の1枚は協奏曲で、カラヤンとのシューマン、ガリエラとのグリーク、共にオーケストラはフィルハーモニア管。もう1枚はバッハのパルティータ第1番の他、モーツァルトのイ短調のソナタKV310、ショパンの3番のソナタ、ブラームスのワルツなどが収められている。ぼくは熱心なリパッティファンではないのでよくは知らないのだが、リパッティの録音は多くないはず。現在CDで簡単に手に入るのはおそらく数枚ではないか。

バッハのパルティータ第1番を聴く。端整なバッハ演奏。ぼくの中にあるリパッティのイメージではもっと前世紀的なロマンティシズムを引きずっていると思っていたのだが、あらためてパルティータ1番を聴くと、その予見は見事に外れた。プレリュードは速からず遅からずの中庸のテンポ設定で、大きなルバートをかけることなく、トリッキーな仕掛けもなく、淡々と穏やかに進む。1950年の録音だから音の状態は決してよくはないが、彼の音楽作りの方向性はよく聴き取れる。アルマンドは粒立ちのいいスケールがよどみなく流れる。サラバンドももたれるところがなく、遅すぎないテンポであっさりと弾き切っている。もっぱらショパン弾きのイメージが強いリッパティだが、バッハからもそのリリシズムは十分伝わってくる。


この盤の音源。バッハ:パルティータ第1番BWV825


ギターによるパルティータ第1番。ストニコヴィッチというポーランドの若いギタリストによる演奏。この演奏は動画に付されたコメントによればマルティン・ディラに師事しているとのこと。この曲はいくつかのギター編曲版が出ているが、ストニコヴィッチは自身が編んだ版を使っているとのこと。 オリジナルと遜色ないと思えるほどさりげなく自然に聴こえる。巧い!



★★追伸★★
ブログランキングポイントは下降傾向。引き続き、下記のバナークリック<一日一打>のほど、お願いいたします。
■ にほんブログ村ランキングに参加中 ■
■↓↓↓バナークリックにご協力を↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
関連記事

レオナルド・レオ チェロ協奏曲イ長調



きのうきょうと比較的暖かな陽気だったが、あすはまた寒くなるとの予想。関東地方の桜は先週開花宣言したところもあるが、その後は足踏み状態だ。この調子だと見頃は来週後半あたりかもしれない。
さて、今週初めから難儀していた案件が本日ようやく峠を越して休心。二日ぶりにアンプの灯を入れ、こんな盤を取り出した。


DSCN5752 (560x560)


ヴィヴァルディ、レオナルド・レオ、ジョゼッペ・タルティーニといった、ナポリやベニスで活躍したイタリアンバロックの作曲家によるチェロ協奏曲を収めた盤。以前一度記事にしているので再掲しておこう。 手持ちの盤は英ターナバウトレーベルの1枚。トーマス・ブレースというチェリストのソロ、シュトゥットガルト・ソリスツのオケ。詳細なデータは記されていないが、リリースが1968年とジャケットに記されているので、録音はその前あたり60年代後半か。

ヴィヴァルディは数百曲の同じような(ワンパターンの)協奏曲を書いたと、ときに揶揄される。中にはその言葉通り、いつもながらの音形で、ああまたかと思わせる曲もある。一方で特に短調作品における憂愁を湛えた曲想にはさすがの曲もあって、一筋縄ではいかない作曲家だ。ここに収められているイ短調の協奏曲もいつものヴィヴァルディ音形が続くが、チェロの比較的低い音域を使っていて落ち着いた雰囲気、2楽章のカンタービレも美しく、単なる能天気なヴィヴァルディでない。ソナタや協奏曲など、チェロに取り分け注力した作曲家だけのことはある。レオナルド・レオはバロックにあまり馴染みのないぼくなどはほとんど聴いたことのない作曲家だが、この盤に収められているイ長調の曲はゆっくり・速い・ゆっくり・速いの4楽章形式を持つ充実した曲。全楽章とものびやかで、チェロのよく響く音域を使っているのか、実によく歌う。第3楽章は短調に転じ、憂いに満ちた旋律が続く。チェロの協奏曲としてはヴィヴァルディのそれより明らかに旋律的で、おそらくチェロ奏者にとっても弾きがいのある曲だろう。

トーマス・ブレースというチェリストについては寡聞にして不案内。ちょっとネットで調べてみるとこの盤のレーベル:ターナバウトにいくつかの録音があって、リュートのミヒャエル・シェーファーがハイドン作品として録音した四重奏の盤でチェロを弾いていた。コレギウムアウレウムの盤でもいくつか弾いているようだ。来日もしている様子。この盤の録音が60年代後半ということからして、現在では相応の年齢だと思うが、現役盤ではナクソスにいくつか録音があるようだ。


この盤に収められているレオのチェロ協奏曲イ長調


ビルスマによるレオのチェロ協奏曲全6曲。この盤のイ長調は第1番とされ56分45秒から始まる。


レオ作の別のチェロ協奏曲の第2楽章。やはりこの作曲家の旋律性にひかれる人がいるようだ。
憂いに満ちた表情の女性について、以下の提供者コメントがある。「The pictures are screen shots showing actress Valentina Yakunina, as Rachel, in Gleb Panfilov's film "Vassa" (1983).」
「どうしたんだ」
「いえ、何でもないわ」
「…ならいいが」
と、そんなやり取りを勝手に想像する。う~ん、一度くらい遭遇してみたいシーンだ。



★★追伸★★
ブログランキングポイントは下降傾向。引き続き、下記のバナークリック<一日一打>のほど、お願いいたします。
■ にほんブログ村ランキングに参加中 ■
■↓↓↓バナークリックにご協力を↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
関連記事

ショパン<序奏と華麗なるポロネーズ>作品3



ハ~イ!きょうも一日終わったヨ~ン!

IMG_2628.jpg


さて…何となくチェロ週間。今夜はこんな盤を取り出した。

201703_Gendron.jpg  201703_Gendron_Vc_Mastrepieces.jpg


モーリス・ジャンドロン(仏1920-1990)の弾くチェロ小品集。フルニエ、トルトゥリエ、ナヴァラ、ジャンドロンとフランスには名チェリストが多い。ジャンドロンは指揮者としても活躍し、晩年当地群馬交響楽団にも来演。ブラームス交響曲第4番の録音も残している。この盤は十年程前にに廉価盤で出た際に買い求めたのだが、すでに廃盤。収録曲は以下の通り。お馴染みの小品が並ぶ。1960年ジャンドロン40歳のときの録音。ピアノ伴奏はジャン・フランセ。

 1. セレナード 作品54の2 (ホッパー)
 2. オンブラ・マイ・フ (歌劇≪セルセ≫からラルゴ) (ヘンデル)
 3. 白鳥 (≪動物の謝肉祭≫から) (サン=サーンス)
 4. トロイメライ (≪子供の情景≫から) (シューマン)
 5. くまんばちの飛行 (リムスキー=コルサコフ)
 6. ロッシーニの主題による変奏曲 (パガニーニ)
 7. ギターレ 作品45の2 (モシュコフスキ)
 8. 愛の悲しみ (クライスラー)
 9. スペイン舞曲 第1番 (歌劇≪はかなき人生≫から) (ファリャ)
 10. コラール≪主イエス・キリストよ、われ汝に呼ばわる≫ (J.S.バッハ)
 11. 序奏と華麗なるポロネーズ ハ長調 作品3 (ショパン)
 12. 常動曲 (フィッツェンハーゲン)
 13. アンダルーサ (スペイン舞曲 第5番) (グラナドス)
 14. ユモレスク 作品101の7 (ドヴォルザーク)

チェロの小品集というのは、こうして夜更けに聴く音楽として最も相応しいものの一つだろう。手持ちの盤にも、カザルスに始まり、フルニエ、ヤニグロ、トルトゥリエ、シュタルケル、藤原真理、徳永兼一郎といったそれぞれに個性的な演奏があって、折にふれ楽しんでいる。中ではヤニグロの盤がもっとも聴く機会多く、このブログでもすでに何度か記事にした。ヤニグロの安定感と切れのある技巧、そして深い呼吸とフレージングの演奏を聴くと、どうしても他の演奏が性急かつ不安定に聴こえてしまう。ジャンドロンの演奏もそんな感じがあって、実のところあまり聴くことがなかった。こうしてあらためて聴いてみると、いかにもフランス系の感覚的な即興性やいきの良さ、ときにさりげない弾きっぷりに感心した。選曲もこうした特質を生かす明るく、よく流れる曲が選ばれている。モシュコフスキではヴァイオリンかと思わせるハイトーンのフレーズを鮮やかに奏で、クライスラーの愛の悲しみやバッハのもっとも美しいコラールの一つBWV639も控え目にさりげなく歌う。

そんな中、さきほどからショパンの<序奏と華麗なるポロネーズ>を繰り返し聴いている。ショパンの作品の大半はピアノ曲だが、数少ない(確か数曲ほどだったか)室内楽曲において、チェロのための重要なレパートリーを残している。この曲もチェロソナタト短調を並ぶそんな曲の中の一つだ。ジャンドロンは速めのテンポでサクサクと弾き進めていて、もってまわったようなところがない。同じこの曲をトルトゥリエが10分以上かけているところを、ジャンドロンは8分を切る。技巧の切れはいいが、それを見せ付けるようなところがなく、サラりと聴かせる感じがいかにもフランス的で洒脱だ。


ジャンドロンの弾くショパンの<序奏とポロネーズ>。


セル&クリーヴランドの黄金期を支えたリン・ハレル(1944-)による演奏。


この盤の主要な曲がまとめてアップされている。


Handel - Serse (Ombra mai fu)(arr.Gendron)
Popper - Sérénade 5:04
Dvorak - Humoresque 8:35
Chopin - Introduction et polonaise brillante 12:14
Schumann - Traumere 20:05
Rimsky-Korsakov - Flight of the Bumble-Bee 23:22
Saint Saens - Le Cygne 24:32
Moszkowski - Guitare (arr.Gendron) 27:42
Fitzenhagen - Moto Perpetuo (arr.Gendron) 30:50
Granados - Andaluza 33:48
Kreisler - Liebeslied 38:03
Messiaen - Quatour pour la fin du temps - Louange à l'étérnité de Jesu 41:12


★★追伸★★
ブログランキングポイントは下降傾向。引き続き、下記のバナークリック<一日一打>のほど、お願いいたします。
■ にほんブログ村ランキングに参加中 ■
■↓↓↓バナークリックにご協力を↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
関連記事

トルトゥリエ チェロリサイタル@東京1972年



今年度の業務は完了の運びとなり、4月以降の予定をボチボチ消化開始したのだが、いきなり伏兵出現。きょうは週明け月曜から少々遅くなった。8時を少し回って帰宅。ひと息ついてPCに向かっている。

201703_Yotaro.jpg


先日来の流れでチェロのトルトゥリエを聴いているのだが、今夜は数枚ある彼のLPから、この盤を取り出した。

201703_Tortelier_1972.jpg

ポール・トルトゥリエが1972年に来日した際に録音した盤。ピアノ伴奏:岩崎淑。
1972年といえばぼくが高校2年のとき。立川澄人と鳥飼久美子が司会をつとめていたNHKテレビ『世界の音楽』に、ちょうど来日していたトルトゥリエが出演してドヴォルザークのチェロ協奏曲の第3楽章を弾き振りしたのを覚えている。このレコードのライナーノーツはトルトゥリエの弟子;倉田澄子が書いているのだが、その記述によれば、この録音はリサイタルのすぐ翌日に世田谷区民会館で行われたとある。そのためかこの盤はリサイタル当日の熱気をそのまま聴く趣きがあって貴重な録音だ。収録曲は以下の通り。

<A面>
ヴァレンティーニ:チェロ・ソナタ第10番ホ長調 グラーベとアレグロ
ショパン:前奏曲第4番ホ短調
パガニーニ:ロッシーニの主題による変奏曲ニ短調
ドヴォルザーク:ロンド・ト短調
サン=サーンス:白鳥
パガニーニ:無窮動
<B面>
グラナドス:ゴエスカス間奏曲
サラサーテ:サパテアード
ラヴェル:ハバネラ形式の小品
トルトゥリエ:ビシュネット
マスネ:エレジー
フォーレ:夢のあとに
フォーレ:蝶々イ長調
ショパン:序奏と華麗なるポロネーズ・ハ長調

ヴァレンティーニのチェロ・ソナタに始まり、サン=サーンス、フォーレ、グラナドスなどのチェロでよく弾かれる曲、またパガニーニやラヴェル、ドヴォルザークの編曲物など多彩なプログラムが続いている。1972年といえば1914年生まれのトルトゥリエは58歳。まだまだ技巧的も万全の頃だった。実際この盤でもテクニカルなピースをいくつか弾いている。元々ヴァイオリンのために書かれたパガニーニの「ロッシーニの主題による変奏曲」と「常動曲」、またサラサーテの「サパティアード」でみせる技巧の切れは素晴らしいの一言だ。一方、フォーレ「夢のあとに」やグラナドス「ゴエスカス間奏曲」での歌ごころも文句なしにいい。録音もややオンマイクながらチェロの音をリアルにとらえていて、少し大きめの音量で聴くとあたかも目前にトルトゥリエがいるかのように聴こえる。この頃伴奏ピアノで名をはせた岩崎淑がまたいいセンスだ。ゴエスカス間奏曲の冒頭、単調なピアノ伴奏にのせてチェロがひとしきり歌ったあと、ピアノのフレーズが出てくるあたりの雰囲気や入り方は絶妙でゾクッとくる。A面を聴き終えたところで一服し、続いてB面を聴けば、一夜のリサイタル気分にひたれる。


この盤の音源でフォーレ<夢のあとに>


トルトゥリエの夫人もチェリストだった。家族で演奏した映像があったので貼っておこう。



★★追伸★★
ブログランキングポイントは下降傾向。引き続き、下記のバナークリック<一日一打>のほど、お願いいたします。
■ にほんブログ村ランキングに参加中 ■
■↓↓↓バナークリックにご協力を↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
関連記事

ボエルマン<交響的変奏曲>作品23



関東地方は終日冷たい雨。山梨や北関東の山間部は時ならぬ降雪に見舞われた。あすにかけて関東南岸を深い気圧の谷が通過するようで、関東平野部でも雪の予想だ。
三月最後の日曜日。格別の用事もなく終日在宅。一昨日注文した楽譜が届いたので、さっそくギターを取り出し初見大会。昨年末、若くして亡くなった佐藤弘和氏が闘病中に書き残した小品集が先日リリースされたので、さっそく注文していたもの。いずれも佐藤作品のエッセンスがこめられた小品で、昨年発売された<48の小品集>に通じるもの。機会をみて演奏録音を試みよう。 さて、あすから今年度最終週が始まるという晩。先日の<APAチェロの会>でのチェロ名曲の数々を思い起こしながら、こんな盤を取り出した。


201703_boellmann.jpg  DSCN5746 (560x560)


フランスのオルガニストにして作曲家であり夭折したレオン・ボエルマン(1862-1897)によるチェロと管弦楽のための<交響的変奏曲作品23>。先日来久々に聴き直しているトルトゥリエのボックスセット中の1枚。きのうの記事に書いたシューマンの協奏曲同様、トルトゥリエの息子ヤン・パスカル・トルトゥリエがロイヤルフィルハーモニーを振って伴奏を付けている。録音も同時期の1978年。日付からみても同じセッションで録られたようだ。取り出した#8のディスクには、ラロ、サン=サーンスの協奏曲、フォーレのエレジー、そしてボエルマンのこの曲が収録されている。

クラシック音楽全般を長年聴き親しんでいる輩でも、特定の楽器の世界に入り込むと、多くの見知らぬ名前に出会うことが多い。例えばクラシックギター弾きが当たり前のように口にする、カルカッシ、ソル、ジュリアーニ、カルリ、タレガといった名前も、他の楽器愛好家や一般のクラシック愛好家からみるとほとんど無名に近いだろう。チェロの世界でいえば、ロンベルク、デュポール、ドッツァウアー、ポッパーといった名前はチェロ弾きにはベートーヴェンやブラームスと同等以上に馴染み深い。そうした作曲家は教則本や練習曲といった教育的段階でよく使われる曲の作者であることが多いのだろうが、もちろん立派なソナタや協奏曲も書いている。ぼく自身もそうした作曲家に通じるべくもなく、先日の会のような、その楽器の愛好家が集まる機会で、同時にそうした作曲家による作品を知ることになる。ボエルマンもそんな作曲家の一人。たまたまぼくはこのディスクを持っていたので名前は知っていたが、先日の会でボエルマンのチェロソナタを聴いて、あらためのその名を思い出した。
交響的変奏曲は後期ロマン派の作風を持ち、三つの楽章から成る。第1楽章はモデラート・マエストーソの指定があって、劇的かつ濃厚な管弦楽に支えられながら、独奏チェロが主情的な旋律を歌う比較的短い導入部としての位置付け。第2楽章はアンダンテの指定になり、第1楽章の劇的な様相から転じて穏やかな歌が奏でられ、ヴァリエーションを繰り広げる。第3楽章はテンポが上がり、切迫するオケパートに追われるようにテクニカルなパッセージが続き、最後は第2楽章のテーマが大きく回帰されて大団円となる。


この曲<交響的変奏曲>の音源。


ボエルマンのチェロ作品としてもう一つの重要な作品。チェロソナタ作品40。この作品を広めたというアンドレ・ナヴァラによる演奏。サン=サーンスやフォーレの作品と並ぶ仏系チェロソナタとして、もっと演奏されてもよいと思われる美しい曲想だ。



★★追伸★★
ブログランキングポイントは下降傾向。引き続き、下記のバナークリック<一日一打>のほど、お願いいたします。
■ にほんブログ村ランキングに参加中 ■
■↓↓↓バナークリックにご協力を↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
関連記事

シューマン チェロ協奏曲イ短調



早いものできょうは三月最後の週末土曜日。ここ数日、関東では気温低めで、先日開花宣言した東京都内の桜はいったん足踏み状態の様子。北関東の内陸部では開花宣言もまだこれからだ。それでも、何日か暖かい日が続けばあっという間に春爛漫。いつもながら、この時期の陽気の劇的な変化には驚く。 さて、あすも日曜ということで夜更かしMAX。夜半過ぎになって、こんな盤を取り出した。


201703_schumann.jpg  201703_schumann_Vc_concerto.jpg


シューマンが唯一残したチェロ協奏曲。先日久々に聴いたトルトゥリエのボックスセットから#5を引っ張り出した。1978年の録音。トルトゥリエの息子ヤン・パスカル・トルトゥリエがロイヤルフィルハーモニーを振って伴奏を付けている。

シューマンはピアノ、ヴァイオリン、チェロのためにそれぞれ1曲ずつ協奏曲を残し、そのいずれもがロマン派の薫り高い名曲だ。チェロ協奏曲は全3楽章がアタッカで演奏される。第1楽章の出だしの4小節から一気にドイツロマン派の特徴とでもいうべき、たゆたうような息の長いメロディーにひきつけられる。しかもソロとオケが渾然一体となって曲を構成し、ソロ+伴奏という単純な構図に終わらない。第2楽章は短いながらも美しいアンダンテ。弦のピチカートにのってチェロがレシタティーボ調に歌う。ときに木管群との対話も交わしつつ第1楽章の主題を回顧する。第3楽章になって音楽は躍動的になって技巧的なパッセージが続き、この曲が屈指の難曲であることをうかがわせる。チェリストには腕の見せ所だ。トルトゥリエの演奏はいつもながら張りのある音色と活き活きとした歌いっぷり。決して技巧派というチェリストではなかったが、終楽章の難しいパッセージも歯切れのいいボウイングでピタリと合わせていてさすがのひと言だ。


ロストロポーヴィッチとバーンスタインの協演。70年代半ばにこのコンビはEMIにこの曲を録音しているが、その前後のものと思われる。


第1楽章。ベネディクト・クレックナーという若手。バックを小編成の弦楽オケにアレンジしている。この曲には相応しい編成に感じる。ソロもオケもよく歌っている。


第2楽章
第3楽章


★★追伸★★
ブログランキングポイントは下降傾向。引き続き、下記のバナークリック<一日一打>のほど、お願いいたします。
■ にほんブログ村ランキングに参加中 ■
■↓↓↓バナークリックにご協力を↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
関連記事

中出ギター在庫確認



少し前の話になるが、昨年末から今年始めにかけて、中出敏彦ギターの都内販売店在庫をほぼ全数確認してきた。前後して中出氏とも数年ぶりに電話で話をし、近況を伺った。日本におけるギター製作草分け中出阪蔵氏の次男中出敏彦氏は1932年生まれ。国内の製作家の中での最長老の一人だ。ちなみに兄の輝明氏は数年前80歳になったのを期に完全引退した。


201703_Nakade_Toshihiko.jpg


今回試奏したのは全部で4本。音はいずれも良好。30年ほど所有していた1983年製の同氏の楽器と比べるとずっと男性的でパワフル。以前に比べ低音もよく出るようになっている。かつては120号、160号、200号という価格設定をし、実際には大幅値引きという二重価格のような状態だったが、現在は正常化?して40号・50号(横裏板インドローズ)、60号・80号・100号(ハカランダ)というラインナップ。ただし100号はほぼ特注品としてヘッドの装飾等と入れたもので、実質的には80号が最上位モデル。また豊富な材料在庫もすでに<良材しか>残っていない様子で60号で十分良質な印象だ。高い値付けで売れないよりは、60号でたくさん売れる方を選択し、手持ちの材料を使い切ってより多くのギターを作り、世に出したいという意向のようだ。試奏した4本の印象は以下の通り。

(1) 60号 松・ハカランダ 650mm 都内某A店
横裏のハカランダ材はいかにも真性ハカランダという感じの漆黒の板目良材。サウンドホールから除くとセンター両脇にも裏打ちの板があることから、裏板は4ピース構成と思われる。セラック塗装の仕上げはほどほどの鏡面状態。音質良好。低音も力があり、高音も明るく鳴る。以前所有したいた同氏の楽器と比べると、ずっと男性的。弦の張りはやや強く感じる。

(2) 60号 松・ハカランダ 650mm 都内某B店
横裏のハカランダ材はやや明るい茶色ながら柾目の良材。こちらの裏板は2ピースのブックマッチ。表板、横裏板とも、セラック塗装はきれいな仕上がり。音は今回確認した中では一番良かった。低音もしっかり出ているし、高音も艶やかに伸びて良好。

(3) 60号 松・ハカランダ 650mm 都内某C店
(4) 60号 松・ハカランダ 640mm 都内某C店
2本とも横裏ハカランダは某A店同様の漆黒の板目真性ハカランダ材。セラック仕上げも某A店在庫品と同レベル。640mmの(4)はボディーもやや小ぶり。ネックもやや細め(50.5mm)で弾きやすい。音は明るく鳴り、手元の音量感は650mmよりある感じ。少し離れて聴くと(3)650mmの方がエネルギー大。音は某A店とほぼ同じ感じで良好。ただ、低音がやや弱い印象だったが、同日・同条件の比較でないので確かではない。

…と、ざっとこんな感じだ。調査時点からすでに2ヶ月ほど経過しているので、現時点での在庫状況は変化していると思われる。
敏彦氏というと、必ずエルナンデス・イ・アグアドのもとで学びと紹介されるが、同工房にいたのはごく短期間であってその工法をすべて学び、帰国後再現しているわけではない。実際、敏彦氏の作った楽器でアグアドと同じボディシェイプのものは見たことがないし、その音ももちろん違う。アグアドをトレースするなら他の楽器の方がいいとぼくは感じている。しかし、現代の若手製作家がうらやむような良材を使い、高い工作精度で堅実に作られた中出ギターの音が悪かろうはずはない。また幾多の改良を経て、70年代80年代の個体よりは2000年以降のものは確実に音がよく、特に低音が充実しているように感じる。

中出氏との電話やり取りでは、ギターを作っているときが一番体調がいい、休んでどこかへ出かける方が疲れる、あさ明るくなると起きて製作に取り掛かり、夕方暗くなる時間には終了とのこと。仕事の手も圧倒的に早く根っからの職人気質の敏彦氏。父親の阪蔵氏(1906-1993)が最晩年まで製作を続けていたこともあるし、敏彦氏は体型や風貌も父親によく似ていることから、まだまだ元気で製作を続けてくれることだろう。


父中出阪蔵氏についてはこちらを

かつてのNHK教育テレビ<ギターを弾こう>でのひとコマ。アントニオ古賀が講師をつとめた1983年当時の映像。敏彦氏の父中出阪蔵氏がゲスト出演した



★★追伸★★
ブログランキングポイントは下降傾向。引き続き、下記のバナークリック<一日一打>のほど、お願いいたします。
■ にほんブログ村ランキングに参加中 ■
■↓↓↓バナークリックにご協力を↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
関連記事
プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

カレンダー
02 | 2017/03 | 04
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
最新記事
最新コメント
カテゴリ
月別アーカイブ
リンク
QRコード
QR
閲覧御礼(2010.10.01より)