ソニー・ロリンズ <橋>
週末土曜日。休みを取ったきのうに続き野暮用外出。中距離ドライブで心地よい疲労感もあって、夕飯を済ませたあとソファでちょいとうたた寝。夜半過ぎにやおら目を覚まし、深夜の音盤タイム。久しぶりにこんな盤を取り出した。

ソニー・ロリンズ(1930-)の名盤<橋>。1962年NY録音。ソニー・ロリンズ(ts)、ジム・ホール(gr)、ボブ・クランショウ(b)、ベン・ライリー(ds)、H・T・ソーンダース(ds)/#5。手持ちの盤は80年代初頭にミッドプライスで再発された国内盤。90年代半ばに御茶ノ水の中古レコード店で手に入れた。50年代半ばまで活躍し、その後活動が不安定になり一線から姿を消していたソニー・ロリンズが復活を遂げた盤として有名な一枚だ。復活に際してロリンズは、ニューヨークのイースト川に架かっている吊り橋<ウィリアムズバーグ橋>の上で人知れず練習を重ねたという。収録された自作<橋>およびアルバム・タイトルは、このことによる。収録曲は以下の通り。
side1 ウィザウト・ア・ソング/ホエア・アー・ユー/ジョン・S
side2 橋/ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド/ユー・ドゥ・サムシング・トゥ・ミー
当時すでにコルトレーンやオーネット・コールマンなどの新しいジャズの潮流が注目されつつあった頃。このアルバムもオーソドクスなジャズイディオムを中心に据えながらも、そうした時代へのチャレンジも聴き取れる。ピアノではなくギターによるバッキングは総じて柔らかなトーンを生み出し、ソニー・ロリンズの太く滑らかに歌うサックスとよく合う。当時のステレオ録音によくあった左右完全分離の楽器配置で、ソニー・ロリンズのサックスはもっぱら右チャンネルから、リズムセクションは左チャンネルから聴こえてくる。ボブ・クランショウ奏するベースがたっぷりと響き、ピアノレスながらエネルギー感の不足はなく、全体のバランスや帯域感も良好だ。
タイトルチューンの<橋>はリズムが複雑に交錯する中、高速スケールが続き、難易度の高さをうかがわせるが、ソニー・ロリンズの吹きぶりは終始落ち着きと柔軟さを失わない。ビリー・ホリデイ作のバラード<ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド>では、まさに人の息づかいのようなトーンで、心の底のもやもやが静まってくる。このアルバム以降、現在も活躍するソニー・ロリンズの復活を記念するこのアルバム。当時30代になったばかりの彼のジャケットポートレートも聴こえてくる音楽同様に、どこか静けさと確信を感じさせる。
この盤の全曲。
<橋>。このアルバム発売当時のものだろうか。ソニー・ロリンズはアルバムジャケットと同じ柄の上着を着ている。
★★追伸★★
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