クナのワルキューレ第一幕



六月もきょうで終わり。梅雨はまだまだこれからが佳境だ。
この時期、夏が近付くと聴きたくなる音楽がいくつかある。ワグナーはその一つだ。


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久しぶりにワルキューレ第一幕を収めたクナッパーツブッシュとウィーンフィルのレコードを取り出した。1957年録音のこの盤については多くが語りつくされているので説明は不要だろう。クナッパーツブッシュ(1888-1965)がこの録音に続けて指輪の全曲録音に進むはずだったが、残念ながらかなわず。その任はショルティに引き継がれた由。 ぼくがワグナーを聴き始めたのは学生の頃からだが、恥ずかしながら理解も知識もその頃からまったく進展してない。近年になってワグナーのアルバムも価格破壊で手軽に手に入るようになったが、かつては中々大変なことだった。クナッパーツブッシュのワグナー録音も随分いろいろなものが発掘されて出ているようだが、寡聞にして不案内。この盤やミュンヘンフィルとの管弦楽曲集を聴く程度だ。

この盤は四日間に渡って上演される長大な<指輪>の中のわずか一幕。ワグネリアンでもなんでもないド素人のぼくなどがワグナーの盤について語るのはまったく恥ずかしい限りだが、中々聴きどころがあって楽しめる。嵐の情景を描く序奏から、クナッパーツブッシュの構えの大きな音楽があふれてくる。第三場に入ってからのジークリンデとジークムントとの愛の歌、終盤での管弦楽による盛り上がり、いずれもクナッパーツブッシュのスケール感豊かな指揮振りとそれをややオンマイクでとらえたリアルな録音もまた秀逸だ。 <指輪>全曲に関しては、昨年手に入れたショルティ&VPO盤バイロイトでのライヴ録音集やカールスルーエ歌劇場でのライヴなど、聴くべきが盤が山積状態なのだが、その取り崩しもろくろく着手していない。


この録音をベースに対訳を付したもの。


このレコードと同じ組み合わせによる演奏会形式のライヴ。



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ジャック・ルーシェ プレイ・バッハ



きょうも曇天梅雨空の一日。少し早めに退勤して散髪へ。マスターの鮮やかなハサミさばきに、ハラハラと床に落ちる我が髪もすっかり白いものが多くなった。今年もあすで半分終わり。我が人生は半分どころか四分の三は終わった。なんだかなあ、こんなはずじゃなかったのだが…。 おっ~と、いけない。人生と天下国家は語らない本道楽与太ブログ。今夜もいつも通りマンネリ音盤タイムとしよう。さて、今夜は久しぶりにこんな盤を取り出した。


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初代ジャック・ルーシェ・トリオの演奏するバッハ。60年代から70年代に一世を風びしたといっていい音楽だ。彼の出現以降、バッハや広くクラシックをジャズやポップスアレンジで演奏することが珍しいことではなくなった。ジャック・ルーシェ(1934-)はクラシックの名門;パリ音楽院の学生時代からナイト・クラブやキャバレーでアルバイトとしてピアノ弾き、それがきっかけでジャズピアニストとしてのキャリアが始まった。たまたまジャズアルバムの録音セッションの合間にバッハをジャズ風にアレンジして弾いていたところ、それがディレクターの目に止まり、一連のプレイ・バッハシリーズがスタートすることになったという。

この盤は60年代半ばの録音だが、いま聴いてもまったく古さを感じさせない。中でもイタリア協奏曲は抜群の出来だ。原曲の素晴らしさもさることながら、ルーシェのセンスの良さとテクニックが光る。主題や各主題は原曲に近い簡素な扱いで始め、徐々にスィング感を高めながらドライブしていく。ドラムやベースの後押しも加わって、バッハが今の時代に生きていたら、きっとこんな即興演奏をしたに違いないと思わせるセッションだ。


このレコード聴く60年代の演奏とは少々違うが、80年代後半の動画があったので貼っておく。ドラムとベースのメンバーが入れ替わった第二期のトリオ。


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アルゲリッチ&チョン・ミョン・フンのシューマン



ここ数日、梅雨らしい曇天が続く。気温はそれほど高くはないが、湿度高く、蒸し暑い。週末にかけてまた猛暑日の予報。体力消耗で体重減…という気配はまったくなく、今夜もしっかり食べて満腹御礼だ。お腹をさすりながらの音盤タイム。CD棚を眺めていたらこの盤と目が合ったので取り出した。


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アルゲリッチとチョン・ミョン・フン指揮フランス国立放送フィルハーモニーによるシューマンのピアノ協奏曲イ短調。2001年12月パリ・シャトレ劇場でのライヴ録音。同じライヴでのシューベルト未完成交響曲とカップリングされ、2008年にタワーレコードの企画物廉価盤として発売された。その時点で日本初発売。 シューマンのこの曲はロマン派ピアノ協奏曲の中では好きな曲の一つで、古くはリパッティとカラヤン&フィルハーモニア管から、70年代のリヒテルとマタチッチ&モンテカルロ歌劇場管、デ・ラローチャとコリン・デイヴィス&ロンドン響、同じアルゲリッチでロストロポーヴィチ&ワシントン・ナショナル交響楽団との盤などが(確かもう二つ三つ…)手元にある。

さてこのシューマン。アルゲリッチとチョン・ミョン・フンの組合せと聞けば何となくイメージできる印象があって、実際のこの演奏はそのイメージ通りといったらいいだろうか。アルゲリッチのピアノはちょうど彼女が還暦を迎えた時期だが、まったく年齢を感じさせないほど生気に満ち、鋭いタッチから生まれる音は彼女のイメージそのままに奔放に空間に解き放たれる。ロマン派の曲だからそうした自由さも違和感はないし、彼女が得意としていたこの曲では、全編鋭く切り込むフレージングとスリリングな展開に聴く側も思わずハッとして手に汗握る。

第1楽章は出だしのピアノとオケのトゥッティが緊張感のある音と付点のリズムで出たあと、オーボエが奏でる主題がテンポを一気に落として奏される。その音色とテンポチェンジが素晴らしい効果を上げている。以降もアルゲリッチの切れ込みよいピアノとそれに拮抗して対等に渡り合うオケ。程よい伴奏に終始しがちなオーケストラパートに、こんなフレーズがあったのかと何回もハッとするほどチョン・ミョン・フンの読みは深い。第2楽章でも終始オーケストラパートが雄弁で、特に例のチェロが繰り出すテーマなど、テンポを遅くとって息の長いフレージングで聴かせ、まるでマーラーの緩徐楽章かと思うほどのロマンティックな歌いぶりだ。第3楽章アレグロ・ヴィヴァーチェもピアノとオケの競い合いが素晴らしい。時折アルゲリッチが多分リハーサルでは確認していなかったような急激なアチェルランドをかけ、オケがそれに反応し切れずにヒヤッとする部分があったりする。躍動するリズム、終盤で奏される滑らかなスケールは僅かなタイミングの中に加速し緊張を高めていきながら、ピアノとオケが一体となって曲を盛り上げる。終演後の万雷の拍手も収録されていて、ライヴ盤を聴く醍醐味を堪能できる。もちろんアルゲリッチのピアノが主役だろうが、チョン・ミョン・フンの譜読みの深さとそれに応えるオーケストラの素晴らしさも賞賛に値する演奏だ。


この盤の音源。第3楽章。オリジナルCDはこの音源より高音質。1分30秒前アルゲリッチが突っ込み、一瞬ヒヤッと…。


シャイー&ライプツィッヒゲヴァントハウス管との第1楽章前半


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無印良品BGM集



喫茶店がカフェと呼ばれるようになったのはいつ頃からだろうか。スターバックスコーヒーが日本で人気になり始めた2000年頃からか。もともとはカフェの日本語訳が喫茶店だったのだろうから特に不思議はないのだが、喫茶店とカフェでは言葉から受けるイメージがかなり違う。喫茶店が昭和テイストなら、カフェは21世紀、平成のイメージだ。喫茶店からは薄暗い空間とタバコの煙り、素っ気無い白の器を連想するが、カフェは明るく清潔な空間と洗練されたカップ&ソーサーが浮かんでくる。今どき「サテン行く?」と言っても通じないかもしれない。 今夜はそんなことを思いながら、こんな盤を取り出した。


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無印良品のBGM集。このアルバムは無印の店舗用BGM用に収録され、実際に店で流していたところ評判がよくてCDとして一般発売にいたったようだ。写真のセットは、そのNo.2からNo.11までをコンパクトにパッケージングしたもので、近所のショッピングモール内に入っている無印の店で買い求めた。

パリ、シチリア、スコットランド、プエルトリコ、アンダルシア、スウェーデン、アルゼンチン、ハワイといった世界各地の現地ミュージシャン、それもほとんど無名といってよいメンバーの演奏が収められている。どちらかといえば、やや辺境の地のマイナーな演奏と言える。しかし現地のカフェやバーで日常的に奏でられているのはこんな演奏に違いない。中ではアルゼンチンのブエノスアイレスで収録されたタンゴ集No.10や、パリのメトロミュージシャンによるNo.2、明るいイタリアの空を連想するマンドリンの響きも軽やかなNo.9などがお薦めだ。ぼくはNo.10のタンゴ集をよく聴く。哀愁に満ちたバンドネオンやピアノの音を聴くと、かつて南米のパリと称されて繁栄を極めたブエノスアイレスの下町の様子が目に浮かんでくる。
ぼくはボックスセットを買ったが、ばら売りの中から好みのものを一つ二つと選んでコレクションしていく方が楽しいだろう。ばら売りのCDには収録地の様子を写したブックレットが入っていたはずだ。休日の午前中、とりあえずの用事を済ませ、こんなアルバムを聴きながら珈琲を淹れれば、自宅カフェの出来上がりだ。

…と書きながら言うのもナンだか、実のこころぼくは「おしゃれな」カフェより、昭和のにおいがしてくるような路地裏の喫茶店を好む。カフェだけでなく音楽も「おしゃれ~!」がつくと何だか「幸せ100%」という感じがして、少々居心地が悪い。おしゃれなカフェで素敵な彼女とデートするより、路地裏の名もない喫茶店でちょっと訳ありの女と幸せばかりでない話をする方がイマジネーションがわく。まあ、どちらもかなわない現実なので、どうでもいい話ではありますが…


17曲からなるプレイリスト。



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マズア&LGOの<イタリア>



きょう車中で聴いたNHKFMきらクラ。先週のイントロ当てクイズの正解はメンデルスゾーンの交響曲第4番<イタリア>の第1楽章冒頭。昨今マニアック度をさらに深めつつある同番組としては難易度<低>の出題だったかもしれない…なんてことを思い出しつつ、梅雨空のこの時期に聴きたくなる曲の一つでもあるなあと、こんな盤を取り出した。


マズア@19歳!
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クルト・マズア指揮ライプツィヒゲヴァントハウス管弦楽団(LGO)によるメンデルスゾーンの交響曲第4番イ長調<イタリア>。1971年の録音。手持ちの盤は70年代終盤に廉価盤LPで発売されたときのもの。第5番ニ短調<宗教改革>とのカップリング。このコンビは80年代後半にこの曲を含む全交響曲を再録し、さらに90年代になってからライヴでの映像作品も残している。

久々に針を降ろしたのだが、当時この盤を買って最初に聴いたときの印象がよみがえってきた。第1楽章の音が出てきたとき、そのテンポの遅さに驚いた記憶がある。おそらくその頃、FMエアチェックしたアバドあたりの演奏で聴き馴染んでいたからだろう。こうしてあらためて聴くと、そう驚くほどの遅さではないが、少なくても陽光降り注ぐ明るいイタリアのイメージからはやや遠い。そして19世紀半ばにはメンデルスゾーン自身が指揮者を務めたゆかりあるライプツィヒゲヴァントハウス管弦楽団の落ち着いた音色と、ドイツ風の曲の運びとが印象的な演奏だ。そうした特質は第2楽章や第3楽章でよく出ていて、第2楽章の歌謡風メロディーも過度にならずに歌い上げ、第3楽章も流麗なリズムにのる渋い音色が美しいし、トリオでのホルンのアンサンブルも落ち着いた音色だ。オイロディスク原盤の録音も聴き応え十分で、コントラバスの基音もしっかり入っているしノイズも少ない。70年前後のアナログ完成期の音だ。

マズアは1927年に生まれ2015年に亡くなった。この間、1970年から30年近くに渡ってゲヴァントハウスのシェフを務めた。公私共にいろいろスキャンダラスな話も伝え聞こえて来て、あまり積極的に注目する指揮者ではなかったが、この盤は落ち着いたドイツ風の伝統的なメンデルスゾーン演奏の一つの範としたい。


マズアとゲヴァントハウス管によるライヴ映像。1993年のものを思われる。マズア66歳。71年録音とテンポ感、全体の印象など大きく変わらない。会場は1981年に落成した現ゲヴァントハウス。


東京大学にいくつかあるオケの一つ、東京大学フォイヤーヴェルク管弦楽団による第4楽章。5分半を切る演奏時間はピリオドスタイルの演奏を含めても最速の部類だ。



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ナポレオン・コスト ギター作品集



週末土曜日。昼をはさんで野暮用外出し、3時前には帰宅。夕方ひとしきりギターの練習。久々にコストの練習曲をさらったこともあって思い出し、こんな盤を取り出した。


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ナクソスから出ているナポレオン・コスト(仏1805-1883)作品集の第1集。1997年録音。カナダのギタリスト:ジェフリー・マクファーデンが弾いている。ナクソスは当初からギター音楽に力を入れているが、このコスト作品集も確か第5集あたりまでリリースされている。第1集の収録曲は以下の通り。

ヨハン・シュトラウスの16のお気に入りのワルツ 作品7
  ワルツ 1-5
  ワルツ 6-10
  ワルツ 11-15
  ワルツ 16
ラメンルモールルチアによるディヴェルティスマン 作品9
大奇想曲 作品11
序奏を伴う演奏会用ロンド 作品12
スペインの歌<ラ・カチューチャ>による奇想曲 作品13

コストはぼくら世代にとってはまず作品38<25の練習曲>がもっとも親しみがある。昨今は多くの作品の復活演奏も進み、しかもオリジナル通りの多弦ギターでの演奏もよく見られるようだ。コストが過ごした19世紀中庸はロマン派全盛の時期。コストの作風も時代に見合ったロマンティックな様式感と和声感で、師でもあり友人でもあったフェルナンド・ソルの古典的様式感をよりロマン派寄りにシフトした感がある。当時の多くのギター曲作曲家と同様、奏者としても活躍し、しかもそれまでの6弦に低音弦を加えた7弦ギターを駆使して、多くの自作曲を演奏したものと思われる。

この盤に収録されている曲も、コストのロマンティックで自由な様式感による作風の典型で、いずれも楽しく美しい。ジェフリー・マクファーデンの演奏は、通常の6弦モダンギター(CDブックレットによればマヌエル・コントレラス作)による現代的な音色ながら、表現は中々ロマンティックで雰囲気よく聴かせてくれる。


心地よい19世紀ギターの響きがよくマッチする作品47<リゾンの泉>


ブリギッテ・ザチェック(彼女のHPはとても充実している。経歴、演奏音源、楽器のコレクション他見どころ豊富。)が弾く<アンダンテとポロネーズ>作品44。コストも愛用したラコート作の7弦で弾いているとのこと。



コストの楽譜アーカイブは以下のリンクから。この盤収録の上記の曲もすべて閲覧可能。
http://www.guitareclassiquedelcamp.com/partitions/napoleoncoste.html


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ゴットシャルク:ピアノと管弦楽のためのグラン・タランテラ



きょうも蒸し暑い一日。昼過ぎから霞ヶ関某庁にて小一時間の面談。アクセスの地下鉄は一段と暑く、汗だくだ。打ち合わせは予定通り終了。 帰宅後ひと息ついてクールダウン。きのうのタランテラ続きで、こんな盤を取り出してみた。


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19世紀アメリカの作曲家:ルイス・モロー・ゴットシャルク(1829-1869年)他の管弦楽作品を集めた一枚。アブラヴァネル指揮ユタ交響楽団の演奏。米ヴァンガード盤。録音データが記されていないが、このコンビの録音が集中した60年代中庸と思われる。収録曲は以下の通り。

 ゴットシャルク/交響曲<熱帯の夜>
 ゴットシャルク/<ピアノと管弦楽のためのグラン・タランテラ>
 モートン・グールド/<ラテン・アメリカ・シンフォニエッタ>

ゴットシャルクは幼少期からピアノの神童と言われ欧州にも名を馳せたようだが、作曲したいくつかの曲は、楽譜の多くが失われたこともあって、あまり演奏されることはない様子。そもそもこの時代ロマン派のアメリカの作曲家といってもまったく思いつかない。ゴットシャルクの名前こそ知ってはいたが、その音楽に触れたのはこの盤が初めてだ。

交響曲<熱帯の夜>は6/8拍子アンダンテと2/4拍子アレグロモデラートの二つの楽章からなる。キューバや南米での生活も長かったようで、19世紀中庸の様式にラテンアメリカの民族的要素が加わった、ロマンティックで分かりやすい作風だ。第1楽章アンダンテは冒頭から美しいメロディーが続き、それを受けてトランペットのソロが印象的に歌い…と中々聴かせるのだが、そのあとはやや持て余して展開の妙を欠く。第2楽章はラテン風のリズムにのってシンフォニックな展開を示し、中々楽しい。一方、併録されている<ピアノと管弦楽のためのグラン・タランテラ>は、ピアノのヴィルティオーゾだったゴットシャルクらしい闊達な曲。短いながらも目まぐるしく変わる曲想が面白い。熱帯物といういかラテン物というか、この手の曲は暑いときの処方箋としてまことに相応しい。


この盤の音源で<ピアノと管弦楽のためのグラン・タランテラ>


ゴットシャルク/交響曲<熱帯の夜>第1楽章


ゴットシャルク/交響曲<熱帯の夜>第2楽章



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プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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